goo blog サービス終了のお知らせ 

一人暮らし男の食生活!

13年はパリを最後に海外に行きません。来年イタリア?サンフランシスコ?ピッツバーグ?

「初ものがたり」&「心とろかすような」

2008年04月12日 | 読書
宮部みゆきさんの本を2冊読みました。

どちらも非常に面白いです。

「初ものがたり」は連続時代劇捕物帳って感じ。短編集なのですが登場人物が同じなのでテレビドラマみたいです。

季節感も江戸の風景も食文化も見事に描写しています。ぐいぐい引きこまれますわ。

「心とろかすような」は現代劇で探偵事務所の姉妹の活躍を犬の目線で(!)描いています。

どちらも登場人物達に感情移入できる楽しい小説です。

人間の心の闇とか陰湿さも表現しながら主人公達の活躍を描いているのでドラマ性が深いです。

特に「心・・・」は素晴らしい。

猫好きな人はハインラインのSF小説「夏への扉」を絶対に読むべきだ!って持論を持っている僕ですから、これは犬好きな人が絶対に読むべき作品です。

本当に犬ってそういう目線で人間を見ているんじゃないかって思ってしまいます。笑っちゃいます。

本作は「パーフェクト・ブルー」の続編(?)らしいので、そっちも読まなきゃ。

「初もの・・・」の感想が少ないかな?

人質カノン

2008年03月18日 | 読書
面白かったです。

人物を上手く描いています。都会の人間関係です。妙なリアル感がありました。

もちろんフィクションの世界ですから日常生活の中の有り得ないような冒険を描いていますが、そのなかにも絶妙なリアル感を感じさせます。

孤独な感じがリアルなんです。希薄な感じがリアルなんです。

いやー宮部みゆきさんの本が人気だって良く分かりましたよ。

この時は分かりませんでした(笑)

読み応えの有る短編集です。全ての作品が面白いと思いました。

メアリと巨人

2008年03月14日 | 読書
あとがきに「フィリップ・K・ディックの本だから手に取った方も・・・」と有りましたがズバリ僕のことです(笑)

ディックのSF小説だとばっかり思いましたがいつまで経っても物語が進展しない・・・

これはもしかしてSFではないのかと気が付いた頃に読み終わりました。

ラブストーリー系なんでしょう。

いつディックらしさが出てくるかと期待しながら読んだけど空振りでした。

例えばスティーブン・キングだったらホラーでなくても十分に面白く読めるのにディックは短編のSFじゃないと僕的には満足しないのか?

ディックの長編は意外とそんなに好きじゃないです。(いや好きだけどね!)

やっぱり「変種第二号」が一番好き!

いつもひとりで

2008年03月10日 | 読書
阿川佐和子さんのエッセイ集です。

あれ?もしかして阿川さんの本て初めて読むかな?

凄く読みやすくて優しい文章で思わずクスクスと噴き出しそうになる可愛らしい本です。

題が「いつもひとりで」ってのが既に自虐ネタ、、、

しかも表紙にご本人の嫁入りのイラスト付き(笑)

色々と冒険されているんですよ。意外と。

アメリカ留学の件とか日本人とアメリカ人の違いとか

結構鋭い視点で抉っています。

痛快な読み物でもありました。

途中の一編「懺悔タクシー」は素晴らしいお話でした。

ごちそうさまです。

月に繭、地には果実

2008年02月25日 | 読書
福井晴敏さんの本は大好きです。臨場感があってハードボイルドで派手で男臭いからです。

その福井さんが「ガンダム」を書いておられるということで気合を込めて読んでみたのですが・・・

ゴメンナサイ。ダメです。僕的には全然面白みを感じませんでした。

「モビルスーツ同士の格闘なんて文字で読んでも臨場感が伝わらないなぁ。こりゃアニメで見せてくれなきゃ・・・」とずーっと思っていましたが先日のダブルオーの時は文字ばっかり追っていても面白かったので・・・うーん。

「僥倖」って言葉と「GUSOH」が出てきたので福井ファンとしては微笑ましいけど、それ以上のものは僕は感じることが出来ませんでした。

僕は福井作品は全て読んでいます。そして全て面白いと思います。

でも敢えてコメントしますと「月繭」は長くて退屈!

