
「小保方女史に衝撃を与えた笹井副センター長の一言」
この一連の写真は、1月28日のSTAP細胞発見の記者会見のときのもの。
小保方女史による説明が終ったときに、笹井副センター長(若山教授の向
かって右側に座っていた)の右手がにゅっと伸びてきて、マイクを受け取
り、そして立ちあがって発言するのですが、その内容に敏感に反応した小
保方女史。どの言葉に彼女が笹井氏を睨んだのかが分かります。
表情の変化は矢印(⇒)通りです。
笹井氏は、次のように発言しました。
「非常に説得力のあるデータが1個1個ある。でもちゃんと裏取りがされ
ている。これは作ったような話でできるものではない」
画像下に発言のテロップがあるので分かるでしょ。
「これは作ったような話で」のところ(③)で「アレッ?」といった表情に
なって、「できるものではない」のところ(④)では、「何云ってんのよ!」
といった、明らかに笹井氏を睨んだものになっていますよね。
そして「あーあ」と目を閉じて、「あ、そうか」いった表情(⑦)になり、
最後はホッとした表情に。
ボンヤリ聞いていたので、さぞかしビックリしたのだと思います。なぜなら、
「これは作ったような話で、できるものではない」と聞えたのでしょうから。
読点が有る無しで全く正反対の意味になってしまうようなヤヤコシイ表現を
した笹井氏が悪いのか、前段をしっかり聞いていなかった小保方女史が悪い
のか、はさて置いて、暗澹たる前途を暗示するような一コマでありました。
撤回されたネイチャー論文の通りに再現できるかどうかなんて無茶なことを検証したわけですが、
論文そのものが捏造に捏造を重ねたものであることがハッキリしている以上、STAP細胞が製
作できないことは自明の理と云うもの。
理研は、8月の中間報告で「論文記載の方法ではSTAP細胞はつくれなかった」と発表して
いたのにね。
ま、小保方女史の云う「コツ」とやらのお手並み拝見といった見せしめ的な意味合いも多分にあ
ったのでしょうけど、無駄な実験であったことは、小保方女史本人のみならず、大方の関係者の
間では周知のこと。
STAP細胞が幻の産物であったことは最早ゆるぎない事実なのに、理研は条件を変えて来年の
3月末まで実験を続けるという。もうわけワカメぇぇぇ。
以下の書籍が次々と発刊され、いずれにおいてもSTAP細胞そのものが捏造と決めつけてい
る。
・『STAP細胞に群がった悪いヤツら』(小畑峰太郎著、新潮社刊、2014/11/27)
・『捏造の科学者 STAP細胞事件』(須田桃子著、文藝春秋刊、2015/1/10)
それに小保方女史の実験結果の公表日程も未定だと。もうわけワカメぇぇぇ。
理研の道化芝居は、要するに時間稼ぎ。嵐が過ぎるのを待って、来年度の「特定国立研究開発法
人」化を手ぐすね引くようにして期待する。
だから理研は、理研改革委の提言を受けて8月27日に発表した通り、規模を縮小し、名称も「多細
胞システム形成研究センター」と変えて神妙な態度を装っている。
新組織は、11月21日付。それまでの半分の20研究室になり、当然のことながら小保方女史の研究
室も廃止。竹市雅俊センター長は退任(特別顧問になる。新センター長は来年3月までに理研内
の選考委員会で決める。それまでは理研生命システム研究センター長の柳田敏雄氏が代行)。
それにしても、それまでの「発生・再生総合研究センター」を「多細胞システム形成研究センター」
と変えて、どこがどう違うと云うのかしらん。英語名称は「Center for Developmental Biology」の
ままなんだから、もうわけワカメぇぇぇ。
小保方女史は、新組織からもおっ放り出されて、理研本部(埼玉県和光市)のSTAP細胞検証実験
チームの研究員となり、12月以降はデータの整理(ま、残務整理でしょうね)を行うそうな。
理研本部には、研究不正再発防止改革推進本部(4月4日付で設置、本部長野依理事長)がありますが、
そこに正式のチームを発足するとのこと。これからの小保方女史には、それこそ針の筵にすわる思い
のするお白洲が待っていることになる。
(前編了)
6月のときには、若山氏の提供したマウスから作製されたものでは無いとしていたのですが、若山
研のマウスであった可能性もあるとしたのです。
なぜなら、幹細胞には別の遺伝子も挿入されていたので、染色体の挿入場所(若山氏のものは
18番染色体、小保方女史のものは15番染色体であったとしていた)が分からなくなったから。
その訳のわからない遺伝子の特徴を持つマウスは、阪大で作製されて、それが若山研で飼育されて
いたから、その可能性があるというわけです。
若山氏も同日に訂正しましたが、なぜそのようなことになったのかというと、第三者機関がもとも
とマウスに存在する遺伝子(場所は15番染色体)に気付かなかったということらしい。
残念ながら門外漢も門外漢の僕にはこれ以上の詳しい説明はできませんが、そのことが分かったの
は、改革委員会の最終会合(6月12日)に若山氏と遠藤氏が招かれて、初めて顔を合わせたとき。
遠藤氏が若山氏にプライマー(遺伝子複製の出発点となる遺伝子鎖のこと。PCR―ポリメラーゼ・
チェーン・リアクション法のことで、DNAの複製を作りだせる酵素であるポリメラーゼの性質を利
用し、DNA分子の特定の部分を人工的に大量に増やす技術―では1本のDNAの2ヶ所にプライマーを
つくり、挟まれた領域の複製を促して増幅させる)情報の提供を打診したのが切っ掛け。
6月22日になって、第三者機関の許可を得て、若山氏が遠藤氏に提供したところ、25日に遠藤氏は
上段のことを発見し、若山氏へ知らせた。若山氏もそのことを実験で確認した。
6月23日に小保方女史の代理人三木弁護士は、「6月の若山氏の会見では、小保方氏がSTAPその
ものを捏造したのだと国民や科学者に思われ、断罪されたが、その根幹部分が間違っていたという
こと」、そして「マウスを小保方氏が持ち込んだかのように話していたが、とんでもない。以前か
ら言っているように、マウスは若山研究室のものだ」とまるで鬼の首を取ったように気炎を吐いて
いましたが、ざ~んね~ん。
確かにマウスは若山研のものかも知れないけど、若山氏が小保方女史に渡したものでないことも確
か。それに遠藤氏の解析結果もあるしね。そのマウスはどこから手に入れたの、どうやって持ち込
んだの?それとも以前どこか別の場所で作った次世代シーケンサーデータ(NGS)を持ち込んだの?
真っ黒くろすけだよ、小保方女史は。
2本の矢がぐさりと射貫いた筈なのに、その後も「スタッ プサッ イボッ アリッ マスッ」と陰に
籠って啼き続け、そのおぞましさに到頭死者まで出た。
今も神戸の一角でその声を聞くと云う。
嗚呼、鵺の鳴く夜は恐ろしい。
(続く)
にあったのに対して、幹細胞のものは片方だけだったことも判明。
さらにさらに、STAP細胞を作るには生後1週間以内の数匹のマウスの細胞を混ぜて作る手
順になっているのですが、解析の結果、8株の幹細胞すべてがオス由来になっているのは確率
的にみてもおかしい、と指摘しました。
この結果に若山氏は、次のように語った。
「解析結果を見る限り、自分が使ったのは何だったのか、もっと分からないものになってしま
った。この4カ月は理化学研究所の調査委員会に協力する仕事がずっと続いている。つらい毎
日だ」
その他、報道陣とのやり取りで肝心なものをピックアップすると、
――若山さん自身は不正に関与していないか。
「僕は小保方さんから渡された細胞に対して、全力で成果を出すことはしましたが、不正に
関して一切関与してません」
――(STAP細胞の万能性を示すとされた)マウスの胎盤が光った写真について、改ざんだ
ったと指摘されている。胎盤は間違いなく光っていたのか?
「実験では胎盤もよく光ってました。ただ、よく確認しないといけない、と小保方さんに話
しました。それで、ES細胞の胎盤をつくって小保方さんに渡してます」
――ES細胞の胎盤は光ってなかった?
「いえ、結構光ります。胎盤の中の赤ちゃんの血の量が多ければ光ります。それで、『血管
以外のところが光ることを見ないと胎盤が光ったと言えません』と伝えました。小保方さ
んからは『胎盤の血管以外のところでも光って入ってます』と報告を受けました」
――その写真はみた?
