活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

千々石ミゲルⅡ

2007-12-03 10:33:15 | 活版印刷のふるさと紀行
原マルチノとちがい、千々石ミゲルがみずからキリシタン版やその印刷に手を貸したとは思えません。
それでは、「活版印刷」と無縁だったかといいいますと、答えはノンです。

天正少年使節が帰途、ゴアまで帰って来た時点で、彼らの師、ヴァリニャーノが使節のひとり、原マルチノにゴアの聖堂でラテン語の演説をさせました。
拍手が鳴り止まないほどの出来だったといいます。
中身がヴァリニャーノに対する礼賛と感謝のことばで埋まっておりましたから、ヴァリニャーノとしてはいい気分になって、ドラードにその演説を小冊子に印刷するように命じます。

ドラードとしては、自分の印刷第1号ですから欣喜雀躍、さっそくとりかかりました。ミゲルはあまりいい気持ちではありません。マルチノは副使、自分が正使ですからラテン語の巧拙は別にしても出し抜かれた気分です。

それだけではありません。次の寄港地ゴアではミゲルにとってもっと面白くない出来事が待ち構えておりました。
それが、「遣欧使節対話録」に根ざしたものでありました。詳細は次回。

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