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オー、捨てないと!

隠れオタクな会社員の買い物や感じた事

キラー・エリート

2010-03-12 21:52:53 | 

この本のタイトルの意味に気がついた時、背筋が凍った・・・。


キラー・エリート 極秘諜報部隊ISA
マイクル・スミス=著
伏見 威蕃=訳
集英社文庫
ISBN978-4-08-760592-1

昨年の暮れ、軍事関連ライターさんのブログで取り上げられてて
激しく気になったので購入しました。

これはアメリカ陸軍における情報収集部隊「アクティヴィティ」ことISAについて書かれています。
彼らは主に特殊部隊の活動を支える情報収集に長けており、
特殊作戦について書かれた本で「〇〇という情報を元に強襲すると・・・」
という情報の部分を提供する部隊の話です。

読んでいて気になったのはアメリカいえど特殊部隊やISAの活動における最大の問題は、
軍上層部の無理解にあり、せっかく情報を得ても攻撃できなかったり、
酷いと情報収集に行くことすら認められない、ということ。
どこでも最大の敵は味方の中にいるということか。

本書の中には数多くの作戦について書かれていますが、印象的だったのは2つの作戦。
1つはコロンビアにおける麻薬王の追跡。
携帯電話を多用する彼らの交信をことごとく傍受し、
周りから攻めていく様は映画のようで・・・いや、「今、そこにある危機」以上にすごいものがありました。
あとがきでも触れられていますが、アンディ・マクナブ氏の「SAS戦闘員」でも出てくる作戦ですね。

もう1つはやはり「ブラックホーク・ダウン」ことソマリアにおける作戦。
こちらは逆に電話などなく、無線も使わなくなって人づての情報収集に頼らざるを得なかったに関わらず、
最終的にはアイディード将軍の逮捕に成功しているわけで、能力の高さを示していると言えます。

誰もが書いていることではありますが、
常にある「この情報とやらはどこから得ているのだろう」という漠然とした疑問が晴れて、
そういうことだったのか、と思うこと請け合い。

これまたみんな書いてますが、極秘部隊についてこれほど書かれているということを逆に言えば、
公開されてもいい情報ということで、これの意味する所が気になる所でもあります。

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日本に足りない軍事力

2009-09-18 21:22:04 | 
日本に足りない軍事力
江畑謙介 著
青春出版社 青春新書
ISBN978-4-413-04211-6



軍事評論家として高名な江畑氏の著作。
恐れ多くも今まで読んだことが無かったので、読んでみる事にしました。

本書は2008年9月に発行されたもので5章からなっている。

第1章では弾道・巡航ミサイル防衛について書かれており、
今年になって火急な問題となっている弾道ミサイルだけでなく、
巡航ミサイルに対する防衛も考慮するべきであると述べられている。
私も巡航ミサイルについては深く考えた事が無かった。
結論としては長期的に見て早期警戒も自前でやるべきだと指摘。

第2章では長距離攻撃能力について書かれており、
最近話題になった策源地攻撃のような場合の装備について述べられている。
この手の装備についてはここのところ議論となったが、
結論から言えば敵国のミサイル基地を攻撃するというのは机上の空論に近く、
非現実的だというのが軍事マニア、江畑氏両方の結論。

第3章では空対地精密攻撃能力について書かれており、
策源地攻撃などに使われる精密誘導爆弾について述べられている。
ここで大きく問題となっているのは
航空自衛隊は陸上自衛隊を航空支援する体制が全く整っておらず、
空対地攻撃の際に必須とされる(空対艦攻撃でも使用可能)
対レーダーミサイルすら保有していないという事実。
これは私が今まで知らなかったことであると同時に、ひじょうに危険な状態だと気付いた。

第4章ではパワープロジェクション能力について書かれている。
パワープロジェクション能力とは自国から離れた所に自国の軍事力を展開する能力のこと。
こう書くと単に海外遠征能力のように見え、海外を侵略するための能力であるかに思えるが
ここでは平和維持活動や災害派遣などにも使える能力であることを強く指摘している。
その点で見て妙に規模が小さく、陸自のヘリコプターを内部収容できないちぐはぐな海自の輸送艦や
足が短く、国内への物資輸送にも問題のある空自の輸送機など新たな問題点が見えてくる。

