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祈りを、うたにこめて

祈りうた(ちいさな翼  無関心の向こうに)

  
無関心の向こうに

 

 

 公園

 

朝の公園に外寝(そとね)のひとがいる

かたわらに古ぼけた自転車

石のベンチのうえには赤いナップザック

外寝のひとは背をむけて

樹か鳥をみている

 

トイレには黄色のテープのバツ印

水道には蛇口(じゃぐち)の栓がない

街に疫病(えきびょう)がはやっているのだ

 

ぼくは足早に公園をぬけていく

露を吸った青草が靴をぬらす

外寝のひとは

まったくふりむかない

樹か鳥をみている

 



 浜辺

 

  猫が浜辺で遊んでいる。

それは いっぴきの仔猫(こねこ)

ちいさな菓子箱が小さな彼女のおうちです。

 

  猫は浜辺で笛をふいています。

猫は生まれたばかり 目が見えない。

おおきな波が彼女のおうちを欲しがっている。

 

  波打際(なみうちぎわ)には箱のようなものがころがっています。

そして波は―

波はただ無表情に寄せてきます。

 



 駅

 

ドア開いて

能面の群れ

入れ替わる

 



4 一日

 

 いっしゅんの微笑みと

ずっとのしかめっ面

きょうも

それで一日

 

たくさんのノーと

ほんのすこしのイエス

きょうも

それで一日

 

あした

天気に

なあれ

 

 

 

●ご訪問ありがとうございます。

侵略のひろがりは、平和や自由やいのち、そして隣のひとへの無関心によるのでなく、関心をもちながらも、毎日の暮らしに忙殺され、平和や自由やいのち、そして隣のひとへのいたみをつい心の片隅に置いてしまったとき、その黒い羽を広げていくのでしょうか。

 だれかに愛をもたらしたいと思うなら、
 その人に密接にかかわらなければなりません。
 (ヴォルフガング・バーダー編、山本文子訳『マザー・テレサ100の言葉』、女子パウロ会)

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