徒然日誌(旧:1日1コラ)

1日1枚画像を作成して投稿するつもりのブログ、改め、一日一つの雑学を報告するつもりのブログ。

彩の月、果樹と宴の町にて 5

2019-10-19 14:07:51 | 小説



 訓練学校に入ってから1週間が過ぎました。イラレの基本のパスの練習をしてました。来週から本格的に始まります。



 




 本文詳細↓




 でも、僕の隣に立っていた半獣半人の男性(馬や山羊などの下半身を持つ彼らは普通の椅子には座れないから、基本カウンターに案内されて椅子も下げられる)も涙目で水を何杯もあおっていたから、大の甘党のアダムだけが大げさだったわけじゃないかもしれない。実際、他にもいたお客さんの反応を見て、店主のお兄さんもレシピに手を加えていたようだったし。
 「次はあそこじゃ! 甘いものも充実してるという話のバーじゃ! 初めからああいうところにしておけばよかったものを!」
 「ああ、うん、悪かったって」
 円形の広場に面しているバーの木の扉を押した。カラランとベルが軽い音を立てた。いらっしゃい、と声をかけてくれたマスターは、一ツ目の大きな男性だった。店内は思っていたよりも広くて、カウンターとテーブル席の他に小さいステージがあった。きれいなエルフの女性が弦楽器をかまえて、ゆったりとした曲を奏でていた。
 空いていたカウンター席に座る。アダムはマスターから声がかかる前に、カウンターへ飛び降りると注文を始めてしまった。
 「我はホイップたっぷりアイスとフルーツ盛り合わせ、酒はさっぱりすっきり冷たいものを頼む!」
 「はいよ。そっちの兄ちゃんは何にする?」
 マスターは嫌な顔をせず頷いてくれた。
 「特に好みはないので、あなたのおすすめをいただけますか?」





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする