例えば、被相続人が、生前、所有する建物を第三者に貸していた場合、被相続人死亡後も月々賃料収入があるわけですが、被相続人が死亡し、いざ遺産分割する際に、当該賃料は遺産分割の対象となるでしょうか?
この点、判例は「遺産は、…相続開始時に被相続人に帰属していた財産のみに限られるのは当然であり、遺産の果実である家賃収入が遺産に属しないことは、いうをまたない」と述べています(東京高決S56.5.18)。
すなわち、当該賃料は厳密には遺産ではないことになります。したがって、理論上は、同賃料を回収した特定の相続人に対し、その他の相続人が別訴不当利得返還請求等を提起しなければならなくなります。
しかし、相続人全員が、賃料を遺産と同様に扱ってよいと同意すれば、遺産分割協議で分けることは構いません。
また、遺産分割とは別に民事訴訟をすれば、時間と労力がかかり、紛争の一回的解決にも反しますので、実務では、銀行預金についた利息などは例外なく分割の対象として扱っています。
結論としては、当該果実が遺産分割の対象となるかは、当該果実の種類等によりケースバイケースということになります。
ただ、法定果実が必ずしも遺産分割の対象となるとは限らないことは覚えておいて下さい。
この点、判例は「遺産は、…相続開始時に被相続人に帰属していた財産のみに限られるのは当然であり、遺産の果実である家賃収入が遺産に属しないことは、いうをまたない」と述べています(東京高決S56.5.18)。
すなわち、当該賃料は厳密には遺産ではないことになります。したがって、理論上は、同賃料を回収した特定の相続人に対し、その他の相続人が別訴不当利得返還請求等を提起しなければならなくなります。
しかし、相続人全員が、賃料を遺産と同様に扱ってよいと同意すれば、遺産分割協議で分けることは構いません。
また、遺産分割とは別に民事訴訟をすれば、時間と労力がかかり、紛争の一回的解決にも反しますので、実務では、銀行預金についた利息などは例外なく分割の対象として扱っています。
結論としては、当該果実が遺産分割の対象となるかは、当該果実の種類等によりケースバイケースということになります。
ただ、法定果実が必ずしも遺産分割の対象となるとは限らないことは覚えておいて下さい。