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【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

【孫崎享のつぶやき】

2023-04-16 10:42:36 | 転載と私見
引用日刊ゲンダイ 孫崎享「安倍元首相を銃殺したのは山上被告なのか…犯人が別にいるのであれば、世紀の滑稽譚に 日本外交と政治の正体」

2023-04-16 07:353


ジョン・F・ケネディ米大統領の暗殺事件が起きたのは1963年11月22日である。当初、リー・ハーヴェイ・オズワルドの単独犯行とされたが、今日、多くの米国人は単独犯行とは考えていない。映画監督のオリバー・ストーンは91年、この事件を調査した地方検事の姿を主に描いた「JFK」を作製し、アカデミー賞で撮影賞と編集賞を受賞した。

 ケネディ暗殺事件を踏まえた上で、昨夏の参院選の応援演説中に銃撃され亡くなった安倍元首相の事件の展開は今後どうなるのだろうか。
 私はこれまで、東大名誉教授や自民党関係者、評論家、米国人などから直接あるいは仄聞で、安倍氏の殺害事件は山上徹也被告の銃ではない可能性がある──と聞き、彼以外の人物による犯行の有無を考察してきた。

 近年、こうした作業でありがたいのは、疑念を持ってツイッターに呟くと、不思議にすぐ関連情報が集まることだろう。
 極めて重要だと思われる情報は、銃撃当日の治療に従事した奈良県立医大付属病院での福島英賢教授の説明である。
 彼は「頚部前の付け根付近で真ん中より少し右に2つの銃創があり、一つは左の肩から貫通して出たとみられる」と説明していた。これを安倍氏と当時の山上被告の位置関係で考えてみる。

 極めて単純な論である。
 1発目は安倍氏が前を向いて演説しているから、当たっても後ろである。安倍氏は時計の反対回りで後ろを振り返っている。頚部前方の回転は90度以内である。山上被告の銃弾は角度からして安倍氏の頚部前の付け根付近には当たらない。
 福島教授が説明した時の関心は、安倍氏の治療がどうだったか、いつ死亡したかであり、誰も犯行と結び付けて考えてはいない。
 少なくとも福島教授の説明と銃撃事件の映像と併せ考えれば、銃弾は前方ないし、右から撃たれている。つまり、山上被告が安倍氏を銃撃するのは難しいと言わざるを得ない。では仮に安倍氏を銃撃した人物が山上被告ではないとすれば、誰が殺害したのだろうか。
 我が国は安倍氏の国葬まで行った。そして多くの人は山上被告を殺害犯と思っている。だが、万が一にも犯人が別にいるのであれば、世紀の滑稽譚となるであろう。

【孫崎享のつぶやき】

2023-04-15 14:41:37 | 転載と私見
ウクライナにブラジルですら和平の動き。ロシアとウクライナの間の和平交渉を仲介するために、中国、インド、インドネシアを含む国のグループの創設を提案。更に元外相をモスクワに送り打診。日本って平和国家じゃないのか。間接的に戦争ヤレヤレ側についてる


2023-04-14 06:11


ブラジルのウクライナ和平交渉計画は定着するか(4月7日米州対話)Will Brazil’s Plan for Peace Talks on Ukraine Take Root?(4月7日The Inter-American Dialogue)
ブラジルのルーラ・シルバ大統領は、ロシアとウクライナの間の和平交渉を仲介するために、中国、インド、インドネシアを含む国のグループの創設を提案した. 中国、トルコ、その他のいくつかの国も、ウクライナでの戦争を終わらせるために外交的な圧力をかけようとしている.
諮問委員会のメンバーであり、米州対話の名誉会長であるピーター・ハキムは、次のように述べている。 交渉は、ウクライナとロシアの戦争に最善の解決策を提供する。(和平への) 代替案は、より暗く、より破壊的な結果である。

ロシアが勝利し、ウクライナの独立を終わらせ、米国とNATOに屈辱を与えるかもしれない。 最近の他の紛争と同様に、戦争は何年も続く可能性がある。 膠着状態が長引くか、敗北に近い状態が続くと、絶望的なロシアからの核反応が引き起こされる可能性がある。 NATO はすぐにウクライナに保護を組み込み、NATOをウクライナに拡張できるか?
それ等は誰もが期待できる解決策ではない。

ルーラは今日、ウクライナとロシアの戦争の真剣な交渉を管理するための政治力と信頼性を備えた数少ない国際的指導者の 1 人である。
和平への動きその成功、あるいは実際の進歩さえも、ブラジルの世界的な名声と影響力を高めることになるだろう.2010年に大統領を辞任して以来、ブラジルの影響力は急激に低下している。
紛争の終結は、弱体化したブラジル経済の回復を早めると同時に、世界の経済見通しを押し上げる。
しかし、平和を追求することは、ブラジルにとってリスクがないわけではない。 ロシアとNATOが戦争に同等の責任を負っているというルーラの最初の主張(現在は大幅に軟化している)と、最初の石を投げたとしてプーチンを非難することに対する彼の逡巡は、ブラジルと米国およびヨーロッパとの概ね前向きな関係を危険にさらしている.
同様に、ロシアが唯一の責任であるとブラジルが声明すれば、ブラジルの重要な貿易パートナーであるロシアとおそらく中国との経済関係を危険にさらす可能性がある。
交渉による和平を求めるルーラの意図は称賛に値する。

しかし、複雑で危険な状況に飛び込みすぎた可能性がある。 米国、中国、ウクライナ、ロシア、ヨーロッパ諸国を含む主要なプレーヤーが、戦争と可能性のある平和のイニシアチブと妥協についてどのように考えているかを遡って、はるかによく読み取る必要がある。 彼の主要な外交政策顧問であるアモリムの最近のモスクワ訪問は、その方向への重要な一歩かもしれないが、他の多くの人によって後を続けてもらわなければならない。
デューク大学の国際問題担当上級顧問で、元駐ベネズエラ米国大使および元サンパウロ米国総領事であるパトリック・ダディは、次のように述べている。 彼の国際的な野心とブラジルの利益の両方から。 戦闘を終結させるための彼の努力は、近い将来成功する可能性は低い. ルーラは、グローバル サウスにおけるブラジルの指導的役割の再確立を目指しており、戦争の終結はグローバル サウスにとって重要である。 ウクライナでの戦争は、食料品とエネルギーの価格の上昇と肥料の不足を引き起こし、ブラジルを含む他の生産者の能力に影響を与え、戦闘国からの農産物輸出の減少を補う. ルーラの和平交渉は、中国が 2 月に提示した計画ほど明示的ではないが、ウクライナとロシアがそれを受け入れる可能性はもはやない。 いくつかの理由がある。 ブラジルは、ロシアの侵略を「非難する」最新の国連決議に投票したが、ルーラは過去に、ゼレンスキーとウクライナも紛争の責任を負っていると主張した。 さらに問題なのは、ブラジルが提案した平和クラブの協力者は BRICS 諸国 (およびインドネシア) であり、したがって、ロシアの軍事作戦の積極的な支持者ではありませんが、本質的にロシアと提携している。

