土手猫の手

《Plala Broach からお引っ越し》

何故考えるのか

2009-05-20 22:51:10 | 随筆
昨日(5/18)思い出した「理想(=希望)」に関連して、そう言えば「希望が無いと生きられない」と以前何か書いたな…と思い出して(サイドバー下の『このブログ内の検索』を使って)検索をかけてみた。
確かに何か書いた筈なのだけどヒットしない。単語を分けても減らしても出ないので仕方無い、一番多くて探しにくい?だろう「希望」という言葉で検索してみた。
ようやく、12件にヒット。
「希望が無いと生きれない」だった。ついでだから (No.20「録」以外)全部見た。


中々見返す事の無い記事の中にあって…
「必要なものは齎される」(エントリー「読書中」のコメントに記述)
…今見返す必要の有る?物が含まれていた。

昨日UPした時点では(今後の)指針的な意味合いの方が強かったのだけど、それとは違う別の事も思い出した。
(私は旧態依然の●・ステレオタイプが嫌いだった…)
それは個人的な事なので、ここでは割愛するが。


昨日追記した「指針」という意味以外で。
理想が何故必要かについて、今日書いておこうと思う。
思い出した事、気づいた事、目指す所。忘れない様にまとめておこうと思う。



「幸福、安らぎを求めて」

『人はパンのみにて生きるに非ず』。

今日(こんにち)生活(水準)としての物理的な生きるの問題も、もちろん有る訳だが。
過不足無く生きている様に見える者達の中にも、漠然とした不安(不満)が有る事は想像に容易い。
誰もが持つ『何で生きる?何故生きているのか?』生きる事への疑問。

生きる為には生きるに必要な物が有る。
それは一つとは限らない具体的な必要は状況に於いてそれぞれだろうが。
それも突き詰めて行けば。「希望」と言う言葉に置き換えられる。
以前、私は書いた「希望が無いと人は生きられない」と。
つまり逆に言えば「希望」が有りさえすれば生きられる、という事になる。

では、考えるところ何がその「希望」なのかと問えば、もちろん大望から些末な物まで個々人、多々色々有る訳なのだが。
「人生」という括りから見つめたら、それは「理想」なのでは無いのかと私は思い至ったのだ。

諦めや絶望の中で生きるのが、生きて行かなければならないという事が、生きる生きようとする気持ち、生きたいという意欲を人から奪う。
ならば見渡す所、希望が無さそうな状況(環境・期限に於いて等々)で何を支えしてに生きればいいのかと言えば。それは希望を持つ事、やはりそこへ還るのだろうと考える。
願望「こうありたい」という理想(目標)を掲げる事へ。
例え状況が好ましくなくとも、いや希望通りで無いなら尚の事、心の中に理想を創るは堅いと言える。

心に対して正直に、好きな(嬉しい)事、嫌な事、憤り怒りを感じる事、安らぎ(充足)を感じる事、を正しく見つめれば何が「理想」か解って来る。
心(魂)の望む(喜ぶ)もの・自分らしくは、あるべき希望・理想に繋がっている。
だから現状に不満が有るのなら不足を正しく見極め、必要に向かわなければならない。
感情を思考に起こさなければならない。
思考(考える)は行動を促すものだ。感じている、だけでは形(変化)にならない。

ここで言う「理想」も「不足」も、けして単なる欲求では無い。
人として自分として生きる為の、必要不可欠な価値観(基軸)だ。
人や物から(一方的に)与えられるものでは無い。
けして執着心から「欲求」に隷属してはならない。

隷属。依存するものされるもの、共依存。
本当の不足(必要)から目を逸らして、仮の満足に(すり替える)依存しようとすれば無理が生じる。
無理は一時(いっとき)は効用を齎すかもしれないが「つかの間の喜び」は長くは続かない。
(心の奥底に有る)「本当では無い」意識、くすぶった気持ちは、やがて火を吹き返すかもしれない。暴力(そして戦争)に形を変えるかもしれない。

全てを壊したり、壊れたりしない前に。

だから逃げずに向き合わなければならない。真の望みに望みでないものに、心に向き合わなければならない。心は安易な選択に満足(充足)が無い事を知っている。


今,望みで無い状況は(自分であれ他者、環境にであれ)真摯に対す事で、いつか変わる変える事が出来るかもしれない。
投げ出さなければ到達する事も可能だろう。
捨てる事は簡単だから、忍耐強く歩を進める事に価値が有る。

理想を失えば、浪費と迷いの中に自ら勧んで身を落とす。希望してそこに安住してしまう。
それは(同時に)克己心の無い所に理想は育まれないという事だ。
「考えること」。
ぶれずにぶれずに生きる、見つめる見つめ続けるが、自分を支えてくれるのだと信じている。

生きる為には希望「理想」が必要だ。
何故生きるか。なりたい自分、望む世界「理想を目指して」。
何が理想か、探す求める。考えること。

「理想が人を生きさせるもの。だ」ろうことを思う。
2009年5月19日 記。