探偵ナイトスクープで「通天閣の上から叫ぶ」という企画がたまにある。
言いたいことを通天閣の上から大声で叫ぶのだ。
だいたいは面白くない絶叫で、今回ももう見なくていいかなと思いながら見ていた。
探偵も麒麟の田村裕さんで、彼が出ると夫がいつも面白くないというので私もそんな気になっていた。
この日の最後に叫んだのが、高校生の男の子。
最初に声をかけられたとき、ずいぶん前髪が長くてマスクしてるから顔が見えないよ、って思っていた。
田村さんと話しているときは緊張で足がめちゃくちゃに震えていた。
彼は文芸部に所属していて、絵や文章を書いている。
昔、私もそのような会に所属していて、その時の先輩を懐かしく思い出していた。見せてくれたイラストが先輩の絵にとても似ていたからだ。
口数が少ないその感じも似ているなって思っていた。
いざ、通天閣にのぼって叫んだ。
自分にはクラスで仲良く話せる友人がいない、話しかけようと思っても緊張してしまって話せない。仲良くしたいから、自分も努力するので受け入れてほしいです。
そんな内容だった。(ここに書くと思わないで消してしまった…)
いつものみんなの叫びよりもずっと長くて、心からのものだった。
終わってすぐ田村さんが、
「おっちゃん泣きそうや」とつぶやいた。
すでに私もウルウルしていた。
このコーナーでこんなに感動したのは初めてだ。
緊張で足が震えてしまうくらいなのに、こんなに堂々と気持ちを伝えて、「何かのきっかけで変わりたかったから」とこの機会を大切に思う姿にまた感動した。
彼の今後が楽しみだ。
数か月いや数年たった時にまた彼のことを取り上げてもらえたらいいなと思う。
それと、田村さんのあの一言で彼のやさしさが伝わった。
おっちゃんと言ったのはちょっとあの高校生の気分を和らげようとしたからなのかな?
泣きそうやという言葉でもう一つ感動していたことを思い出した。
少し前の話。