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daddy-kのいきあたりばったりⅡ

以前のブログが閉鎖でⅡを立上げ。食の別ブログもあります:https://ameblo.jp/mightymogu/

おおたか静流さん 夏のページ

2022-09-09 | 音楽つれづれ

流行り歌に鈍感な私がCMで流れる音楽に惹き付けられたのは、キャスリーン・バトルとおおたか静流さんの二人しか覚えが無いのですが、80年代末のカセットテープのCMで流れたおおたかさんの「」が新鮮で、さっそくミニ・アルバム買い求めました。

オカリナや、オルガンのプリンシパル系音色を思わせる、素直で天まで届くように伸びる歌声に、胸の共鳴を感じたし、他の収録曲で「みんな夢の中」のカバーも気に入り、気が付くとそれなりにアルバムを買っていました。

アルバム「VOICE COLLECTION」では、彼女が収録された曲への想いを綴っていて、この形が以後のアルバムでも踏襲されるのですが、曲を聞きながら併せて読むと、より彼女の感性に触れられ、一体感というか音楽が滲み込んでくるのは、文学部出身の彼女ならではの感性表現の豊かさもあるのでしょう。

「HOME+5」では、ブログのタイトルにした「夏のページ」が大好きですし、ほかにもエジプトの歌手ハムザ・エルディーンの曲を取り上げ、当時ワールド・ミュージックにハマっていた私のお気に入りです。

「夜来香」や「ゴンドラの唄」を収録したアルバム、「リピート・パフォーマンス」もお気に入ですが、市場の反応も良かったようで続編が発売され、特にⅡでは「みんな夢の中」の再録や、彼女のオリジナル曲「風に抱かれて」もとても気に入り、会った時にサインをもらってガラにもなくミーハーしたっけ。

カラフルな衣装への感性、曲作りの感性、文才、そしてこの声。一人でこんなに幾つも持ち合わせるのはずるいよ、などと何も授かっていない私はヒガんでしまうのですが。

2006年には「Sugar Land」というアルバムをリリース。前年初めて波照間島に行ってすっかり虜になったと言う彼女、その気持ちわかります、私は一度しか行ってませんが、勝手に彼女と共通の場が出来た気分になって、ひとりで盛り上がりました。

島唯一の音楽食堂での録音のため、風など島のノイズ(?)も多少ありますが、それがまた島の空気を感じさせてくれて良いのです。そして最初の「てぃんさぐぬ花」を聞いた時、海の上の青空に向かい伸びてゆくような彼女の声と、沖縄の唄の親和性の高さが感じられ嬉しくなりました。重ねて言いますが、彼女と島でつながった気がして。

2008年には札幌でのコンサート(2枚目の写真右下)もあり、「山口とも」という曲者(?)との組合せも堪能させてもらいましたが、あの時の主催者が知り合いで「打ち上げ来る?」と声かけてもらったのですが、生憎都合があり、今思うと返す返すも残念な事をしました。

こうして彼女のアルバムはそれぞれに想い出があるのですが、いつも気にかけている…と言うほど熱心なファンでも無いので、最近の動向は知らなかったのですが、昨日の新聞で彼女の名前が。

ガンと戦っていたそうでまだ60代なのに、今年2月にはブログも復活していたのに。

彼女の書いた曲で「夏のページ」を聞いていると、”風に吹かれて あしたはどこへ ほほえみだけが まだあたたかい”と言う歌詞や、ちょうど夏の終わり…そんなものが綯交ぜになって、鼻の奥が妙にツンとするのは、ジジィになって涙もろくなったせいでしょうか?

手元のCDから立ち昇った歌声が、真っ直ぐに空に向かって伸び、吸込まれ消えてゆく… 少し年下だけどほぼ同世代、そんな歌姫を失って、特別なファンでは無かったはずなのに、この喪失感…

おおたか静流さん、闘病生活たいへんお疲れ様でした。

今はどうぞ、ゆっくりとお休みになって下さい。