ブラジルが支持した国連決議は、ロシアがウクライナ領土から撤退することを明確に求めていた。 中国の和平計画はそうしなかった。 ロシアのウクライナ領土からの撤退は、少なくともウクライナが戦場で勝利していると信じている限り、ゼレンスキーにとって交渉の余地のない条件となる可能性が高い。 しかしプーチンにとって、2022年以前の国境への撤退は敗北と同義だ」
ACM グローバル インテリジェンスのマネージング ディレクターであるアマンダ マッティングリー氏は次のように述べている。 大統領としての最初の任期でさえ、ルラは世界の舞台で自分自身とブラジルのためにもっと大きな役割を望んでいた. 前任者のジャイル・ボルソナロの下でブラジルを孤立させていた期間を経て、彼がオフィスに戻った今、ルラはウクライナでの紛争を解決するための「平和クラブ」のアイデアを推進している. ウクライナを武装させた米国とは対照的に、ルーラは仲介による和平解決を積極的に推進している。 この目的のために、ルーラは最近、ロシアのプーチン大統領と会談するために、彼の最高外交政策顧問であるセルソ・アモリムをモスクワに派遣し、4月14日に北京で中国の習近平国家主席と会談する予定だ。他のラテンアメリカ諸国と同様に、

ブラジルは、ロシアと中国の両方との重要な貿易関係と西側、つまり米国とのつながりを考慮して、紛争で中立を維持しようと努めてきた。 しかし、バイデン米大統領を含む世界の指導者と会談するためのルーラの最近の取り組みと、ウクライナでの和平に関する彼の提案は、他のラテンアメリカの指導者とは異なる方法で彼を世界的なスポットライトに押し上げ、彼の 「平和クラブ」の提案は多くの注目を集める。 『ブラジルが帰ってきた』と示す代わりに、ルーラは、地政学的な現実に直面して、ナイーブに見え、影響力を欠いているように見えるリスクを冒している。」

ジョンズ・ホプキンス大学の高等国際問題研究大学院のラテンアメリカ研究プログラムの名誉教授である Riordan Roett 氏は次のように述べている。アモリム元外相のモスクワ訪問とビエイラ外相のコメントは、ボルソナロの在任期間中のイデオロギーの深い外交政策の後、多国間外交への回帰を示している。
ロシアは重要な貿易パートナーである。ブラジルのアグリビジネス セクターの成功には、豊富な肥料の供給が不可欠である。 中国は現在、ブラジルの最大の貿易相手国であり、大豆や鉄鉱石などの商品に対する飽くなき欲求を持っている。 しかし、ルラが大統領を務めていた8年間は、非同盟の立場が可能であった。 ロシアのウクライナ侵攻後、世界は劇的に二極化している。 バイデン政権は、ブラジルが紛争で「仲介役」を演じようとしていることに注目しているが、ウクライナでの戦争は、米国とNATOとクレムリンの間で深刻な二極化が進んでいる。 しかし、ホワイトハウスは、ブラジルが対ロシア戦争を支援するために同盟国を必要としていることを明らかにした。 なだめるようなブロマイドは西側では無関心に見舞われ、グローバル・サウスによるイニシアチブは有用であると認められるが、ウクライナでのロシアの敗北を追求する目的の上では重要ではない.

ABC 連邦大学の准教授であり、国家科学技術開発評議会の研究者でもある Gilberto M. A. Rodrigues は次のように述べている。 国際政治。 ウクライナでの戦争で非同盟を維持するという決定は、和平プロセスの信頼できる仲介者として行動できる国としての国の立場を強化しようとする一方で、紛争中の 2 つの権力ブロックとの戦略的関係を壊さないという二重の利益をもたらす。 ブラジルは、国連安全保障理事会の輪番理事国という条件に支えられて、今日、この役割を果たすのに最適な状態にあるラテンアメリカ地域の代表である。 ルーラ大統領によって提案された「平和の友」のグループは、イニシアチブの正当性とその地域の多様性を高め、2つのブロックが他のブロックに及ぼす圧力を弱め、それぞれの立場に合わせることに貢献する可能性がある。 効果的で持続可能な和平プロセスには、戦争の平和的終結と新たな紛争後の国際秩序の形成を可能にするロシアの主要な対話者および中心的な保証として、中国の関与が必要である。 この意味で、ブラジル外交の動き、ルラのアドバイザーであるアモリムのロシアへの静かな訪問、そしてルーラの 100 日間の任期の終わりに控えたハイレベルの中国訪問は、紛争の結果に貢献する対話者世界のテーブルにおけるブラジルの地位を強化した。。」
FrontierView のアナリスト、Cecilia Godoy 氏は次のように述べている。 直後の数週間で、この地域の大統領の約半数は、ロシアの侵略を明確に非難しなかった – ブラジルの当時のボルソナロ大統領を含む – 非干渉の原則と、Covid-19 パンデミックとの闘いを支援するために計画された大規模なスプートニク V 配達に動機付けられた. しかし、紛争が長引くにつれ、この地域は和平交渉の先頭に立って積極的に活動するようになってきた。 メキシコのオブラドール大統領は、コロンビアのペトロ大統領が支援するイニシアチブである紛争への5年間の停戦を追求するための調停委員会の創設を提案した最初の人物の1人であった.

