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第20回 第2部 第16問

2013-09-10 09:47:44 | 第2章

Aさんは自分のノートPCを会社の無線LANに接続しようとしたが、目的のESSIDが表示されなかった。この原因として考えられないものを1つ選びなさい。

a.親機側でWPAが有効に設定されていた。
b.無線の電波状況が悪かった。
c.PCはIEEE802.11g対応だが、親機がIEEE802.11aのみに対応していた。
d.親機側でESSIDステルス機能がオンになっていた。

コムたろう「無線LANて難しいよねー。」


ドット先生「まぁね~。無線は物理的なケーブルが要らないかわりに、盗聴とか干渉とか色々と気を使う部分も多いからね。」

コムたろう「ところで、ESSIDってなんなの?」
「SSIDってのも見かけるけど、どう違うの?」

ドット先生「まぁ、ほとんど一緒な意味で使われるから同じものと思って良いよ。」
「フォルダとディレクトリみたいな感じで。」

コムたろう「ふーん、でも名前が違うって事は何かが違うんじゃないの?」


ドット先生「じゃあ、無線LANについて今日は勉強してみようか。」


コムたろう「はーい。」


ドット先生「まず、狭い範囲での無線LANならば、1つのアクセスポイントの電波が届く範囲内にすべてのパソコンを配置することができるよね。」
「そのようなLANをBSS(Basic Service Set)と呼ぶんだ。」


コムたろう「ふむふむ、基本(Basic)の形なんだね。」


ドット先生「中流階級の一軒家程度なら良いけど、最近じゃ公共施設を丸々とか商店街全体をカバーするような公共無線LANてのもあるよね。」
「無線は距離が長くなったり障害物があると不安定になるから、複数のアクセスポイントを設置する必要が出てくるんだね。」
「そのようなLANをESS(Extended Service Set)と呼ぶんだ。」


コムたろう「基本形から拡張した(Extended)んだね。」


ドット先生「無線LANでは、他の無線との混線を避けたり、不正なアクセスを防ぐために、アクセスポイントに名前をつけておいて、そこへ接続したい端末でも同じ名前を設定して、それが一致しないパソコンとは通信できない仕組みががあってね、その時に使われる名前がSSID(Service Set IDentifier)と言うんだ。」

コムたろう「ふ~ん、合言葉みたいだね。」


ドット先生「そして、ESSID(Extended SSID)は、SSIDを複数のアクセスポイントが存在するESS環境でも使えるよう拡張したものなんだ。」




コムたろう「ESSIDについては分かったけど、表示されないってのはどうしてなの?」


ドット先生「もともと無線LANではビーコンって呼ばれる『わたしはココよ』っていう信号を定期的に出していて、そこにはESSIDも入っているんだ。」

コムたろう「それがあるとどうなるの?」


ドット先生「電波の届く範囲に居れば、複数のネットワークの電話が入り乱れていても目的のESSIDが探せるんだ。」

コムたろう「あぁ、お店の看板やのぼりみたいなもんだね。」


ドット先生「まぁ、ESSIDやSSIDだけ分かったところで、認証キーが無いと接続できないから、簡単には不正に侵入できないんだけど、それでも存在そのものを知られない方が安全性は高くなるよね。」
「あ、認証キーはちゃんと設定しとかないとザルになっちゃうからね。注意が必要だよ。」


コムたろう「なるほど~、だからESSIDを晒したくないんだね!」
「でもそんなことできるの?」

ドット先生「無線LANアクセスポイントや無線LANルーターは、設定によってビーコンを発信しないようにすることができるんだ。」
「それがESSIDステルス機能!」


コムたろう「なるほどね!」
「その機能を使うと表示されなくなるんだね!」
「ちなみに選択肢に『親機』ってあるけど、なにか電話とは関係あるの?」


ドット先生「無線LANでは、パソコンのことを子機、無線アクセスポイントやルーターのことを親機とも言うんだ。」

コムたろう「あ~、なんだそういう事かぁ。」


ドット先生「ま、そんなわけで、そろそろ正解に辿り着きたいんだけど、今回の設問は『原因として考えられないもの』を選ぶから、その辺あわてないでね。」

コムたろう「しまったぁ。ESSIDステルスがオンの『d』が表示されない原因でOKだと思ってたのに、風向きが怪しくなってきたぞ。」

ドット先生「他にも表示されない原因としては、電波が入ってこない場合があるね。これもビーコンが受信できないからね。」
「ESSIDが表示されない=ビーコンが受信できていないってことなんだ。」


コムたろう「えー、じゃあ・・・『b』も表示されない原因?」


ドット先生「うん、それも原因として考えられるね。」


コムたろう「あと電波が入らないのは・・・あ、そっか!」
「無線LANの規格が『802.11g』と『802.11a』じゃ通信できないんだ!」

ドット先生「そうだね。」
「2.4GHzと5GHzで周波数が違うから通信ができない=電波が入らない=ビーコンも受信できない、ってことはESSIDも表示されないってわけさ。」


コムたろう「表示されない原因と考えられるのは『b』『c』『d』で、原因として考えられないのは残った『a』だね!」

ドット先生「まぁそういう事だね。」
「今みたいに消去法でも良いけど、WPAが何か分かっていたらすぐに答えが出るよ。」

コムたろう「WPAって認証とか暗号化で使うんだっけ?」


ドット先生「お、よく覚えていたね。」
「まぁ、数日前に解説したところだしね。」
「無線LANに接続するにはESSIDで接続するネットワークを決めて、それから認証して接続したら暗号化して通信って流れだから、ESSIDが表示されるかされないかってのは、WPAの出番より前の段階の問題なんだ。」


コムたろう「あぁ~、そういうことかぁ!」
「もっと勉強しとけばすぐにわかったんだぁ・・・。」

ドット先生「ま、今回で覚えたからもう大丈夫だね!」




【 第20回 第2部 第16問 解答&解説 】
[解答]a.
[解説]
a.考えられない。WPAは暗号化の規格であり、ESSIDの通知とは無関係である。
b.考えられる。無線の電波状況が悪い場合には、接続できない。
c.考えられる。無線LANの規格で、802.11gは2.4GHz帯域、802.11aは5GHz帯域を利用するため、相互に通信ができない。
d.考えられる。ESSIDステルス機能がオンになっていた場合、子機にESSIDが通知されない。


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