コレクションにはドイツの車両が多いのだけれど、時代的には1970年代の蒸気機関車の引退ごろまで。だから新しい時代の車両はほとんど持っていない。というわけで客車の紹介もDB(Deutsche Bundesbahn)からDRG(Deutsche Reichsbahn)1925~1945年の時代へ。これは1939年から製造された、当時の上級客車。床下機器をスカートで覆ってじつにスマートなビシッとしたデザインです。この「ビシッ」を分解すると、渋いダークグリーンの車体に細い銀の線。戦前のドイツ客車に特徴的なのはルーフと車体の境界、窓の下など黒のラインを使ってボディの印象を引き締めているとこと。ナチの制服みたいな極まりかたです。このころから、円の周囲にDeutsche Reichsbahnと入れた金のエンブレムは使われなくなり、車体中央には羽を広げた鷲の下にナチスのスワスチカ(カギ十字)となります。
写真撮影はいつまでたっても上手くならない。フィルム式の一眼レフ時代、少しはテクニック本なんか読んだけれど、デジタルになってまたわからなくなってしまった。基本原理が頭に入っていないんだろうと感じている。さらに目もわるくなっってしまった。あきらめて超イージーに撮ることに徹している。幸いデジタルは何枚でも撮れる、良く出来たのを選べばいい。ここにバラすのは、10年以上むかしに行ったドイツの写真をバックにして車両を撮ったときのもの。前の記事「ドイツの客車_1」の写真、なんか実感あるでしょ。バスの車窓から遠くの村を撮った写真なんです。手前のとうもろこし畑が走っていて、遠くの集落の大きさがちょうどいいので、パソコンに取り込みA3判にプリントしたわけ。机の上をちょっと片付けてカシャ!というわけです。
子供のころ、雑誌のグラビヤかなんかでヨーロッパの列車を見て、なんてかっこいいんだろと思った記憶がある。あらためて考えるとポイントは窓だと思う。四隅に大きなアールをとった窓だ。この窓を見るとヨーロッパの鉄道って感じだな。第2次大戦後の混乱がおさまった1950年ごろから新造された新しい軽量客車だ。大きな窓を持つ軽量客車の先駆はスイスという。やや遅れて日本でも、四隅にアールのついたアルミサッシの軽量客車ナハ10系が登場する。車両限界いっぱいまで幅を拡げ、すそを絞ったスマートな客車だった。スイスやドイツからの技術導入ということなんだろうな。以後、スイス発のこの窓スタイルは世界的に流行、客車のインターナショナルデザインですね。