「見てません」
――本当に胎盤が光っていたと思うか。
「それに関してはいろんなことが考えられますが、胎盤の専門家ではないので判定できるこ
とではありません」
このやり取りで、「団塊の世代雑感(236-71)」にある「ES細胞から作製したとして
掲載したマウスの画像が、STAP細胞から作製したとするマウスだった」云々が、いずれも
ES細胞キメラ(それぞれの画像はその別カット)であることがハッキリしたかな。
今回の会見を見て、幹細胞研究が専門の中辻憲夫京大教授の話(6月17日読売新聞朝刊より)。
“「今回の発表でSTAP問題の一連の『手品』の種が、ほぼ割れたのではないか。若山教授は
重大な不正を見抜けなかった責任はあるが、問題発覚後は誠実に対応した。同じ研究者として
救われる思いだ。一方、きちんと調査せず問題を抑えこもうとしてきた理研の対応のまずさは
深刻で、日本を代表する研究組織の運営の欠陥が国内外に露呈した」”
そう、理研は遠藤氏、若山氏が解析結果を公表するに際して明らかに圧力をかけた。
先にも述べた通り、遠藤氏は5月22日に理研本部(埼玉県和光市)へ報告したのだけど、理研本部
は理研内の研究組織「科学者会議」と議論してから公表(論文投稿)するよう条件を付けた。
若山氏についても、6月3日に野依理事長ら幹部約30人が居並ぶ「理研改革推進本部」の会合で早期
公表を希望したにもかかわらず、理研側は難色を示し、CDBが結果を確かめるまで公表しない
ことを約束させられた。
もっとも、これを知った改革委員会が6月12日の最終会合に2人を招き、解析結果が提言書に盛り
込まれることになった。最早、理研の思惑通りにはならないのだ~よ。<`ヘ´>
(続く)
遠藤氏が義憤(9:1くらいで、ちょぴり功名心もあったでしょうけど)に駆られて解析に励ん
だのに対して、若山氏の場合は自己防衛のための一矢。
若山氏「精神的にどんどん追い詰められて…。特にきつかったのが、四月初旬の小保方さんの
会見でしたね」
ぜならその会見で小保方女史は、
「(STAP幹細胞は)全部、若山先生が樹立したものです」
と、若山氏に責任転嫁するかのような発言をしたから。
その後、若山氏のところにお前が犯人だというような手紙や小保方女史を苛めるなといった
ファックスが届くようになったり、ネットでは
「私が在籍していた時代に、妻を月五十万の厚遇で雇っていたなんてデマまで書き込まれた
のです。妻も『子供が学校でいじめられるかも』とおかしくなりました」
さらに、笹井氏の会見では若山氏の責任に触れたこともあって、理研も一緒になって全責任
を押し付けてくるのではと心配したり、さらに再現実験に成功した場合、小保方女史は正し
かったのであり、一連の騒動の原因は若山氏にあったとされることに不安を抱いてもいたか
ら。
6月16日午後、若山氏は甲府市の山梨大で2時間半にも及ぶ記者会見を行ないます。
会見の場でも発言しているように、公平な立場での解析を願って、第三者機関(名は明らかに
しませんでしたが千葉市にある放射線医学総合研究所らしい)に依頼して、そこでの分析結果
を発表しました。
記者たちに配付したA4判5枚からなる資料の冒頭には、
「本報告書は、3月10日にArticle論文に重大が疑義(テラトーマの図が博士論文の写しだった
こと)が見つかったことを受けて、若山が依頼した独立した第三者機関によるSTAP幹細
胞の詳しい解析結果についてまとめたものである。」
とある。
解析に使用した試料は、若山氏の研究室などに保管されていたSTAP幹細胞。
そのSTAP幹細胞の遺伝子は、(論文で)STAP細胞を作製するのに使ったマウスと一致し
なければならない。そのことを確かめるために、マウスに組み込んだ蛍光遺伝子が正しいもの
であるかを調べたのです。
若山氏が小保方女史に提供したマウスは、蛍光遺伝子が18番染色体上にあるものであった。
しかし、小保方女史から渡されたSTAP細胞をもとに培養した8株のSTAP幹細胞を分析
したところ、いずれも蛍光遺伝子が15番染色体上にあったのです。
このことはCDBの調査(CDBに残されていたSTAP幹細胞を使用)でも同様の分析結果
が得られました。
蛍光遺伝子は、正式にはGFP遺伝子と云い、緑色蛍光たんぱく質(GFP)を作り出す―
紫外線に当たると緑色に光るたんぱく質を作る―遺伝子です。GFPは発光するクラゲの体
内から精製されたたんぱく質で、下村脩米ボストン大名誉教授が発見し、その功績で2008年に
ノーベル化学賞を受賞しました。
しかも理研はこの日、小保方女史が使用していた冷凍庫から「ES」と書いたラベルの貼られた
複数の容器が発見され、その一部の容器の細胞では、蛍光遺伝子が15番染色体上にあることが
判明したと発表しました。
その他の容器の細胞では、18番染色体上にあったとのこと。
(続く)
しかも若山研では、このアクロシンGFPを組み込んだマウスからES細胞を作って保管していた
というから、そして小保方女史の研究室が使う冷凍庫からこのES細胞が見つかっているのだ
から、もう真っ黒け。
しかし小保方女史は、「若山研究室から譲与された」と強弁。でも若山氏が山梨大に移ると
きに(解析中のものであったので)持っていくことになっていたものだし、そのES細胞を
作った留学生は「それを小保方氏に私が渡したことはない」とNHKの取材に答えている。
でも若山氏は、次項で述べる記者会見で、「小保方氏は、うちの学生からES細胞を渡され
ていた」と明かしている。
さらにさらに遠藤氏らは、STAP細胞の複数の遺伝子データに、STAP論文に書かれた作
製法ではあり得ない染色体異常があることを発見します。
東京大学の研究グループも同じ手法で解析し、同様の結果を確認している。
論文では生後1週間のマウスから取り出したリンパ球を使い、STAP細胞を作製したと説明
しているのですが、解析結果では、8番染色体が通常(2本1組)より1本多く3本ある「トリ
ソミー」と呼ばれる状態であり、この状態のマウスは胎児の段階で死んでしまうため、生きた
マウスを使ったとする論文の記述と矛盾すると云うものです。
マウスの細胞には2本1組で計20組40本の染色体がある。その8番目の染色体に異常が
見つかった。
この8番染色体のトリソミー、長期培養するES細胞では2~3割と生じやすいのですよね。
つまりES細胞をSTAP細胞として使った可能性が高いことを示しているわけです。
遠藤氏の解析結果を受けて理研は「この結果だけではSTAP細胞の存否を結論付けることは
できない」として、理研内の再現実験チームの検証結果が出てから慎重に判断する方針だって。
なぜ絶対に再現しない実験にこだわるのだろ?どのような圧力がかかっているのだろ?
そして小保方女史、7月からの再現実験の加わる直前の6月10日のこと、毎度のことながら代理
人である三木弁護士を通じて、このようにのたまわったとか。
「生き別れた息子を早く捜しに行きたい」
何か意味深長なもの云いだよね。
誰かが、Estranged Son(音信が絶えた息子)、つまりES細胞(冷凍庫に保管していたもの)
を暗示しているなんて云っていたけど、小保方女史は格子無き牢獄にいるようなものだから、
外部(小保方女史の仲間)と連絡をとる場合、このような符丁を使って公然と伝えていたのか
もね。でも監視カメラ付の再現実験となっちゃったので、それも叶わなくなったのだけど。
小保方女史に用意された実験室、以前話題となったムーミンのイラストやカラフルな壁紙な
んて全く無くて、天井に設置された監視用カメラ2台で24時間モニタリングされる。さらに、
入退室はIDカードで管理され、実験時には立会人が付く。
(続く)
昔、昔のその昔、平安も末期のこと、正体不明の鵺を紫宸殿上で射取ったのは源頼政ですが、
その姿は、頭は猿、胴は狸、尾は蛇、手足は虎、「ひー、ひよー」と不気味な声はトラツグミ
に似ている化け物であったとか。
さて、平成の今日にあって鵺としか譬えようのない「STAP細胞」ですが、その正体を暴こ
うと、果敢に挑んだのが山梨大の若山教授と理研(神戸ではなく横浜にある理研統合生命医科
学研究センター)の遠藤高帆(たかほ)上級研究員。
まず一の矢を放ったのが遠藤氏。
この後(10月1日)に記者会見を開いて、分析結果を報道陣にちゃんと発表し直しますが、最初
に公表したのは6月3日のこと。
理研に対しては、5月22日に解析結果を報告し、「偶然や間違いで起きるとは考えにくく、
意図的に混ぜ合わせた可能性がある」などと話したと云います。
それによると、STAP細胞を培養してできたとされる幹細胞(STAP幹細胞と胎盤にもなる
FI幹細胞)の―「団塊の世代雑感(236-64)の末尾でちょっと触れたように―次世代
シーケンサーデータ(NGS)、これはSTAP論文に付随してインターネットで公開された遺伝
子の働き具合を示すデータですが、この膨大な遺伝子情報を3カ月以上かけて解析した結果、
ES細胞と、胎盤になる能力のある幹細胞「TS細胞」が混ざった特徴があることが判明した
というもの。
さらに、小保方女史らはその幹細胞を「F1」(B6系統と129系統のマウスを掛け合わせ
た雑種)という種類のマウスの脾臓からとったリンパ球等で作ったとしていたのですが、
解析の結果は、「B6」「CD1」という別の種類のマウスであると。そしてCD1という白い
マウスから胎盤遺伝子が。これがTS細胞の性質に近いとも。
理研の丹羽プロジェクトリーダーは4月の記者会見で、「ES細胞とTS細胞が均質に混ざ
り合ったものを作るのは、私の経験上困難だ」と否定していたけど、均質でなければ、解析
結果の9(B6):1(CD1)であれば、OKということになるんじゃないの。
後に分かったことですが、小保方女史が2012年7月に米科学誌サイエンスに投稿したSTAP
細胞の論文(却下された)を審査した研究員(3人のうちの1人)から「STAP細胞ができ
たとの実験結果は既存の万能細胞のES細胞が混入した場合でも説明でき、その可能性を否
定する十分な根拠が示されていない」とそのときに指摘されていたのですよね。それなのに
またもその根拠を示すことなく英科学誌ネイチャーに投稿した。
「団塊の世代雑感(236-5)」で若山氏が実際は「B6」「F1」という別の種類のマ
ウス由来だったとする件は、若山氏が小保方氏に「129系統」というマウスを使ったST
AP細胞の作製を依頼したのに、その後渡された2種類の細胞を分析したところ、実際は「B
6」「F1」であったというもので、遠藤氏の解析結果とは違いますが、どうなっているの
かしらん。あーややこし。
(続く)
高倉健は、役柄に合わせていろいろな帽子を、それはそれはかっこよく被っていました。
ベレー帽、中折れ、カウボーイハット、制帽、ヘルメット、キャップ…、中でも憧れたも
のがあって、確か黒色の、ニット帽。
どの映画でそれを被っていたのか、今ではスッカリ忘れてしまいましたが、かなりヒット
した作品であったことは次のエピソードからも確か。
※今日観た「駅、STATION」ではなかった。
僕はそれが欲しくて堪らず、といって自分で買いに行くのは恥ずかしい。それで母に頼ん
だのです。母はその映画を観てはいないので、デパートの女店員に次のように注文したそ
うです。
「ほら、高倉健が映画で被っていたでしょ、ニットの黒い帽子よ」
女店員は、「あー」と云って、すぐに探して持ってきてくれたそうです。
