2023-04-16 07:353
ジョン・F・ケネディ米大統領の暗殺事件が起きたのは1963年11月22日である。当初、リー・ハーヴェイ・オズワルドの単独犯行とされたが、今日、多くの米国人は単独犯行とは考えていない。映画監督のオリバー・ストーンは91年、この事件を調査した地方検事の姿を主に描いた「JFK」を作製し、アカデミー賞で撮影賞と編集賞を受賞した。
ケネディ暗殺事件を踏まえた上で、昨夏の参院選の応援演説中に銃撃され亡くなった安倍元首相の事件の展開は今後どうなるのだろうか。
私はこれまで、東大名誉教授や自民党関係者、評論家、米国人などから直接あるいは仄聞で、安倍氏の殺害事件は山上徹也被告の銃ではない可能性がある──と聞き、彼以外の人物による犯行の有無を考察してきた。
近年、こうした作業でありがたいのは、疑念を持ってツイッターに呟くと、不思議にすぐ関連情報が集まることだろう。
極めて重要だと思われる情報は、銃撃当日の治療に従事した奈良県立医大付属病院での福島英賢教授の説明である。
彼は「頚部前の付け根付近で真ん中より少し右に2つの銃創があり、一つは左の肩から貫通して出たとみられる」と説明していた。これを安倍氏と当時の山上被告の位置関係で考えてみる。
極めて単純な論である。
1発目は安倍氏が前を向いて演説しているから、当たっても後ろである。安倍氏は時計の反対回りで後ろを振り返っている。頚部前方の回転は90度以内である。山上被告の銃弾は角度からして安倍氏の頚部前の付け根付近には当たらない。
福島教授が説明した時の関心は、安倍氏の治療がどうだったか、いつ死亡したかであり、誰も犯行と結び付けて考えてはいない。
少なくとも福島教授の説明と銃撃事件の映像と併せ考えれば、銃弾は前方ないし、右から撃たれている。つまり、山上被告が安倍氏を銃撃するのは難しいと言わざるを得ない。では仮に安倍氏を銃撃した人物が山上被告ではないとすれば、誰が殺害したのだろうか。
我が国は安倍氏の国葬まで行った。そして多くの人は山上被告を殺害犯と思っている。だが、万が一にも犯人が別にいるのであれば、世紀の滑稽譚となるであろう。
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