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レアアース主成分の新鉱物2種発見…山口大など

2014-04-04 07:01:15 | 資源

来月出港の海洋調査船「白嶺」公開 資源大国への夢満載
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/snk20140328111.html へのリンク
2014年3月28日(金)07:57
(産経新聞)

 ■近海で自前調達、政府本腰

 政府は、日本近海に眠る鉱物や天然ガスなどの海洋資源開発を強化している。日本近海には次世代エネルギー資源「メタンハイドレート」や、ハイテク製品に欠かせないレアアース(希土類)などが存在し、他国に頼らない安定的な「自前資源」(経済産業省幹部)として商業化に向けて本腰を入れている。世界有数の領海・排他的経済水域(EEZ)を活用し、資源の多くを輸入に頼る資源小国からの脱却を狙う。

 「他国の資源政策に影響されない安定的な自らの資源供給源を持つための取り組みを進める必要がある」

 経産省の有識者会合が昨年末に取りまとめた「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」は自前資源の開発強化を高らかにうたっている。

 平成26年度は、4月から白嶺が調査にあたるコバルトリッチクラストのほか、海底から噴き出る熱水に含まれる金属成分が沈殿してできた「海底熱水鉱床」に眠る銅や鉛、亜鉛などの埋蔵量調査を沖縄海域などで進める。

 昨年1月には沖縄海域で海底熱水鉱床の調査を行い、白嶺の掘削能力を生かして海底下深くに存在する未知の鉱床を発見、期待が高まっている。

 また、日本海の新潟県上越沖では今夏、メタンハイドレートの掘削調査を計画。日本海では比較的浅い海底下で「表層型」と呼ばれるメタンハイドレートの存在が確認されているが、政府として初めて掘削調査に乗り出す。ここでも白嶺が使われる見込みだ。そのほか、南鳥島周辺のEEZ内でレアアースの調査が白嶺を使って進められる。

 海洋資源開発は、安倍晋三政権が昨年閣議決定した成長戦略「日本再興戦略」で、メタンハイドレートや海底熱水鉱床の開発を推進すると明記。ただ、現状では海底から資源を取り出すには膨大な費用が必要で、商業化には生産コストの低減が欠かせないなどハードルは決して低くない。

 経産省幹部は「新型天然ガス『シェールガス』も、以前は開発困難とみられていた」と指摘し、調査とともに技術開発を同時並行で進めることで商業化を目指す考えを強調した。

山口大など、レアアースを含む2種類の新鉱物を三重県伊勢市で発見
http://news.goo.ne.jp/article/mycom/life/mycom_950180.html へのリンク
2014年4月2日(水)16:19
(マイナビニュース)

山口大学、東京大学、愛媛大学の3者は4月2日、レアアースのランタンを主成分に持つ2種類の新鉱物を三重県伊勢市矢持町の山中から発見して「ランタンフェリ赤坂石/Ferriakasakaite-(La)」と「ランタンフェリアンドロス石/Ferriandrosite-(La)」と命名し、国際鉱物学連合(International Mineralogical Association:IMA)の新鉱物・命名・分類委員会(Commission on New Minerals, Nomenclature and Classification)により新種として2014年2月3日に承認されたことを共同で発表した。

成果は、山口大大学院 理工学研究科の永嶌真理子 准教授、東大 物性研究所の浜根大輔 技術職員、愛媛大大学院 理工学研究科の皆川鉄雄 教授、同・博士前期課程の冨田宣光氏、鉱物研究家の稲葉幸郎氏らの研究チームによるもの。なおランタンフェリ赤坂石は、島根大学の著名な鉱物学者である赤坂正秀教授にちなんでいる。

レアアースやレアメタルは、現代のハイテク産業を支える重要な資源として注目されているのが、自然界でどのように分布するのか、どのような鉱物に含まれるのか、鉱物の結晶構造のどの部分に存在するのかなど、まだまだわかっていない点が多い。

レアアースやレアメタルの産出というと、中国などの諸外国のイメージが強いが、実は日本にもそれらを産出する可能性のある地質が存在する。それが、永嶌准教授らも注目している「秩父帯」だ。秩父帯はかつての海洋底堆積物が弱い変成を受けたのちに今は地表に上がってきた地質(付加体)で、近年話題となっている南鳥島近海の海底で発見されたレアアースやレアメタルを含む泥の数億年後の姿に相当するという。