第5章では宇宙戦・サイバー戦能力について書かれている。
日本は自ら作った「宇宙空間の利用を非軍事的なものに限る」という妙な国会決議のせいで
自前で偵察衛星を持つことができず、
せっかく上げた「情報収集衛星」の衛星写真も秘密主義に徹しているせいか、
被災地などに派遣される自衛隊の部隊にすら提供されていない問題を指摘している。
 サイバー戦についてはインターネットが広まった頃から言われてきたことだが、
すでに複数の実例があり、つい最近北朝鮮がアメリカなどにこういった攻撃を仕掛けたところをみると
早急に整備すべき問題だと思われる。

全体を通して見えてくるのは今の自衛隊では足りない能力が多いが、
その「足かせ」となっている一つの存在が見え隠れしていることだろう。
果たしてこれが正しいことなのか、一度真剣に考えてみることが必要だと感じた。

また、気付いた点は「現時点では分からない」といった「分からない」という言い回し。
江畑氏が軍事評論家として高い評価を得るのはこういった
・分からない部分は勝手に想像することなく、分からないとはっきり言う
・間違えに気付いたら即座に訂正する
部分にあると言えるのではないでしょうか。

あと、もっとも驚いたのは最後の言葉が奥さんへの謝辞であったこと。
奥さんが資料の整理や翻訳で手伝ってくれて助かっている、
と氏が語っていたと聞いたことがありますが、意外でした。
調べてみたら奥さんもかなり軍事に詳しい方で、
結婚してからは必ず著作の最後が奥さんへの謝辞となっているとか。
テレビで見るイメージからは想像がつかず、驚きでした。
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鉄道噂の真相

2009-09-11 22:45:49 | 
鉄道噂の真相
大井 良 著
彩図社
ISBN978-4-88392-640-4


ネット上で名前が出ていたので気になったものの、あまり聞いたことの無い(失礼)出版社。
ネットで注文して届いたらコンビニ売りの本でした。

私は通勤の際に電車を使っていますが、身近でありながら謎の多いのが鉄道でした。
そんな鉄道について私鉄の現役鉄道員であるという著者が書いたのがこの本。

通勤電車の中で読みながら「なるほど」と思う部分が多々ありました。

先ず最初に書かれるのは人身事故に関わる話。
著者が実際に経験したことを書いてあるだけに生々しく、
最近多発していることを踏まえるとひじょうに悲しくなります。
余談になりますが特殊清掃の人やこの本の著者、航空機事故(日航123便)の処理に当たった人など
特殊な遺体を扱った人は必ず食事のことが書かれるのは避けられない事なんだろう。

鉄道員の中に鉄道マニアがいる話はともかく、
鉄道マニアが制服を着て駅に忍び込んだ話には苦笑させられた。
実際にこの手の話は聞く。
白バイマニアが白バイ隊員の姿で道を走っていて捕まったとか、たまに聞く話である。
ただ、マニアとしてやってはいけない範囲があるのは忘れてはならない。

乗務員のトイレの話も興味深かった。
以前、どこかの鉄道で車掌が「漏らして」しまい列車運休、という珍事があったが
決して特殊な事例でないことはこの本を読んで分かった。
鉄道員であろうと人間。
生理現象は抑えられないものである。
駅員が寝過ごして改札を開けられなかった話も同様。

などなど、身近にありながら詳しい部分を知ることのなかった鉄道の裏側を知ることができる
ひじょうに貴重な一冊となった。

この本で色々と考えさせられたのは2点。
一つは「昔と違って若い連中の交流が薄くて、重大な事故を招く一因になるのではないか」
という部分と
「駅長になると苦労する。一生いち駅員でいたい」
という部分だろう。
これは同じく会社員である私にもよく分かる部分である。

しかし、もっともウケたのは「駅で会った有名人」だろうか(笑)

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彗星夜襲隊

2009-03-27 23:18:56 | 

彗星夜襲隊 ―特攻拒否の異色集団―(新装版)
光人社ノンフィクション文庫
渡辺洋二 著
ISBN978-4-7698-2404-6



艦上爆撃機「彗星」は靖国神社・遊就館で現物を見たことがあるものの、
これまで私はその活躍について聞いたことが無く、
また、知識も全く無かったために実態について全く知りませんでした。

本書ではその「彗星」を多用して太平洋戦争末期に活躍した
「芙蓉隊」について詳細に書かれています。
末期と一言に言うと「特攻」のイメージが強いですが、
敗戦色の強い中でも芙蓉隊は特攻をかたくなに拒み、
訓練を積んで困難な夜間作戦を実行したことは驚嘆に値します。

