goo blog サービス終了のお知らせ 

うなずき日記

自分にとって癒されることや、日々の雑感など。福岡市中央区天神の歯医者デス。

夏もなほ心はつきぬあぢさゐのよひらの露に月もすみけり

2009-07-05 09:43:41 | 

夏もなほ心はつきぬあぢさゐのよひらの露に月もすみけり
               ―千五百番歌合 藤原俊成―


紫陽花の花露に宿る月影…静かで玲瓏な雰囲気です


でも…
実際目にするのは、なかなか難しいかもしれません
雲間に隠れる月影の一瞬をとらえたのでしょうか

そろそろ月も満ちてきます
昨夜はよく眺めることができました

夏の夜もいいものですね

http://www.dan-dental.com だん歯科医院
にほんブログ村 地域生活ブログ 福岡情報へ にほんブログ村 福岡情報に参加しています
              クリックしてくださったら…うれしいです!

声はせで身をのみこがす蛍こそいふよりまさる思ひなるらめ

2009-05-26 22:13:11 | 

声はせで身をのみこがす蛍こそいふよりまさる思ひなるらめ
                     ―玉鬘 源氏物語―


小城町でホタルをみました…
物語の中でしか知らなかったその光をはじめて目にして

心とも魂ともたとえられる光…

見たことのある方は
どんな風に思われますか?

ふうわり川面に舞うその姿は
激しい感情のあらわれというより
可愛らしく、せつない気持ちのように思えました

不思議な光景でした


http://www.dan-dental.com だん歯科医院
にほんブログ村 地域生活ブログ 福岡情報へ にほんブログ村 福岡情報に参加しています
              クリックしてくださったら…うれしいです!

冬ながら空より花のちりくるは雲のあなたは春にやあるらむ・・・・・福岡城の雪景色!

2009-01-25 10:01:52 | 

冬ながら空より花のちりくるは雲のあなたは春にやあるらむ
                        清原深養父―古今330―

昨日の福岡は、久しぶりの大雪!
景色も一変して一足早い花見模様!
寒いけれどワクワクしてしまいました(お仕事中だった方は大変でしたね…)

ここは福岡城のお濠

春はこんな感じなんです


歌人清原深養父清少納言の曾祖父にあたる方だそうです
自然の美の描写がとてもステキです


雲の上の春と近づきつつある春を思いながら…


http://www.dan-dental.com だん歯科医院
にほんブログ村 地域生活ブログ 福岡情報へ にほんブログ村 福岡情報に参加しています
              クリックしてくださったら…うれしいです!

月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身ひとつはもとの身にして

2009-01-11 11:11:11 | 

昨夜の月をご覧になった方はいらっしゃるでしょうか?
満月には、もう少しというところですが

雲が次々と流れていって
見え隠れするその光は冴え冴えと美しいものでした…

月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身ひとつはもとの身にして
                        在原業平-古今747-

伊勢物語では正月の十日ばかりのほど…のお話として取り上げられています

もともとそのつもりはなかったのに
ふとしたきっかけで契りを交わし通うようになった人。
会うことがかなわなくなった今。
去年を恋しく思ってその場所を尋ねてみると…

梅の花の咲き乱れる宮に凍れるように輝く月…
「花も月も変わってしまった…わたしひとり残されて…」

………

花も月も変わるはずはなく
変わってしまったのは自分自身であったと…
ある人を失ってしまって…


花は梅花だったんですね
私は「春」という言葉から桜だと思っていました…
歌の儚さからも…

そのうえ正月十日?
昨日は1月10日でしたが梅の花には、まだ遠いですよね
日付と季節感の違うこと!
旧暦のお正月は今年は1月26日なんですよ…
あと2週間もあります。。。
(新暦旧暦カレンダー)
http://www.ajnet.ne.jp/dairy/index.hpml?yy=2009&mm=01&history=-2

今年の旧正月十日は2月4日の立春の日にあたります
月の光に照らされる白い花…見てみたいですね
この歌を思い出しながら…


http://www.dan-dental.com だん歯科医院
にほんブログ村 地域生活ブログ 福岡情報へ にほんブログ村 福岡情報に参加しています
              クリックしてくださったら…うれしいです!

つれづれと空ぞ見らるる思ふ人あまくだりこむものならなくに

2008-12-14 18:52:40 | 

つれづれと空ぞ見らるる思ふ人あまくだりこむものならなくに
                      和泉式部―玉葉1467―


暮れゆく晩秋の光を映す木々の葉も、冷たい風に舞い落ちて

あわただしく晦日に向かう日々

ふと手をとめて見上げた空に、ひとは何を思うのでしょうか



http://www.dan-dental.com だん歯科医院
にほんブログ村 地域生活ブログ 福岡情報へ にほんブログ村 福岡情報に参加しています
              クリックしてくださったら…うれしいです!