今回ばかりは思いました。

ごめんさなさい。

草野球の神様

2008年02月11日 | 読書
ご存知ビートたけしさんの短編集です。

表題の「草野球の神様」は凄く面白く読めました。野球のルールとかを知っていないと面白くないでしょうがダメダメ草野球チームが奮闘して実力以上を発揮しようとする辺りが面白い。
勝ち進む方法や野球の基本から学びなおすところが面白いです。

オチも綺麗でした。

短編だと思わなかったので「あれ?」と思っているうちに一瞬で終わってしまったのですが、それがまた心地良かったです。

この一瞬で終わる何とも言えない余韻が、また楽しめるのが次の「約束」でした。

悲しくなります。綺麗なストーリーです。大人の男女のラブストーリーでした。短い作品ですけど読み応えがあったと思います。

でも・・・性病を扱った「我が闘争」は全く面白みが無かったです。悪乗り作品。

ゴルフに全く興味のない僕には面白みが分からない「ドラコン王」も困った作品です。

「動物園にて」はそこそこ読めます。
これも大人のラブストーリーですけど前述の「約束」の方が100倍くらい心に残ります。

デッドシックス

2008年02月10日 | 読書
鳴海章さんの本です。

前作が面白かったので同じ作者の本を手にしてみたのですが

偶然にも「蒼穹の射手」の続編だそうでラッキーです。

「蒼穹の・・」は航空アクションが主体だったけど、今回は地上戦です。

心理戦って言うか正体不明の殺し屋との対峙の構図が面白いです。

相手が何者なのか正体が分からないし素顔も分からない頃がサスペンスタッチで面白かった。

きちんと殺し屋からの目線が豊富で人物設定に奥行きがあるのがリアリティですね。

凄く面白かったと思います。前作よりもね。

平成関東大震災

2008年01月28日 | 読書
副題に「いつか来るとは知っていたが今日来るとは思わなかった」と有ります。

福井晴敏さんの小説が好きなので手にとって見たのですが

福井節はそんなに前面に押し出していないみたいです。

忠実な大都市の直下型地震のシュミレーションです。

本当に地震に遭遇したら、こんな恐怖があるんだろうなぁ・・・とか

こんな風になるんだろうなぁ・・・とか、こういう危機を迎えるんだろうなぁ・・・ってのが分かりやすく書いてあります。

で、ラストが綺麗にまとまっています。この路線で攻めてこられたら泣いちゃいます。

薄い本ですし一日で読んでしまいましたが面白かったですよ。

惜しむらくは東京での被災ですから、名古屋人の僕には地理感がイマイチなこと。

福井さん名古屋バージョンも書いてください。

ナナちゃん人形が倒れる描写とか、あの辺の地盤が弱いとか、桜通線は地下深いとか色々書けますよ。

歩兵型戦闘車両ダブルオー

2008年01月27日 | 読書
大抵の本は何ページかペラペラ捲って拾い読みをしてから借りるのですが

この本はタイトルと表紙の写真だけで決めました。

普通の街が舞台です。二足歩行するロボットの活躍を描いています。

ワクワクしながら読みました。

男の子向けの小説でしょうね。意味無く合体機能がついた巨大ロボですから(笑)

なかなか面白く読むことが出来ました。

しっかり描かれていました。

重機を操る重厚感とか、街を守る使命とか、お役所仕事のいい加減さとか

登場人物が良い奴ばかりだってのも高得点です。

敵の設定って言うか正体が良く分からなかったけど

細かいディティールなんか全然関係なく面白いストーリーだったと思います。

蒲田行進曲

2008年01月23日 | 読書
最初は面白いと思いませんでした。

登場人物に感情移入出来なかったからです。

銀ちゃんもヤスも小夏も我侭で自分本位で魅力的ではない印象でした。

勝手に好きな事やって周りに迷惑掛け捲りでダメな奴等だとすら思いました。

ラストの階段落ちも別に大して素晴らしいと思いませんでした。

続編(完結編)の「銀ちゃんが逝く」も読みました。一気に全部読みました。

最初は詰まらなかったけど後半が感動的です。

うん。ラスト辺りが綺麗です。

もう、このラストは良いですね。ココまで辿り着いて良かったです。

で、あとがきが素晴らしいです。

このあとがきが無ければ作品の良さに気がつかなかったと思います。

つまり僕に文書を読む力が無いってことですよ。色々と文学を読んでは「面白みが分からない」って感想を持つ僕ですが

分かりやすく解説してもらわないと読み取ることが出来ないのです。

うーん。

・・・・。


小説 熱海殺人事件

2008年01月22日 | 読書
つかこうへいさんの有名な舞台です。

クスクスと笑えるシーンも多かったですが、文字で読んで面白いものではありませんでした。

「ここでバーっと照明が当たって・・・」「ムードを盛り上げる音楽が・・・」って舞台調に展開するのです。

実際に役者さんが演じているのを見たら100倍楽しめたのでしょうがコレは読むだけでは面白みを感じることが出来なかったってのが僕の感想です。

でも

決して分厚い本ではありませんし、読みやすい文体だったので

その点は良かったかなぁ。

平行して同じつかこうへい作品「蒲田行進曲」も読んでいます。

日本沈没

2008年01月06日 | 読書
凄く面白かったです。

地殻変動とかを中心に描く上巻は結構退屈かもしれないけどストーリー上は必要ですわな。

でも下巻が素晴らしい!大スペクタクルが怖いし!凄いし!興奮するし!