あれから随分と時が経ちましたが、まだ何処かに、僕の恥ずかしがり屋同様、変わらずに
眠っている筈。
今はネット通販で購入できるので、母の手を煩わすことなく、パナマ帽や中折れを手に入
れて、ちょっと照れながらも、被っています。
こんなことを書いていたら、
久しぶりに緊急地震速報が流れた。長野県北部が震源で震度6弱。僕のところもまーるく
揺れた。被害が軽微であればよいのですが。
健さんの訃報にもビックリさせられたけど、緊急地震速報にはいつもはっとさせられます。
笹井氏の会見も終わったので、休憩タイム。
幕間のBGMとして葬送行進曲が相応しいものでないことは承知の上で、数ある中から
ベートーヴェンのもの(『第3交響曲-英雄-』第2楽章)を。
高倉健が亡くなったのだもの。
僕が大学生であった頃、時を同じうして健さん主演の網走番外地や任侠ものの映画が全盛
で、「とめてくれるなおっかさん 背中のいちょうが泣いている 男東大どこへ行く」のポスター
にもなって、全共闘世代に多大の影響を与えたひとだもの。
全共闘世代とは、1965年から1972年までの、全共闘運動・安保闘争とベトナム戦争の時
期に大学時代を送った世代で、僕もその中に含まれます。この世代の者の15%が学生運
動に関わっていたとされていますが、僕は残りの85%で完全無欠(無血?)のノンポリ。
背中に東大の校章をあしらった刺青をデザインしたのは、同世代(1つ上)の橋本治で、
1968年11月23日、24日に開催された東京大学第19回駒場祭のポスターとして制作された。
1966年に公開された高倉健主演の「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」にインスパイアされたと
されています。
♪親の意見を 承知ですねて
曲がりくねった 六区の風よ
つもり重ねた 不幸のかずを
なんと詫びよか おふくろに
背中(せな)で泣いてる 唐獅子牡丹
いみじくも山田洋次監督が、「幸福の黄色いハンカチ」(1977)で健さんが刑務所から
出所して、確かカツ丼を、おいしそうに食事するシーンについて、「あのシーンのために、
健さんは1日か2日絶食したと聞いて、そういう仕事をする人なんだと感心した」と語った
ように、決して器用な役者では無かった。
若い頃から晩年に至るまで、表情もセリフも全くと言ってよいほど変わらなかった。
やくざだろうが刑事だろうが、善良な社会人だろうがアウトローだろうが、現代劇だろう
が時代劇だろうが、常に高倉健そのものでしたね。
そんな健さんが信条としていたのは、余計なテクニックを廃し、最小限の言葉で、演じる
人物の心に込み上げるその瞬間の心情を表す台詞・動きを表現する芝居を真骨頂としていた
こと。だから、基本的に本番は1テイクしか撮らせないのだとか。
これについて健さんは「映画はその時によぎる本物の心情を表現するもの。同じ芝居を何度
も演じる事は僕にはできない」と述べ、「普段どんな生活をしているか、どんな人と出会っ
てきたか、何に感動し何に感謝しているか、そうした役者個人の生き方が芝居に出ると思っ
ている」、つまり「俳優にとって大切なのは、造形と人生経験と本人の生き方。生き方が出
るんでしょうね。テクニックではないですよね」と語っています。
どのような役柄であっても、そうしたものが滲み出る。律儀でストイックな姿が浮かび上がる。
そこにかっての日本人の美徳を見出し、カタルシスを覚える。
そういったことを体現できる稀有な俳優であったように思うのです。合掌。
既存の万能細胞(ES細胞、iPS細胞)ではできない胎盤などに変化した点。
STAP細胞とされるものをマウスの受精卵に注入して胎内に戻すと、この細胞が体のあちら
こちらに含まれる「キメラマウス」が誕生し、胎盤にも変化したことが確認できたということ
なのですが、これについても他の研究者から、「胎盤のもとになるTS細胞とES細胞を混ぜ
たのでは」との指摘がなされています。
この会見後の5月21日、理研は論文に使われたSTAP細胞と胚性幹細胞(ES細胞)を利用
して作製した2匹のマウス胎児とされた画像に誤りが見つかったと発表。
両者の万能性を比較するための画像(STAP細胞を利用したとする画像には胎児が写って
いて、より万能性が高いと主張する根拠となっていた)なのですが、何と!同じマウスの別
カットの写真だということが判明。撮影日時が自動で記録されるカメラで撮られた二つの画
像の撮影日が同じであったことから。意図的な捏造じゃん、これって。
この件―レター論文にES細胞から作製したとして掲載したマウス(ES細胞キメラ)の画
像が、STAP細胞から作製したとするマウス(STAP細胞キメラ)だったこと―につい
て若山氏は、
「同じパソコンにはES細胞キメラの画像がたくさんあったのに、なぜ小保方氏がSTAP
細胞キメラの画像をES細胞キメラの画像として使用したのか分からない」
と、米科学情報サイト「バイオサイエンス」で述べています(5月29日)。
しかし、これに対して小保方女史は代理人の弁護士を通じて、「写真は小保方氏ではなく若
山先生の担当分野で、違っているかどうかも理解できない」などと訳のわからない主張をし
て責任転嫁。
ともかく、「ES細胞から作製したとして掲載したマウスの画像が、STAP細胞から作製
したとするマウスだった」なんて回りくどい云い方をしていますが、どっちも同じES細胞
から作製したものだったということなんですよね。
この疑義に対して笹井氏は、
「STAP細胞は小さな塊を作る。しかし、2種類の細胞を混ぜるような方法では、すぐに
両方の細胞が分かれ、塊にならない。(細胞塊にならなければ、キメラを作らない)」
と答えましたが、その根拠となるデータを示すことはありませんでした。
しかも「ES細胞が混ざれば、遺伝子解析しれば分かる」とまで発言しちゃった。それなら理
研に残されてある試料を解析すれば分かることなのに、それを行おうとはしない。
しかも、別稿で述べることになりますが、小保方女史は若山研で実験を行なっていたときに、
ES細胞もTS細胞も入手できる状態にあったし、先(「団塊の世代雑感(236-64)」)
にちょっと触れた次世代シーケンサーデータ(NGS)での解析でもSTAP細胞とされている
ものはES細胞(に近い細胞)とTS細胞(に近い細胞)が9:1で混合されたものとの結果
がこの後、出ることになるのです。
要するに笹井氏を以ってしても万事休すというのがSTAP細胞という得体のしれない鵺的な
ものの正体なのですが、自己保身も兼ねた理研のためのコスイ記者会見は、3時間22分という
長丁場にも係わらず何とか乗り切り(と彼は思った)、沢山のフラッシュの中、そそくさと会場
を後にしたのでした。スタコラサッサ。(^_^)/~
小保方女史は、この笹井氏の記者会見をTVで見ていたようで、次のようなコメントを代理人
の三木弁護士を通じて出しました。
「尊敬する笹井先生が、厳しい質問に答えている姿を見て、本当に申し訳ない気持ちでいっぱ
いになりました」
語るに落ちるとはこのこと。「厳しい質問=答えづらい=嘘が潜む」だと分かっているのだか
らね。たはっ!(^^)!
(続く)
受容体(TCR)遺伝子再構成実験に関する経緯」として次の指摘がなされています。
①2012年の3月に西川GDのアドバイスを受けた小保方氏は、2012年中ごろ、STAP細胞を含む
細胞の塊及び一部のSTAP幹細胞にTCR遺伝子再構成(Tリンパ球でのみ生ずるDNAの変化)
が起こったとするデータを若山研究室内で報告していた。
②しかし、後に小保方氏が継代培養を繰り返していた8系統のSTAP幹細胞のTCR遺伝子の再構
成を解析したところ、再構成は確認されなかった。
③2013年1月に丹羽PLが論文作成に加わった際、最初にTCR遺伝子再構成に関して質問し、
上記②の回答を得た。この時点で小保方氏、丹羽PL及び既に上記事実を認識していた
笹井GDは①、②に述べた結果を共有することとなった。
④このことから、丹羽PLは笹井GDに対し、TCR遺伝子再構成に関するデータを論文に含める
ことについて慎重な意見を伝えた。
⑤上記②の結果について、笹井GDらは、STAP幹細胞はヘテロな細胞集団であり、長期的な
継代培養により再構成が起こっていた細胞が消失したという解釈を採った。なお、アー
ティクル論文には、STAP細胞を含む細胞の塊のTCR遺伝子再構成については記載されたが、
STAP幹細胞のTCR遺伝子再構成実験の結果については記載されなかった。
⑥2014年3月5日に報告したネイチャー・プロトコール・エクスチェンジ誌では、笹井GDの
意向で8系統のSTAP幹細胞にはTCR遺伝子再構成が認められないという結果が記載された。
つまり、小保方女史が報告したとされるSTAP幹細胞のTCR遺伝子再構成のデータは信用されな
かった。
これは同報告書の別項で次のように指摘されていることと関係しているからなのでしょう。
「2012年6月6日にセル誌へ投稿し不採択となった原稿には切り貼りのなされたTCR再構成デ
ータが含まれており、この一部が2013年3月10日投稿のネイチャー誌アーティクル論文の切
り貼りされたTCR再構成のデータとして使われている。」
しかも小保方女史が継代培養を繰り返している最中に、突如TCR再構成が消失しちゃったもの
だから、ネイチャー論文執筆を急ぐあまり、笹井氏は「キメラマウスの再構成は調べた」の
記述だけで逃げた。そして自分の中で「長期的な継代培養により再構成が起こっていた細胞が
消失したという解釈を採った」と論理構成した上で、3月5日に「STAP幹細胞にはTCR遺伝子再
構成が認められない」と公表した。
この後のことですが、7月27日のNHKスペシャル「調査報告 STAP細胞不正の深層」
を放送するにあたってNHKが取材を申し込んだところ、笹井氏から「インタビューに応じ
ない」とメールで返事があったとのこと。ただし、そのメールには次の記載があったそう
です。
・少なくとも3人の(ネイチャーの)査読者は、(TCR再構成に関するデータの無い論文内容
について)不十分だとは思わなかったということは言えます。
・TCR再構成のデータは他の多くのデータの1つであり、それだけで初期化を立証しようと
いう論旨にはなっていません。
でもね、TCR再構成はSTAP細胞を証明するための必要条件なんだよね。
ネイチャーは権威ある笹井氏を信用して「キメラマウスのTCR再構成は調べた」の文言しか
無い論文を受け入れただけの話。査読者には「消失した」なんて一言も伝えてないだろうし。
さらに笹井氏が、
「一個人の人為的操作が困難な確実度の高いデータのみを見ても、STAP現象は現在、最も
有力な仮説と思う」
と発言したことに対して、記事(『新潮45』6月号の記事)の著者は次の指摘をしています。
“多段階にわたる複雑な実験系であったのは事実だが、いちばん問題にされているのはSTA
P細胞を作製する過程とそこから作られたSTAP幹細胞で、それには小保方しか関与して
いない。この過程にはいくらでも人為的な操作が可能であるから、『確実度の高いデータ』と
はいえない。”
そうそう、ネタは小保方女史しか知らないマジックだもの。(@_@;)
(続く)
1つ目は「団塊の世代雑感(236-65)」で既に示していますのでカットして、2つめの
根拠について笹井氏は、
「STAP細胞は非常に小さな、特殊な細胞。(資料に)電子顕微鏡の写真をつけているが、
