
ヒトの恋路を邪魔するヤツは~~♪。。。という都々逸だか、戯れ歌だかがありますね。
それなのに、私は十年ほど前、ある友人の恋路を邪魔したことがありました。余計なおせっかいだったのかもしれませんが、私のしたことは、間違っていなかったはず、と少し前までは思っていました。
これは、人づてに聞いた話でした。友人の家に中年の男性がやってきて、思春期の子どもたちがとても嫌がっている、と。ケーキやお菓子や、子どもが喜びそうな物を持って訪ねて来ては、一緒に夕ご飯などを食べるのだそうです。
母親である友人は、若くして夫と死別しましたが、シッカリ者で有名企業のキャリアウーマン。たいへんに有能な女性であり、実家の援助もあって、母子家庭とはいえ、むしろ恵まれた経済生活を送っていました。
私は、繊細な上のお姉ちゃんの事が心配になり、思い切って友人に電話をしてみたのです。かなり迷いました。余計なおせっかいは止めた方が良い、という気持ちも一方にはあり、しかし、子どもの気持ちが傷つくのを、このまま黙って見過ごしていてもいいのだろうか、とも思ったり。
友人に、そんな相手がいるという話は、以前に本人から聞いていましたので、近況報告がてらの電話です。
「ところで、例の男性とは、どうなっているの?もちろん、独身の人なのよね?」と聞くと、家庭持ちだという返事。
「それは、マズイじゃないの!そんな人を家に上げたりして、大丈夫なの?」
「だって、毎日毎日 I love you と言うのよ~!」と、ケラケラとして、まんざらでもない様子。
私は、子供たちのことには一切触れず、一般論としての話をしてみた。その男性が独身で、貴女と結婚したいというのなら分かるけれど、家庭を持っているなんて論外。
それは、筋が違うんじゃないの。相手は、遊びかも。そういう、女所帯だと思って甘く見る図々しい男、世間にはた~くさんいるのよ!気をつけて!なんて、テンション高く、まるで姉のごとくな、説教口調だったに違いない。同い年なのに。
彼女は、笑いながら聞いているようだった。頭の良い人だから、これで私の気持ちは分かってくれただろうと思った。
その後、何の音沙汰もなく、半年ほど過ぎた頃だろうか。用事があって電話したときに、例の男性の事を思い出して、今はどうなっているのか、と聞いてみると。
あれから、彼女は、キッパリと男性に言ったそうである。「私がそんなに好きなら、あなたの家庭の方をキレイに清算して、それから私に申し込んでください。そうしたら、私もその後どうするか、真剣に考えますから」と。
そう言った翌日から、男性は彼女に接触して来なくなったそうである。たまたま顔を合わせても、素知らぬ顔だったというのである。
彼女いわく、そのうちに彼は転勤になって、どこかに行ったわ。はぁ~サバサバした、あははは。って。
そうなの。じゃ、かえって良かったんじゃなかったの。と私。
彼女は、口ではサッパリしたように言っていても、本当は辛かったのではないだろうか。私は子どもたちのためと思って、進言したけれど、彼女の恋路を邪魔してしまったかもしれないのだった。
私の心の中に、0.01%ほども野次馬根性が無かったかどうか。0.01%ほどのやっかみが無かったかどうか。あったかもしれないのに、と思う。
私は彼女の、甘い夢のようなものを、早々とぶち壊したのではないだろうか。私が何も言わなくても、自然に、賢い彼女は気づいたかもしれない事なのだ。
彼女とは、その後は年賀状だけの付き合いをしてきた。何事もなかったかのように。。。彼女が懐かしげに近づいてきた時に、私は冷淡であり、私が思い出して近づこうとすると、彼女が冷淡だった。もう、何年も。
今年は、彼女からの年賀状がなかった。お正月過ぎに、知り合いの人がこちらに来ることがあって、彼女からコトヅカッタと言って、”美味しい物”を届けに来てくれた。トーコさんから貰った年賀状、彼女はとっても喜んでいたよ、ありがとう、と。
彼女は、私の余計なお節介を、許してくれたのだろうか。私は、あの時の自分の言動に、「思い遣り」がなかったような気がしてきた。はじめて、彼女に、すまない事をしたのかもしれないのだ、と思ったりしている。
日記@BlogRanking




人間として間違っていなかったと思います。
子供達も変に思っていたのではないでしょうか?
複雑になるまえに解決されたトーコさんはえらいと思いました。(拍手)
今度悩み事ができたら、相談に乗ってください。
今のところ、悩み事がないのが悩みです。
ちなみに私は、「愛」は言いませんでした。
「好き」は、すきなだけ言ってきました。(笑)
トーコさんの、一声で目が覚めるなんて、
彼女しっかり物で、なかなか賢い人ですね。
また男には、流されないタイプかな?
ならば、再婚しないでお子さんを、
立派に育てたんでしょうネ。?
