うわごと日記

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立川志の輔独演会。

2009-05-16 02:55:00 | 日常
 
大学時代の同級生で、今はごまうさぎの女将のいずみが、今回もわたしの分も知り合いのおねえさまにチケットを頼んでくれて、一昨日14日木曜日、一緒に行って参りました。





ところでこの日の公演
ぬゎんと、一日三回公演ーっ!
「昼の部」「特別の部」「夜の部」の、一日三回公演ーっっ!!
後楽園のヒーローショーもしくは戦隊ファイナル・ライブ・ツアーか、一昔前のジャニコンかいっ!な、一日三回公演ーっっっ!!

わたしらが行ったのは、12時半からのお昼の部。
 

「    」←タイトル忘れた 立川志の輔
手水廻ちょうずまわし」 桂雀雀

(中休み)

「江戸の夢」 立川志の輔
 

タイトル忘れた最初のは、現代が舞台の落語、
とあるマンションの自治会長ん家で自治会の会合が行われる。
その日の議題は、マンションのエレベーターに防犯カメラをつける件。
防犯カメラのセールスさんも呼んで、パンフレットも持ってきてもらうのだが、
防犯カメラは二種類あって、
センターが24時間監視してくれるタイプのは、初期費用以外に月々30万円払わねばならず、
録画タイプのほうは初期費用だけで済むが、それがカメラ&録画システムで合わせて160万円。
うわー高いー、どうするどうする、で話が右往左往してるとこに、
近所のペットショップから猿が逃げたという情報に、さらに話があっち行き、こっち行きし、
てんでなんにも決まらずに自治会が終わってしまう話。

面白かったのよ。
すげー笑わせてもらったのよ。
でも。

わし 「聞いてる間じゅう、ずっと疑問やってんけど」

いずみ 「そやねん、わたしもやねん」

わし 「なんであの人ら、防犯カメラ代、ねぎらへんかったんやろ?」

いずみ 「なー。160万円やったら、気合いれたら100万円くらいになるやんなー」


お次がゲストの雀雀さん。
わたし、雀雀さん聞くのは初めて。
ラジオとかで雀雀さんと知らずに聞いたことあるのかもしれないけど、
雀雀さんとわかった上で聞くのは初めて。

枕は枝雀さんとこで内弟子してたときの思い出話。
上方四天王、米朝・春団治・文枝・松鶴、この4人が枝雀さんとこに電話してくんだけど、まず電話に出て枝雀さんに取り次ぐのは内弟子の雀雀さんの役目で、四天王+枝雀さんの大物連中に右往左往させられるネタ。
で、枝雀さんに四天王の口調とか声音を雀雀さんが真似るんだけど、
これがおかしい。
すげーおかしい。

わたし的に一番どきどきしたのは、いまみたいにはんなり落ち着かれる前の米朝さん、まだ壮年の頃の米朝さんの、イラチで癇症な感じがたまりませんでした。
松鶴さんも可愛かったなあ。

そんで噺の「お手水廻し」、
昔、水道がなかった頃、宿屋では朝、お客さんが顔を洗うお水を洗面器くらいの桶に入れて部屋まで届けていて、大阪近辺ではこれを「手水ちょうず」と呼んでいたらしい。

噺では、「だいたいの場所では」だったかな? いま調べたら「大阪では」になってることが多いのだが

「お手水」はトイレの上品な言い方としても使われる。けど、あれ、いつだったかなあ? 初釜かなんかでだったかなあ? ものすごくトラディッショナルな場所に行ったとき、「ああ、こんな場所だと、『お手洗い』でも下品かも…」と、トイレの場所訊くのに「すいません、お手水ちょうずどこですか?」と尋ねたら、通じなかったことがあるけど…

ともあれ、大阪の人間が地方に旅行して、泊まった宿で朝、「手水ちょうだい」と頼む。
ところが頼まれたほうは「手水」がなにかわからない。
客に尋ねればよいものを、「手水」も知らん田舎者と思われるのがイヤで、村の和尚に尋ねたりして、頭の長い男(長い頭→長頭→ちょうず…、ばんざーい、ばんざーい…)を呼んできて、客の前でそいつに頭をぐるぐる回させる。
もちろん客は怒って帰り、
宿屋の主人と使用人は、「長い頭と違たんかー。しかしまたこんなことがあったときのために、『手水』が何かを突き止めておかねば」と、それを確認するためだけに、わざわざ大阪まで旅行する。

