栃木県はが郡の

陶工のつぶやき

つぎこそ

2015-06-10 22:45:49 | 川柳
この前の窯焚きで

うまくいかなかった作品が少々あった

うまくいかなかったAは

素地のなかの不純物がガス化してピンホールを作ったもの38点

うまくいかなかったBは

灰釉の温度があわなくて煮立った状態のもの14点

Aのピンホールは

ほとんど1箇所針の先ほどの穴ができてしまって

泣く泣く処分

どうせなら1点に38個の穴があいて欲しかった

Bの煮立ったものは温度を少し下げ

焼き直ししたら良くなった

大体は焼き直しして良くなることはないのだが

こういうこともあるんだねえ

この焼きに至るまで

作りの段階ではじかれる物もあり

たとえば

100個作って70~80ぐらいが完成品となるというイメージ

場合によってはほとんどダメって時もあるんだよねえ

物づくりしている人はこの感覚わかっていただけると思う

丹精込めて作っても商品にならないものが出来てくること

あるいは

子育てでも

思ったとおりにはいかなかったこと

そんなもんなんじゃないかな



最初は

何故ダメだったのかすらわからない

試行錯誤しているうち

原因が見えてくる

それも色んな要素がまじりあってる場合がある

そんなことを繰り返して

今の世の中があるんだろうけど

こういうことをいつまで繰り返さなければならないのかねえ


そしてまた

考え方を変えてみると

ピンホールが1つあることが問題なのか?と思ったりもする

まあ

曲がったキュウリが売り物にならないってことに疑問を持つことに似てますが

そんなに完璧でなければならないのかねえ


そのように心がゆれながら仕事をしております

60歳になったら隠居して

自由に好きなものを作って過ごそうかなあ


「定年が あってもなくても 年はとり」

「半月に これから満るか 問うてみる」

「問題は 我が作ってる かもしれぬ」