具体的に秩父帯でどのようなレアアースやレアメタルを含む鉱物が発見されているかというと、2013年に永嶌准教授らが「ランタンバナジウム褐簾石/Vanadoallanite-(La)」を、さらに濱根技術職員らが「伊勢鉱/Iseite」を発見している。それら契機となって、さらなるレアアース・レアメタル鉱物探索が秩父帯で続けられているというわけだ。

そうした秩父帯の1つとして知られているのが三重県伊勢市矢持町の山中で、ここには小規模な鉄マンガン鉱床が存在している。研究チームは今回、この鉄マンガン鉱床を詳細に調査。その結果、冒頭で述べたレアアースの新種鉱物が2種類発見されたのである。そして、その2種類の化学組成と結晶構造の分析を詳細に行い、どちらも新種であることが判明、それを受けてIMAへの申請がなされ、新鉱物であることが正式に承認されたというわけだ。

今回の発見を含め、この鉄マンガン鉱床から見出された新鉱物は合計して4種となった(画像1)。いずれもこれまで他地域からの報告はなく、現在のところ、伊勢市矢持町の鉄マンガン鉱床こそがこれらの鉱物の世界唯一の産地であるといえる。

今回のランタンフェリ赤坂石とランタンフェリアンドロス石は、2013年に発見されたランタンバナジウム褐簾石の近縁種で、いずれも「緑簾石」グループの化学組成と結晶構造を持つ。いずれの種も画像2に見られるような褐色~黒色の柱状結晶で産するため、外見からは区別することは不可能だ。含まれる元素の種類によってその鉱物名は変化する。

緑簾石グループは非常に複雑な化学組成と結晶構造を持つ。画像3が、ランタンフェリ赤坂石・ランタンフェリアンドロス石の結晶構造図だ。結晶構造は「単位格子」と呼ばれる最小ユニットが3次元的に繰り返すことで形成されるが(画像3中の黒枠が単位格子を示す)、緑簾石グループはその単位格子の中に8種類の陽イオンが分布する場所(=席)があり、その内5種類(緑簾石グループでは、A1、A2、M1、M2、M3席と呼ばれる)で、それぞれの大きさや特徴に合わせて多様な種類の元素が分布する。主にこの5つの席に卓越する陽イオンの種類と組み合わせによって鉱物名が決定される仕組みだ。

今回発見した2種類の新鉱物はレアアースであるランタンを主成分としていることは冒頭で述べた通りで、共通点としてM1、M2、M3席にそれぞれ鉄、アルミニウム、マンガンを持つ。ただしA1席は異なり、カルシウムが多く入る種とマンガンが多く入る種の2種類があったのである(画像4)。カルシウムの場合はランタンフェリ赤坂石、マンガンの場合はランタンフェリアンドロス石となる。このような元素の組み合わせが緑簾石グループに存在することを証明した例は今回が初めてということで、両者は新種の鉱物として承認されたというわけだ。

今回のランタンフェリ赤坂石・ランタンフェリアンドロス石の発見によって、伊勢市山中の鉄マンガン鉱床からは合計4種のレアアース・レアメタルを主成分とする新鉱物が見出されたことになる。次世代の資源供給源として注目されている海洋底の泥、その数億年後の姿に相当するものがこの鉄マンガン鉱床であり、発見された4種の新鉱物は過去と未来をつなぐ情報を持っているはずだという。研究チームは今後、生成条件などの詳細を明らかにしていくことを考えているとしている。

レアアース主成分の新鉱物2種発見…山口大など
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/life/science/20140403-567-OYT1T50109.html へのリンク
2014年4月3日(木)20:05
読売新聞

 山口大と東京大、愛媛大などの研究グループは、レアアース(希土類)の一種「ランタン」を主成分とする二つの新鉱物を発見したと発表した。国際鉱物学連合が新種と承認し、「ランタンフェリ赤坂石」と「ランタンフェリアンドロス石」と名付けた。

 山口大の永嶌真理子准教授(鉱物学)によると、発見場所は三重県伊勢市矢持町の山中で、昨年は新鉱物「ランタンバナジウム褐簾石かつれんせき」も見つかった。

 永嶌准教授は「産業に利用できるほどの量はないが、全国のマンガン鉱床には同様のレアアース鉱物が眠っている可能性がある」と指摘している。


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