就任以来、ルーラ大統領は、ブラジルを公平な地域および世界の大国として位置づける意向を明らかにしてきたが、調停者の役割は、確かにブラジルの中立という憲法上の教義に沿っている一方で、ルーラ大統領の経済的動機も保護している。 米国と欧州連合がブラジルへの海外直接投資を提供する主要市場であり続けているだけでなく、ロシアは何年もの間ブラジルのトップの肥料提供者であり、輸入投入物に大きく依存しているアグリビジネス部門にとって不可欠である。 和平交渉の交渉を主導したいというブラジルの熱意は、間違いなく、ボルソナロ後の状況において、外交および安全保障界内での国際的名声を再確立するのに大いに役立つだろうが、それはまた、ロシアの影響に経済的に耐えるための非常に良い立場に国を残すことにもなる。」

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激動と不安定の時代に羅針盤のごとく【TBS報道特集4月8日】

2023-04-09 17:04:47 | 転載と私見
 世情

すぐに統一地方選挙が始まるが、分裂選挙。一方で市民の情熱も感じる。華々しく選挙は進むが、一方で立候補不在で無投票当選や選挙に立候補しない傾向もみられる。
最近、日本の周囲でアメリカ、韓国、中国、北朝鮮などの動きが慌ただしい。相手を責めあうが、自分たちは何をしているか、その省察と熟慮が足りないまるでゲームのような軽量政治軍事が目立つ。外交交渉の重みの薄い傾向に危惧を覚える。

 坂本龍一さんの死

坂本龍一さんが新宿高校時代、不合理や戦争にアンチテーゼを示し、学生運動にも参加したことを聴いたことがある。ずっと平和を願い音楽に結晶化させてきた方だ。私は関西フォークや笠木透さんや横井久美子さんの音楽に関心がある。元ちとせさんの言葉に坂本龍一さんを初めてs知る想いだ。「死んだ男の残したものは」は60年安保の時代から長い射程を有す。武満徹作曲谷川俊太郎作詞の心を震わす歌。音楽を専門的に学んだ坂本さんはジャンルや国籍を超えて音楽の根元で深い重みをもっていたのだ。
武満徹詞
谷川俊太郎曲
いろんな歌手が歌っている。
賠償千恵子さんの歌唱
https://youtu.be/bcCqmzq0d60

小室等 / 「死んだ男の残したものは」(谷川俊太郎作詞、武満徹作曲) - YouTube
https://youtu.be/18kV9YrruBI

金平茂紀氏が、坂本龍一氏を語り、胸にせまる想いにご自身が感動と哀しみに一瞬絶句された。金平氏と坂本龍一氏が共有する芸術と感性の地平。まだまだ私には到達できていない深さだと後から思った。

❸ 「お笑い米軍基地」が伝える沖縄


芸人さんという存在に、根源的なひとの感覚にアピールするメッセージがある。チャップリンの映画の中に笑いとひとの感性が生きいきと根強いことを感じた。
チャップリンの「独裁者」を親に連れられ鑑賞した時、喜劇が描き出す世界がある。沖縄の悲劇と笑顔。漫才コンビガレッジセールのゴリさんが高校野球の監督になって、制作された映画を見た。感動的な映画だった。お笑い米軍基地さんが「チャップリンは『独裁者』でヒットラーの独裁を人間の一面としてそれも肯定しつつ、独裁者の全体像を描きだした」という。深く見ていることに肯いた。


【私見】「報道特集」と私
実はこの後に報道とジャーナリズムについて、書いた箇所があった。最近ネットで書いていて、途中でとんだり消えたりすることがある。最初は対策に頭を
痛めていたが、今は浮足だたない。与えられた状況のもとで実行できる半径のなかで執筆がネットに伝わればよい。その反復でいずれ書いていることが徐々に理解されればよいという考えだ。
「報道特集」を見たのは、見ていたTBS「news23」のキャスター岸井成格氏と膳場貴子さんが番組降板という異常な事態が起きたときの頃だ。それから、金平茂紀氏、日下部正樹氏、膳場貴子氏、村瀬健介氏、上村彩子氏、高柳光希氏、皆川玲奈氏、長峰由紀氏、久保田智子氏など錚々たるメンバー歴代も現在もキャスターやアナウンサーとして活躍してきたし、現在も活躍している。
いまの時代、現場には外部からのプレッシャーがあると思うが、メンバーは淡々とこなしている。またデイレクター佐古忠彦氏や曺琴袖編集長らスタッフが番組を支えている。

不倫報道の黒岩祐治神奈川県知事が「軽率な行動で女性を傷つけた」と謝罪 県知事選は「審判を仰ぎたい」

2023-04-06 19:27:39 | 転載と私見
不倫報道の黒岩祐治神奈川県知事が「軽率な行動で女性を傷つけた」と謝罪 県知事選は「審判を仰ぎたい」
2023年4月6日 16時04分
自身の過去の不倫について謝罪する黒岩祐治知事



 神奈川県の黒岩祐治知事(68)は6日、横浜市内で記者会見し、同日発売の週刊誌「週刊文春」で報じられた過去の不倫について事実を認め、「軽率な行動で女性を傷つけたこと、長年支えてくれた妻を裏切ったことを心からおわびする」と謝罪した。4選を目指して立候補した知事選(9日投開票)では、「(有権者の)審判を仰ぎたい」と活動を続ける意向を示した。

 同誌や黒岩氏によると、フジテレビキャスター時代の2000年ごろ、共通の知人が開いた会合で女性と知り合い、11年間交際。11年、知事選初出馬に際して別れを申し出た。妻にも同年、謝罪したという。

 黒岩氏は会見で県民に対し、「不快な思いをさせた。がっかりさせた」と陳謝。知事選について問われると、自身の政策に期待している有権者もいるとし、「撤退するのは逆に県民に迷惑をかける」と述べた。

 知事選には他に、無所属新人の岸牧子さん(66)=共産党推薦、無所属新人の加藤健一郎さん(73)、政治家女子48党党首の大津綾香さん(30)=同党公認=も出馬している。(志村彰太)


【私見】
選挙日がもう3日後に迫るきょう(4月6日)突然に、黒岩祐治氏の不倫スキャンダル記事が、今朝の新聞に掲載されたきょう発売の週刊誌広告記事に載った。私は瞬間的にトランプ前大統領の女優との不倫と口止め金疑惑を提訴され、午後に起訴されたことを連想した。
トランプは、徹底的に事件をでっち上げと反駁した。黒岩氏は夕方のテレビニュースで全面的に認め謝罪に徹した。この違いは、2人の人間性の違いに基づくものなのか。それとも、アメリカでは正義と悪事との峻別が徹底しているので、安易に認めるとさらに追及されるのか。日本では反省し謝罪すれば、世間は比較的ゆるやかなのであろうか。
私は、過去はそうだったが、現在のフェミニズム思想が日本でも広範にひろがっている現在では女性層に以前の反応とは異なる対応があるような気がする。