ES細胞と比べても特に小さい、特殊な細胞です…」を示します。
遺伝子発現パターンの詳細解析でも、STAP細胞は、ES細胞や他の幹細胞とも一致しな
い。それに、ES細胞は増殖能力が高く分散培養が可能であるのに対して、STAP細胞は
増殖能力が低くて分散培養は不可と。
これについて『新潮45』6月号の記事では、次のような指摘がなされています。
“透過電顕の写真で、元のCD45+細胞と培養七日目のSTAP細胞の形を較べているが、
後者は切片が斜めに切れているだけで、核の全体が写っていない可能性がある。実際、写真
に挿入されているスケールバーを見る限り、両者の核最大径は、ほぼ6ミクロンであり、差
がない。細胞の比較には塗抹標本のギムザ染色が必要である。したがって、このデータその
ものに疑問がある。また、この細胞がCD45+T細胞由来という証拠はない。”
最初に出てくる「元のCD45+細胞」は、「元のCD45+T細胞」の誤植と思われる。
門外漢なりに読み解くと、CD45は脾臓由来のリンパ球細胞、その細胞にT細胞(細胞表面
にTCRという白血球特有の遺伝子があり、それが目印となって、元の細胞が自己増殖能力を
持つSTAP幹細胞やキメラマウスが製作されたことを証明する)を注入したものと、その
7日後にSTAP細胞となったとするものと比較した結果について述べている。
ギムザ染色は、細胞封入体の染色に用いる染色法のことで、その染色によって細胞の種類ご
とに違った色に染まる(例えば赤血球はピンク、白血球の核は紫がかった青など)ので、それ
で確かめる必要があると云っている。そうでないとSTAP細胞と称するものが、CD45+
T細胞由来という証拠はない、と。ま、このくらいのことはやっときなよ、ということですね。
それに、「団塊の世代雑感(236-18)」で触れたTCR遺伝子の再構成(STAP細胞が
体細胞からできていることを示すもの)については、1月の会見のときに
「Tセルレセプター(TCR)というのは、ややこしいですが、指紋がついている状態でSTA
Pができてくる。ですから間違いなく分化した細胞からできている」
と云っちゃった(それが3月5日に指紋無しと分かっちゃた)ものだから、どんな発言をするの
かと思っていたら、
「STAP幹細胞は、ヘテロな(異なる)細胞集団であり、長期的な継代培養により、再構成
が起こっていた細胞が消失(!?)した」
ですと。えっ?えっ?えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!≠☆◆∥σ■Д↓↑И@~#%&
単一細胞だけを取り出して培養したのではなくて、不均一な細胞集団を培養していることか
ら、もともと潜んでいた別の幹細胞が増殖した可能性を排除する必要がある。そのためには、
体細胞で唯一、不可逆的な遺伝子再構成という目印があるT細胞がSTAP細胞になるとい
うTCR遺伝子再構成を証明する必要がある。
(続く)
す。
「2つのレベルのコツがある。論文を作るのにスタートから最後まで3年かかっているが、
最初にプロトコール(手順)を決めると、ずっとそのプロトコールに基づいて作る必要がある。
小保方さんが最良と思われたプロトコールを基に実験が組み上げられた。そのときのコツ、
微妙な手際などがあるのではないか」
何を云いたいのか、これだけだとさっぱり分かりません。でもしばらく後に次のような発言が。
「2014年バージョンのプロトコール、または(投稿誌に基づく)ネイチャープロトコール
をつくる必要性は感じていました。ただ、今回は論文が受理されてから掲載までが予想以上
に短期間で、プロトコールの改良が行われなかった」
つまり、最初のレベルのコツと云うのは、笹井氏が加わる以前の(ネイチャーに投稿するも没
となった)若山氏と小保方女史によるプロトコル。そのプロトコルには微妙なコツがあった。
でも、自分が加わった後の(ネイチャー誌に掲載された論文に副った)プロトコル(2014年バ
ージョン)は、しっかりしたレシピになっているものの、それを公表する時間(確か受理から
掲載まで半年近くあった筈なのに)が無かった、と云いたいらしい。
でもね、「団塊の世代雑感(236-17、49)」に書いたように、理研はこの記者会見に
先立つ3月5日にプロトコルをネイチャーの関連サイト(ネイチャー・プロトコール・エクスチ
ェンジというネット誌)に投稿して公表しているのですよね。
それって、丹羽プロジェクトリーダーが、小保方女史のビデオを参考にして作ったもの。だか
ら、笹井氏云うところの「2014年バージョンのプロトコール」の筈なんだけど。それでも再現
できなかったものだから、上述したような分かったような分からないような微妙な手際で報道
陣を煙に巻く。
そんなレシピがあるなら、しかも200回も成功した猛者なのだから、今やっている再現実験(11
月末まで)なんて直ぐに出来そうなものだけどね。ま、監視カメラ付きだからマジックになら
ないのだけど。
さらに報道陣からは笹井氏が触れて欲しくないことへの質問が飛ぶ。
--論文指導はどのような場所で行われていたのか。2人きりだったのか、並んで座るような
かたちで指導していたのか。もしそうならば、研究者としての小保方氏の弱点をなぜ見抜
けなかったのか。
質問者の聞きたいところは指導者としての云々ではなくて週刊誌ネタにもなった二人の関係に
ついて。それは笹井氏にも分かるので次のような微妙な手際の受け答えとなる。
「2人きりではない。論文を書きながら画像や図表などの操作をすることが多いので、大き
なモニター画面があるような部屋で行っていました。論文に合わせて図表を選んだりする
ので、高い緊張感を強いられる作業です」
じれた記者はさらに追討ちをかける。
--不適切な関係があったと一部で報じられているが。
「そのようなことは一切ありませんでした」
ま、「大きなモニター画面があるような部屋」で広い部屋を暗示したり、「高い緊張感を強い
られる」としてデレデレした情況には無かったを仄めかしたり、色々と答え方に苦心している
けど、あくまでも笹井研での話。
あちこち二人で出張しているけど、それはどのような目的で、どこへ行ったのか、と訊いて
欲しかったな。
最後の「そのようなことは一切ありませんでした」だって、笹井氏が不適切な関係をどのよう
に定義しているのかの話であって、秘密裡に進めているものだから、人里離れたところで、二
人きっりで、それでもヒソヒソ話をしなけりゃならないから、耳元近くで囁いた、は笹井氏の
腹ではセーフなのかも分からない。(ーー;)
(続く)
笹井氏は「本論文の信頼性が複数の過誤や不備により大きく損なわれた以上、STAP現象
の真偽の判断には理研内外の予断のない再現現象が必要だとの考えを持っています。その考
えをもとに展開することが、現在最も適切な考えであると思っています。そして理研の検証
チームがSTAP現象の真偽に特化した検証実験を行い、外部に協力していくことが理研の
使命だと思います」と説明。
これって、再現して証明しろ、と云うより無いと証明しろ、って云っているようなものなん
だよね。そういったことが無意味であることは、改革委も指摘している。(「団塊の世代雑
感(236-56)」参照。)
なるべく長く引き延ばして、予算をがっぽり注ぎ込んでもらって、他の研究に回す。いずれ
世間も忘れてしまうだろう、なんて考えていたのかしらん。そんなことより、理研に残され
ている試料の解析をすれば、論文に書いてあることがウソかマコトか、つまりそこに述べら
れているSTAP細胞と称するものが存在するか否かはハッキリするのに。そうであれば、
再現実験に1300万円(税金)も使う必要もなくなるし。
そもそも小保方女史が記者会見(4月9日)の席で、「故意ではないが、不注意で、ES細胞
が混入したかも知れない」と認めていれば、ここまでややこしくなることは無かった。でも
会見ではキッパリ否定してしまった。
金(特許等)が絡むがゆえに、下村文科相がアレコレ口出しするがゆえに、死人まで出す破
目になった。
それをやらないのは理研の体質、と云うより成果主義(それも直ぐに結果を出すことを求め
る)に逸る野依理事長その人に問題があるように思う。論文作成を急がせた(特許と関係)
がゆえに、笹井氏はそれまでのデータも実験ノートも見ることもできず、それらの検証も不
十分なまま仮説に副った都合の良いデータを揃えて、論文を作成したのですから。
文藝春秋9月特別号に「小保方晴子 三つの顔」と題する記事があって、CDB研究者の
言として、
・却下されたネイチャー誌への最初の論文投稿と同時期に、ハーバード、理研、東京女子
医大はSTAP細胞作製方法に関する米国特許を出願(仮出願)。
・仮出願で保護したい内容を書いておけば、具体的な実験要件(実験内容)の提出、つまり
本出願までに1年間の猶予がある。
・したがって、本出願までにSTAP細胞の作製方法を確立し、実験要件を出す必要がある。
・仮出願が2012年4月であるため、2013年4月24日までに本出願を提出しなければならない。
「ということは、ネイチャー誌などへの投稿もこの時期までに出す必要があった。それが
論文投稿を急ぐ理由だったのです」
「追試や再現実験をしている時間的余裕はなかったはずです」
とあります。
もっとも、笹井氏の勇み足がここまで騒動を大きくしたことも否めないのですが。
1月の記者会見で、「もうiPSの時代は終わりでSTAPの時代みたいなと書いてもらって
もいいが、正直ネイチャーのライフサイエンスの論文の中で、私が大学院に入って以来25年間
で1番すごいというか想定外のインパクトのある論文だと思います」なんてやってしまったし、
理研広報を頭越しにして、STAP細胞を魔法使い、iPS細胞を牛に例えるなど(要するに
作製効率が高いと云いたいらしい)してSTAP細胞の優位性を示す資料を配付してしまった
(後に山中教授に謝罪することになった)し。
そもそも、理研広報を差し置いて会見をし切ったそうですから、本来は地味な発表で済ます
(そうすれば死人まで出すこんな騒ぎになることは無かった。1つの仮説として、時間経過と
ともに、様々な検証を経て、やがて見向きもされなくなって自然消滅することになる)ところ
をお祭り騒ぎにしてしまって、引っ込みがつかなくなったという責めはあるのです。
安倍政権による女性の積極的活用(「活躍」なんて云っているけど)政策、就中早稲田OB
の下村文科相による働きかけが大きく係わっていると思うのですが…。迷走に迷走を重ねる
理研を見ているとつくづくそう思わざるを得ません。
笹井氏はこの日の記者会見で、
「小保方さんのメディアでの露出は、最初の会見と翌日のインタビュー以外はしないとしてい
たが、私たちの想像を超え多くの動きがあった。もっと予測的な措置はできなかったのか、そ
ういったことについて反省することは多い」
と自嘲気味に語っていましたが、最早後の祭り。
(続く)
笹井氏は「2012年12月中旬、小保方さんの研究リーダー採用の審査は、他の研究リーダ
ーの選考と同様に人事委員会において、本人の研究プロジェクトの計画と現在の研究のプレゼ
ンテーションをお聞きし、さらに、委員が詳細な議論を行い、研究の独創性、挑戦性、研究
の準備状況を中心に評価しました。これまでの小保方さんの指導者からの評価も参考にしま
した。通常の手続きと同様で一切偏りがなかったと考えています。私を始め多くの人事委員
