エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

美笛林道~10年ぶり・・丹鳴岳(1040m)

2021年04月12日 | 山紀行 (道央・札幌・積丹)
10年前と同じ6キロの林道がカギ・・・
里山の残雪確認・・丹鳴岳 (1040m)  
■ 山 行 日    2021年4月12日(月) 日帰り 快晴
■ ル ー ト    美笛林道~丹鳴岳西尾根~丹鳴岳 往復
■ メ ン バ ー
    夫婦登山 №17
■ 登 山 形 態     山スキー
■ 地 形 図    1/25000地形図  「白老岳」「漁 岳」

■ 三角点・点名   三等三角点 点名「丹鳴岳 ニナルダケ」
■ コースタイム   登り  4時間15分   下り  1時間35分
<登り>
08:15     登山開始(林道出合「八千代橋」手前の広場)
08:55     美笛林道標識とゲート(休)~8:25
09:05     鳴尾橋
09:10     黄金林道二股出合
09:30     滝見橋
09:45~55  C490付近 休憩
10:45     林道終点手前から東斜面取付く
11:10     西尾根764付近
12:30     丹鳴岳頂上
  (登り 4時間15分)

<下り>
12:55     下山開始 (スキーモード)
13:20     林道出合
13:45     滝見橋
13:50     黄金林道出合
13:56     鳴尾橋
14:05     ゲート
14:30     登山口



GPSを元に地形図に移行したルート図です。<訂正>ルート上の「永尾橋」は「永代橋」が正当です。

★ 海別岳以来・・・
3/24以来の夫婦登山となり19日ぶりだった。
未踏1000mシリーズは、少しお休みし足慣らしの日帰りスキー登山がしたいと選んだ
「丹鳴岳」だった。過去のデーターを調べて見ると丁度10年前の2011年4月に美笛
林道から丹鳴岳に登り、フレ岳まで縦走していた。当然ながら今より10歳若く馬力のあ
る時だからフレ岳まで縦走する体力はあったが、今はそんな余力は無く最初から丹鳴岳オ
ンリーと決めていた。

林道の残雪状態が心配だったが、もし無ければ<ニセコまで足を伸ばし、チセかシャクナ
ゲまたはイワオのいずれかに登るつもりでいた。


★ ギリギリセーフ・・・
自宅から1時間10分で着くのは、里山と呼ぶ由縁だ。
正直、今日の山はどこでも良かった・・・。
残雪がありスキーの出来る山なら近い方が良い。ニセコなら残雪はたっぷりなのは承知し
ているが、アプローチに2時間以上必要だ。でももっと近い山に雪は無いのか?と記録を
辿った。

ダメ元で着いた美笛林道出合。
ここに来るまでに見た樽前山も風不死岳もそして恵庭岳にも山肌の残雪は少なく国道は夏
道と同じだから半分以上諦めていた・・。
しかし、林道出合から少しの距離は土が露出して残雪は無かったが、100mも歩けばま
だ雪があり、繋がっているように見えた。

丹鳴岳に決めて、決行する。
途中、雪が途切れ残雪が少ないと分かれば引き返せば良い。とスタートした。



駐車帯から見た「美笛林道」出合の残雪・・八千代橋を渡ると一部残雪が無くスキーを出に持って歩いた。

★ 薄れる記憶・・・
今回で3度目となる美笛林道ルートなのに過去2回で覚えている事は、「長い林道」と
「西尾根を辿る」こと位で、並行するモシルン美笛川がある事も5つも橋があった事も
記憶から消えていた。10年に1度のペースで訪れていては「薄れる記憶」も納得だっ
たが、唯一前回の記録が残されていたので参考にはなった。


2011年4月の「丹鳴岳」記録はこちら


10年前より明らかに残雪が少ない2021年だった・・。


登山口から約1.7㎞地点でゲートがあり、ここから美笛林道で4.2㎞ある。

★ つい比べてしまう・・・
記憶が薄いからつい10年前の記録を見ながら比べてしまう。
何を比べるかって・・・やっぱりタイムの事だ。ただあの頃とは、歳も体力も天気や残雪の
量も違っているから、比べること自体無用な事なのに、これが性分なので許して欲しい。

でも分かった事は、6㎞の林道歩きでは僅か5分前後の遅れはあったものの、後半の西尾根
からピークまでのペースが落ちて約30分の差がついた。この差は自身が一番承知している
事でわざわざここで述べる事では無いくだらない情報だが、自分自身への戒めと理解して欲
しい。



林道上の残雪は、少しずつ多くなり後半は積雪が1m近くになっていたと思う。

★ 上着要らずのポカポカ陽気・・・
登山口での気温は8℃ほどだったが、風はほとんど無く快晴の朝だった。
それでも雨具の上下を来て出発し、歩いたが30分で上着は脱いだ。以降頂上まで上着要ら
ずで寒く無くポカポカ陽気の春山を満喫している気分だった。