朝、手水を頼んだら、部屋に運ばれてきたのは、水を張った桶と歯を磨く用の房楊枝と塩。
ところが宿屋の主人と使用人、顔を洗うための水と歯磨き用の房楊枝&塩であることに思い至らず…。

すんげー面白かった。
一番好きなのは、宿屋のご主人と使用人が、大阪の宿で「手水」頼んで、
それが運ばれてくるのをわくわくしながら待つところ。
「手水」が何か知ってるわたしらまで、なんかうきうきわくわくさせられたの。

 
中休みのあとは、再び志の輔さんで「江戸の夢」。

枕は、加賀の千代ネタ。
加賀の千代は江戸中期の俳人。
へー、名前は聞いたことあるーと思ったら。

「朝顔に 釣瓶とられて 貰い水」

の作者でしたー。
他にも、

「起きてみつ 寝てみつ蚊帳の 広さかな」
「蜻蛉釣り 今日は何処まで 行ったやら」


とかも、加賀千代作でしたー。
「蜻蛉釣り」なんかはアレンジして使いまくってるけど、

アレンジ例 : 「シンケンジャー 昨日は何を 買ったやら」

これが加賀千代作どころか、元が「蜻蛉釣り」だったことすら、知らなかったっすー。

「江戸の夢」は、古典だと思ったら、いま調べたら違いました。
歌舞伎狂言作家の宇野信夫(1904-1991)という人が書いた創作落語でした。
あ、ここに作者の談話がある。
へええ、元は歌舞伎として書いたもんを、圓生さんのために落語にアレンジしなおしたんだ。

山間の小さな村。
一人娘のハナが奉公人の藤七を婿にしたいと言い出したと、庄屋の奥さんがダンナの庄屋さんに騒ぎ立てるとこから話が始まる。

藤七は五年前、庄屋の番頭が大怪我をしているのを助けた男。
そのまま村にいついて庄屋さん家に奉公していた。

藤七は、見た目もよく、物腰にも品があり、骨惜しみせずよく働く。
奉公人としては非の打ち所がない。
しかし、この村にくるまでどこで何をしていたかわからぬ男である。
そんなどこの馬の骨とも知れぬのを一人娘の婿にするのはイヤーっと奥さんは大騒ぎするんだけど、結局、藤七とハナは祝言をあげることになる。

で、その祝言の祝いに呼ばれた村のもん同士の話で、そのへんの事情がわかるのである

その後、隣の村へ行った藤七が日が暮れてもなかなか帰らず、夜半にやっと帰ってきたら、「茶の木を探してて道に迷った」というエピソードが挟まるのだが。

庄屋さんと奥さんが、江戸に住む庄屋さんのお兄さんの還暦祝いに江戸に行くことになる。
藤七は、見つけて大事に育てた茶の木で作ったお茶をふたつ、ひとつは庄屋さんのお兄さんのお祝いに、もうひとつは浅草にある茶問屋に持っていって、そこの主人に見てもらってほしいという。

江戸で、庄屋さんとおかみさんが茶問屋へ行き、そこの主人に婿の藤七が作った茶だという話をすると、奥の茶室に通される。
主人は藤七のお茶で茶をたて、庄屋さんとおかみさんに振る舞いながら、自分にはひとり息子がいて、このお茶の挽き方は一子相伝、自分と息子しか知らないはずの挽き方だという。

茶問屋の主人の一人息子は六年前、人を殺めた。
どうも正当防衛みたいな状況でのできごとで、お咎めもなく放免されたらしいのだが、息子は人を殺した自分を許せず、家を出てしまっていたのだった。

藤七が託したそのお茶で、
茶問屋の主人は行方不明の息子が幸せに暮らしていることを知り、
庄屋さんとおかみさんも婿の素性を知る。

五月晴れの空の下、庄屋さんとおかみさんが店の主人に見送られて、店を出て帰っていくところで噺は終わる。
 
ハッピーエンドのいい話でした~。
志の輔さんが演じるのは、庄屋さん、おかみさん、藤七、祝言に呼ばれた村人たち、茶問屋の番頭、主人で、藤七を婿にとる娘のハナちゃんは出てこないんだけど、
庄屋さんやおかみさんの話から、純朴でかわいらしい娘さんなんだろうなあと。

思ったのは、名前がハナだったせいか?
これからも年に一度か二度は「電王」劇場版を作り、ハナちゃんの成長を見守らせてくれと、常々思っているせいか?

だったりして。(= ̄∇ ̄=)