江花和郎@ブログ

2005~2011年連合新潟会長を務める間書いたブログをその後も時々更新しています。

中国紀行②(Sさんと文革)

2006年07月03日 | 海外・国際関係
今年の中国訪問ではSさんに大変お世話になった。
その責任感の強さ、仕事に対する真面目な態度に感銘した。
彼は日本語がとても達者で(独学で習得したそうだ)、労働経済の専門的な用語も巧みに訳す。
インターネットで常に日本の政治経済に関する知識を吸収しているらしい。
大学は理工系の学部を卒業して、コンピューターの知識と技術は今の職場で一番だときいた。

彼は、17歳~24歳の間、文化大革命で農村に下放されたという。
辛いことや嫌なことも沢山あったらしいが、彼は当時を振り返って、「あの体験があったから今の自分がある。その後の人生でどんなに辛く苦しいことがあっても耐えられたから」と話す。

文化大革命がどのようなものだったのか、当時の日本の左派にはその革命の「理想」を支持する声も多かったように思う。私は中学生から高校生くらいだったが、周りの大人たちからそんな雰囲気を感じ取り、そしてその印象をずっと持ち続けていた。

その印象が大きく変わったのは『芙蓉鎮』という映画を観てからである。
ああ、文化大革命ってこんなことだったのか。その後『ワイルドスワン』も売れて、少しずつ文革の実態が知られてきたように思う。

私は1988年に初めて中国を旅行したが、それは『芙蓉鎮』を観る前で、通訳の人に文革を「理想」的に受けとめて話したことがあった。
相手はそれについて何も言わなかったが、申し訳ないことを言ってしまったと今でも自分の無知を恥じている。

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