『間違いだらけの感染症対策】一番危ないのはスマホだ! 専門家「付着ウイルスに最長9日生存リスク」』
新型コロナウイルス感染症が拡大してもテレワークができない職場という人は多い。だが、ひとたび感染してしまうと、自分も会社も機能不全に陥ってしまう。感染のワナは日常業務に潜んでいる。ウイルスを寄せつけないビジネスマンのための「防衛術」を専門医に取材した。
「いま、感染を媒介する可能性があるのはスマートフォンです。実は今、これが一番怖いかもしれません」
新型コロナウイルス感染症にも関連が深い呼吸器の専門家として知られる、池袋大谷クリニック(東京都)の大谷義夫院長はこのように警戒感をあらわにする。
スマホに注目するのは、科学的データがあるからだ。その根拠の一つとして、今回の新型コロナウイルス以前のコロナウイルスを調べたドイツの研究に大谷院長は注目する。ちなみに、新型コロナウイルスは7番目のコロナウイルスで、それ以前には2002年に発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)や2012年以降のMERS(中東呼吸器症候群)などがある。
「この研究では従来のコロナウイルスが付着した物体の表面には、室温で最長9日間、感染力が維持されることが示されました」(大谷院長)
さらに、この従来のコロナウイルスでは、アルミニウム、プラスチック、ガラスだけでなく、木材や紙に付着しても平均で4~5日生存できることも判明している。
これらの素材の多くはスマホに使われている。「みなさん1日に何回、スマホに触りますか。LINEやフェイスブック、ヤフーのニュース検索、天気予報のチェック。ゲームやコンビニでの支払い、Suica機能を付けて駅の改札に使っている人もいるでしょう」
そのスマホに触る前後に、電車のつり革や手すりといった、不特定多数の人が触った“感染源候補”に触れている。電車が駅に着くたびにつり革などの除菌をしてくれればいいのだが、それをやればキリがない。
「そこが盲点なんですよ。手洗いもそうなんです。手洗いが肝心といっても、5分おきにする人はまず、いませんよね」
除菌には、アルコール消毒(70度)が奨励されており、スマホには除菌のウエットティッシュが使えるだろう。ウイルスは膜のあるものとないものに分けられ、膜のあるタイプはアルコール消毒すると、膜が破れてウイルスが感染力を失う。新型コロナウイルスは膜のあるタイプとされる。
もう一つ、注意が必要なのはパソコンだ。自分専用PCだとしても、ウイルス付着のリスクは大いにある。
「エレベーターのボタン、コピー機のフタやボタンなど、手や指が1日に何回も触れているはずです。スマホだけでなく、PCのキーボードも逐次、除菌したいものです」(大谷院長)
ちなみに大谷院長は普段から、ドアノブには手や指を使わず、手首で操作しているそうだ。
マスク同様、消毒液、除菌ウエットティッシュも売れ切れの店が多いが、できる範囲でいい。厚生労働省の「手洗いせよ」に、「スマホ・PCの除菌も忘れずに」も含めるべきだろう。(佐々木正志郎)
※ZAKZAK引用
細菌・ウイルスは肉眼では見えません
㈲保健衛生商会