エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

リトライ、旭岳(2291m)~熊ヶ岳(2210m)

2022年04月26日 | 山紀行 (十勝・大雪)
未踏峰シリーズ今季2座目はリトライ・・・
未踏1000m超峰 (337座目/442座 あと105座)
旭岳(2291m)  熊ヶ岳(2210m)
■ 山 行 日      2022年4月25日(月)  日帰り
■ コ ー ス      旭岳ロープウェー姿見駅コース
■ メ ン バ ー       夫婦登山 №10
■ 登 山 形 態       ツボ足(モンベルアルパイン3000)&アイゼン
■ 地 形 図      1/25000地形図  「旭岳」「愛山渓温泉」
■ 三角点・点名     旭岳 一等三角点 点名「瓊多窟 ヌタック」
              熊ヶ岳 三角点無し 標高点のみ

■ コースタイム     登り 姿見駅~旭岳 2時間25分   旭岳~熊ヶ岳 1時間
             下り 熊ヶ岳~旭岳 1時間25分  旭岳~姿見駅 1時間10分

<登り>
09:00         ロープウェー出発
09:10~15      姿見駅到着 登山開始
09:30~40      姿見の池 (5合目展望台)
10:15         8合目(2065m)
11:20         9合目(2196m)
11:40         頂上
11:45         熊ヶ岳へ
12:00         コル
12:45         熊ヶ岳頂上 

<下り>
13:00         下山開始
13:35         コル
14:25~35      旭岳頂上
15:45         姿見駅
16:00         ロープウェー出発
16:10         下車


★ 3年前のリトライ・・・
3年前の2019年5月、同じルートで初登頂を狙った。
申し分ない天気も暑く冬山装備で汗を掻く。ツボ足でズボズボ埋まりヘロヘロで体力を著しく
消耗、旭岳まで3時間半も掛かり熊ヶ岳の肩でとうとうタイムアウトの決断。
その時の記録はこちらをクリック⇒
(19.05.16熊ヶ岳)

前日の天気予報で25日は全道的に快晴と知り、急きょ日帰りで夫婦登山を計画する事になっ
た。最初はニセコ近辺で最後の雪山を楽しもうか・・と、シャクナゲ岳に決めたが、やはり未
踏峰に挑戦したいなぁ~という思いが強くなって日帰り可能な未踏峰を絞り出す。浮かんで来
たのが「熊ヶ岳」。だが、快晴も爆風のテンクラ警報が引っ掛かる。しかし、テレビの予報は
違った。場所に寄り風の強いところもあるが、概ね微風・・・それは旭岳も同じだった。

ダメ元で熊ヶ岳に変更。
9時始発のロープウェイに合わせて自宅を4:30に出る。旭岳ロープウェイには、7:45
に着いてしまった。ゆっくりと支度をしながら営業開始を待ち1番乗りでロープウェイに乗車。
現地は予報通りの快晴で姿見駅の風速は8m/S、積雪は230㎝と知らされた。

先ずはこれでリトライ決行が決まる・・・。



姿見駅に着いた。いよいよこれからリトライ出発である・・・


歩き始めたチーヤン・・・

★ 山は快晴だと100倍楽しい・・・
ガソリンの高騰だけでなく、山は快晴だと100倍楽しい事は言うまでもない。
仮にニセコに出掛けていても、快晴ならそれなりに楽しめたと思うが、何度も行っている山より
は未踏峰に臨むワクワク感は別物だ。

登る前からこの天候に恵まれて現地でのテンションはMAXへとなって行く。
雪もしっかり締まっていて、ツボ足でも全く埋まる事は無さそう。前日と思われるトレースもく
っくりと残り、ルーファイは不要だった・・。

何度も立ち止まり振り返った絶景を楽しむ。
抜きつ抜かれつの登行者とお話もしながら、それぞれの登るスタイルも様々だった・・。



先ずは主峰「旭岳」を背に一枚・・・


本当に雲一つない快晴で風も微風の主峰・旭岳を望む・・・。


上着を脱いでも寒くない格好。十勝連峰もくっくりと望み登る辛さが忘れるほどだ・・・嘘です 笑


後続からも何名か登って来るのが分かる・・・


ここはまだ七合目くらいだろうか?頂上部を見上げるもまだ遠いのぉ~


斜度が増して来る前にアイゼンを装着し、再び登り始める・・・


ニセ金庫岩の分岐点にて、ここまで来ると頂上までもうひと登りだ❕

★ 3年前より1時間も早く・・・
雪山のコースタイムは、同じコースでも状況で随分変わって来るのは言うまでもない。
しかし、3年前の登行と比べ明らかに違うと自覚出来る状況だった。同じ春山でも3週間ほど
早いので雪質も気温も全く違う。ザラメ的なところはほとんどなくしっかり締まっていてアイ
ゼンの歯も小気味よく刺さる。風はそれほど強く無いが吹けば寒く手が少しかじかんだ。

頂上台地は烈風吹き荒れ寒さが半端ない。立っていられない程の強さでは無いが三脚を立てる
事は出来なかった強さだ。あとは着ている装備、前回は上下のアウターが冬用でしかも5月中
旬の快晴時、山の上でも暑かった。しかし今回は、下のアウターを履かずに上だけ着ただけで
身体の寒さ暑さは丁度良かった。足元もプラブーツや兼用シューズではなく、より軽い冬靴で
快調だった・・・等々。