【色平哲郎氏からのご紹介】「可哀想なアイヌは描かなくていいから、強いアイヌを描いてくれ」

2023-03-26 17:23:47 | 転載と私見
・最後にこの先の意気込みを教えてください。



中川 この漫画が引き起こした社会的なインパクトは大きい。アイヌ文化に対して注目が集まるようになった。それがこれからいい方向に行くかどうかは、我々の努力にかかっている。連載が終わったら関心が薄れてしまうことがないように、この衝撃をどうやって継続していくかを考えていきたいと思います。

野田 ゴールデンカムイを描くうえで、北海道にいるあちこちのアイヌの方たちに会ってきました。僕にアイヌの方たちからは、ああしてくれこうしてくれというのは、1回だけしかなかったんです。それは、「可哀想なアイヌは描かなくていいから、強いアイヌを描いてくれ」と。それだけだったんです。

「鹿の脳みそも食べた」 人気漫画『ゴールデンカムイ』の作者のこだわりとは〈週刊朝日〉

第22回手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催) マンガ大賞に選ばれた『ゴールデンカムイ』(集英社)


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日米安保について多くの日本人が「米国が日本を守るための条約」だと思わされていたのである。しかし今ははっきりしている。安保条約はずっと、米国がアジアで戦争する際に、日本を米軍基地として使うために存在していたのである。

「日米安保がなくなる日」 田中優子 「金曜日」2023年3月24日


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戦場にかつて対峙し旗もあらん今揃い進む九十四ヶ国旗 

1964年オリンピック 新聞紙上より


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「私は、これほどまでに衰退しつくした日本農業をどうしたら回復することができるか私なりに考えぬいたすえ到達した結論が、あの昭和初期の代表的な農本主義者、橘孝三郎の『家族的独立小農法』(1934年)と類似していることを見出したとき、われながら全く驚いたのである」

飯沼二郎「思想としての農業問題」 農山漁村文化協会 1981年



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「(近代日本においては)『思想』の生み出す価値は、実生活上の便宜、習慣、感情に、つまるところ超越しないといってよい。倫理的価値も、美的価値も、いや、価値ばかりではなく、科学的真理さえもがだ」

「『日本の理想を生かすために、一先ずこの国を葬ってください』
・・矢内原のキリスト教徒としての態度は、この一句にあきらかだといってよいだろう。『理想』は『国家』の上にあり、『国家への忠誠』を超越して、『真の愛国』への道をひらく。
・・国家を批判する基準がごうも動かなかったのは、それが外国に投影されていたからではなく、超越的な真理につながっていたからであろう」

加藤周一


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1937(昭和12)年7月(44歳)には日中戦争が始まり、矢内原は『中央公論』9月号にこれを批判する『国家の理想』を書いた。これはただちに全文削除の処分をうけ、大学内外において連携したファッショ勢力はこの論文を問題にし、矢内原を大学から追放しようとしたが、決め手を欠いた。そのとき、10月1日に藤井武7周年記念講演会で行なった『神の国』の講演を掲載した『通信』が警察の手に入り、

* * * *

今日は、虚偽(いつわり)の世に於て、我々のかくも愛したる日本の国の理想、或いは理想を失ったる日本の葬りの席であります。私は怒ることも怒れません。泣くことも泣けません。どうぞ皆さん、もし私の申したことがおわかりになったならば、日本の理想を生かすために、ひとまずこの国を葬って下さい。

* * * *

という一句が決め手となって、矢内原は(東京)大学を去った(矢内原事件)。


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ファシズムの怖さは、草の根の人々も時流に乗って牙をむくところ。井上ひさしは、それを「フツー人の戦争責任」と読み解いてきちんと検証することの大切さを訴えていた。
二度と繰り返させないために。


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「テロとは他者が『われわれ(米国)』に対して行う行為であり、『われわれ(米国)』がどんなに残虐なことを他者に行っても『防衛』や『テロ防止』と呼ばれる」

Nチョムスキー


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「世界にも類例のない大がかりで、陰うつな、社会的虚構であった」
「信じるふりをする」
「個人が属する小集団を支配する『家族的意識』が、『思想』に優先する」

加藤周一


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2020年現在で露光装置の世界シェアは、ASMLが63%、日本のキヤノンが30%、ニコンが7%をそれぞれ占めています。オランダと日本の企業が100%を掌握している市場なのです。中国では上海微電子装備集団(SMEE)が露光装置を生産しているものの、90ナノメートル級の装置だそうです。

「核爆弾級の制裁」に直面した中国半導体(下)
CHOSUNONLINE.COM


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難民としての保護をおろそかにしたまま、新たな制度を継ぎ足しても、ゆがみを広げるだけだ。
今回の法案は、2021年に成立を断念した法案の大枠を維持している。
旧法案には、UNHCRが重大な懸念を表明したほか、国連人権理事会の特別報告者らが共同で、
人権保障の水準を満たしていないと指摘していた。
それに応える修正はなされていない。日本の入管制度は人権諸条約に違反しないとうそぶく
当局の独善をさらに勢いづかせてはならない。
法案は廃案にすべきだ。

〈社説〉入管法改定案 命の危険にさらすのか|信濃毎日新聞 2023/03/10



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https://www.youtube.com/watch?v=6vuM0ldRzA8

【酒井隆史にきいた】なぜ私たちはどうでもいい仕事から抜け出せないのか


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防衛費をGDPの1%枠(5兆円)から、米国主導のNATO(北太西洋条約機構)に倣って、2%(11兆円)に増額する方針を打ち出したのです。

そして、日本の先制攻撃ととらえられかねない「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有を公言しています。専守防衛の国是を否定するかのような安保政策の大転換なのですが、
与野党の国会論議も深まらず、財源確保のための増税についての議論も曖昧なままです。