中でも飛行隊長の美濃部少佐が作戦会議において末席でありながら
単純に特攻による攻撃ばかりを提案する上官たちに対し、
堂々と反論意見を出したエピソードからは本来の指揮官がとるべき姿を見て取れます。
また、物資の補給が思うようにいかない状況下でも
効果的な訓練を施すことで搭乗員の技量向上を図っていた点や、
訓練も前線ではなく後方で行い、前線で疲弊した兵士を後方で休ませるといった
米軍方式を日本軍で珍しくとっていた点、
飛行場や航空機を徹底的に隠蔽し、
戦争終結まで岩川基地を一度も米軍に悟られなかった点など驚くべき点ばかりです。

ついでに彗星についても書くと
発動機として陸軍の三式戦闘機 飛燕と同様に水冷のダイムラー・ベンツDB601系を採用している
(彗星は愛知航空機・アツタ、飛燕は川崎航空機ハ-40)ためエンジントラブルが指摘されますが、
エンジンそのものが悪いわけではなく、
空冷ばかりを装備してきた日本軍において整備士が慣れてなかったのが最大の原因ではないでしょうか。
飛燕においても熟練した整備士が整備した機体はトラブルを起こさなかったとの話もあります。
もっとも、そういった整備士を揃えることができなかった状況下では
飛行士も発動機(ひいては航空機そのもの)を信頼できなかった点は否定しませんし、
彗星においては脚の電動機駆動などの欠点を持っていたのも事実。
しかし、芙蓉隊のように整備士が努力すれば高い稼働率を出すことは可能だったとなると
航空機そのものが悪いとはいえないのでしょうか。

ともあれ、日本人として今さらとはいえこういう部隊があったことを知ることができたのは
嬉しいことです。

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田宮模型の仕事

2009-01-16 23:09:35 | 
田宮模型の仕事
文春文庫
田宮俊作
ISBN4-16-725703-3

プラモデルのタミヤとして有名な田宮模型をつくった田宮俊作氏の著書。
かなり前(1997年)に出たのは知ってましたが、特に手にすることなくここまで来ました。
今回買ったのは文庫版(2000年)ですが、こちらの方が写真を入れ替えたり加筆したりしているとのことでです。

模型製作から離れて久しい私ですが、小学校低学年の頃はミニ四駆、
高学年~中学の頃には1/35のミリタリー・ミニチュアシリーズ(要するに戦車のプラモデル)と
タミヤとともに大きくなった私としてはひじょうに面白く読ませていただきました。

元々が木製模型メーカーだったというのは始めて知る事実でしたし、
プラモデルを始めてからの苦労が並大抵ではなかったというのはやはり驚きでした。
金型屋の傲慢な態度に腹を立てて自社で金型製作を始めるどころか、
金型屋でも買わない高価な最新鋭の機械を惜しみなく導入するところは
同社の品質に対する拘りの表れだといえるでしょう。

戦車(に限らずですが)の実物取材の情熱はたいへんなもので、
いつも食事を摂らずに取材をするあたり、微笑ましいものがあります。
その甲斐あってエスケープハッチ(脱出口)まで再現されると言うリアルさにつながっています。
田宮さん、やたらエスケープハッチが好きみたいですからね。
以前のことですが、雑誌で同社の(当時)新製品、90式戦車が紹介された時に
とある部分の形状が私の記憶と違っていたために首を傾げた事がありますが、
後日資料を確認してみたら私の記憶違いでタミヤのプラモデルが正解だった事があり、
その時は改めて同社製品のリアルさに驚かされたものです。
惜しむらくは私がプラモデルから遠ざかってしまったことか。
それにしても戦車についてきた兵士の人形一つにしてもそんなドラマがあったとは。

ミニ四駆に関しても当時は特に感じなかったものの言われてみればなるほど、というものばかりで
簡単に作れるようにスナップフィットにした(これはバンダイのガンプラも大々的に採用している)、
配線をしなくてもいいように通電部分も金具にしたなどは大きな物だと思います。
特に全体のデザインを実物の車と異なるものにしたのは今まで考えた事がなかったものの、
確かに子供向けとしては正解だと大人になった現在、言われてみて分かりました。

少しだけ書かれている専用工具の話も興味深く、現在も私はタミヤのニッパーやらカッターやらを所有しています。

挙げていったらキリが無いのですが、同年代でプラモデルやミニ四駆にハマったことがある人は
何度も大きく頷いて感心してしまうことでしょう。
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現代サポート・ウェポン図鑑

