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C21 ナウル ベーシックインカム国(国民皆年金国)の富とその後の奈落

2017年03月25日 | 日記
ベーシックインカムとは国民全員に年金(月額数十万円)を支給することを意味しますが、昨年スイスでこの制度を導入するか国民投票し半数以上がNOにいれ結局成立しませんでした。 日本ではこんな制度は話題にもなっていませんが、一方でヘリコプターマネーと言う言葉が昨年から出ています。 ヘリコプターマネーは政府が万札を空から国民にまくということから生まれた言葉です。 ベーシックインカムと同じ様な意味です。 国民が働き収入を得てその中から税金を払いそれで社会インフラや行政サービスを維持するのは手間隙かかるので国民に政府がお札を刷って配り、国民はそれで自活してくださいというシステムです(多分)。

こんな制度が世の中に存在すること事態不思議な感じがして、調べていたらリン鉱石で有名なナウル共和国でベーシックインカムが行われていたのを知りました。 詳しくはナウルで検索すると出てきますが、大雑把に言うとリン鉱石が人口一万人の国で1960年代に主要産業となり莫大な収入だったので国民全員は政府から生活に困らないお金を支給され、その結果仕事などするものは居なく、ネットでは300人くらいが仕事をしていたとか、ほとんど全員が公務員となった。その結果輸入依存の社会が出来、人々は毎日食っては寝の繰り返しで糖尿病は国民の90%にもなった。 これが永久に続けば天国でしょうが、世の中働かない人には天罰が下るようになっていて、それはリン鉱石の枯渇から始まりました。 今では島の資源はほとんどなく、日本やオーストラリアに援助を求めてリン鉱石以前に戻っているようです。 しかし、一旦覚えた楽な生活からは仕事をするなど誰も思いつかないので国自体が消滅の危機に陥っています。 オーストラリアはリン鉱石でご利益を得たのでナウルの一万人を別なところに移住させようとかの話もあるようです。

結局、数十年間の楽園は終わり何もない昔の生活に戻ることにならざるを得ません。これなどは特殊な例かもしれませんが、日本では国家予算に占める国債は巨額であり、一種のベーシックインカムと見えます。 たまたま日本は科学技術があり、ノーベル賞受賞者も多く居てナウルとは違いすぐナウルの様にはなりませんが、ネイチャー(科学雑誌)が言っている様に日本からの技術論文が大幅に減って日本の科学技術の衰退が顕在化して来ると日本発の製品やサービスはお隣の中華に負け気がつけば石油輸入さえままならぬ状況に陥っているかもしれません。そうなると産業は無くなり、江戸時代の農業国に戻ることになります。 ナウルは小さな国ですが不労所得国の顛末を良く見て考える必要がありそうですね。 と、ここで言っても何の意味もありませんが、ヘリコプターマネーからナウルを連想し、政治家が大学までの教育費を教育国債で無償でやろうという最近の自民党からでている美味しそうな話に対し考えるきっかけになればと思います。

2 コメント

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Unknown (ja1cor/sanyo)
2017-03-28 10:36:56
リン鉱石の出所は海鳥の糞の堆積ということから、(他の地域では別の生物になることも有るらしいが)最初から考えれば分かる話と思うが、世界においてもトランプの如きリーダーが平気で理屈を無視すれば破滅がやってくることの証明だと思う。科学技術をリードしている国の筈だが。
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Unknown (JA1KIH Taka)
2017-04-03 15:29:25
C21のケースは特殊だと思いますが、大きく見れば今の資本主義も強欲に流れが集中しているので時間がくればナウルと同じ様になるかもしれません。かといって一般人は何もできませんがせめておきていることを理解する必要があると思います。
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