昨夕、如水会館で『印刷図書館コレクション』出版パーティがありました。図書館が財団になって70周年の記念出版です。ここにお見せするのは収蔵品図録のポスターの部の寿屋ポートワインのポスターを紹介しているぺージです。扱われているのは、1922年,大正11年市田オフセット印刷の製品、日本のポスター史の上でもっとも有名なものの一つです。
ポスターに限らず、明治・大正・昭和の書籍や雑誌はもちろん、活字見本帳など印刷図書館収蔵の貴重な史資料が収められている『印刷図書館コレクション』は、そのもまま日本の印刷産業の歩みを伝えてくれるようで見ているだけでも飽きません。
ところで、印刷図書館は印刷業の規模のわりにはささやかな存在です。専門図書館として自動車業界とか電機業界などのそれとは比較になりません。しかし、財団になってからでも70年、多くの印刷人によって愛され、守られて来た地道な歩みには頭がさがります。
席上、多くの方のスピーチには教えられるところが多かったのですが、最後に挨拶に立った印刷図書館の司書で記念出版の編集にも努力された松本佐恵美さんの「私どもに一度も足をお運びになったことのない沖縄や北海道の印刷業者さんが毎年律義に会費を納めてくださるのには感動しております」のエピソード紹介には考えさせられました。
正直いって主として目下のところ、紙情報を扱う図書館も図書を印刷する印刷業も電子化の波に押されて退潮気味です。帰り道、これからの展開を案じながら歩いた次第です。
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