ましてや野党は、防衛費増額に全党反対どころか、日本維新の会、立憲民主党、国民民主党の3党は、防衛費増額については条件付きで迎合している有様です。

財源の増税についての異論がある程度なのです。


原発にミサイル撃墜なら日本国民は全員死亡。自民党が推し進める「軍拡」のお先真っ暗 -


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「スクープ報道」と「後追い報道」の双方がうまく機能した


ETV特集班が先行して取材した「スクープ報道」のドキュメンタリー。NHKはそれをニュースで小出しにすることで、他社の追随を許さず、指導監督機関である東京都や国に反応をぶつけながら、問題の改善へと報道の流れをつくっていった。民放でもテレビ朝日、TBSなど一部のテレビ局は、堅実に「後追い報道」をしながら比較的短い放送時間で視聴者が理解するのが難しい精神医療の問題を伝えようとしている。

「スクープ報道」と「後追い報道」の双方がうまく機能して、滝山病院という精神医療の闇の実態が国民の目にさらされて、少しでも改善の方向に向かっていくことを願う。
このドキュメンタリーで伝わる、亡くなった患者の救いを求める切実な訴えと患者救出に命がけで取り組む弁護士。対照的に患者を暴力で威圧する看護スタッフの下衆な言葉づかいや“院長”の話し声。人間という存在の尊厳とは何か。人生の幸福とは何か。最後まで考えさせられる。それは映像メディアだからこそ伝えられるリアリティーだろう。

「ここね、人が人を殺すとこなんです…」
相次ぐ患者の“死亡退院”をスクープしたのはNHKだった(文春オンライン)


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孫崎 享@magosaki_ukeru 3月5日

「1945年1月時点収容所は6月には閉じるだろう、遅くても8月、と分かっているのが興味深い」の指摘〇。
日本では当時本土決戦が主流。原爆投下(広島8月6日長崎8月9日)ソ連対日参戦8月9日、がなければ日本は戦争を続けていたろう。
ルーズベルトはスターリンに参戦要請。その際千島確保を容認と伝える

引用ツイートRei Magosaki / 孫崎玲@rm4p 3月4日
大学のアーカイヴに4通のCA日系収容所からの手紙が残されているので翻訳している。1945年1月時点で収容所は6月には閉じるだろう、遅くても8月、と分かっているのが興味深い。まさか原爆とは思っていない


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少なくともここ2000年ほどのあいだ、リベラルアーツには今日的な分類で言う理系学問が含まれていた。ハーバード大学やイェール大学や国際基督教大学が”Arts and Sciences”と呼ぶものは、「文系」と「理系」を別々に並べたわけではなく、人が教養をもつ自由な市民となるために必要なすべての学びを総称したものである。

「ボナエ・リレラエ」森本あんり 「世界」2023年2月号


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日本は憲法を順守している限り、単独では戦争に巻き込まれる心配はありませんでした。しかし米国との同盟関係がくびきになり、同盟国の戦争にいや応なく引きずり込まれます、、、台湾有事についても、中国と敵対する構図がはっきりしてきたと感じます。米国からミサイルを爆買いすることになり、日本の防衛関係者はその性能を
ウクライナでモニタリングしている感覚かもしれません。ウクライナは、明後日の日本であると受け止めるべきです。

ウクライナは明後日の日本 島田雅彦さんが語る侵攻1年と文学の役割
聞き手・丹内敦子 2023年2月28日 朝日新聞


https://www.asahi.com/articles/ASR2W7379R2QUHBI021.html  


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心折れる現実、マフィア化したこの国家、出口の見えないこの戦争から逃れ、自らの生存に最適な異世界をどのように立ち上げるか、といったところに知性が発揮される。
現実の主権国家も『想像の共同体』に過ぎないのだから、独裁制ではない別の理想の国家や共同体、『プーチンのいないロシア』や『日米安保条約が破棄された日本』
を想像する自由はある。政治家よりもまともな国家や共同体を作るのが小説家の仕事だ。

2023年3月8日付 朝日新聞  

(ウクライナ侵攻1年)有事の前例「明後日の日本」小説家・法政大教授、島田雅彦さん



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「ショック・ドクトリン(惨事便乗型資本主義)」


3・11と「日本デジタル化計画」

2020年12月25日。国会閉会後のクリスマスに、ひっそりと閣議決定された「デジタル・ガバメント実行計画」をご存知だろうか?

2018年1月に政府の「eガバメント閣僚会議」で策定され、2019年に成立した「デジタルファースト法」(行政手続きを原則としてデジタル化する法律)に後押しされて完成した計画だ。

青写真は約10年前。2011年3月に東北を襲った、東日本大震災にまで遡る。

この時、アメリカのシンクタンクによって書かれた日本復興シナリオの中で、医療を始めとする重要な個人情報のデジタル化と、それらのデータを共有する「企業主導でのデジタルネットワーク構想」が提案された。

「ショック・ドクトリン(惨事便乗型資本主義)」という言葉がある、、、

戦争や災害などが起きた際、その混沌に便乗し、政府やグローバル企業、銀行や投資家などの利権につながるルール変更を一気に導入する、新自由主義的手法のことだ、、、

2020年には、パンデミックを理由に様々な国で実行されている。通常ならば憲法や法の規制が邪魔をして少しずつしか進まない「市場化」が、緊急事態下では驚くほどスピーディーに進む、、、


震災から5ヶ月後の2011年8月。

世界最大の米系コンサルティング会社アクセンチュア日本法人が、被災地である福島県会津若松市に、地域創生を掲げたイノベーションセンターを設立する、、、

大規模な津波と人類史上最悪の原発事故が起きた福島の被災地で、同社が描く「地方創生」は、通常とは全く異なる未来に続いていた。
 
会津若松市をデジタル技術の実証実験地とし、ここで作ったモデルを日本全国に拡げていくのだ。


「デジタル・ファシズム 日本の資産と主権が消える」
堤未果 NHK出版新書655  2021   P17



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そのとき、思ってもみないことが起きた。
(アントン・)ヘーシンクの勝ちが決まった直後、オランダ人たちが母国の英雄を称えようと畳の上に駆け上がろうとした。すると、へーシンクはとっさに手を上げて制止し、神永(昭夫)の方を向くと、きちんと礼をしたのである。相手を重んずる作法通りの所作に、見ていた日本人は立ち上がって賞賛の拍手を送った。そして、この一件を日本人は決して忘れなかった。ヘーシンクは、大柄なオランダ人で、日本人の目の前で腕力のみならず技の粋も見せつけて(東京オリンピックで)優勝した。以後、彼は日本人からいつまでもヒーローとして愛され続けることになる。