は、本人と会い、話をしたのは採用面接が初めてです」と、小保方女史の抜擢に問題はなかっ
たと。
でもね、これも真っ赤なウソであることが後に分かる。
6月10日の「CDB自己点検の検証について」で、
・経験が浅く、優れた業績を確認できない研究者を抜擢する際には、それに見合うだけの慎
重な調査と検討があってしかるべきであるにもかかわらず、小保方氏をRUL(研究ユニット
リーダー)として採用する審査では、秘密性保持のため、英語による公開セミナーが省略
され、人事委員会における日本語による非公開の面接セミナーと質疑応答のみを行うとい
う例外的措置が採られた。
・小保方氏の場合は、重要な応募申請書が面接日前に個別に設定された締切日までに本人か
ら研究推進部総務課(当時)へ提出されなかったこと、人事委員会が過去の論文等の調査
を十分に行わなかったこと、秘密性を重視して第三者の意見を得ていなかったこと(推薦
書はセンター長が理事長への推薦を内定した後に提出された)。
・応募書類として提出された小保方氏の研究計画書の図の中でヒト細胞として示された図が、
マウス細胞のみを用いているはずの学位論文の図と同一と思われるものが見つかった。
(もっともこれは検証過程で判明したことで、人事委員会が採用審査当時に気づくことは
難しかったとされていますが。)
それに「これまでの小保方さんの指導者からの評価も参考にしました」というのもねぇ。
だって若山氏は、笹井氏が加わってからは、自分はつんぼ桟敷に置かれていたと云ってい
たもの。
初見で小保方女史(勿論、女性としてだけじゃなくて、手鍋下げてきたその中身にも)にぞ
っこん惚れ込んじゃった笹井氏が特別扱いして囲い込んじゃったのが本当のところでしょ。
要するに私利私欲に走っちゃったのだから、「一切偏りがなかった」とは云えないよ。
『新潮45』2014年5月号に「STAP細胞をめぐる悪いやるら」と題する記事があって、
その中で東京大学医科学研究所の上昌広特任教授が、「(小保方をユニットリーダーに
つける)あの人事は、笹井さんで出来ると思います。本部の人事は、センターの幹部だけ
でしょうからね、(中略)小保方さんのような人を抜擢するときには、通常、その上に
ビッグボスがいるはずなのです。研究費の取り扱いから秘書の労務管理まで、やはり管理
職としての能力が求められる。研究室は個人商店なので、グッドアイデアがあるから大抜
擢するという世界でもないのです。営業もしなくてはならない。笹井さんが支えていた、
彼の責任で彼がやっていたはずなので、だから小保方さんは笹井さんの傀儡だった可能性
が高い」と述べています。
最後の「傀儡」、どっちであったかには「?」が付きますが、笹井氏がCDB運営に絶大
な発言力があったことは確かなことで、他の誰よりも彼の意見が採り上げられたことも又
確かなことです。
(続く)
メージングなどの生データについてであり、小保方女史と一緒に解析を行った。」
「CDB自己点検の検証について」には、笹井氏は小保方女史 に対するデータ取得方法の指導
を行った、とある。かなりの図・表が笹井氏が加わった後に追加されたと云いますから、きれ
いな論文に仕上げるためにアレコレ都合の好いデータを小保方女史に取らせたに違いないので
すが。
それに、ライブ・セル・イメージングって、顕微鏡ムービーのことで、10以上の視野を同時に
観察できて、自動的に撮影するから、人為的なデータ操作は実質上不可能ということをSTA
P現象を前提にしないと容易に説明できない根拠(三点ある)の一つに挙げてのだけど、そも
そも、緑色に発光したのは自家蛍光(細菌・異物・細胞の残骸などを細胞内に取り込み消化す
る力の強い大型の細胞「マクロファージ」が、細胞死に陥って蛍光を発する細胞「アポートシ
ス」を食べているだけ)ではないかという専門家の意見もあることだし、根拠としては希薄な
んだよね。
笹井氏は「(酸性の溶液につけるといった)ストレスが強すぎると細胞が全滅するし、弱す
ぎても反応しなくなる」なんて実際にやってもいないし、見てもいないことを、小保方女史
のコツだかレシピだかをそのままなぞって云っている。「生後3週間を過ぎたマウスの細胞
を使うと、多能性が現れる前に変化が止まってしまう」とも云っているのだけど、これじゃ
STAP細胞が仮に存在するとしても、年齢制限があって実用化が難しいことになるよね。
このことについて笹井氏は、「細胞が死ぬ時によくみられる一般的な目印の変化が、この動画
の場合は確認されていない」と反論しているのだけど、それなら、他の専門家にもハッキリと
分かる筈なんだけど、その根拠となる詳細については語らない。
自家蛍光の場合には、緑色だけでなく赤色も発色するらしくて、その場合はフィルターを通し
て確認すれば分かるのだけど、それをやったということも示さない。専門家それも超の付く専
門家なのだから、手抜かりなんてものじゃなくて、わざと無視したとしか思えない。
註)「団塊の世代雑感(233-2)」で、この緑色に発光することを「自家蛍光」として
しまいましたが、誤りで、細胞が死滅するときに発光する現象のことを云います。
多能性細胞になったかどうかは、多能性細胞だけで発現する因子(緑色に発色)を遺伝
子に組み込んで、それが働いている(多能性細胞マーカーOct4発現)かどうかで確かめ
ます。
それに、小保方女史と一緒に解析したなんて云っているけど、実際に顕微鏡を覗いて見たわけ
じゃないんだよね、撮られた映像だけを見ている。小保方研究室の完成(同年10月23日)まで
は笹井研究室で研究が続けられていたから、撮影はそこで行われたというのにね。
(映像だけ見て、上述の「一般的な目印の変化」の有無が分かるのなら、他の専門家も容易に
それと分かる筈なんだよね。)
それと、電子顕微鏡解析室の米村重信室長をレター論文の共著者に加えているのも実に怪しい。
組織ぐるみのでっち上げと取られても仕方がない粗忽さ。
ま、後に述べるように、急がにゃならぬゆえの手抜きなんだけどね。
(続く)
笹井氏「第4段階の文章の書き上げから参加したため、多くのデータはすでに実験ごとに図表
になっていた。研究不正の判断を受けた2つの実験データは、2012年前半、あるいはそれ以前
の実験のものだったので(全て若山氏と小保方女史でやったことなので)、生データやノート
を見る機会がなかった。」
つまり、「それは若山さんの担当だった」とか「世界の若山さんを信じた」とか、まるで小保
方女史と口裏を合わせるかのごとくして、理研を出た若山氏に責任を転嫁しようとしている。
当然のことながら、「団塊の世代雑感(236-62)」にあるように、CDB自己点検検証
委員会による指弾対象となった。
笹井氏「それに、小保方研究ユニットリーダーはあくまで独立した研究室のリーダーで、直属
の部下ではないため、大学院生に指導するときに言うような『ノートを持ってきて見せなさい』
というようなぶしつけな依頼をするということが現実的には難しかった。」
小保方女史がユニットリーダーに採用されるのが決まったのは、2012年12月のこと。(2013年
3月に若山氏が理研を離れることが決まっていたので、その前に小保方女史を理研に繋ぎとめ
ておこうとの思惑―竹市センター長と西川副センター長がSTAP細胞に色気を示した―によ
る。)
その直後から、竹市センター長からの依頼によって、小保方女史に対する論文指導が始まって
いるのだから、指導者として「ノートを持ってきて見せなさい」くらいは云って当然。
それを怠ったから、CDB自己点検検証委員会から「小保方女史の実験ノートの貧弱さと個人
(小保方女史)所有のPCでのデータ管理といった管理の杜撰さ」は、「2013年2月まで所属長
であった若山氏の責任とともに(若山氏は非常勤の外部研究者であったことから)CDBとし
てもその担保する措置を怠っていた」と指摘されることになったわけだし。
実験ノートが少なかったことについて、「実験ノートには最低限の内容を書き、(データは)
コンピューターに入れていたとすると、アナログのノートは少なくなる。冊数と実験量の因
果関係を証明するのは難しい。調査委員会の調査でノートの一部を見たが、詳細な部分もあ
ったし、メモ的な部分もあった」と笹井氏は発言しているのだけど、小保方女史が私物のP
Cを持ち込んでいると云うのは、言語道断。データの不正流出も考えられるわけだし、笹井
氏が中心となって秘密裡に作業をしていたことと辻褄が合わない。後でどうとでも改竄でき
てしまうことも防げない。笹井氏の云うように、データをコンピュータ管理していたのであ
れば、少なくとも実験ノートには、そのデータの保管場所(ファイルネーム)と保管日時の
記載があってしかるべきである。それでないと後でトレースすることができない。
つまり、小保方女史は不正を為すために、そのような実験ノートの記載、データ管理を行な
っていたと考えるのが自然というもの。
笹井氏「さらに、図表となっていたデータは他の図表データと整合性が高く、それ自体を見る
だけで、問題点を見抜くのは非常に困難であった。」
でもね、いろいろな疑義は、第三者が論文もしくは次世代シーケンサーデータ(NGS)を調査・
解析して出できたわけだし、(時が許せば)笹井氏にそれができない筈はないのです。
註)NGS:細胞の全遺伝子発言データ(研究コミュニティ内での公益性が高いことから)は、
その生データを公開する義務がある。STAP論文もネイチャーからの要請により、
2013年の5月~8月に取得している。理研の遠藤氏はこのデータに基づいて解析を行い、
STAP細胞に対する疑義を糺している(別稿で記述予定)。
(続く)
うが、でもね、アーティクル論文はたった1週間ほど(12月28日完成)で終わったことが明らか
にされているし、あとはレター論文に取り組んだのだよね。
会見では、笹井氏は「現在、数々の疑義が生じているのはアーティクルの方であって、これは
若山先生と小保方さんが主に担当した箇所だ。私が全面的に書き直したのはレターの方で、
レターとしての論文については不正は認められていない」なんて見得を切っちゃたのだけど、
その殆どを笹井氏が携わって、その追加実験を小保方女史に指示したり技術指導したりしたの
も笹井氏。そういった形で作成された論文にも様々な疑義がこの後に明らかにされていくのだ
から、決して潔白の身ということにはならない。
後日のことになるけど、CDB自己点検検証委員会の6月10日の報告「CDB自己点検の検証に
ついて」においても、笹井氏は次のように指弾されている。
・小保方氏の過去のデータを信用し、批判的に再検討・再検証することなく、結果として多く
の誤りを見逃した。
・論文作成を主導していた笹井GD(グループディレクタ、副センター長のこと) による共著
者に対する連絡が不十分で、共著者によるデータ検証の機会を減じた可能性も否定できない。
しかも、この騒動の根幹とも云える指摘も。
・バカンティ氏の意向の下、秘密保持を優先した。その結果、外部からの批判や評価が遮断さ
れた閉鎖的状況が作り出されることとなった。
・センター長が論文作成支援を依頼した時点では、笹井氏が共著者に加わり、責任著者まで務
め、更に特許申請に加わることについて、センター長及びGD(当時は西川氏と相澤氏)は
想定していなかった。
それに、やはり「CDB自己点検の検証について」で指摘しているのだけど、笹井氏は血液細
