
以前、Blogでこのようなご相談を受けたことがございます。
「引戸が好きなんですが、建築会社さんに『引戸にするとスイッチがつかない部分が増えて不便だからやめましょう』と言われたんですが…………」と。
結論から申しますと、そういうことはございません。
そう述べるのは「工夫は一切いたしません」と言ってるのと同じことです。(但し、「工夫を一切しない」ことで、ローコスト化を実現している場合、建築会社さんの言ってることは間違いじゃありません。そもそも相性があっていないわけですね。)
引戸は戸を引いてあけるわけだから、引く戸の裏の壁に当然スイッチはつかないわけだけど、だからといって不便になってしまうほどまではいきません、その近辺の壁にどうとでも付けることはできます。要は、手づくり工務店ならなんてことはないのだけど、既製品寄せ集めで建てる所は、そうもいきませんよ。って話。
基本的に「引戸」が好きな方、こだわりたい方は、手づくりが向いていると思います。
さて、和歌山市園部のY様家ではちょっと、それに関連するような面白い部分がありましたので、いっちょ紹介。
正面に見えるのは入口引戸の木枠。
真ん中の木と挟んで、左も右も引戸です。こういう場合、真ん中の木の部分にスイッチが欲しいということになるのだけど、普通壁がなければスイッチはつきません。
だけど、
木枠にスイッチをつければええじゃないかと。
この木枠を横から見るとこう。
左が柱でありまして、その上に木枠を取り付けています。
いやいや、柱に穴開けて電気の線を通しているわけじゃありませんよ。構造上の大切な柱にそんな事はいたしやせん。
木枠に工夫をして電気の線を通しておるわけです。もちろん危なくないように、万一も取り替えも考えておりまする。
大したことではございやせんが、何でもちょいと考えて工夫すればできるのですね。「〜〜は出来ません!」とは、簡単に言わないようにがうちの信条でございます。
ついでに、
この縦の木枠と引戸のレールが入る鴨居(上の木枠)の納まりもどうぞ。お客様が現場で、『こういう所がピシっとキッチリ納まっているのが大彦さんの良い所ね!』とおっしゃっていただきました。
やっぱり、当たり前のことをきちんと当たり前にするということが一番難しくて、大切なようでございますね。
最後に、外。
強風があると足場を点検したり、シートをめくったりと色々面倒くさいけれど、外観がしばらくあらわになるのが楽しいところ。
この間紹介した左官の2回目塗も終わり、しばらく乾燥させてから、仕上げ塗りへと突入です。
ではまた来週。
来週は新しい試みを初めますのでお楽しみに〜。
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