いつも心は春気分

2017年9月17日の台風18号被害で生活が一変しましたが、新しい地で心機一転。
穏やかで元気な日々を綴ります。

母のこと

2021-11-24 18:27:49 | 日記
 父が一昨年9月に亡くなって、母は施設でひとりで過ごしています。
 とても仲が良い夫婦だっただけに、父がいなくなった後が心配でした。
 でも母の中で父の存在はなくなりました。
 寂しい気もしますが、母が施設の中で生活していくにはそれで良かったと思っています。

 認知症の人って、自分にとって悪いことは排除するらしいのです。
 寂しい、寂しいと泣き暮らすより、どんなにいいことか…

 でも去年から新型コロナウイルスが猛威をふるい、私たち母子は会えないまま。
 去年の8月に一旦コロナが落ち着いた頃に母を病院に連れていくことがあり
 そのままお昼ごはんを私たちのアパートで食べました。

 それからは、ゆっくり会えていないのです。
 ちょっとモノを持っていった時にちょっとだけ会わせてくれるのですが
 マスクをしているとわからないみたいです。

 10月にケアマネさん、施設の相談員、私の三者面談で、母の認知の進み具合を聞きました。
 かなり進んでいるようです。
 その後、ちょっとだけ母と会いましたが、なかなかわかってもらえず
 一瞬マスクをはずして見せると、

 ああ、

 と目頭を押さえ始めました。
 やっとわかってくれたようです。
 マスクをしていると顔がわからないからね。

 先週の土曜日もホニャちゃんを動物病院に連れていく前に
 母の洋服が少し小さくなったので大きめサイズを持ってきてくださいと言われ
 持って行きました。
 職員の方に渡しただけで帰りかけると呼び止められました。

 おかあさん。娘さんに気づいたみたいで、こちらに出てきてますよ
 と言われ、玄関先で椅子に座って話しました。
 完全に私のことをわかったみたいで、嬉しかった!

 来てくれたんや、嬉しいなあ

 と言って、私の手をさすります。
 母の目には涙…

 遊びにコレなくてごめんね。会えなくてごめんね。

 来週の土曜日、お昼ごはんをうちで一緒に食べよう。
 迎えにくるからね。

 ぱっと顔が明るくなりました。

 今だけ家に帰る許可が出ているのです。
 今のアパートは狭すぎて、母が泊まる場所はないので
 申し訳ないけど、お昼だけ…

 かなり認知が進んでいるので様子を見ようと思います。
 私の顔を見て娘というのはわかるのですが、名前は出てきません。
 最近は、トイレに行くのも自分の意思で行くこともないらしく
 している最中も途中で腰を上げるそうなんです。
 おまけにいつもニコニコしていた母なのに、最近は無表情のことが多いとのこと。

 コロナがなくて時々会えていたら、ここまで進むこともなかったかもしれません。
 言っても仕方ないことですが…

 日曜日に叔父が、母の弟なんですが、会いに行ってくれたらしいのですが
 俺のことわからんかったわ…
 でも時々、顔を見にいくけん。

 時々、見ていたら思い出すよ。きっと。

 今週の土曜日、わずかな時間ですが、私と妹とホニャとで
 母を喜ばせてあげたい。
 そして、このまましばらく外出が出来るなら、
 クリスマスもお正月も少しでいいから一緒に過ごしたい…

 今の小さな夢です。