烈風の中で自撮りした頂上写真・・・

★ 見えて来たリトライの熊ヶ岳・・・
眼下に見下ろす熊ヶ岳はもう目の前にある。
旭岳の烈風は耐え難いので、早々東斜面を下り熊ヶ岳を目指す事にした。降り始めると烈風は
治まり、先行していたスノースクートを担いでいた若者がコルに居た。私たちがコルに着く頃
登り返しの準備も終わり行動を開始する時にスライドし、改めてご挨拶を交わす。

バイクの車輪がボードになったようなイメージ。
始めて見るスノースポーツバイクで、どう滑るのか見て見たかったが実際には見れぬまま熊ヶ
岳に臨んでいた。後に彼はヤマッパーでもありユーチューバーでもあって、帰宅後に動画を拝
見する事が出来た。

彼の名は「しゅん」さんと言い動画配信されている。

別れてから私たちは熊ヶ岳の登りとなり残雪の繋がった最短ルートを取る。
そこには前日登ったと思われるトレース痕があり肩まで登ると更にルートが導かれていた。
肩から頂上までは痩せた岩塔を二つほど越えなければならないが、風も強く厳しそうだった。
見ると岩塔の東斜面をトラバースしているトレースがあり、近づくと歩けそうだったので使わ
せて頂いた。なんとか核心部はクリアしたが、落ちたら数十メートルは斜面から流されるだろ
うし、帰路では使いたくないルートだった。

でも核心部を過ぎると次はひと登りで頂上と分かる。GPSで頂上を確認しリトライ初登頂は
意外にも早かった印象だ!

先ずは二人で喜びの握手をしなんとか写真だけ撮って下山を先行し、肩付近で休む事にした。



旭岳北のコルから正面の熊ヶ岳を目指す・・・


旭岳を背にコル付近のチーヤン、北斜面を登り返すスノースクートの彼が小さく見えている。


肩付近から望む熊ヶ岳の全容・・・


肩付近を歩く。

★ 337座目/442座・・・あと105座
未踏1000m超峰シリーズと題した私たち夫婦の挑戦。
今季なんとか2座目となる「熊ヶ岳(2210m)」の踏破を果たす。これで夫婦で制した1000m
超峰は337座目となり、全山踏破まで「あと105座」となった。

大雪山系の山では、熊ヶ岳のように地形図に山名の記載がありながら夏道 (登山道) が無く、積雪
期しか登れない山が幾つかある。夏場は、自然保護の観点からも規制されて登る事は出来ず限定
された時期のみ許される山となる。更に大雪山における2000m前後の山々は、夏でも天候が
荒れると厳しい環境となり、しっかりした装備と対策を講じる事と経験や技術も要求される場所
である事を肝に銘じなければならない。
簡単に登れるときは登れてしまうが、一座登るのに何年も費やす山行はこれまでに何度あった事
か・・・?

これでひとまず旭岳をベースとした周辺の1000m超峰は終了し、あとは表大雪や東大雪に残
る超峰に舵取りをしなければならない。まだまだ先の長い話である・・・。



2022.4.25 「熊ヶ岳(2210m)」初登頂!


下山時再び肩付近から振り返る熊ヶ岳を望む・・・


熊ヶ岳のすぐ東側にある小さなお鉢平、奥の山は「北鎮岳」




南隣の「後旭岳(2218m)」


帰路、標高差約200m旭岳の登り返しだ・・・

★ 苦の後に安堵の楽あり・・・
リトライが成功し晴々した気持ちで下山に入る・・。
しかし、帰路での最大の難関は旭岳東斜面の登り返しだ。標高差約200m、下りでは僅か15
分しか掛からなかったが、登りだと何分かかるのか?時間には余裕があるもののやはり登りは辛
いもので、私の一番の苦手分野である。
チーヤンは軽快に登って行き少しずつ離れて行く。私は3m登る度に足が止まり息を整えなけれ
ば登れない情けなさ。大分待たせてしまったが、それでも約50分掛けて再び「旭岳」に着いた。
風は微風で気温も少し上がって暖かささえ感じる。すでに14時を過ぎていたから登って来る人
は誰も無く頂上は貸切である。改めて三脚を立て記念の写真を撮り、下山する。



本日2度目の登頂。嘘のように風が収まり貸切の頂上から再び絶景を楽しむ・・・


頂上から姿見駅方面を見下ろす・・・


頂上からトムラウシ山と十勝岳連山を眺望する・・・


頂上から東大雪の山々を望む・・・


「絵」になっているかな?・・・


たまには被写体・・・その2

★ 満足の無事下山・・・
14:35 旭岳から下山開始。
ロープウエイの最終日は17時なので余裕のタイムに安堵感は大きい。3年前の下山でも1時間
15分だったので焦る事も無く時々お話しながらの下山が出来た。

登って来る人は誰も居ない。つまり私たちが最後の登山者か?北斜面から回り込んで来たスキー
ヤーの姿は見えたが、ほとんどの登山者やスキーヤーはもう下山したようだ。

下りはずっと絶景を見ながらゆっくりと雪を踏み締め、少しずつ姿見駅が近づくのも嬉しい。

ニセコから変更して良かった。未踏峰を登れて良かった。こんな事も出来るんだ!と改めて認識
し、ちょっと勇気も貰った。明日も休みなのも気が楽だった。

温泉で汗を流し、20:30無事帰宅である。



5合目姿見の池付近に建つ「旭岳石室」、ここまで来ればもう安心・・・


5合目姿見の池展望台


最後の見納め・・・お世話になった旭岳を振り返る


最後の最後・・・旭岳を背に満足気な夫婦が写る?



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