父のリストラ失踪を契機に、モザイク家族の行き着く果ては?
三羽省吾「厭世フレーバー」
8月の文春文庫新刊なので
ちょっとおくれた…夏休みの読書感想文です
14歳の次男 17歳の長女 27歳の長男 42歳の母 73歳の祖父
それぞれの視点で自分を語る…モノローグが
三世代以上にわたる家族と社会の物語へと連なっていく
荒れる十代、援助交際、フリーター、キッチンドランカー、痴呆症などなどとりあげられるキーワードは重い
もし何かの事件が起こって
この「須藤家」が関わっていたら
誰もが納得してしまう…
いわば三面記事の家族しかし、
読み心地はよく、
途中何度も胸を詰まらせ、涙を流し
ラストには不思議に癒され、勇気が出る…実際はこんなもんじゃない
机上の空論だという人もいるかもしれません…
机上の空論…いいじゃないですか!
世の中には信じられないようなこと
しかも近頃は「悪い」ことが起こります
日々のニュースも聞くに耐えない
でも、平凡な私たちの
甘いといってもいいかもしれないけれど
明日への希望を信じる気持ちは必要なのではないでしょうか
どんな状況にあっても、普通の日常を忘れない
今は失っていても、明日その存在を信じたい
たとえ、すぐに世界は変わらなかったとしても…
14歳の少年ケイの言葉が耳に残ります
…邪魔する奴らもめった刺しだ。
だけどバッグにはナイフなんか入っていなかったもんだから、
今日のところは着替えて帰ってやる。別に、ビビってるワケじゃない。
夕刊配んなきゃなんないしな…。
どうぞ、みなさんも読んでみてください…ね
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