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“京の怪”同じ民家から出た5人の遺体の「謎」…2月、そして8年前にも

2014-03-10 18:36:59 | 社会
“京の怪”同じ民家から出た5人の遺体の「謎」…2月、そして8年前にも
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/snk20140310514.html へのリンク
2014年3月10日(月)12:03
産経新聞

 2月15日、京都市伏見区の住宅の床下から、ブルーシートに包まれ、死後かなりの時間が経過している女性2人の遺体が見つかった。ごく普通の住宅街の一角にある民家だが、非常線に囲まれ、捜査員らがものものしく出入りしたのは今回が初めてではなかった。ちょうど8年前の2月、練炭を使い集団自殺していた当時の住民の男性ら3人の遺体がここで見つかっていたのだ。同じ屋根の下から出た5人の遺体は、いったい何を物語っているのか。京都府警山科署は、新たに見つかった2遺体についても、自殺した男性との関連を調べているが、手がかりは乏しく、事件の真相は謎に包まれている。

■「8年前」との接点

 平成18年2月に発覚した3人の集団自殺と2遺体の関係がうっすらと浮かび上がったのは、自殺した男性の周辺で府警の捜査員が改めて行った聞き込みからだった。

 「数年前に奈良県警の刑事が行方不明の女性を探しに尋ねてきたことがあった」

 男性の両親がそう証言したのだ。

 府警は奈良県警を通じて女性の家族と接触。DNA鑑定を行った結果、2遺体のうち、20代前半とみられた遺体が、奈良県宇陀市のアルバイトの女性だったことが判明した。

 捜査関係者によると、女性は23歳だった15年2月に「友達の家に行ってくる」と言って自宅を出たまま行方不明になり、20年2月に家族が捜索願を出していた。

 身元が判明したことで、集団自殺の前に、女性の遺体が遺棄されていたという見方が強まったものの、自殺男性らとこの女性の関係は明らかになっておらず、白骨化していた30代の女性遺体は依然として身元さえわかっていない。

 捜査幹部は「情報がなさすぎる」と苦渋の表情を浮かべる。

■シロアリ駆除の見積もりで…

 民家の床下で2人の遺体を見つけたのは、現在の住人男性の依頼で見積もりをしていたシロアリ駆除業者だった。1階の和室の畳をめくってベニヤ板を外すと、別々にひもで縛られた人の体の大きさのブルーシートの包みが2つ現れた。

 不審に思った業者からの通報で現場に駆けつけた山科署員が確認すると、それぞれ中から遺体が見つかった。

 1人はすでに白骨化、もう1人もかなり腐敗が進んでいた。死亡から相当の年月が経過していたとみられ、白骨化遺体については、着衣さえはっきり分からない状態だったという。そのため、発見直後は性別もはっきりせず、1人については府警もネックレスなどを身につけていたことから、女性と推測するしかなかった。

 2月17日に行われた司法解剖で、骨の形状などから白骨化遺体が30代、もう一方の遺体が20代前半と推定されたが、骨折などは見られず、死因や死亡時期は特定できなかった。

 その後、かつて自殺した男性の家族の証言から身元が判明したのは、まだ白骨化には至っていなかった20代前半とみられた女性だった。

■「自殺サイト」

 「8年前もびっくりしたが、またかと思った」。現場近くの住人たちは、驚きを隠せない。

 この民家の部屋で、集団自殺が発覚したのは、ちょうど8年前の平成18年2月16日だった。

 かつての住人男性=当時(39)=とともに、遺体で見つかったのは、同市南区の女性=同(21)=と静岡県浜松市の女性=同(29)。

 目張りされた室内では、七輪で練炭が燃やされ、捜査の結果、男性は妻と離婚後、この家で1人暮らしをしており、2人とはインターネットの「自殺サイト」で知り合ったとみられることがわかった。ただ当時、床下の捜索までは行わなかったという。

 現場になった住宅は、木造3階建ての一軒家で9年10月に新築され、男性夫婦が購入していた。当時、男性夫婦を連帯債務者として、土地建物に債権額約2800万円の抵当権が設定されていた。

 18年に集団自殺が起きた後は、京都地裁による不動産競売にかけられ、20年4月、北海道の不動産会社が落札。現在の住人男性は、事情を承知した上で21年に購入したという。

■「何も話すことはありません」

 8年の時を経て、新たに見つかった遺体に、近隣住民も表情を曇らせる。

 「奥さんはしっかりした方で町内の役もやってくれたし、確か当時、小学校に入る前くらいのお子さんがいたと思います。すぐに離婚して引っ越していかれました。旦那さんの方は、ほとんど会うことがなく、会ってもあいさつすれば返してくれる程度。事件が起きたから思うのかもしれませんけど、ちょっと暗い人でした」

 集団自殺した男性について、近所の女性はこう振り返る。

 「自殺の前の数カ月くらいは、仕事にも行っていなかったようでした。女性が出入りしているのは何回か見た覚えがありますが…」

 9年ごろから、住んでいるという近所の住民の男性は「この辺は竹やぶを開発してできたところ。集団自殺の後、家は390~490万円くらいで競売にかけられていた。8年前もびっくりしたけど、またかと思った」と語る。

 ブルーシートできっちりとくるまれていたためか、現在の住人の男性も、近所の人も腐臭などには気がつかなかったという。

 近所の人の中には「今住んでいる人がかわいそう。年末とかになると、大掃除しているきれい好きな人なんです」という声もあった。

 住民とみられる男性は、インターフォン越しに「何も話すことはありません」とだけ語った。

 府警は2人の身元や死亡の経緯などについて捜査を進めているが、遺体の状況などから死後かなりの時間が経過しているとみられ、死体遺棄事件としては時効が成立している可能性が高い。

 何者かが2人を殺害して死体を床下に隠した可能性もあり、殺人事件としての立件も視野に入れるが、こちらも遺体発見までの空白期間が壁となっている。

 8年を経て、同じ屋根の下で見つかった5人の遺体は、何を物語っているのか。真相が解明される日は来るのだろうか。


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