12/09/07 10:12
[パリ 6日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は6日、困難に直面しているユーロ圏加盟国の借り入れコスト引き下げを目指し、新たな国債買い入れプログラム(OMT)に導入に踏み切り、ユーロ圏の危機解決に向けた明確なロードマップを示した。
だが、ドラギ総裁は、ECBが支援するのは、各国が欧州に支援を要請し、厳格な条件を受け入れた場合に限られると表明。最大の懸念の的となっているスペインがプライドをかなぐり捨て、支援要請に踏み切るかどうかは依然としてはっきりしない。
ユーロ圏の運命を握るボールは、ドラギ総裁からスペインのラホイ首相に渡される形となった。
ドラギ総裁はこの日、ECBがユーロ圏加盟国の債券を無制限に買い上げる用意があると表明。買い入れは期間が1―3年の国債が中心になると明らかにした。
それは市場の期待以上の内容で、トレードウェブによると、発表を受けてスペインの10年債利回りは6%近くまで低下。欧州株は急伸した。
だが、スペインのラホイ首相は、依然として支援要請を回避あるいは先送りしたいとの姿勢を崩していない。
それ以外の政治的な障害も多く立ちはだかっている。9月12日にはドイツの憲法裁判所が欧州安定メカニズム(ESM)が合憲であるかどうか判断を下すが、違憲判決が下された場合は再び混乱に見舞われかねない。
ギリシャが財政赤字削減目標を達成できるかどうかも不透明。
さらなる支援策が必要になった場合に、今回の債券買い入れ策に最後まで反対を貫いたドイツ連銀のバイトマン総裁をはじめ、オランダやフィンランドなどの支持が得られるとは考えにくい。
ユーロ圏の財政同盟や銀行同盟をめぐっても、ユーロ圏各国の見解の隔たりは依然大きい。
<スペインの抵抗>
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