胞から作ったSTAP細胞を変化させた細胞(皮膚や腸や筋肉など)に、本がその血液細胞で
あることを示す遺伝子の変化(TCR再構成)が確認されていないことを、論文発表の1年前
(2013.1)に認識していたにも係わらず、生データの確認を怠り、2013.3.10にネイチャーに
論文を投稿しているんだよね。これ、アーティクル論文の方だよ。
アーティクル論文では、STAP細胞を含む細胞の塊のTCR再構成については記載してある
ものの、STAP幹細胞のTCR再構成実験の結果は記載されなかった。
なぜなら、TCR再構成が確認されていないことは、小保方女史、笹井氏の他に、丹羽プロジェ
クトリーダも知っていて、笹井氏に対してTCR再構成に関するデータを論文に含めることに
慎重な意見を伝えていたから。
アーティクル論文で使われた3種類の画像(「団塊の世代雑感(236-11~15)」参
照)についても、笹井氏は「博士論文と言っても、学内論文だから非公開に近い扱い。これを
未発表データとして使っても問題ないと、ネイチャー誌にも確認したので、『流用ではない』
と判断した」と語ったけど、意図的に論点をずらしている。問題となったのは、その(博士
論文の)画像がSTAP細胞とは全く関係の無いものであると云うことだもの。
(続く)
で、理研のなんだかんだを背負って、笹井氏は記者会見に臨みます。
会見が行われたのはお茶の水の駅前にある会議施設で、会場には、300人以上の報道陣が詰め
掛けました。
興味深いのは会場の外。「幸福の科学」の信者集団が大量のビラを配っていたのです。その
内容は、「野依理事長.VS.小保方氏」と題する大川隆法総裁の十八番の守護霊もので、守護
霊が理研の野依理事長へインタビューするというもの。だから、小保方女史の守護霊インタ
ビュー本もちゃっかり宣伝している。商売、商売。
午後3時きっかりに現れた笹井氏は、黒のスーツにネクタイを締め、少し緊張した様子という
か病み上がりというか、ちょっと青ざめた顔色で、用意してきた手元のペーパーを見ながら、
ゆっくりとした口調で謝罪し、頭を下げました。
そして、組織のためもあって仕方なかったのでしょうけど、のっけから自己弁護に終始します。
本研究論文に関する私(笹井氏)の役割として、次の4つの段階を示し、
(1)着想や企画
(2)実験の実施
(3)実験データの解析と図表の作成
(4)論文書き上げ
第1段階は、ハーバード大学および、若山研究所の担当である。
第2段階は、そのほとんど(論文に含まれる80実験パネルのうちの75)を若山研で、当時
客員研究員だった小保方女史と若山氏とが行った。
第3段階も若山研で、小保方女史により行われた。
自分が参加したのは第4段階だけで、今回、問題になっているアーティクル論文については、
参加する以前に、小保方女史と若山氏により一度書かれて、2012年春にネイチャー誌に一度
投稿されていた。しかし、却下された経緯があり、自分の役割は、論文文章の書き直しの協
力で、そのために、複数の図表を組み合わせて作るフィギュア(形態)にも協力した。
だから、論文の骨格はその殆どが小保方女史と若山氏とで作り上げていたのであり、(この後
に、その図表だとかデータについては二人の間で十分に精査された筈なので、それを信じて
生データとかを調べたりしなかった、と答えているのですが)自分は、その化粧直しをしただ
けで不正の責任は無い、と云っているのです。
竹市センター長からの依頼により、論文の仕上げに係わるようになった。その時期は、2012
年12月下旬(小保方女史が改訂済みの12月11日版をもとにした)である。
2013年2月に小保方女史に(STAP現象の試験管内の評価に関する)実験技術の指導も行い、
3月10日に論文投稿。この間、若山氏は山梨大への引っ越しで謀殺されていた(から一切係わ
っていない)。
2013年4月上旬から小保方女史を中心に論文リバイス(見直し)を行った。そのための追加
実験や技術指導に加わった。
だから論文作成ということでは、論文投稿までの約2年間のうち、最終段階の2ヶ月間強
(2012.12下旬~2013.3上旬)だけに参加した。
当初は著者には加わらずに、協力指導のみにしていた。しかし、途中よりバカンティ教授
より、強い要請を受け、著者に加わることになった(これは2013年1月に小保方女史が米国
のバカンティの元を訪れ、アーティクルの完成論文を見せていることが関係している。騒
動の原因ともなった特許のことも関係している筈だけど。そのことについては別稿で)。
また、レター論文については投稿時には責任著者ではなく一共著者として加わったが、
2013年9月の改訂論文の投稿直前に、若山氏から責任著者に加わるようとの要請を受け、
3人目の責任著者として加わることにした。(これは当然の要請。なぜなら、大半が若山
氏のあずかり知らぬ内容なのだから。)
註)アーティクル論文の責任著者は、小保方女史とバカンティ氏。レター論文の責任著者
は、小保方女史、若山氏、笹井氏。この為、若山氏は自身が責任著者であるレター論
文の撤回を呼びかけた。これに笹井氏も同意し、小保方女史もいやいやながらも同意
することになった。
一方のアーティクル論文は、両者が撤回に不同意であったことから、撤回時期に遅れ
が出ることになった。(「団塊の世代雑感(236-39)参照。)
(続く)
号外と云っても、ノーベル物理学賞受賞のおめでたい記事ではなくて、今朝の新聞紙面の
隅っこに載った「小保方氏 博士号『取り消し』」の方。
これだけのタイトルなら、「ほー」と思うのだけど、「早大、1年間の猶予 論文再提出求め
る」といったサブタイトルが付いている。これを見て、「あほー」と思った。
小保方女史の博士論文のデタラメさは、「団塊の世代雑感(236-41~44)」に書いた
通りで、7月17日の早稲田大学調査委員会の調査報告は愚にも付かぬものだったわけですが、
昨日の早大鎌田薫総長による記者会見ではも少しましな結論が発表されるものと思っていた
だけに、以下のどどめ色の決着は残念です。
先進理工学研究科における指導・審査過程に重大な不備・欠陥があったものと認められる
ことから、一定の猶予期間を設け、論文訂正と再度の論文指導並びに研究倫理教育を受け
る機会を与え、これが適切に履行され、博士学位論文として相応しいものになったと判断
された場合には、取り消すことなく学位を維持するものとした。なお、上記の修正が定め
た期間内に完了しない場合は、学位は取り消されるものとする。
一早稲田大学の問題に止まらず、日本の科学界にとって大きなダメージとなることに気付か
ないのですかね。
鎌田総長は「深く反省し、全力で信頼回復に努める」と述べたそうですが、反省しているの
なら、そして信頼回復に努めるのであれば、小保方女史の博士号は取り消しにすべきだった
のです。そして小保方女史には改めて博士論文を提出させて、それを審査して学位を与える、
与えないを判断すればよいのです。
それができないのは、理研との関係があるから。理研では博士号を持った者でなければ、
雇い入れることができない。今、彼女から博士号をはく奪すれば、即刻解雇となり、ST
AP細胞の再現実験にも支障がでる。
しかし、小保方女史が実験に加わるのは11月までであり、何も早稲田大学側は拙速な結論
を急ぐ必要は無かった。そのときまで待って、そこで博士号を取消せばよかった。
それを関係者の処分(指導教員かつ論文審査の主査であった常田教授が停職1ヶ月。副査が
訓戒。総長が役職手当の20%5か月分を返上。当時の研究科長が役職手当の20%3か月分相当
額を返上)だけで、小保方女史に対して「概ね1年間程度の猶予期間を設けて、博士論文指導
と研究倫理の再教育を行い、論文を訂正させ、これが適切に履行された場合には学位が維持
できる」とする大甘な判断を下さざるを得なかったのは、早稲田大学には他にも論文不正に
よる学位授与者と思えるケースが沢山あるから。
早稲田大学によると、「現在までに約700件の確認が終了しているが、すべての博士学位論
文について学位授与に相当する研究の実体が確認されたが、研究の本質的な部分以外の部
分に不適切とみなされる箇所のある博士学位論文が複数発見された(研究の本質的な部分
とは、学位論文に記載されている研究の根幹をなす著者独自の着想あるいは新規な事実の
発見とそれに基づく学問的帰結のことであり、学位授与の判定において特に重視される部
分をいう)」とされている。
「早稲田大学学位規則23条」には、「不正の方法により学位の授与を受けた事実が判明したと
きは、総長は、当該研究科運営委員会および研究科長会の議を経て、既に授与した学位を取り
消し学位記を返還させる」旨の規定があるのだから、執行猶予など設けてはいけないのです。
それができないのは、早稲田大学がこれまで長年目を瞑ってきた不正の温床ゆえ。
このため、早稲田大学は「不適切な博士学位論文の取扱い」として、「不正の方法により
学位の授与を受けた事実が判明したときは、学位規則第23条に則り、学位を取り消す。学位
の取り消しにあたらなくても、その博士学位論文の放置が不適切と判断される場合は、本人
と連絡を取り、適切な是正措置を行い、経過を公表する」としているのですが、小保方女史
の場合には、いずれにも該当しないのですよね。だって、不正と判断されているのに、直ぐ
に学位を取消されることなく、不適切と判断された措置を採ろうとしているのですから。
つまりどどめ色の決着。
会見の席で報道陣と交わされたやり取りには、
--なぜ一見しておかしな博士論文が学位審査を通ったのか。
「研究の中身についての審査はしている。だが重大な手落ちがあった。学位審査はパワー
ポイント(概要をまとめた発表用スライド)を使うが、それに関する注意が多く、論文に
関しての審査を怠った」
というものがあるのですが、補足すると、大学側は(会見の際の配付資料の中で)、
「2011年1月の公聴会開催4日前に提出された公聴会時論文について、主査・副査が論文に修正
点を赤字で書込み小保方氏に手渡しているにも関わらず、主査は博士論文最終版が提出され
た際にそれらの修正が反映されているか否かを確認しなかった。また、それを確認する制度
上の保障もなかった。主査に通常、期待されるこれらの確認作業を怠ることがなければ、また
それを看過する制度上の不備が無ければ、多くの不備を有している本件博士学位論文を先進
理工学研究科が受理し、早稲田大学博士学位を授与することは回避できたと考えられる」
と、その極めて杜撰な審査過程を述べています。要するに(専門家の審査がある米科学雑誌に
掲載されたのだから、として)殆どチェックしていなかったということなのですが、そこまで
はさすがに書けない。
また、
--猶予期間について。なぜ1年間という長さになったのか。
「短い、長い(という判断)にはいろんな考えがある。体調の問題、理研での作業もある。
それらを考慮した」
なんてやり取りもあるのですが、代理人である三木弁護士によると、小保方女史は現在、理研
に出勤し再現実験に専念しているとか。もっとも、「詳しくはお話しできないが、現在も体調
不良が続いている状態」といういつもの修飾を付け忘れること無くでしたが。
この早稲田大学の判断に対して小保方女史は、「このたびの総長の判断に従わせていただきま
す」とコメントし、不正・不備が指摘された博士論文を修正、再提出する姿勢を示したとか。
やる気満々じゃないの。ホントに体調不良なの?