自信過剰、狂信、強烈な劣等感、ときに病的なほど強くなる一等国へのこだわり。こうした態度は、これから見ていくように、どれも日本近代史で重要な役割を果たしてきた。
だが一つだけ、どれよりも日本のためになった資質がある。それは、敗北を克服しようとする気概であった。

「近代日本の誕生」 イアン・ブルマ 2006年


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普通の国民が、なぜ、日本の植民地支配を心から支持し、満洲での出来事を我がことのように身近に考えられたのか。なぜ、兵士たちは南京での虐殺や捕虜への虐待などを辞さなかったのか。なぜ、政府は勝算のない戦争に踏み切ったのか。

解説 加藤陽子 より抜粋    「近代日本の誕生」イアン・ブルマ所載



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「生きて見つからないだろうか」 元巡視艇船長が語った「あの日」

2023-03-11 22:46:05 | 転載と私見
毎日新聞 2023/3/11 14:46(最終更新 3/11 14:46)

震災当時、巡視艇「ささかぜ」の船長として救助などにあたった巡視船「ざおう」の主任航海士・小野寺宏文さん=宮城県塩釜市で2023年2月28日午後3時、米田堅持撮影

 2011年3月11日に発生した東日本大震災から12年。当時、気仙沼海上保安署(宮城県気仙沼市)の巡視艇「ささかぜ」(26トン)の船長だった小野寺宏文さん(59)は、母のます子さん(当時73歳)と長男の悠希さん(当時16歳)を失いながらも、救助や捜索活動にあたった。悠希さんは翌年に発見されたが、ます子さんはまだ見つかっていない。「生きて見つからないだろか」。小野寺さんは今もそう思う時があるという。「ささかぜ」が3月21日で解役され、新たな船と交代するのを前に「あの日」を振り返った。【米田堅持】

半島が見えない大波

 小野寺さんが事務所で事務書類の作成をしていた時、緊急地震速報が鳴り、大きな縦揺れが襲った。「津波が来る」。小野寺さんは即座に、もう一人の船長とともに出港を決めた。「ささかぜ」は、いつでも出港できるように船長などが複数割り当てられた「クルー船」と呼ばれるシステムで運用されている。毎朝、エンジンをかけて温めておく準備も功を奏した。


 小野寺さんともう一人の船長、機関長、若手の航海士補の4人で小型艇をえい航しながら出港した。もう一人の船長が操船をし、小野寺さんはビデオで記録を取りつつ、養殖いかだで作業する人たちに避難を呼びかけながら沖を目指した。


気仙沼海上保安署の巡視艇「ささかぜ」が震災当時にえい航した小型艇=宮城県気仙沼市で2023年3月1日午前10時15分、米田堅持撮影
 前方の浅瀬が泡立ち、半島が見えないくらいの大きな津波が来たことは分かったが「ささかぜ」には直撃せず難を逃れた。「人が流されている」と無線が入るが、すでに引き返せる状況ではなかった。日が暮れて波が落ち着いたころ、小野寺さんはえい航していた小型艇に乗り換え、がれきを避けながら懐中電灯を手に「おーい誰かいないか」と声をかけながら港内に入った。しかし市街地や船、養殖施設など、いろいろなものが燃え、火と煙に阻まれ港の奥に進むことはできず、沖合の「ささかぜ」に戻った。


「母と息子が流された」

 姉から小野寺さんの携帯電話に「母と悠希さんが流された」とメッセージが届いた。

 「え、うちまで……」

 当時、小野寺さんの自宅のあった地域は気仙沼市内でも津波による浸水想定区域には入っておらず、近隣の避難所も流されたと聞き、言葉にできない衝撃を受けた。

 自宅から2キロほど離れた漁港で「ささかぜ」から下りると、木に船がぶら下がり、道の真ん中に家があり、まともに歩けなかった。いつもの何倍もの時間をかけて戻った自宅は、ほとんど何も残っていなかった。

気仙沼海上保安署の巡視艇「ささかぜ」=宮城県気仙沼市で2023年3月1日午前10時22分、米田堅持撮影
 「捜さなきゃ」

 10日ほど仕事を休んで、ます子さんと悠希さんの姿を求めて海岸線、避難所、遺体安置所などを歩いた。遺体安置所では「いるかもしれない。いないでほしい」と複雑な気持ちを抱えながら確認を続けたが、遺体は見つからないまま、仕事に復帰し、「ささかぜ」に乗った。

 「自分と同じような思いをしている人もいる」

 その思いを胸に救急搬送や行方不明者の捜索にあたった。

 夏になって、親戚から「区切りつけないと」と言われ、遺体のないまま母と長男の葬儀を行った。

 「どこかで生きているんじゃないか」

 「マスコミに写真を提供して報じてもらったら、『ここにいるよ』って言ってもらえるんじゃないか」

 「まだ生きているのではないか」という思いもあって、休みのたびに沿岸を捜し続けた。

 年が明けて間もなく、警察から悠希さんの遺体が見つかったと連絡が入った。

 「歯型とDNA鑑定で身元が判明したと聞き、間違いないんだな」と受け止めた。

 その当時を知る海上保安官は、「自分の家に泊まりに来た小野寺さんが、夜中に何度も目を覚まし、テレビの震災特番を見ながらたばこをふかす姿を今もはっきり覚えている」と振り返る。背中から見ることが多かったが、何も声をかけることはできなかったという。

ジェンダー@沖縄 生理前の不調「我慢しないで」 低用量ピルで症状改善、30代会社員が語った服用までの道のり

2023-03-10 14:11:20 | 転載と私見

2023年3月7日 10:41琉球新報
国際女性デー2023 ジェンダー 低用量ピル PMS



PMSに苦しみ、低用量ピルで大幅に改善したと語る女性=6日、県内
 1970年代に本格的に欧米で導入が進み、改良が重ねられてきた低用量ピル。生理痛や子宮内膜症の予防などに効果があり、長年服用しても妊娠に特に影響はないことも分かってきた。しかし、日本ではピルの効能や使用法などが、まだ十分に知られていない。“ジェンダー平等”の影で苦しんできた女性たちの間で今、低用量ピルが注目されている。

 那覇市の30代の会社員女性は仕事に支障を来すほど、月経前症候群(PMS)の症状に苦しんできた。女性が自身のPMSに気づいたのは20代前半。交際していたパートナーの男性からの指摘だった。「一定期間の言動がおかしい、情緒不安定だ」と言われ、生理前にそうなると気づいた。「振り返れば、10代の時も感情的になって周囲に心配をかけていた」

