祈りを、うたにこめて

祈りうた(でくの坊  ヘンな父)  

ヘンな父

 

―うちの母ってヘンですか?*

この漫画に描かれたかずかずの母親

たいがい 自分を善人と おもっている

たいがい 心配性だが 気が利くと思っている

たいがい お節介だが 世話好きとおもっている

たいがい ねたみ屋なのに 心がひろいと思っている

これってハハオヤだけのことか

チチオヤもそうじゃないのか

たいがい 自信家

たいがい 自分を反省しない

―うちの父ってヘンですか?

そういう漫画が出たら 怖い

ほとんどオレのことだ

  *田房永子『うちの母ってヘンですか?』秋田書店

 

   

 

 

夢をみた

息子三人が出てきた

顔ははっきりしないが 息子だとわかった

 

息子は口々に

「もういいよ」

「もういいよ」と云う

 

三番目の息子はわたしを抱いて

「もういいよ」と

耳元で何度もささやく

 

わたしは気づいた ぼんやりとした頭だが

息子たち わたしを赦してくれている!

ダメだったオヤジを ゆるしてくれている!

 

トイレで目が覚めた

目のあたりが何となく濡れていた

 

●ご訪問ありがとうございます。
 親はあっても子は育つ、と、太宰治がいいました。わたしも共感するところがある父親です。父親をモデルとして育たなかったわたしは、「父」というのはどういう存在か、どうするものなのか、ほんとうに分かりませんでした。ハチャメチャナな親父だと悔いることを、何度もしでかしました。
 そのわたしを夢の中で赦すと言ってくれたのです、むすこたちが。現実の出来事ではないのに、妙にリアルでした。たくさんの罪意識をひとつ、ほどかれた気がしました。

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