● 衆院選 維新に新たな対立 「公明は敵か味方か」
2012年12月14日(金)08:02
(産経新聞)
日本維新の会の中で新たな路線対立が表面化している。公明党は敵か、味方か-。石原慎太郎代表は、憲法改正で自民党に協力姿勢をちらつかせ、改正に慎重な公明党との間にくさびを打ち込もうとしている。これに対し「大阪都構
想」実現が課題の橋下徹代表代行(大阪市長)ら「大阪維新の会」組は、公明党には衆院選の選挙区候補を全員推薦する配慮を示すなど協力関係に腐心してきた。憲法改正をめぐる両者の違いも浮き彫りになった。
「自民党が過半数取るでしょう。しかし、公明党はどうも憲法をいじるのは嫌みたいだ。私たちは協力しますよ。日本の憲法は自分で変えなきゃダメなんだ」
石原氏は13日、東京・有楽町で街頭演説し、憲法改正で自民党と協力する考えがあると改めて訴えた。しかも「首相が『この憲法は歴史的に無効だ』と言ったらそれで終わりなんだ」とも述べ、「現行憲法破棄論」も復活させた。
憲法改正をめぐる石原氏の発言には「公明党って政党は評価できない」(先月30日)などと公明党批判がつきまとう。最近は北朝鮮による日本人拉致問題を取り上げて9条改正の必要性も強調するが、これも公明党が反対していることを踏まえている。
保守勢力を結集させた政界再編を「最後のご奉公」とするためにも、自民党が公明党と連携するのは大きな障害と考えているのだ。
一方、橋下氏は13日、大阪市住之江区で行われた公明党前職の街頭演説に駆けつけ「地元では維新と公明党がタッグを組んで改革を進めてきた。みなさんもいろいろ事情があるとは思うが、選挙区を越えて維新の会を応援してほしい」と述べ、公明支持者に支援を求めた。大阪維新は、大阪市議会で過半数に11足りず、公明党の協力が必要。このため公明党が候補を立てた大阪府内の4選挙区では対抗馬を立てなかった。
憲法改正についても、大阪側は改正手続きを定めた96条の改正を最優先に掲げる。石原氏の改憲発言には「まず96条を変えないと9条も変えられない」(松井一郎幹事長)と神経をとがらせている。(原川貴郎)