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エボラ出血熱 日本のインフル治療薬投与で治癒…フランス人女性が退院

2014-10-05 06:55:48 | 健康
日本の薬でエボラ出血熱治療、仏の患者退院
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読売新聞:2014年10月5日(日)11:47


 【パリ=三井美奈】AFP通信によると、フランスのトゥーレーヌ保健相は4日、エボラ出血熱に感染し、日本の製薬会社が開発した抗インフルエンザ薬で治療を受けていたフランス人患者が治癒し、入院先から退院したと発表した。

 患者は民間団体「国境なき医師団」に所属する女性看護師で、西アフリカのリベリア共和国で医療活動中にエボラ出血熱に感染。9月半ばにパリ郊外の病院に入院し、富士フイルムホールディングスのグループ会社、富山化学工業が開発した抗インフルエンザ薬「アビガン」の投与を受けていた。薬はエボラ出血熱の治療薬としては未承認だが、仏政府が投与を要請し、仏国内での使用を許可した。

想像を絶する恐怖、「エボラ出血熱との戦い」 緊急復刊した『ホット・ゾーン』を読む
http://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/entertainment/toyokeizai-49703.html へのリンク
(東洋経済オンライン)
2014年10月4日(土)10:00


西アフリカでエボラが猛威を振るっている。WHOの発表によると、今回のアウトブレイクは、ギニア、リベリア、シエラレオネ3カ国での感染者が6553名、死者は3083名という史上最大の規模に発展している(2014年9月26日時点)。そしてついに、アメリカ本土での感染者も現れてしまった。アメリカ疾病対策センター(CDC)の想定では、このままの状況が続くと2015年1月末までに感染者数は140万にまで及ぶ可能性があるという。

本書はこの危機を受けて緊急復刊された。このタイミングで迅速に復刊されたことに加えて、400頁超の本書の価格が1300円に抑えられていることも素晴らしい。1994年に出版された原書は出版当時から大きな反響を呼び、26カ国語に翻訳されている。250万部以上の売上を記録し、エボラの起源とアメリカの首都近郊での知られざるアウトブレイクを描き出したこの本が、全世界でエボラの名を一躍有名にしたのである。発売から20年が経った今でも、エボラとは何か知るための最良のサイエンス・ノンフィクションとして、アメリカでもこの8月にペーパーバック版が7万部増刷されている。
眼球の奥の疼くような痛み

本書に最初に登場する犠牲者シャルル・モネは、ケニア西部に1人で暮らす孤独なフランス人だ。彼を最初に襲ったのは眼球の奥の疼くような痛み。その後も発熱、嘔吐と症状は改善する兆しをみせない。体調の変化だけではなく、彼は怒りっぽくなり、物忘れも増え、奇妙に受動的になったという。地元ケニアの病院で受けたあらゆる治療、抗生物質は効果がなく、モネは東アフリカでも屈指のナイロビ病院へと向かった。吐血しながらも飛行機に乗り、なんとか救急外来の待合室にたどり着いたモネだが、彼にはもう時間は残されていなかった。モネはあらゆる体腔から出血して倒れ込み、翌朝集中治療室のベッドで死亡した。

1980年当時、モネを殺したウイルスの存在を知る者は医者にも少なく、彼の最後を看取ったムソキ医師はモネの死因を“劇症肝不全”と診断した。その数日後、モネの血や吐瀉物を浴びていたムソキにも、彼と同様の症状が現れる。この未知の病に打つ手のなくなったナイロビ病院の医師たちは、ムソキから採取した血清をCDCと南アフリカの国立ウイルス研究所に送り、分析を依頼した。そして、モネ、ムソキを襲った正体がマールブルグ・ウイルスであることが突き止められる。

 マールブルグ・ウイルスとは、高熱、血栓や激しい出血などをもたらす、致死率25%にも及ぶ凶悪なウイルスである。このマールブルグ・ウイルスは、ラテン語で“ひも状ウイルス”を意味するフィロウイルス科に属している。そして、本書の主役であり、現在世界に混乱をもたらしているエボラもこのフィロウイルス科のウイルスなのだ。本書にはエボラ・ザイール、エボラ・スーダンという2種のエボラが登場するが、現在では5種類のエボラウイルスが確認されている。

一口にエボラといってもその種によって、その感染力や致死性は大きく異なる。エボラ・スーダンはその致死性が50%にも及ぶが、エボラ・ザイールは更にその上をいく。なんと、エボラ・ザイールの致死性は90%、つまり感染した者10人中9人が亡くなってしまうほどの威力があるのだ。今回の西アフリカでのアウトブレイクも、このエボラ・ザイールによるものだという。本書出版からの20年で、エボラの自然宿主がコウモリである可能性が高いことなど新たな事実も明らかになってきているが、有効なワクチン、治療法は未だ確立されていない(ZMappなど動物実験で有効性が確認されたものもある)。

マールブルグの脅威にさらされたアフリカからスタートした本書は、1976年のエボラと人類の初めての邂逅の物語を経て、1989年のアメリカへと移る。その舞台はバージニア州レストン、首都ワシントンからわずか10マイル程度の距離にある都市だ。舞台の中心地は、熱帯各地からアメリカに輸入されてきたサルが全米各地に輸送される前に1ヶ月間留め置かれる検疫所の1つ、レストン霊長類検閲所。この検閲所の異変に、最初に気付いたのは施設の管理人。フィリピンからやってきて1ヶ月しか経っていないサル100匹のうち、29匹が死んでいたのだ。
アメリカに現れた殺人ウイルス

サルの死因を突き止めることのできなかった検閲所の獣医は、アメリカ陸軍伝染病医学研究所に助けを求める。陸軍で最初にサンプルを分析した実験技師トムは、自分が目にしているものが信じられなかった。顕微鏡が映し出しているウイルスは、あの悪名高きマールブルグにそっくりな、ひも状の姿をしていたのである。トムの脳裏に言葉がめぐる、「まさか、アメリカにマールブルグがいるはずがない」。しかし、トムの嫌な予想は悪い方に外れる。このウイルスは、マールブルグよりも恐ろしいエボラウイルスだったのだ。

アメリカ本土に現れたまさかの殺人ウイルスに、陸軍は総力をあげて立ち向かおうとする。ところが、陸軍にはアメリカ本土でウイルスと戦うという指名を議会から付与されてはおらず、その役目を負っていたのはCDCであった。これが、未曾有のウイルス禍に立ち向かうために厄介な事態を引き起こす。陸軍にはこのような事態に対処する能力はあったが権限はなく、CDCには権限はあったが能力がなかった。組織の軋轢を乗り越え、彼らがどのようにこの事態に立ち向かい、勝利したのか。ウイルス発生現場はもちろん、研究室においても死という究極的な危険がつきまとうリアリティがひしひしと伝わってくる。この危機を乗り越えた経験が、きっと今回のアウトブレイクにも役立つはずだ。

エボラは恐ろしい。読み終えたとき、誰もが思うはずだ。本書が描き出すエボラの物語は、あのスティーブン・キングが「人生の中で最も恐ろしい読み物の1つ」と評するように、背筋が凍る。しかし、それ以上にその恐怖のウイルスに立ち向かう医師、研究者や軍人たちの勇敢な姿に胸を打たれるはずだ。彼らが恐怖を感じなかったわけではない。恐怖に震えながら、家で待つ家族のことを思いながら、それでも彼らはウイルスに挑んだ。現在進行中のアウトブレイクでも、多くの医師たちがその身を危険に晒している。その致死性の高さゆえ、エボラにまつわるデマやが流布しているという。誤ったに踊らされることなく、事態の改善を願いたい。


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