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「日本維新の会」 国政改革への道筋が見えない  「日本維新の会」結党宣言 戦略乏しく多難な船出

2012-09-13 19:35:31 | ウエーブニュース
「日本維新の会」 国政改革への道筋が見えない  gooニュース
   2012年9月13日(木)01:36
   YOMIURI ONLINE

 侮れない政治勢力になりつつあるが、政策も運営体制も急ごしらえの感は否めない。

 地域政党・大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長が、大阪市で党の政治資金パーティーを開き、新党「日本維新の会」結成を宣言した。

 橋下氏は、「何かをやろうとするとぶつかる壁が国の制度と法律だ。本当の意味で大阪の改革をやろうと思えば、法改正しかない」と国政進出の意義を語った。

 日本維新は、次期衆院選で「過半数」獲得を目指すという。

 だが、「大阪都」構想を実現するためだけなら、何も国政に進出する必要はない。橋下氏は、“大風呂敷”とも言える意欲ばかりが先走っているように見える。国政で何をどう実現するのか、説得力のある見解を示す必要がある。

 維新側は、これまで次期衆院選の公約としてきた「維新八策」を「綱領」に変更した。党の価値観を示すものだからだという。

 維新八策には「自立する国家」「決定でき、責任を負う民主主義」といった言葉が並んでいるが、こうした抽象的な表現からは、日本維新がどんな国家を目指すのかが伝わってこない。理念はもっとわかりやすく説明すべきだ。

 維新八策には、憲法改正を伴う首相公選制導入や、衆院の議員定数半減などスローガンのような目標と、社会保障、教育、雇用などの政策が混在している。中長期と当面の政策課題を、きちんと仕分けしなければなるまい。

 橋下氏は「役人では解決できない問題、国論を二分する問題は、選挙で解決するしかない」と強調した。それでは、次期衆院選で具体的に何を公約するのか、明示してもらいたい。

 日本維新は、極めて特異な体制をとる。党本部を大阪に置く。松野頼久元官房副長官ら現職国会議員7人が新党に参加するため、政党要件は満たされる。国会議員団と大阪維新の会など地方議員団は、並列の関係にする方針だ。

 橋下氏は党代表と大阪市長を兼務し、衆院選には立候補しないという。府知事から市長に転身して1年足らずで、最大の政治課題である大阪都構想への取り組みも、これから区割りや財源調整など難しい局面に入るからだろう。

 日本維新は衆院選後、政党間の連携のカギを握る勢力に躍進する可能性もとりざたされている。

 橋下氏は、「自分の時間を削って国政に充てる」と言うが、政治経験のない新人議員らを大阪からコントロールできるだろうか。

「日本維新の会」結党宣言 戦略乏しく多難な船出
   2012年9月13日

 橋下、松井両氏 補選対応ちぐはぐ

 大阪維新の会を率いる橋下徹大阪市長は12日、市内のホテルで開いた政治資金パーティーであいさつし、「いよいよ国政政党をつくることを決めた」と述べ、新党「日本維新の会」の結成を正式に宣言した。日本維新は、橋下氏を代表に、11日に所属政党に離党届を提出した松野頼久元官房副長官ら7人の現職衆参議員で出発する。

 日本維新は党本部を大阪に置く。橋下氏は市長も続け、幹事長も大阪府知事の松井一郎大阪維新幹事長が兼務する。近く総務相に新党設立を届け出る。

 次期衆院選では350人程度の擁立と単独過半数の獲得を目指す。維新政治塾生らを対象にした第1次公募も始める。

 また愛媛県の中村時広知事を支持する愛媛維新の会、松山維新の会幹部は12日夜、大阪維新の会幹部と協議し、日本維新の傘下に入ることで合意した。

                   


 大阪維新の会を率いる橋下徹大阪市長は12日、新党設立を宣言、「国の根っこを変える」と息巻いた。しかし、衆院補欠選挙への対応をめぐり、「主戦論」を唱える幹事長の松井一郎大阪府知事に橋下氏が待ったをかけるなど、国政に向かう戦略性の乏しさは否定できない。「急ごしらえ」の国会議員団、大阪にいる党首との連携…。新党は多くの不安材料を抱え、船出を迎えた。

 一地域政党のパーティーに、1枚2万円のチケットが飛ぶように売れ、会場には4千人が駆けつけ、熱気にあふれた。

 「100年、200年解決できないことは選挙で決めるしかない。全国で大戦(おおいくさ)をやって、東京一極集中を変える。道なき道を進む」

 高揚した橋下氏はこうあいさつした。その後は記者団に「第三の選択肢となる」と述べ、日本維新の会が民主、自民両党に代わる政党になることを誓った。しかし、パーティーの直前、一悶着(もんちゃく)があった。

 松井氏は12日朝、松下忠洋金融・郵政民営化担当相の死去に伴う衆院鹿児島3区補選への候補擁立について「戦っていく姿勢は示さないといけない」と述べ、前向きな姿勢を示したが、トップの橋下氏は違った。「すべきじゃない。選挙屋としてみられるのは間違いない。国民が引いてしまう」

 松井氏が「最終的には代表が決定する」と自らの発言を事実上訂正したことで収まったが、意思統一の不十分さは明白。新党は、橋下氏が党首を務め大阪に党本部を置く。新党の始動後、東京で活動する国会議員団と橋下氏の間でも同様の不一致が起きかねない。

 新党に参加する衆参7議員は11日に国会内で会見し、新党入りを発表。席上、自民党に離党届を出した松浪健太衆院議員は「おおまかな方針を党首とすり合わせて、国会議員団は自立的に判断をする」と強調したが、政策決定や国会対応のスピードが欠けることも十分に予想される。

 そもそも、維新が7人の国会議員を確保したのも、政党要件を満たすための「数合わせ」の色合いが濃い。一方で議員側には、維新の勢いをバックに厳しい選挙戦を乗り切ろうという思惑も見え隠れする。

 また、日本維新は、350人規模の候補者擁立を目標に候補者の公募を始める。応募は殺到しそうだが、維新政治塾生を含め、質の高い候補者を果たして確保できるのか、課題は山積している。

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【用語解説】大阪維新の会

 大阪府と大阪市の二重行政を解消する「大阪都」構想の実現を掲げ、平成22年4月に当時の橋下徹府知事が代表となり、府議らと立ち上げた政治団体。政治家養成のための「維新政治塾」を今年3月に開講するなど国政進出を視野に入れ、今月8日に新党「日本維新の会」の結成を決定した。

  (産経新聞テキスト朝刊)

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