
「ちあきなおみ 右手の理由」
ちあきなおみが天の岩屋戸に巣籠りして早28年。この9月17日には齢73歳を迎える。
で、新曲が世に出る可能性は限りなくゼロに近いのですが、彼女についての書籍
は、つい先日(8月26日)に出版された『ちあきなおみ 沈黙の理由』(新潮社刊、
古賀慎一郎著)を含めて3冊にも上ります。
他の2冊は、『ちあきなおみ 喝采、蘇る。』(2008年3月19日、徳間書店刊、石
田伸也著)と『ちあきなおみに会いたい。』(2012年5月2日、徳間書店刊、石田
伸也著)。
ちなみに僕は、『ちあきなおみ 沈黙の理由』と『ちあきなおみ 喝采、蘇る。』
を購入しました。
石田氏は、週刊アサヒ芸能編集部のジャーナリストですので、ちあきなおみの周辺
の人々に聞き取り調査した内容を紡いでいますが、古賀氏は、ちあきなおみの付き
人兼マネージャとして身近に接して、彼女(および夫の郷鍈治)の言動を綴ってい
ます。(郷鍈治の亡くなる前年から8年間のちあきなおみの素顔が窺える。)
さて、上に挙げた画像群の真中に鎮座ましますのが今回の話題対象。
「喝采」の影絵(実際は輝く金色)ですが、左手にマイクを持って、「♪いつものよ
うに幕が開き」の歌声に添うようにして右手をゆっくりと挙げていったところを切
り取ったものですが、周りに配した彼女の写真(左側がコロムビア時代の「喝采」、
紅白で生方アナがなんとも気味悪い歌と称した「夜へ急ぐ人」。右側はテイチク時
代のどちらも娼婦を演じた「朝日楼(朝日の当たる家)」と「ねぇあんた」。)は
どれもこれもマイクを右手に握っているでしょ。
彼女がマイクを左手に握って歌っているところは見たことがない。(本書の扉絵で
もしっかり右手に持っている。)
装幀は誰が担当したのか記載がないので分かりませんが、著者の古賀氏も本の中で、
どうして右手なのか疑問には思っていなかったようで、彼女に確かめてはいません。
でも、彼女が歌っている時にまったく瞬きしないことには関心があったようで、
それでも涙を流すことができることが不思議だったので「感情が入っているんで
すね」と話しを向けると、「涙は、ライトを見ていれば自然と出てくるものなん
ですよ」と答えたそうな。
五月みどりは、決まって左手でマイクを握るのですが、それには訳があって、歌手
になる前(子供の頃か、も少し歳を重ねてのことなのか、忘れましたが)に大怪我
をして指(中指の第一関節だったと思うのですが)が曲がった形で繋がってしまっ
たのです。それを隠すために右手を添えることも多々あります。
ちあきなおみの場合は、これとはまったく違う「ちあきなおみ 右手の理由」。多分
左手の方が綺麗なのでしょう。結構ゴツゴツした手をしていますから。(^_^;)
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