2008-12-12 19:23:52 | 
現代サポート・ウェポン図鑑
徳間文庫
床井雅美
ISBN978-4-19-892836-0


銃器評論家として有名な床井氏の最新刊。
ちょっと出遅れたので店頭では買えないかと思いましたが、大丈夫でした。

今回はタイトルの通りサポート・ウェポンということで
・軍・警察用ショットガン
・グレネード・ランチャー
・対戦車兵器
・携帯対空ミサイル
という4つのカテゴリから構成されている。

特に対戦車兵器はRPG-7のような肩撃ち式のものから大型の無反動砲、
ヘルファイアのような対戦車ミサイルまで収録されており、範囲が広い。
しかし、日本の96式擲弾銃や01式軽対戦車誘導弾が載っていない等の偏りも見られる。
中国製が多く紹介されているのは各国の兵器ショーでよく出展されるからかな?
となるとたまには床井先生に日本で取材をやってもらわねば。

ともかく問題はありますが資料としては一級のできなので研究家・関係者の方々には必携の一冊と言えます。
ただし、文庫サイズながら税抜き1619円と値段も一級なのでご注意を。

余談ですが表紙のカールグスタフ、変わったところにモノポッドつけてますね。

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カラシニコフ自伝

2008-07-30 18:18:20 | 

カラシニコフ自伝 世界一有名な銃を創った男

エレナ・ジョリー 聞き書き
山本 知子   訳

朝日新書
ISBN978-4-02-273206-4



現在、世界中のありとあらゆるところで見かけられるAK小銃とそのファミリー。
その大元となったソビエト軍制式小銃AK47を設計したミハエル・カラシニコフ氏の自伝が出版された。
この書にはAK47に関連する話だけでなく、氏の小さい時の話から現在の心境なども語られている。

11歳の時に一家がシベリアへ流刑になった話からは当時のソビエトのめちゃくちゃな政策を知ることが出来るし、
現在の話では酒や麻薬に溺れる若者たちや現在のロシアの混沌とした状況を知ることが出来る。
また、氏の目から見たスターリンやブレジネフ、エリツィンやゴルバチョフに対する評価も興味深かった。

無論、もっとも興味深かったのはAK47の開発にいたるまでの流れで、
以前聞いていた
「ドイツ軍の攻撃に遭って負傷した時に病院でもっといい武器を作るべきだと考え、設計した」
というのが単なる伝説ではなく事実(この時設計したのはサブマシンガン)というのは驚愕の事実だったし、
当時の銃器設計家、シュパーギンやスダレフは言うに及ばず、
シモノフやデグチャレフと面識があったというのも驚きだった。 
特にデグチャレフ(この時将軍)がトライアルの時に自身の設計した銃よりも
カラシニコフ(この時軍曹)が設計した物の方が優れていると宣言したなんていう話は驚きだった。

AKの好きな人だけでなく、銃器に興味を持つ人々にこの本はお勧めです。

コメント (2)
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孤独のグルメ 新装版

2008-06-20 18:44:17 | 
孤独のグルメ 新装版
原作 久住昌之
作画 谷口ジロー
扶桑社
ISBN 978-4-594-05644-5


各所で話題のコミック、「孤独のグルメ」に先日新装版が発売になったので
たちどころに購入しました。

永らく文庫版しか入手できなかったんですよね。
ところで、ウチの文庫版はどこにいったのやら・・・。

「文庫版と変わらないんだろ!」と思いきやさにあらず。
10年ぶりに書いたという新作ならびに原作者たちの対談も加わり、なかなかニクい内容となっております。
でも、最大の特徴は全体のサイズが大きくなったことにより、
登場人物の細かな表情などが読み取りやすくなっていることではないでしょうか。

このコミックを知らない方のために内容を説明すると、これは一種の「食」をテーマにしたコミックです。
そういうとオーバーな表現で食材の素晴らしさを解説するコミックや
高級食材についての薀蓄を垂れまくるコミックを思い浮かべるかもしれませんが、さにあらず。
舞台となるのは仕事先でふらりと入った大衆食堂や球場だったり(無論、食べるのは売店で買ったカレー!)で
毎回、「こんなものが話題になるのか!」と驚くことしきり。
こう書くと、どこに面白い要素があるのかと思うかもしれませんが、あるんです。
「食」にまつわるドラマが。
お腹が空いてたまらないのに適当な店が見つからなかったり、
注文をなかなか聞いてもらえなかったりとありがちなトラブルが主人公・井の頭五郎を襲います。
そんなありがちなトラブルに困る彼に親近感を覚えるのは私だけではないでしょう。
また、とにかく美味しそうに食べる。
他の「グルメ」マンガが薀蓄を垂れたりするのに必死なのに対し、
本作では色々と考えながらひたすら食べる。
逆にまわりで騒いだりする「静かな食事」を邪魔する人には不満を覚えるほど。

