日韓漁業協定

第5条【法令遵守の義務】
1.各締約国の国民及び漁船は、他方の締約国の排他的経済水域において漁獲を行うときには、この協定及び漁業に関する他方の締約国の関係法令を遵守する。

2.各締約国は、自国の国民及び漁船が他方の締約国の排他的経済水域において漁獲を行うときには、第3条の規定に従い他方の締約国が決定する他方の締約国の排他的経済水域における操業に関する具体的な条件及びこの協定の規定を遵守するよう、必要な措置を取る。この措置は、他方の締約国の排他的経済水域における自国の国民及び漁船に対する臨検、停船その他の取り締まりを含まない。

第6条【拿捕・抑留】
1.各締約国は、他方の締約国の国民及び漁船が自国の排他的経済水域において漁獲を行うときには、第3条の規定に従い自国が決定する自国の排他的経済水域における操業に関する具体的な条件及びこの協定の規定を遵守するよう、国際法に従い、自国の排他的経済水域において必要な措置をとることができる。

2.各締約国の権限のある当局は、1の措置として、他方の締約国の漁船及びその乗組員を拿捕し又は抑留した場合には、とられた措置及びその後科された罰について、外交上の経路を通じて他方の締約国に迅速に通報する。

3.拿捕され又は抑留された漁船及びその乗組員は、適切な担保金又はその提供を補償する書面を提供したあとに速やかに釈放される。
(コメント)2005年5月の事件は、この条文と国連海洋法条約73条第2項に基づいて処理されたようだ。
4.各締約国は、漁業に関する自国の関係法令に定める海洋生物資源の保存措置その他の条件を他方の締約国に遅滞なく通報する。

★ 引用元 株式会社有斐閣 国際条約集2000年版 ★
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国連海洋法条約 

第73条【沿岸国の法令の執行】
1.沿岸国は、排他的経済水域において生物資源を探査し、開発し、保存し及び管理するための主権的権利を行使するに当たり、この条約に従って制定する法令の遵守を確保するために必要な措置(乗船、検査、拿捕及び司法上の手続きを含む。)をとることができる。

2. 拿捕された船舶及びその乗組員は、合理的な保証金の支払い又は合理的な他の保証の提供の後に速やかに釈放される。

3.排他的経済水域における漁業に関する法令に対する違反について沿岸国が科する罰には、関係国の別段の合意がない限り拘禁を含めてはならず、また、その他いかなる形態の身体刑も含めてはならない。

4.沿岸国は、外国船舶を拿捕し又は抑留した場合には、とられた措置及びその後科した罰について、適当な経路を通じて旗国に速やかに通報する。

第111条【追跡権】
1.沿岸国の権限のある当局は、舶が自国の法令に違反したと信ずるに足りる十分な理由があるときは、当該外国船舶の追跡を行うことができる。この追跡は、外国船舶又はそのボートが追跡国の内水、群島水域、領海又は接続水域にあるときに開始しなければならず、また、中断されない限り、領海又は接続水域の外において引き続き行うことができる。領海又は接続水域にある外国船舶が停船命令を受けるときに、その命令を発する船舶も同様に領海又は接続水域にあることは必要でない。外国船舶が第33条に定める接続水域にあるときは、追跡は、当該接続水域の設定によって保護しようとする権利の侵害があった場合に限り、行うことができる。

2.追跡権については、排他的経済水域又は大陸棚(大陸棚上の施設の周囲の安全水域を含む。)において、この条約に従いその排他的経済水域又は大陸棚(当該安全水域を含む。)に適用される沿岸国の法令の違反がある場合に準用する。

3.追跡権は、被追跡船舶がその旗国又は第三国の領海に入ると同時に消滅する。
(コメント)この条文の反対解釈により旗国又は第三国の領海(排他的経済水域ではない)に入るまで追跡権が存在すると思う。

4.追跡は、被追跡船またはそのボート若しくは被追跡船舶を母船としてこれと一団となって作業する舟艇が領海又は、場合により、接続水域、排他的経済水域若しくは大陸棚の上部にあることを追跡船舶がその場における実行可能な手段により確認しない限り、開始されたものとされない。追跡は、視覚的又は聴覚的停船信号を外国船舶が視認しまたは聞くことができる距離から発した後にのみ、開始することができる。

5.追跡権は、軍艦、軍用航空機その他政府の公務に使用されていることが明らかに表示されており、かつ識別されることのできる船舶又は航空機でそのための権限を与えられているものによってのみ行使することができる。

6.追跡が航空機によって行われる場合には、
(a)1から4までの規定を準用する。
(b)停戦命令を発した航空機は、船舶を自ら拿捕することができるばあいを除くほか、自己が呼び寄せた沿岸国の船舶又は他の航空機が到着して追跡を引き継ぐまで、当該船舶を自ら積極的に追跡しなければならない。当該船舶が停船命令を受け、かつ、当該航空機又は追跡を中断することなく引き続き行う他の航空機若しくは船舶によって追跡されたのでない限り、当該航空機が当該船舶を違反を犯したもの又は違反の疑いがあるものとして発見しただけでは、領海の外における拿捕を正当とするために十分ではない。

7.いずれかの国の管轄権の及ぶ範囲内で拿捕され、かつ、権限のある当局の審理をうけるためその国の港に護送される船舶は、事情により護送の途中において排他的経済水域又は公海の一部を通行することが必要である場合に、その航行のみを理由として釈放を要求することができない。

8.追跡権の行使が正当とされない状況の下に領海の外において船舶が停止されまたは拿捕されたときは、その船舶は、これにより被った損失又は損害に対する補償をうける。
(コメント)ひょっとして、韓国漁船が海保に損害賠償を請求する根拠条文ってこれなのか?( ´,_ゝ`)プッ

★ 引用元 株式会社有斐閣 国際条約集2000年版 ★
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