ギンザ・グラフィック・ギャラリーでTDC展を観ました。TDC東京タイプディレクターズクラブも設立されてから30年、まさに油がのりきって、作品分野は多岐、国際色豊か、中身の充実ぶりには思わず敬意を表したくなりました。
とくに私のようなシルバー世代にはグランプリ作品のスイスのPrill Vieceli Cremersのブックデザインを引き合いに出すまでもなく150点近くの出品作の中にいろいろな古典的な印刷技法がみられるものを見つけると、無性に懐かしく、楽しくなるから困ったものです。
たまたま今、印刷博物館で「進化するデジタル印刷」が、催されていますが、最近のようにデジタル一色になってしまった「印刷」は私の眼には悲しくてやりきれません。日本の場合、いいとなうと、いっせいにみんなが同方向をめざす傾向が強すぎる気がします。
いまはどうか知りませんが、7~8年前、パリのサンジェルマン・デ・プレで新刊の活版印刷本を集めた書店に出くわして驚いたことがあります。フランスでもまだ、活版印刷で頑張っている印刷会社があるということで、いち早く活版部門を斬り捨てた日本の多くの印刷会社をうらめしく思いました。私の夢は活版印刷の本づくりを見せ、その本を展示して売ってくれるブースのある生きている印刷博物館です。
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