さらに、
--小保方氏は「(提出した論文は誤りで)ちゃんとした論文がある」と言っている。であれ
ば(1年待たなくても)すぐ提出できるのでは。
「出てきた論文を確認しないといけない。すでに(正しいものが)書かれていれば1年待た
なくてもいい」
なんて、「ええええぇぇぇぇ!」もんがある。今年の5月に提出されているでしょうに。その
不正箇所(11ヶ所。うち6ヶ所は、故意による不正)を「論文訂正と再度の論文指導並びに研究
倫理教育を受ける機会を与え」て、要するに手取り足取りして、仕上げてウヤムヤにする。
何ておめでたいんだよ、早稲田大学は。
(続く)
から、副センター長職を辞したいとの内々の意向打診(理研を辞めるということでは無い)があ
りましたが、当時、研究論文の疑義に関する調査が行なわれている段階であることから、本人
も納得した上で副センター長として更新することになりました”と語っているように、笹井氏
本人も理研に残ることができると考えていたに違いありません。
笹井氏は、普段は身に付けないと云う理研のバッジを付けて記者会見に臨んだのですが、精神
科医の香山リカ氏が「笹井氏は個人よりも組織や秩序を大事にする性格。会見でも理研のバッジ
をつけていましたし、職場で自殺したことからも、自身とCDBを一体と考えていたことがう
かがえます。」と指摘したように、CDBを建設した立役者は笹井氏そのひとなのですから。
笹井氏を学部生の時代から知る臨床医の話として、“確かに笹井は科学者として、研究以外に
も際立った能力を持っていた。特許や投資、予算を引っ張ってくる点でも辣腕だった。だが、
それが、研究者笹井をいつの間にか変質させていた。予算獲得のためにSTAP細胞に関わる
ような傲慢さが身についてしまった”とあるように、CDBのこれからの将来像をきっちり描
けていたのは笹井氏の他にはいなかったのです。予算獲得の際には、どんな研究に価値がある
のか官僚にレクチャーできるし、銀行や投資家にも投資先をアドヴァイスすることができる、
そういった人物だったので、理研としては小保方女史をトカゲのしっぽとして切っても、笹井
氏は何としても庇って留めておきたかったのです。
CDBでの研究には、STAP細胞のような発生学と、発生学を応用した幹細胞の臨床応用
研究があり、利益につながるのは後者の方。先日成功した加齢黄斑変性の治療にPS細胞
を使った例など、その応用範囲は広い。
『新潮45』6月号では、“笹井が目論む野望とは、iPS細胞の実権を手中にすることなの
ではないか。「ノーベル賞」という「名」は山中に持っていかれはしたが、気が付けば臨床
治験をはじめとする「実」は、笹井と理研が握ろうとしている。”とまで書いているが、実
際、今年4月から着工し、来年度に開設予定の地上8階建て「理研融合連携イノベーション推
進棟」は、笹井氏がその中心となって政府との予算交渉や神戸市との交渉に当ってきたもの
で、理研関係者が「CDBでは『笹井ビル』とか『笹井城』なんて言う人もいます。笹井氏
は『推進棟を起爆剤に、神戸市の再生医療を世界の中心にしたい』と意気込んでいた。ST
AP騒動の後は、『私がいなくなったら、推進棟はどうなるんだ。完成するまでは、軽々し
くCDBから離れるなんてできない』と、気に病んでました」と語っているように、ここを
拠点としての明るい未来が見えていた筈。5月下旬、神戸新聞社の取材に対してもメールで
「推進棟は再生医学のみならず、創薬などの幅広い開発に理研と産業界が連携する拠点」と
強調していた。
註)国はh24年度に38億円の予算を計上。神戸市は整備支援として25年度に16億9千万円を計上
し、土地を無償提供している。このビルには、理研の研究者が製薬や医療機器のメーカー
とチームを組んで入り、iPS細胞を使った目や毛髪などの再生医療や、スーパーコンピ
ューター「京(けい)」などを活用した創薬研究を想定している。
※iPSと、「i」は小文字が正しいようなので、そのようにしました。
先日(9月12日)、CDBの高橋政代プロジェクトリーダー(この人は、「団塊の世代雑
感(236-1)」に出てくる笹井氏の京大医学部時代の思い人)らによる加齢黄斑変性
の患者にiPS細胞から作った網膜細胞を移植する世界初の臨床研究の手術が行なわれ
ましたが、こういった人体実験的な再生医療だけでなく、京大や慶大のようにアルツハ
イマー病や筋萎縮性側索硬化症の患者の細胞からiPS細胞を作り、病気を再現させて、
人体実験をすることなく、治療薬を作る(創薬)研究も行なわれています。
笹井氏は、こういったこともしっかり見据えていたのです。
(続く)
となのですが、大正製薬「上原賞」の受賞者(2名)のうちの一人が笹井氏で、彼はその授賞
式の日(3月11日)に会場(上原記念ホール)に姿を見せたそうで、しかも“会場で先輩受賞
者たちと談笑する笹井の姿はストレスでやつれた様子など微塵もなかった。さすがにマスコ
ミをまいてそそくさと会場を後にしたが、辞任を口にして入院するほど深刻な状態ではなか
った。これが私の見た三月中旬の笹井の姿である。”と著者が述べています。
入院したのが、この授賞式の直後なのか、それとも雲隠れのために入院していて、そこから
この授賞式に出席したのか、ハッキリしたことは不明ですが、いずれにせよ、この著者の観
測が正しいのであれば、笹井氏の病状が深刻な鬱状態で無かったことは確かです。
それに、3月11日に毎日新聞記者と交わしたメールでも笹井氏は、理研の(辞任への)対応の
遅さに対し、「なぜ、こんな負の連鎖になるのか、悲しくなってくる」と心境をつづっていた
そうですから。
その後、理研は論文の不正認定が確定した5月上旬に、笹井氏らの処分を6月上旬に出すと
していたが、次から次と論文の新たな疑惑が浮上したため、6月末にすべての疑義の予備
調査を始め、懲戒手続きを中断した。
理研の加賀屋広報室長は、一時は診療内科を受診していたが「入院でかなり回復した」と述べ
ています。でも、改革委により笹井氏の責任が重大と指摘されてからは、「6月ごろの電話で
は普通の話し方ではなかった。以前のように元気で力強い話し方でなくなっていた」と述べて
いますので(それなのに、6月末には理研が新たな疑義について笹井氏に事情聴取をしているら
しい)、その頃には病状はかなり悪化していたのでしょう。
家族宛て(妻と兄宛)の遺書も残されていたそうですから、自殺なのでしょうけど、そのトリ
ガーとなったのは、7月27日に放送されたNHKスペシャル「調査報告 STAP細胞不正の
深層」も多少は影響しているかもしれませんが、自殺した5日に理研が公表予定であったSTA
P細胞の検証実験の中間報告の発表日)の内容、つまりSTAP細胞の存在を否定する結果に
悲観したのでしょうね。しかも、肝心要の小保方女史が、6月30日に再現実験への参加が決定し
たにも係わらず、「準備期間が必要」だとか「勘を取り戻す」などと云って、一向に再現実験
を始めようとはしなかったし、決定的だと思えるのは、「団塊の世代雑感(236-26)」に
綴ったように、7月23日にNHKの取材班に追い回された挙句、怪我を負ったとして、「右手の
けがは検証実験に支障が出る」と逃げを打つ言動を取ったこと。
笹井氏の苦悩・苦痛を和らげる一番の妙薬は、再現実験の成功もしくはギブアップなのに、そ
のいずれをも行おうとしない小保方女史を見て、もう悲観を通り越して絶望状態だった筈です。
つまるところ、笹井氏は小保方女史に見殺しにされたということになる。
笹井氏の高校時代の同窓生も“一部の報道にある「STAP細胞を再現してください」など
と小保方さん宛てにあるような遺書を残すとも思えない。考えてもみて欲しい。NHKスペ
シャルの放映前には、すでにSTAP細胞はないと考え、その存在証明も極めて難しいと彼
自身、結論付けていたのですよ”と語っている。その通りで、笹井氏は、論文取り下げに当
たって、「STAP細胞は、その存在をも合理的に説明できない」と述べていた。
(続く)
る第三者機関を通しての解析結果を参考にしたと述べています。
そして、それらの解析結果から、再現実験をやっても構わないが、意味は無いと答えていま
す。つまり、STAP細胞の存在については否定的見解を示しています。
また、小保方女史による再現実験についても、それを行う部屋の温度が違うとか何とか、
いろいろと言い訳を言って、今回は成功しなかったと小保方女史が云う可能性があるとまで
言及しています。改革委の皆さん、よく分かっていらっしゃる。
改革委の記者会見が終わった次に、竹市センター長が記者会見をしたのですが、提言の中で
組織の解体や更迭とされたこと(この会見の場で記者から知らされて初めて知ったとのこと)
に対して、「組織の解体、センター長の退任については理研事務局と相談しながら検討した
い」と述べています。このような発言から推して、笹井副センター長もCDBが解体されて、
自分たちが更迭されるようなことにはならないと考えていたに違いありません。
4月8日に理研が設置した「CDB自己点検検証委員会」は、CDB竹市センター長によって
組織された第三者委員会で、4名の外部有識者とアドバイザーとしての弁護士1名から構成
されていて、検証結果は「研究不正再発防止改革推進本部」及び「研究不正再発防止のため
の改革委員会」に竹市センター長を通じて報告されることになっているので、その関係か
ら記者会見に臨んだものと思える。
なお、「CDB自己点検検証委員会」の構成メンバーは次の者。
委員長:鍋島陽一(財)先端医療振興財団 先端医療センター長
委員:大竹文雄 大阪大学理事・副学長(社会経済研究所教授)、
加藤和人 大阪大学大学院医学系研究科教授
山本正幸 自然科学研究機構 基礎生物学研究所所長
アドバイザー:山室惠 弁護士法人 瓜生・糸賀法律事務所弁護士
この改革委の提言を受けて理研は、8月27日に、CDBは規模を縮小(5つの研究プログラム
のうち3つを廃止、もしくは別の部門と再編)し、竹市センター長ら幹部を一新(竹市氏の
退任については、問題発覚以前からの規定路線で、後釜には笹井氏が内定していた)させて、
名称も11月までに「多細胞システム形成研究センター(仮称)」と変更して存続させることを
発表し、野依理事長が研究不正の再発防止策(経営戦略会議の新設、理事長直轄の「研究コン
プライアンス本部」の新設、無断引用を防ぐ論文類似度検索ツールの導入、実験ノートなどの
記録を発表後5年間の保存することの義務付け等)を下村文科相に報告した。
ただ、CDBとは別の組織に所属する研究者が「センターの縮小は当然だ。ただ不正防止のた
めの対策をあれこれ打ち出しているが、STAP問題に照らし合わせ、どの方法が具体的に
何を防げるのか説明が不十分だ」と指摘しているように、理研は(「特定国立研究開発法人」
