紀州七代大彦の木の家づくり日記

「ここちよく美しい暮らしのために」
和歌山大阪にて「一軒一軒ていねいに150年」家づくりに取り組み続けています

木製窓の工夫

2017年09月22日 | 家を建てる方に知って欲しい事。施工

さて和歌山市松ヶ丘のH様のお家のご紹介も終わり、また今日から家づくり現場より。

今日は木製窓のお話です。

上の写真にもある、弊社の特徴にもなってるフルオープン木製窓。とても気持ちのよい窓です。いつも写真では開け放っている写真ばかりなのですが、

閉めているとこう。

木製のフレームが見えていますね。

いつも造る&今まで造っていた最大サイズは幅2.6m×高さ2mの開口を2まいの窓という構成(丁度上の写真がほぼそのサイズです)。

この位の大きさでも断熱ガラスが入っていますから、一枚の窓は相当な重さでありまして、大人二人がかりでようやくさげる事ができるというレベル。皆様が見て想像するよりはるかに重いわけです。

だから、色々な所に気を遣っているわけで、

実際木製窓の下にはこんな真鍮の戸車が入っていて、それが真鍮のレールの上を走っています。真鍮の生の戸車とレールですからね、結構な高額で、木製窓のレールや戸車などの金物だけで、一窓5万円以上はするのです。ただ、ここは非常に大きいポイントでありまして、安物を使うと必ず経年すると痛い目にあいますし、ステンレスと真鍮とかの相性もあるので、たくさんの経験の上に成り立っているわけ。「金物はケチるな」が鉄則です。

しかし、ただいま設計中の家づくりでもっと大きな木製窓が登場します。

一枚の窓が幅1.8m×高さ2.3m位。いつもより大きいですが建具屋さんとそのサイズでも十分もつ(&反らない)無垢のヒバ材の木製フレームの段取りはつきました。

ガラスも大きくなるけど、耐風圧等の慎重な計算をしてガラスの厚みも決定しました。いつもの戸車やレールでも十分もつことも確認できました。

いつもより更に重くなるけど、それを施工する(木窓を入れる&ガラスを入れる)確認もしました。

ただ、ここで建具屋さんより一つ意見が。。

『いつも以上に重くなるから、戸車がヒバのフレームの木にめり込んでしまうのではないだろうか?』と。。。

しかし、さすがうちの建具屋さんです。世の中では否定的な意見だけで終わることが多いですが、きちんと対案もすでに考えて提案してくれました。

これが木窓の下側のヒバのフレームの実物大のサンプルですが(さきほどの戸車入っているの分かるでしょ)

戸車が入っている部分だけ色の違う木が入っているの分かりません?

これは堅木とよばれる非常に固い樹種の木を入れているのです。これなら確かに、戸車のプレートのめりこみは防げそうです。(戸車がめり込むと段々と木窓が下がってきて動かなくなってしまいますから)

考えてみれば、至極単純な話なのですが、こういう事にすっと頭がいく、そして、すぐに実現できる方法を考えてくるというのは、利口で勘がよく、やっぱり優れた職人さんだわ。と感じ入りました。

弊社の家づくり、弊社の大工さんだけではなく、色々な職人さんに支えられ成り立っております。またまた、こんなお話をご紹介してまいります〜。

 

和歌山・大阪「心地よい木の家づくり」 大彦(株)

 

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