■ 震災身元不明 あと226人 糸口わずか、地道に照合 献血検体や似顔絵 gooニュース
2012年9月7日(金)08:05
(産経新聞)
2012年9月7日(金)08:05
(産経新聞)
東日本大震災の発生から1年半になるのを前に、警察庁は6日、岩手、宮城、福島の被災3県で発見された遺体の身元の確認状況を発表した。これまでにDNA型鑑定や身体特徴などから3県で1万5576人の身元を確認、身元が不明の残る226人の確認作業を進めている。警察庁幹部は「一人でも多くの遺体の身元を確認し、遺族に返還したい」と話している。
警察庁によると、先月31日までに検視などを行った遺体は3県で計1万5802人。このうち身体特徴や所持品、歯型、DNA型鑑定などで1万5576人の身元を確認した。
内訳は岩手県4584人、宮城県9389人、福島県1603人。しかし、岩手県87人、宮城県136人、福島県3人の計226人の身元は未確認となっている。
震災発生直後は指紋や身体特徴などで身元確認を進め、その後はDNA型鑑定が効力を発揮してきた。このほか、遺体で発見された人が生前に献血をしていたことで、保存されていた血液検体との照合を進めたことで35人の身元が判明。
岩手県の女性のケースでは、がん検診の際に体の細胞の一部を採取し医療機関で保存されていたため、遺体と照合した結果、今年8月になって身元が判明したという。
今年5月以降は、検視などの際に撮影した遺体の写真を基に96人分の生前の似顔絵を作成して公開したところ、家族だけでなく友人らから多くの情報が寄せられ先月31日までに14人の身元が確認できたという。
警察庁幹部は、「まだ届けられていない資料があれば、提供を受けてDNA型鑑定などで身元確認の作業を進めたい」と話している。
被災3県ではまだ約2800人が行方不明となっており、警察庁は不明者発見のため引き続き捜索活動を続ける方針。