登場する食べ物も特に高級食材などを使っているわけではありませんが、考えてみてください。
高級なお店で高級な食材を使った料理を食材に関する薀蓄を聞きながら食べるのと、
手ごろな値段で普通の食材を使った料理を静かに食べる。
後者の場合、「腹が減っている」という状況も加味しなければなりませんが、
少なくとも庶民的な私の場合にはしっくりします。
ただ、流石に組み合わせがメチャクチャだったり頼みすぎたりするのはどうかと思いますがね(笑)。
あと、新作では彼の意外な過去が明らかに。

何でもいいんですが、五郎さんの経歴と言うか人生は波乱に満ちてますよね。
ここも注目。


おまけ。
こんなもの見つけました。
孤独のグルメ

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だめよめにっき

2008-02-07 18:15:32 | 

私屋カヲル 「だめよめにっき」
双葉社 ISBN978-4-575-94148-7

例によって発売時に各所で話題になったこのコミック、
気になって私も購入してみました。

作者は「こどものじかん」でおなじみの私屋カヲルさん。
はっきり言って買う時は各所の評価に対して半信半疑だったわけですが、
実際に読んでみて、その考えが大きな誤りだと気付きました。

内容は「ヨメ」と「オット」の夫婦生活が4コマで描かれるわけですが、
主人公たる「ヨメ」の台詞が少ないながらも上手く描かれているあたりに感心します。
そして何よりも「ヨメ」の愛らしさ。
場合によっては極端すぎともいえる愛情表現は見ているこっちが恥ずかしくなります。

そして読み終わったときに目に付いたとらのあなのメッセージペーパーの言葉、
「ヨメとなら結婚してもいいかもしれない、と思ってもらえたら嬉しいです」
の言葉に納得して何度も頷いてしまったのは言うまでもない。

何ていうか・・・うん、頑張ろう。

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朽ちていった命

2007-12-06 23:07:29 | 

朽ちていった命―被曝治療83日間の記録―
NHK「東海村臨界事故」取材班
新潮文庫 ISBN4-10-129551-4

東海村の臨界事故は今から7年以上前の事になる。
当時、毎日のように事故の原因と共に被害者の容態が報道されていたが、それは映像が無く、病院から発表されるものをただ読み上げる程度のものだった。
日々繰り返される「容態は安定している」はそのうち「危険な状態」へと変わっていったが、私は助かってくれると信じていた。
テレビを見ながら「もう助からないだろう」を繰り返す母に腹を立てた私は「変なことを言うんじゃない」と怒鳴りつけたりもした。
特に根拠も無く・・・。
そして事故の記憶も薄れた今年の春ごろ、この本の存在を知って本屋に走った。

結論から言うと「壮絶すぎる」の一言につきる。
最初の数日は意識がはっきりして普通に会話できる状態の大内さんの調子ががだんだん悪くなり、ついには呼吸管理(=会話ができない)となり、意識レベルが下がっていく様子は実際に目の当たりにしていた医療関係者や家族は辛かったに違いない。
また、医師団も最新の設備や技術を導入しながらも悪化していく状況には困ったことだろう。
放射線医学総合研究所が招聘した世界各国の被曝医療の専門家チームもここまでの被曝は経験が無く、結果として限られた助言しかすることができなかった。
当然、東大病院の医師団も参考となる文献などは存在せず、手探りでの治療となった。
数々の経験の積み重ねである学問が医学であり、たびたび登場する「海図の無い航海に出たような」との形容は実際そう感じたのであろう。

この本を読んで感じたことは放射線被曝がきわめて危険であると同時に現代の医学をもってしても全くの無力だということだ。
だからといって「原子力発電廃絶」なんて短絡的に叫ぼうとは思わない。
いかに安全なようにコントロールして使うか、だと考えるからだ。

なお、TV(NHKスペシャル)版を先日見ることができたが、当時の状況を語る医療関係者らの表情などを見ることができる反面、専門的な部分(薬の名称など)は割愛されているので、興味のある人には目を通してみるべきではないだろうか。
特に工業的に放射線を扱う人たちはいかに危険なものであるのか、知っていて損はないと思う。

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