林道から西尾根に登るため東斜面に取り付いた場面・・・。




西尾根の764標高点付近から望む「丹鳴岳」

★ 毎回の洗礼、デブの弱音・・・
約2時間半6㎞の林道歩きでさえ、バテバテだったが、緩斜度だからなんとか歩けた。
途中、靴擦れを起こし靴を脱ぐ場面もあったが、何かあるたびに愚痴る弱音は夫婦登山だけ
のわがままだから許して欲しい。

この山行のカギは、やっぱり林道の長さと西尾根にどう取り付くかルートの選定だと思う。
地形図の林道終点まで行ってしまうと下る場面があり、復路では登り返しとなる。
林道では、下りが見えた場面で西尾根に登る東斜面に取り付いた方が復路は楽である。
昔の記憶が少し蘇り、今回は上手く東斜面に取り付いた。急斜度も適度に腐った雪はエッジ
が利いて滑る事は無かった。ジグを切りながらゆっくり登ると30分も掛らずに尾根上に出
られる。標高差は100m程だ。

完全に尾根上まで登っても問題は無いが、小さいながらアップダウンが何度かあり復路では
苦労しそうだ。そこで、西尾根の標高点764には登らずその下の東斜面上をトラバースし
ながら次の859下の斜面を目指し歩くと復路の登り返しが無くなる。



丹鳴岳の絶景!・・・支笏湖と風不死岳、樽前山を望む絶景だ。



★ 苦しくも辿り着くゴール・・・
ゼイゼイ荒い息を吐きながら急いで登るより、ゆっくりと一歩一歩登る方が今の性に合っている。
愚痴を吐き、弱音を言っても良いじゃないか!昔より時間が掛るのはしょうがないさ。
苦しくても続けていればいつはゴールに辿り着く。そうでも思わないともう山には登れない。

丹鳴岳からの眺望は絶景そのもの・・。もし、初めてなら感動の景色に驚く事だろう。
長い林道を歩いて来た努力はここで報われる。すっぽりと切れ落ちた東斜面だから支笏湖全
体を見下ろし、周りの山々を一望出来る展望台なのだ。

この山に登るなら春の残雪期、今が旬だとお勧めする。
夏に沢から登る丹鳴岳も決して悪くは無いが、夏の頂上は周りが笹と灌木の狭いエリヤから
見下ろし西側の展望は全くない。ピークハントが目的なら夏も良いだろうが、壮大な風景が
望みなら3月末~4月中旬が良いだろう・・。
林道の残雪状況からあと10日前後は大丈夫だと思う。ただ林道には木の枝が散乱していた
り、松の葉や倒木もあるので新しいスキーにはお勧め出来ない。時間は掛かるかも知れない
が、スノーシューやツボ足でも可能だと思う。



「丹鳴山」の標識は、約20年前からあったものである。


頂上から北東方向に望む「恵庭岳」




切れ落ちた東斜面と遠く南東部に望む「徳舜瞥山」と「ホロホロ山」、手前に白老三山も見えている


先ずは標識の前で・・・


恵庭岳を背に・・・


支笏湖と風不死岳・樽前山を背に・・・

★ スキーの最強は下りも・・・
登りで4時間越えの丹鳴岳だったが、頂上でシールを外しスキーモードで下山を開始。
登って来た西尾根はほぼ下り斜度で859~764までは東斜面を上手く使いながらスキーを
滑らし、出来るだけ登り返しが無いルート取りが出来れば、林道までアッという間だ。

林道も全体的には下りだが、自動運転で楽が出来るのは上部の前半。中間の滝見橋付近からは
歩きながら滑らす場面も多くなるが、やっぱり下りは早い。スノーシューやツボならこうは出
来ないからスキーは最強のアイテムである。



頂上からのスキーは楽しかった・・・

★ 来て良かった里山・・・
毎回来れるような里山では無いが、毎年1回天気の良い日を条件に再訪したいと思える山になった。
6㎞の林道歩きは年々辛くなるかも知れないが、自分の体力を試す良い訓練の場だと思えば、
これからの再訪もありかも知れない。

10年ぶりの再訪で色々と思い知らされた山行になってしまったが、あの絶景を見るとまた頑
張って来ようと思ったし、来るための努力もしなければと教訓にもなった。

これから多く残された未踏1000m超峰シリーズも今のままでは1座も登れないかも知れな
い。暴飲暴食こそしていないが、加齢と共に継続する運動の大切さが身に染みる今日この頃で
ある。

「丹鳴岳よ!ありがとう・・・」と感謝したい。