 女性は生理周期が25日で、時期によっては月2回の生理がある。PMSのせいで、一日中だるくて起きられず、急に仕事を休まざるを得ないこともあった。月の半分はPMSと生理で不調。生理痛にも苦しみ、鎮痛薬が手放せなかった。

 市販のハーブや漢方では効果がなく、20代後半に近所の産婦人科へ。男性医師から「気分の問題」と言われてショックを受けた。女医のクリニックに電話しても、予約は数カ月待ちで「途方に暮れた」。

 誰にも悩みを打ち明けられず、一人で抱え込んだ。インターネットのコミュニティーでPMSに関するグループを見つけ、つらい思いを吐き出した。最近になって、生理を4カ月に1回まで減らせる低用量ピルを知り、37歳で服用を始めた。現在は、仕事の休みに合わせて生理をコントロールしている。体調は大幅に改善し、仕事に差し障ることもなくなった。

 PMSを抱えながら社会生活を送る大変さを体験した女性は「ジェンダー平等は女性の心身の健康の問題と切り離すことはできない。男性と同じくらい女性も働く時代になったけれど、我慢している人はたくさんいると思う」と話す。

 女性たちが少しでも楽になれるように―。「苦しんでいるのはあなただけじゃない。社会に女性の体に対する認識がもっと広まってほしい」と願う。

<用語>低用量ピル

 経口避妊薬。旧厚生省は1999年、低用量ピルを医薬品として承認。国連加盟国としては最後だった。2008年、子宮内膜症や月経困難症の治療を目的にした低用量ピルが保険適用になった。国連の「避妊法2019」によると、欧米などでは15~49歳のピル服用率が30%を超える一方、日本では2・9%にとどまっている。薬局で安価で入手できる海外に比べ、日本での普及は遅れている。無料入手できる国もある。

子どもや孫世代へ何を手渡すのか 杉並初の女性区長支えた内田聖子さん 統一地方選前に中原で講演

2023-03-02 13:40:02 | 転載と私見
東京新聞2023年2月27日 07時32分


講演する内田聖子さん=川崎市中原区で



 統一地方選を前に「民主主義と地方自治の再生へ」と題した講演会が22日夕、川崎市中原区の中原市民館で開かれた。昨年6月に東京都の杉並区長選で現職を破り、初の女性区長となった岸本聡子区長の選対本部長を務めた内田聖子さんが講演。「長年の住民運動があっての勝利だった」として、選挙での経験や今の政治の問題点について語った。(竹谷直子)

 内田さんはNPO法人「アジア太平洋資料センター」の共同代表。国境を越えた政策提言活動などで知られる。昨年の杉並区長選について、そもそも候補者擁立に絡む問題として「会社員だと選挙のために離職した後、復職が難しい。供託金の問題もある」と指摘。候補者がなかなか決まらなかったと明かした。
 選挙の工夫として、集まった聴衆から質問を受け付けてその場で答える「対話街宣」をしたことや、市民の声を政策の中に入れ込んでバージョンアップを繰り返したことを紹介した。
 国が規制緩和を進めていて、地方でも公共サービスの民営化や非正規職員が増えていると説明。杉並区でも約半数の職員が非正規だと説明し、「安定した雇用というものが壊され、格差が拡大し地域の経済が衰退していく」と指摘した。
 また政治の劣化を憂え、民主主義が後退してきているとし、「公共の政策が利害関係者や少数の人だけで決められ、大多数が取り残されている。子どもや孫世代に何を手渡すのかは私たちの責任」と話した。
 川崎合同法律事務所が主催し、約五十人が参加した。


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私見 内田聖子さんと宇都宮健児氏出馬の東京都知事選

 当選はしなかったけれど、コロナ禍の最中に宇都宮けんじ候補が立候補した東京都都知事選は見事な選挙戦だった。
宇都宮健児氏を支えた選挙対策を、内田聖子さんと谷川智行氏だった。内田聖子氏は、NPO法人「アジア太平洋資料センター」共同代表として日常から実践をおこなっている。谷川智行氏は、医師であり、日本共産党東京都委員会新型コロナ対策本部長として医療と政治の広がりを蓄積していた。
 内田さんは市民運動の側から、谷川氏は日本共産党と野党共闘の側から、それぞれ優れた力量を発揮していて、私は宇都宮健児氏と内田聖子氏谷川智行氏に共感をもっている。
 その内田さんが川崎市中原区市民館で、現代日本で市民選挙はどう戦うかを講演された。主催は川崎合同法律事務所。そのイベントを社会部で活躍する望月衣塑子さんが勤務する東京新聞神奈川・川崎の竹谷直子記者が明晰にまとめた。
 市民と弁護士事務所と新聞記者が共同で大きな次のステップを用意してくれている。市民と日本共産党ら護憲政党が剣が峰の2023統一地方選挙を迎えている。

豊富な神奈川の財政力を県民のために使う県政に 岸牧子知事予定候補必勝へ 小池晃書記局長訴え【増補版】

2023-03-01 11:36:28 | 転載と私見
2023年3月1日(水) しんぶん赤

 日本共産党の小池晃書記局長は27日、横浜市内で演説し、3月23日の告示まで1カ月を切った神奈川県知事選(4月9日投票)で岸牧子予定候補を勝利させ「暮らしに冷たい県政から、命と健康を守り豊富な財政力を県民のために使う県政に変えよう」と訴えました。参加者は岸予定候補と小池氏の訴えに盛んに拍手やかけ声を送り、県政転換への決意を固め合いました。

写真
(写真)声援にこたえる岸牧子知事予定候補(右)と小池晃書記局長=27日、横浜市中区

 小池氏は、共産党以外の政党が「オール与党」で支えるもと、黒岩祐治・現知事は県立病院の独立行政法人化や保健所の統廃合、職員の大幅削減などを進め、人口10万人当たりの病床数、感染症病床数、保健師数は全国47位、看護師数や医師数も最下位クラスだと指摘。長く背を向けてきた小児医療費助成の拡充は、知事選を前に県民の世論と運動に押され、ようやく小学校6年生まで引き上げる方針を示したものの、中学校給食の実施率の低さなど「全国最低水準の教育・福祉は改善されていない」と強調し、「県の財政力指数は全国3位だ。この財政力を生かせば医療体制や医療費助成の拡充、学校給食の無償化は十分できる」と力を込めました。