日本の沈没は国家機密だから家族にも国外逃亡を教えられない描写とか・・・

秘密裏に諸外国に日本人を受け入れてもらおうとする政府の裏取引とか・・・

で、本音は日本の難民を受け入れたくない諸外国の対応とか・・・

で、その諸外国の対応が表面上は受け入れるけど決して積極的でない姿勢とか・・・

逃げ遅れた若者達が、どうせ日本は沈没するんだからココに居たって良いじゃないか~とか・・・

田所博士の自暴自棄になった辺り(あれって計算なんですね)とか・・・

何故君がそこに居るんだー!!!!???ってのも素晴らしい。あの瞬間はガックリ来た。




ラストで日本列島の沈没を「龍の死」と例えて客観的に描写するのも面白かったです。

そのラストシーンも怖いですね。あの後どうなるの?

知らずに読んでいて最後に「第一部 完」って有ったので少しビックリ。

一応続編が有るらしいですね。そちらを詳しくは知りません。



東海道線の列車内で読んだので、その辺の地名が沢山出てきましたから臨場感はありました。付加価値(笑)

行かずに死ねるか!

2007年12月25日 | 読書
本当に本当に素晴らしい本です。

副題に「世界9万5000km自転車ひとり旅」と付いています。

行き当たりばったりの無計画な僕です。
外国好きで外人好きで自転車好きな僕です。
だから絶対にこの本は面白いだろうと自信満々で手に取ったんですけど僕の想像をはるかに超えた面白さです。

アラスカから南米最南端まで~北欧からアフリカ最南端まで~中東から東南アジア経由で日本に帰ってくる旅路です。

7年かけての大冒険です。素晴らしい。

例えば僕とかが自転車で週末ツーリングに行ったりすると天気は大丈夫か?とか夜はアソコに行きたいけど間に合うか?とかを考えたりするもんです。

でも世界を旅する自転車ライダーは、そんな次元ではありません。あたりまえ。

熊も強盗も病気も9・11の混乱も何でもアリです。

それらよりも遥かに素晴らしい出会いと感動がタップリ詰まった冒険記です。

著者の石田ゆうすけさんは現在も冒険中なのか。

講演活動もしておられるようなので機会が有れば是非お話をお聞きしたいです。

素敵な本に出会えました。

マイナス50℃の世界

2007年12月21日 | 読書
無茶無茶面白かった!

自分の知らない世界をまた1つ勉強できました。

米原万理さんの文章は初めて読みましたけど、凄く引き込まれます。

大黒屋光太夫の例の冒険を再現するTVの企画に米原さんが通訳として同行した時の話です。

氷の世界はノーマルタイヤでもタイヤが一切滑らないってのが僕には驚き。

へぇ~って新鮮な感動が沢山味わえる素敵な本でした。

人の住む最も寒いところってのが凄いです。

探検隊しか住まない北極圏とかではなくて、ちゃんと昔から人が住んでいる場所なんですね。人の営みがある場所なんですね。

こういう本を読んでもそう。実際に外国に行ってみてもそう。

国とか地域とかを楽しんでいると思っているけど、実際は人を楽しんでいるのです。「うわー人間って凄いなぁ」ってね。

いつか「おろしや国酔夢譚」も読んでみたいです。

「ドラゴンの眼」

2007年12月16日 | 読書
スティーブン・キングが珍しくファンタジーを書いているのです。

娘さんのために書いたのだとか・・・

ホラー色は薄いですけど面白かったです。

って言うか、キングって絶対にストーリー展開が一緒。



①善良な人(若しくは普通の人)と悪魔(若しくは悪魔的な人)が居る所からストーリーが始まる。

②悪魔が善良な人をそそのかす。

③悪魔側が一時的に勝利をおさめる

④スリリングな攻防戦の末に善良な人が最後には勝利をおさめる。

⑤ちょっとした余韻が残る

うーん。王道。

今回も面白かったです。

主人公のピーターを読み手が思わず応援したくなるんですよね。

こういう本を感情移入出来る本と言うんだと思います。

僕は基本的にファンタジーは好きではありませんが、コレは面白かったです。