一〇〇年目の書体づくり -「秀英体 平成の大改刻」の記録- という本を大日本印刷の広報室から送ってもらったのは 一昨年の秋でした。それとあい前後して片塩二朗さんの『秀英体研究』という七〇〇ページもの大冊も入手しました。『一〇〇年目の書体づくり』の方には「書体は生きている」という大仰なタイトルの帯がついておりました。
たしかに秀英体にはご厄介になりました。ただし、私の場合、鉛活字の秀英体とのおつきあいが長く、、写植文字の秀英体とのおつきあいは浅かったので、いまの編集者やデザイナーのみなさんがイメージされるDTPやデジタル画面で使う秀英体のフォントとはいささか異なるおつきあいであったかもしれません。
大仰なタイトルといってしまいましたが、その帯の「書体は生きている。」の次に「時代とともに移り変わる。大日本印刷のオリジナル書体、秀英体。誕生から100年目の改刻を経て、いま未来へ。」とあり、かなり惹句としては的確だと思いました。なぜなら、築地体と共に明治から出版文化の支え手であった秀英体を活版印刷が斜陽になる中で、根気よく改刻し続けてきた秘めたる自負が読みとれたからです。
両書を読んで思いましたことは、書体の改刻、あたらしいフォントづくりの体験談をぜひ関係者の口から聴きたいということでした。これは、日ごろフォントとつきあっていらっしゃる方にも興味ぶかい問題ではないだろうかと考えた次第です。
そこで来る平成27年3月7日(土)15:30~17:30に印刷博物館グーテンベルクルームで大日本印刷秀英体開発室の高橋仁一室長をお招きして『100年目の書体づくり━秀英体平成の大改刻』 と題した講演会を持つことにいたしました。主催は私が所属しております神田川大曲塾で聴講費は1000円です。まだ、参加人員にゆとりがありますので参加ご希望の場合はこのブログのコメント欄にご氏名と連絡電話番号をご記入、お申し込みください。