見ずもあらず見もせぬ人の恋しくはあやなく今日やながめくらさむ

2008-11-18 20:45:20 | 

見ずもあらず見もせぬ人の恋しくはあやなく今日やながめくらさむ
                       
                      在原業平 -古今集476-

“見ずもあらず見もせぬ人”を思って
そんな風に淡く人恋しいので
今日は、何も手につかずぼんやり物思いにふけってしまう…

気持ちがわかります…1000年以上も前の人なのに…


写真は、この在原業平が「法輪(釈迦の教え)を転じて退かず」と発願したお寺
不退転法輪寺…不退寺…です
かつては、平城京―都の中心に位置していたといっていい場所ですが
現在は、のどかな田園風景の中
初夏に訪ねました…一度きり
皇孫縁のお寺なのにひっそりと
お庭も自然な感じでつつましやかでした
紅葉の今頃はいっそう美しいはず…

まさに見ずもあらず見もせぬ
(見てないわけではないけれど、はっきりと見たわけでもない)
幻の秋景色が恋しくなります


http://www.dan-dental.com だん歯科医院
にほんブログ村 地域生活ブログ 福岡情報へ にほんブログ村 福岡情報に参加しています
              クリックしてくださったら…うれしいです!



秋立ちぬ…風の音にぞ おどろかれぬる

2008-08-08 23:40:16 | 

毎年 国立天文台より発表される旧暦の七夕

今年は8月7日…昨日でした

しかも立秋…

風の音に秋の気配は感じられたでしょうか


そして今日…やうかの歌があります

今日よりは 今こむ年の 昨日をぞ いつしかとのみ 待ち渡るべき

                       古今和歌集 巻四 壬生忠岑



七夕の日の雨は催涙雨…

八日の今日の雨は遥か未来の“きのふ”を思う涙だったのか…?



それにしても すごい号泣でしたね… 


にほんブログ村 地域生活ブログ 福岡情報へ にほんブログ村に参加しています
           クリックしてくださったら…うれしいです!

うつせみの恋…大和三山を望む…

2008-08-01 16:08:31 | 

香具山は 畝傍をおしと 耳梨と 相争ひき 神代より かくにあるらし

古も 然にあれこそ うつせみも 妻を 争ふらしき   (巻一 十三)

                            中大兄皇子

天香具山 畝傍山 耳成山

有名な大和三山を一望したくて甘樫丘に登りました

 天香具山

 畝傍山

 耳成山


来た!見た!負けた!…暑さに…(盆地の夏はハードです)

でも 感動ひとしおでした!

そして

近くの犬養孝先生の万葉記念館をたずねて

著作「万葉の旅」平凡社 を買いました

この本の大和三山の項に載っていた歌が冒頭の長歌です


“3”という神秘の数字を中大兄皇子はこんな風に思ったんですね

先生曰く 
「作者みずからの“うつせみの恋”の苦悩なしには考えられない歌だ。」

皇子さまは弟君と妻争いをした史上有名な三角関係?のおひとり…


のどかな風景でしたけれど…

見るひとの心次第でかわるのかもしれません



うつせみ…うつそみ…空蝉…

万葉集では挽歌や相聞の歌に詠みこまれているそうです

なきひとを偲ぶ…ひとをこい慕う…

古代の人々は

伝えきれない思いを こう表現したのでしょうか


涙がかれはてたあとの
がらん…とした気持ち  はかなくて…



にほんブログ村 地域生活ブログ 福岡情報へ にほんブログ村に参加しています
           クリックしてくださったら…うれしいです!

うつそみの人なる我や明日よりは二上山を弟背と我が見む

2008-07-02 08:46:23 | 

うつそみの人なる我や明日よりは二上山を弟背(いろせ)と我(あ)が見む(万2-165)

…なき弟大津皇子に寄せた大伯皇女の歌

悲しいけれど万葉集の中で好きな歌のひとつです


二上山を見守る自らの姿をみつめる…

明日もあさっても…何年経っても…ひとり佇むその姿が

幾重にも重なっていくように感じます

そして読んでいる私たちも その光景をみる…

見る人と見られる人も重なっていく…不思議な歌です


悲しい悲しいと言うわけではないのに

その感情が静かに流れ込んでくるのです


また「明日よりは」という部分に冷静な観察者の視点を感じ

凛とした皇女のイメージが湧いてきます


これが昇華なんでしょうね…


万葉の人に思いを託して…


にほんブログ村 地域生活ブログ 福岡情報へ にほんブログ村に参加しています
           クリックしてくださったら…うれしいです!

源氏物語千年紀(続)…ホタルノコイ

2008-06-19 08:47:03 | 

いままで一度も蛍を見たことがありません…

物語の中でしか…

ホタルノヒカリ…淡く儚げな…


でも 文章の上では

意外に強い印象をうけることも…

源氏物語の「蛍」の巻

五月雨の一夜

玉鬘の顔を照らす無数の蛍のひかり…それを垣間見る蛍兵部卿宮…

超有名シーンですが

儚さよりも妖艶なイメージです


冒頭の写真は

文芸春秋編「源氏物語の京都案内」の「蛍」をたずねての項ですが

ここに和泉式部の歌が載っています

  
   もの思へば沢の蛍もわが身より

         あくがれいづる魂かとぞ見る



この歌も内に秘めた激しさを感じます…


投影された感情が

かわいらしい虫のひかりを増幅させるのでしょうか?


千年経っても色あせないものですね…


にほんブログ村 地域生活ブログ 福岡情報へ にほんブログ村に参加しています
           クリックしてくださったら…うれしいです!