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「角田ファミリー」疑似家族の闇、解明へ

2012-11-07 20:27:01 | 事件

「角田ファミリー」疑似家族の闇、解明へ
   2012年11月7日(水)18:01
   (読売新聞)

 兵庫県尼崎市の連続遺体遺棄・行方不明事件は、県警が7日、死体遺棄容疑で角田すみだ美代子被告(64)(尼崎市のドラム缶遺体事件の傷害致死罪などで起訴)や親族らの一斉逮捕に乗り出し、全容解明へと動き出した。

 非血縁者たちが次々に角田被告の下に集められ、共に暮らした「角田ファミリー」。周辺に数多くの死者、行方不明者を出した不可解な疑似家族はどうやって形成されたのか。捜査関係者や知人らの証言で追った。 

側近

 「子供を産んだら、お姉ちゃんにあげる」

 捜査関係者らによると、角田三枝子被告(59)(事件の行方不明者らに関する窃盗罪で起訴)は成人前、美代子被告にこう誓ったとされ、1986年に優太郎容疑者(25)を出産すると、約束通り、美代子被告の子として届け出た。

 2人の出会いは、三枝子被告が幼少の頃に遡る。家族で美代子被告の実家に間借りし、5歳上の美代子被告を姉のように慕った。やがて美代子被告の親の養子となり、義姉妹になる。

 「2人は異常なほど一緒に行動していた。常に三枝子被告が従っている感じだった」。中学時代の同級生は振り返る。

 2人はその後、横浜市で飲食店を共同経営し、尼崎市に戻った後も同居を続けた。捜査関係者によると、複数の親族や他人を交えた集団生活で三枝子被告は、美代子被告の「金庫番」のような役割を担っていたという。2005年には、美代子被告の指示で結婚したとされる夫(当時51歳)が沖縄県で転落死し、多額の保険金を取得。また、3人の遺体が見つかった尼崎市の民家の住人女性(88)らの年金を勝手に引き出し、生活費にあてていたとされる。

 この年金窃取の共犯とされたのが角田瑠衣るい被告(27)(窃盗罪で起訴)。美代子被告らに離散させられた高松市の一家の次女で、優太郎容疑者と07年に結婚した。美代子被告から「私の後継者や」とかわいがられ、マンションからの脱走者を連れ戻す際にも同行していたという。

扶養

 美代子被告の内縁の夫・鄭頼太郎容疑者(62)は30年以上前から同居していたとされる。知人によると、美代子被告に名を呼び捨てにされ、常に無言で指示に従っていたといい、「働く様子もなく、美代子被告に食べさせてもらっていたはず」と証言する。

 民家で遺体で見つかった仲島茉莉子なかしままりこさんの夫だった康司容疑者(42)についても、沖縄県に住む親族が「美代子被告に生活の面倒を見てもらっていた」と打ち明ける。

 康司容疑者は06年、岡山県の海から遺体で見つかった知人の橋本次郎さん(当時53歳)を頼り、橋本さんが住む美代子被告のマンションに転居。間もなく病気で入院したところ、美代子被告から「私が入院費を立て替えた。謝罪に来い」と親族に電話があった。親族が駆け付けると、美代子被告は「金を払え」と朝方まで責め立てたという。

 康司容疑者は美代子被告らの暴力に耐えかね、茉莉子さんと一緒にマンションから逃げ、連れ戻されたことがある。「逆らえず、犯行に加わったと思いたい」。親族は力無く、そうつぶやいた。

養子縁組

 養子縁組で美代子被告の親族に加わったのは、いとこになった李正則受刑者(38)(尼崎ドラム缶事件の死体遺棄罪などで服役)と、美代子被告の養子に入った角田健太郎容疑者(30)の2人だ。

 健太郎容疑者は、美代子被告が98年頃、親族の葬儀を巡るトラブルで責め立てた尼崎市の女性の孫。美代子被告は女性宅に居座り、女性やその息子らを軟禁状態に置いたが、当時中学生だった同容疑者のことは気に入ったのか、高知市の母方の実家に乗り込み、「芸能活動をさせる」と言って尼崎に連れ帰ったという。

 連続遺体遺棄・行方不明事件 兵庫県尼崎市の無職女性(当時66歳)の遺体をドラム缶にコンクリート詰めにしたなどとして死体遺棄罪などで起訴された角田美代子被告の周辺で行方不明者が相次ぎ、県警は先月、同市内の民家から男女3人の遺体を発見。岡山県備前市の海からも、ドラム缶にコンクリ詰めされた橋本次郎さんの遺体を見つけた。いずれも角田被告や親族らの暴行で死亡した疑いがあり、ほかに女性2人が高松市や兵庫県に埋められているとの情報がある。


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