徒然日誌(旧:1日1コラ)

1日1枚画像を作成して投稿するつもりのブログ、改め、一日一つの雑学を報告するつもりのブログ。

彩の月、果樹と宴の町にて 1

2019-10-15 16:20:02 | 小説



 今日は訓練学校の開講式でした。めちゃくちゃ厳しいよって脅されたんですけど、生き残れっかな...
 というか、訓練生の人たちがすごかった。前職事務職ですとか言ったのウチだけやったんですけど。どういうことなの。










 本文詳細↓



 果樹と宴の町へようこそ! ポップな文字の踊る看板が、町のいたる所にかかっていた。色とりどりの花が咲き乱れていて、素朴で可愛らしい印象を受ける町だ。
 一方花より酒のアダムは、宴という単語に反応して、僕の肩で寝そべったまま足をぱたぱた動かしていた。まあ果物特有の甘く爽やかな香りと、町の奥のほうから聞こえてくる陽気な音楽。さらに頭の上で燦々と輝く太陽とくれば、浮かれるなというほうが無理か。
 さて、この果樹と宴の町というところは、なだらかな山に囲まれた平野にあった。といっても、いわゆる居住区は平野の真ん中辺りにこじんまりとあるだけで、あとは一面果樹が植えられていた。蜜柑、林檎、桃、葡萄、梨など、見える範囲だけでも数え上げればキリがない。そんな果樹園の間を縫うように整備された道を歩くと、木のアーチが架かった居住区の入口に着く。収穫をしている人たちにも、羽の生えた小さな妖精に指導されながらその場でジャムを作っている女の子にも、皆から声をかけられたから、この町の人はみんなおおらかで人懐っこいのかもしれない。
 レモン色の髪から渦巻く角がのぞいている獣人の少女に、まず宿屋の場所を尋ねた。そして知ったんだけどこの町、なんと宿屋が一軒しかなかった。仕入れの商人の他、ケーキやお酒を目当てに来る観光客は多いだろうに(実際、見かける人の半分以上が僕と同じ旅の装いだった)。
 その疑問をぶつけてみて、返ってきた答えがこちら。


コメント
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