 国政に関わって、岸田政権の大軍拡は、全国第2の基地県の神奈川にとって重大問題だと指摘。全国の自衛隊基地司令部を核攻撃にも耐えるよう強靱(きょうじん)化する政府の計画を暴いた「しんぶん赤旗」日曜版の報道に触れ、県内では陸自の横浜駐屯地、海自の厚木航空基地などが該当するとし、「日本中が戦場になることを想定しており、基地司令部は守られても、住民の命は守れない」と強調しました。

 小池氏は、黒岩知事が敵基地攻撃能力の保有を明記した安保3文書を「県民の安全安心の確保に寄与する」(2月17日、共産党県議団長への答弁)と手放しで称賛したと批判。「核兵器廃絶と米軍基地の縮小・撤去をめざす岸さんの勝利で、大軍拡ノーの審判を神奈川から下そう」と呼びかけました。

 岸予定候補が力を入れる気候危機・環境問題をめぐっては、横須賀市で進む石炭火力発電所の建設に触れ、「県内の二酸化炭素排出量を1割も増やすもので、認めるわけにはいかない」と強調。「岸知事の誕生で、化石燃料や原発に頼らない、再生可能エネルギー100%の神奈川へ踏み出そう」と訴えました。

平和の準備こそ 岸知事予定候補訴え

 横須賀市の石炭火力発電所建設と稼働の反対運動をしてきた岸予定候補は「黒岩祐治知事の気候危機対策はエコバッグなど自己責任ばかり。対策に本気なら、まず石炭火力発電所を止めるべきだ」と批判。「原発に頼らず、省エネも進め再エネ100%の神奈川を打ち出す」と述べました。

 全国第2の基地県の神奈川で「未来にわたって命をおびやかされる状況でも米軍基地を容認してきた、現知事の責任は重い」として「憲法で保障された地方自治の力を十分に生かして政府と米国にはっきりとものを言い、県民の命と財産を守る平和の連帯と防波堤をつくる。この選挙は、戦争の準備をする知事か、平和の準備をする知事かが問われる選挙だ」と訴えました。

 参加した70代の女性は「政策は、まさに私たちの願い。女性知事を誕生させたい」と話しました。


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【私見】
1⃣ 神奈川県は、黒岩祐治・現知事を日本共産党以外の政党が「オール与党」として、黒岩祐治氏を支える。共産党対「オール与党」の選挙なら、前回のように黒岩氏圧勝となるだろう。だが、前回と異なるのは、市民団体の動きである。
2⃣ 私見
もともと岸牧子氏は公立中学校美術科教師を経て、「よこすか市民九条の会」や「「いらない!原子力空母」の会などの市民運動に持続的に取り組んできた。市民運動と日本共産党の関わり方で選挙の様相で選挙運動も変わる。
3⃣ 私見
神奈川県の市民や無党派層を市民運動団体の自主自立を基盤とした運動の進め方は、杉並区長選に当選した岸本聡子氏と氏を支えた市民層のパワフルな全面的運動が模範となろう。
4⃣ 私見
松竹伸幸氏の言論・出版をもとに日本共産党との政治的様相。共産党の側が、岸牧子氏と市民運動の動きを尊重し、個性的自主的運動をフルに発揮できるような支援のしかたがポイントとなる。岸候補そこのけで共産党幹部が目立つ応援では黒岩知事に慣れている県民は、いつもと同じ選挙と無関心に陥る。
5⃣ 私見
 神奈川県知事選における選挙結果以上に、選挙闘争の展開が大事だ。この選挙は、自民党から立憲民主党まで相次ぐ各地の自治体選挙がパターン化してきた状況下で、全国の統一地方選挙で首長選の選挙に大きな影響を与える。
6⃣ 私見
 神奈川県の日本共産党には、あさか由香、はたの君枝、君嶋ちか子、大山奈々子など国政から県議会だけでもこれだけの実践家が平和と人権の運動をリードしてきた。
 これらの政治家と自主自立の市民たちとどう連携するか。そこが最大の焦点となろう。

元毎日新聞記者の西山太吉さん死去 91歳 沖縄返還密約追及 社会 速報 訃報

2023-02-25 22:28:33 | 転載と私見
元毎日新聞記者の西山太吉さん死去 91歳 沖縄返還密約追及
社会

毎日新聞 2023/2/25 20:16(最終更新 2/25 20:17) 690文字

西山太吉さん=東京・霞が関で2010年4月9日、尾籠章裕撮影


 沖縄返還交渉に伴う密約文書を入手、報道し国家公務員法違反に問われながらも、情報公開請求訴訟などを通じて密約問題の追及を続けた元毎日新聞政治部記者、西山太吉(にしやま・たきち)さんが24日、心不全のため死去した。91歳。葬儀は近親者のみで営む。喪主は長男正人(まさと)さん。



 山口県下関市出身。慶応大大学院修了後の1956年、毎日新聞社に入社。外務省を担当していた71年、沖縄返還に伴い米国が支払うべき軍用地原状回復補償費400万ドルを、日本が肩代わりする密約を記した電信文を同省の女性事務官から入手、報道した。更に横路孝弘・社会党衆院議員(故人)に懇願され、電信文を提供。横路氏が衆院予算委員会で電信文を暴露したことから72年4月、事務官と共に国家公務員法違反で逮捕、起訴された。

 74年の1審・東京地裁判決は無罪(事務官は懲役6月、執行猶予1年の判決を受け、控訴せず確定)だったが、76年の2審・東京高裁判決は懲役4月、執行猶予1年の逆転有罪となり、78年に最高裁で確定した。1審判決後に毎日新聞社を退社し、北九州市で実家の青果会社に勤務した。

 2000年前後から密約を裏付ける米公文書の公開が相次いだのを機に09年、密約文書の開示を国に求めて提訴。1審・東京地裁判決は訴えを全面的に認めたが、2審・東京高裁判決は「文書は不存在」との国側の主張を追認し、請求を棄却した。14年7月の最高裁の上告棄却で不開示が確定したが、密約の存在自体は1、2審とも認定した。

 晩年は裁判とともに情報公開制度の確立を求める執筆、講演活動に励んだ。著書に「沖縄密約」「西山太吉 最後の告白」など。