1980年代

2009-06-30 11:18:13 | Weblog
23年前、この時代の歌番組と言えば「夜のヒットスタジオ」と「ザ・トップテン」20才~30台の方々には何だそれ?って思われると思いますが、40才~50才代の方々には懐かしい番組です。
23年前のある日の事、私も当時は27才、仕事も終わり自宅でテレビを付けたところ夜のヒットスタジオが放送されていた。するとそこには「おニャン子くらぶ」が歌っていて回りにはたくさんの風船が写っている。
「誰だろう、これやっているのは?」
当時、テレビに映る風船の80%近くは私がやっていたので非常に気になった。
翌日、新宿河田町にあったフジテレビへ飛び込み営業に行った。
アポ無しで無謀とも言える行動です。
おはようございま~す、しらばっくれてその道(業界)の挨拶をし入口の守衛をなんなくクリアそして、局の受付へ。あの~、ヒットスタジオの納品に来たのですが、初めて来たのでどこに持って行ったらいいのでしょうか?すると受付の女性が装飾管理部ですか?あっ、そうです。と、納品と偽り、いとも簡単に部署が聞き出せ、その部署の前に到着。そこは、番組のセットや小道具を総て管理している部署でした。中に入り、あの~すみません、ちょっとお聞きしたいのですが、ヒットスタジオで使用している風船はどちらかの業者さんが作っているのですか? すると、奥から年配の貫禄あるおじさんが出て来て、なんでしょう?(のちにこの方、フジテレビが出来た時からいるという菅野副参事であった)あっ!初めましてと深々90度頭を下げ名刺を出した。『ヒットスタジオで使用している風船はどちらなの業者さんが作っているのですか?』あれは、私どもの局に常駐している特殊効果の会社が片手間に作っているのですが不慣れでなかなか作るのに時間がかかってますよ。そうですか、昨日の番組を見させていただいて、私も風船に携わる業者として何とか業者の仲間に入れてもらえないかと思いまして、今日、いきなり来てしまいました。そうですか、風船の納品も出来ますか? はい! それではこれをコピーしますから2~3日中におたくの会社ならいくらで納品出来るか金額書いてもって来てください。ありがとうございます!! そのかわり、うちは運送会社で送って来るのは禁止なんだ、総て納品なんだけど出来るかな? 出来ます! 番組で風船が5個欲しいって言っても納品ですよ! はい!大丈夫です。・・・・もうここまで来たら後には引けない、風船5個でもここまで持って来るのか~、ふ~~~。そして翌日総ての金額を10%引いた見積りを菅野副参事へと渡した。わかりました、これからお願いしますよとあっさり仕入れ業者の仲間入りが果たせたのです。それから1~2年、ドラマで子役が風船を持つからと言って3個の風船を持って来て欲しいとか、本当に辛くて大変な日が続いた。自分が翌日現場と重なれば他に誰も行ってくれないのでその日のうちに夜中でも自分で納品した。ある納品の日、菅野副参事が大曽根さん、時間ある? はい! それじゃ~喫茶店に行こう。二人きりで向き合って話すのは本当に緊張でした。「大曽根さん、頑張るね、知ってるよ、いつもあなたが持って来ているらしいじゃないか、大丈夫ですか?」「とんでもありません、お仕事いただけるだけて嬉しく思っております」 あなたが初めてうちに来た時、あなたが深々頭をさげた時に感じたんだ、何かスポーツでもやっていたのですか? 今の若い人はあそこまで頭を下げる人は少ないからね。 私も剣道を長年やっているので良くわかるんだ。・・・・・・そうなんだ~そんなところを見ているとは。ところで、今度、志村けんさんの「バカ殿」殿の夢シリーズで夢の中で風船の滑り台から滑ってプールに落ちて目がさめると言うシーンがあるんだ。うちのスタジオで一番大きな6スタで収録するんだけどそこの4面の内3面を総て風船で埋め尽くしたいのですが、出来ますか?  もちろんです! ありがとうございます!!
来た、来た!来た!!これを待っていたんです!!(口に出しては言ってませんが、心の中で叫びましたよ!)


15000個の風船を使っての「バカ殿」殿の夢シリーズ、スタジオセットです。
黒い影はその当時の私でございます。 1989年 1月2日

それから、フジテレビに行くと必ず、時間ある?と私をお茶に誘ってくれたのです。そして、夜のヒットスタジオのバルーンも総て自分が手掛けるようになったと言う訳です。バカ殿収録一週間後、聖子ちゃんが同じく夜ヒットで6スタを使う事になりスタジオセットを風船で装飾、もう桁外れの大きな仕事でした。


聖子ちゃんが一曲歌うだけのセットです。 夢叶った瞬間でもあります。 
1989年 1月11日

当時、菅野副参事から電話が入り、正月のポスターを撮るので熱気球のゴンドラだけどこからか探して来てくれないか、とあれば、どこからとも無くそれを手配し、芸能人スキー大会で三輪車の「そり」ってどこかにないかな~これも大学時代のコネクションを使いお茶の水のスキー屋街から探し出す。若さゆえ、何でもやってましたし、総てが出来ましたね。水換え中に「おニャン子くらぶ」の歌がラジオから流れ、ふと昔を懐かしく思い出しました。しかし、おニャン子くらぶの『セーラー服を脱がさないで』って今聞くとすっごい、過激な歌ですね(笑)