何かといろんな人にお世話になりました。
中にはそういう男性もいたかもしれません。
ご友人の決断は、ご友人の決断です。
結果、次の日からその男性は素知らぬ顔をしていたのですから、それでよかったのではないでしょうか
ちなみに、母子家庭には、国や自治体の援助があります。低所得者の男性と一緒に住むよりははるかに生活は楽になるでしょう。それが現在のシングルマザーや非正社員(の男性)を増やしているとしたら…
えっ!何が95点かって・・・?
それは、トーコさんからのお友達への対応です。
ホントは、100点満点なんですよ!でも、今も、しきりに反省してる?ので-5点です。
反省・後悔の念は全く不要です!
“思い遣り”は言葉にしたり、行動に起こしたりすると、時として
きつい言葉や、辛い行動になるものです。
そのお友達も、今!冷静になってみて、良かった~・・・って、きっと、思ってますよ!
多分、その直後は“貴女に対する照れ”や“世間体”を感じて居た筈!だから足も遠のくでしょう!
まさに、的確で本質を捉え、的を射たアドバイスです!
似たようなことを過去にしてきた気がする。
はっきり口に出して進言しないまでも心の中で思っていた。
それは態度や眼差しに表れていたことと思う。
若かったんだなぁ。。。
そして、ばかかった。
今、あそういうことが少しずつ分かりかけてきて、
年をとるのもいいものだ。
ばかが少し直ってきた、と思うのです。
お互いにゆるゆる年を重ねていきましょう。
私も、”安い正義”を、振り回すつもりはなかったのです。
山小屋さんの仰るように、複雑になる前に、という思いが強かったのだと思います。
彼女に子どもがいなければ、きっと言わなかったでしょう。単なる、オトナの火遊びなら、何も言いませんでした。
男性が、子どもたちの機嫌をとりつつ、家に入り込むのが解せなかったです。目的はなんだろう、と。結婚をしたい、と言っているフシもない。
その点を彼女に、私の「疑問」として、投げかけたのです。彼女の電話の声が、途中から、微妙に真剣になってきたのを確認して、これはまず大丈夫、と思いました
悩みなど全然ないぞ!というコメント、ありがとうございました
え?「好き」を「好きなだけ」言ってきたの?そりゃ~、スゴイワネ~あはは
彼女、再婚をしないで、子どもたちを立派に育て上げたのよ。今では、孫もいるの。私と同い年だけど・・・
「どうして、再婚しなかったの?」と聞けば、しばらく考えて、「またこの人と、ゼロから苦労してみよう!、と思える人が結局現れなかったんだわね~」と。
そう、そんな人は、千年に一度しか現れないかも~(笑)すみません、フザケマシタけど
為になるコメント、ありがとうございました
ええ、うちも母子家庭でしたから、いろいろありました。
良く考えれば、その男性も、何か暖かい「擬似家族」のようなものに、憧れを持っていたのかもしれません。
また、素知らぬ顔をしたのも、彼女とハッキリ決別するために、心が残らないように、そういう態度をとった、と考える事もできるかもしれません。難しいですが。。。
彼女はわりに高額所得者で、資産もあって、男性も似たような環境、立場の人でしたが。今もって、あれは何だったのか、よく分かりません。
考えさせてくれるコメント、ありがとうございました
そうですか?あれで、良かったのでしょうか。
私も、過去に一度だけ、恋路を邪魔された事があるのです。それは、多分に友人の”やっかみ”から出たようです。
その時は、気付かなくて、本当の事を教えてもらって良かった、と思っていました。けれど、それは違うと分かってきて、今でも友人の事を許していない自分を、最近になって発見したのです。
それで、この記事の彼女にも、悪い事をしたような気になってきたのでした
すぐに消えるほど儚い、彼女の”甘やかなトキメキ”を、私は正義感ぶって、急いでぶち壊したのではなかったのかと。。。
まぁ、相手の男性が、女たらしの常習者だったのなら、結果的に良かったのですが
「サラダ記念日」、お好きでしたか
「結婚しようだなんて 缶チューハイ2本で 言っていいの」ではなかったでしょうか?違うかも
満点のコメント、ありがとうございました
のっちさんが、いろいろ言ってくれて、助かった人も多かったのではないですか?
私は、そっちの方が多いと思っています。良かれと思って言う事でも、そうでもないかも知れない、と自問自答することは、きっと、人間として必要なのかもしれませんね。
それも、年をとって、”バカなり”に考えたことですけれど・・・
曽野綾子が、「安っぽい正義を振りかざすことほど、やっかいではた迷惑なことはない」と言っていました。それを読んだ時から、肝に、命じているところです。
のっちさんは、まだ40代(一説には20代?)ですから、大丈夫でしょう。あはは
私も、少しずつ「お馬鹿」を直しながら、生きてゆかなければ、と思っています。今後とも、よろしくご教示のホドを~
勇気づけられるコメント、ありがとうございました