指定のための)通り一遍の形式だけで済まそうとしているようにも見え、これからも紆余曲
折がありそうです。
(続く)
直後に東京港区で記者会見を開きます。
その提言で指摘された項目は、次のものでした(詳細は割愛)。
1.問題の原因として
①小保方女史の異例な採用経緯
②閉鎖的状況下での研究
③ずさんな管理
④調査に消極的
⑤ガバナンスの問題
2.改革への提言として
①厳しい処分
②CDB解体と新組織
③再現実験の強化
④不正への対応
⑤改革監視組織の設置
要するに、こういった事態を招いたCDBの組織としての構造的欠陥からCDBを解体すべ
きであり、幹部である竹市雅俊センター長と笹井芳樹副センター長の責任は重いとして、二
人を更迭すべきである、そして理研がSTAP論文(STAP細胞が存在するか否か)の徹底
調査を避けている(事実解明に関する積極性を欠き、責任の所在が明らかになることを恐れ
ている)として、コンプライアンスと研究担当の両理事も交代させるべきであると指弾した
のです。
STAP論文に次々と疑義が生じたにも係わらず、理研がとった対応は矮小化して幕引き
を急ごうとした。最初、アーティクルの6項目だけに絞って、その中の2点について捏造
と改ざんを認定しただけで終わらそうとした。その後、レターにも新たな疑義が生じたた
め、改革委が5月下旬に調査の継続を要請したが、理研は論文を撤回するからという理由で
調査を行わない方針を示した。
理研が進める検証実験についても、進め方が不適切(論文とは異なる方法で行おうとしてい
る)で、STAP細胞自体が捏造ではないかという疑問の答えられないものであると指摘し、
さらに、(現時点で判明している)不正を行った小保方女史には極めて厳しい処分を科す必
要があるが、期限を1年として、厳格な監視下で小保方女史自身に再現実験を行わせて、ST
AP細胞の有無をはっきりさせるべきである、と提言したのです。
理研がこの提言を受けて、再発防止策をまとめれば、その内容(文科省がチェック)如何に
よって、秋の臨時国会で「特定国立研究開発法人」に理研を指定する法案が提出されること
になり、法案成立で(当初の予定通り)来年度から望み通りの新法人になることができます。
(続く)
小保方女史の記者会見をフォローする形で、1週間後の16日に笹井CDB副センター長が
記者会見を開きます。
その背景として、
理研の特定国立研究開発法人への指定が関係しているようです。
政府が閣議決定する条件として、下村文部科学相は「第三者による再調査を理研が行った
うえで、新法人に指定できるか判断したい」として、4月中に組織の問題点を調べて報告
するよう求めていたのです。
どうしても指定を受けたい理研は、小保方女史の記者会見の翌日、10日午後、大学教授や
弁護士など外部有識者6人で作る「研究不正再発防止のための改革委員会」を開き、再発
防止策のとりまとめを急ぎます。
理研改革委は、理研が4日に設置した改革推進本部(本部長・野依良治理事長)の下に置
かれ、不正防止の課題や改善策をまとめる。これを受け推進本部が緊急に行う取り組み
を策定し、実施状況を確認する。
委員会に出席した野依理事長は報道陣に、小保方氏が8日に行った不服申し立てについて
「規定に従ってやっていく」と述べた。
なお、 理研改革委(委員長・岸輝雄東京大学名誉教授)は、研究不正を防ぐルール、
ルールを守るための運用体制、広報のあり方の3点を緊急課題とし、特に生命科学研究
の分野を念頭に置いた再発防止案を5月の連休明けまでに理研に提言し、公表する、と
しましが、以下に述べるように1月ほど遅れます。
註)改革委のメンバーは、岸氏の他に、委員長代理として間島進吾中央大学商学部教授、
委員として、市川家国信州大学医学部特任教授、塩見美喜子東京大学大学院理学系研究
科教授、竹岡八重子弁護士、中村征樹大阪大学全学教育推進機構准教授の6人。
もう間に合わないからとしてじっくり取り組んだと思えるのは、5月9日に理研を新法人
「特定国立研究開発法人」に指定する法案の今国会への提出が見送られたからです。(こ
のとばっちりでもう一つの候補「産業技術総合研究所」も先送りとなりました。)
幕間での雑談。
ヤジ:『舞妓はレディ』って映画をやってるけど観た?
キタ:ああ、観てきたよ。
ヤジ:なんか変なタイトルだよね。
キタ:観てみりゃ分かるけどね。『マイフェアレディ』って映画があったでしょ。それを
もじったものだと思えばいい。
ヤジ:昔観たよ。ヘップバーン演じる花売り娘イライザのコックニー(ロンドン訛)を直し、
礼儀作法を教えて、レディに仕立て上げるってストーリーだった。
確か、言語学者のヒギンズ教授がピカリング大佐と賭けをして、ヒギンズ教授が詩
や歌を使ってイライザの訛を矯正しようとするミュージカルだった。
キタ:『舞妓はレディ』では、津軽で育った野暮ったい娘春子が“あたいも舞妓になるごた
る”と京都の下八軒のお茶屋にやってくるところから始まる。
ヤジ:ちょっとまってよ、それ鹿児島弁でしょ。
キタ:そう、そこが周防正行監督がちょっとひねりを入れたとこ。西郷春子は鹿児島で生
まれたんだけど、両親が幼い時に事故で亡くなったため、父親方の祖父母のところ
に預けられて育つ。
ヤジ:そこが津軽ってわけか。祖母方春子って、誰かさんと音が似ているね。
キタ:雑ぜっ返すなよ。ま、周防監督自身も『Shall we ダンス?』(1996年)のときの草刈
民代(監督の奥方でもある)、渡辺えり子、竹中直人、徳井優三、田口浩正を使って、
中でも渡辺えり子(芸妓豆春役)と竹中直人(男衆役)にはそのときの(ラテンダンス
の)格好をさせて踊らせたりして雑ぜっ返しているけどね。
ヤジ:『それでもボクはやっていない』なんてね。で、その祖母方春子は誰が演じているの?
キタ:ちょっと騒動から離れなさいな。西郷春子は、新人の上白石萌音(かみしらいしもね)
という16歳の娘。800人ものオーディションの中から選ばれただけあって、演技力も
さることながら、歌も踊りも、中でも歌唱力が素晴らしいね。
ヤジ:ヘップバーンは、口パクだったけど、こちとらは本物ってわけか。
キタ:彼女だけじゃなく、ヒギンズ教授に相当する言語学者の京野法嗣役の長谷川博己も、ピ
カリング大佐に相当する呉服屋主人北野織吉役の岸部一徳も、そしてお茶屋の主人役
富司純子も、出演者は皆自分の声で歌う。
ヤジ:緋牡丹博徒のお竜さんだものね。♪娘盛りを渡世にかけて~
キタ:雑ぜっ返すんじゃないよ。
ヤジ:『シコふんじゃった』?
キタ:もうよしなさいって。周防監督はこの作品を20年以上も温めていたというより、眠ら
せていたんだって。“『シコふんじゃった』(1991年)で相撲という伝統の中にいる男
の子を描いた後に、次は伝統の中にいる女の子はどうだろう、と。そんな時に、京都
の花街が舞妓さん不足で困って成り手を募集しているニュースを見たんです。これだ!
と思い、すぐに取材を始めました”と語っているけど…。
ヤジ:なのに、どうして20年以上も掛かったんでー。
キタ:何もべらんめえにならなくてもいい。一見さんお断りの世界だからね。おいそれとは
いかなかった。お茶屋遊びにはそれ相応のマルが必要だからね。
ヤジ:マルってなんでー。
キタ:べらんめえはよしなさいって。円、つまりお金さーね。
ヤジ:なんでー、金か。おいら、口は出すけど金は出さない。これ家訓だし。
キタ:別にお前になんか誰も期待しちゃいないよ。
周防監督は“幸運にも、仕事と関係なく京都に誘ってくださる方が現れて、道筋が出
来たんです。素敵な芸妓さんや舞妓さんとも知り合えた。そうして知れば知るほど感
じたのは、僕にとって京都はファンタジー、夢の世界だということ。じゃあ、ファン
タジーとして描くには…と考えたらミュージカルしかないと思いました”と語ってい
るから、まさに「神は自ら助くる者を助く」だね。
ヤジ:おいらの髪の毛は、ちょっとやそっとの努力でも助からない。そのうち、後光が差す。
キタ:バカ云ってんじゃないよ。
ヤジ:♪お前と俺は~
中島哲也監督の『嫌われ松子の一生』に触発されたのかと思っていましたが、当該作品は
2006年制作ですし、ミュージカルと称するにはちょっと物足りない。
派手な衣装、髪形の芸妓や舞妓が乱舞したり、歌も賑やかなので、インドの「ムトゥ踊る
マハラジャ」(1995年)みたいな映画ですね。もっともストーリー自体は、『舞妓はレディ』
の方がはるかにきちんとしたものになっています。
“映画は、一度はお茶屋に断られたこの娘が、ひょんなことで舞妓修行をすることになり、
晴れて舞妓デビューするまでの一年間を、京のお茶屋文化や、伝統、しきたり等をさりげな
く盛り込みながら描いていくのだが、何より京言葉を切り口にしているのが斬新で、(中略)
特に舞妓ネタの今回は、耳まで心地良い。ナント、随所に俳優たちによる、ハイカラでモダ
ンな歌と踊りがあるのだ。(後略)”とは、映画評論家北川れい子氏の評。点数も85/100点
でした。
※舞妓百春役の田畑智子が、凛とした芸妓里春役の草刈民代と対照的で好かったですね。
30歳になろうとしているのに、芸妓になれない。なぜなら舞妓が一人もいなくなってしま
うから。そこでブログで舞妓のアレコレを紹介。これに釣られて、何のツテも無く、やっ
てくるのが西郷春子。
お茶屋「万寿楽」(ばんすらく)の主人も源氏名が千春というように、そこでは皆「春」が
付いているのですが、春子と名付けられた由縁もそれに関係していることが最後の方で分
かる仕掛けになっています。
「春」が絡むのなら、「万寿楽」では無く「万春楽」(ばんすらく)とすれば良いのにと思
っていたら、それだと「平安時代初期の踏歌(とうか。足を踏み鳴らして歌い舞う集団舞
踏)に用いた囃子詞、もしくはその歌曲全体を示す名」と云う意味の固有名詞があるので、
敢えて同じ音の別の漢字を当てたのでしょう。
主役に抜擢された上白石萌音は、2011年の第7回「東宝シンデレラ」で審査員特別賞を受賞
しているそうですから(そのときのグランプリは3つ年下の妹・上白石萌歌)、その実力は
折り紙つきだったのでしょう。未だあどけなさが素顔に残る小柄な女性ですが、舞妓の化
粧で顔を白塗りにすると、そのあどけなさが下ぶくれと垂れ目の面立ちにあることが分か
ります。
随分長い連載となっていますので、暫し休憩。
間奏として、その歌劇そのものより愛されるようになった間奏曲第1番
(第1、2幕の間で演奏)「マドンナの宝石」のように甘く切ない旋律
は、やがて訪れる悲劇を暗示していて、連載には相応しい楽曲ではあり
ますが、それどころか昔あった二流館での2、3本立ての映画の合間に
流れる流行歌ですら、ここでは流すことができません。
まさに空オケージョン。
で、「カラオケ」に繋げる、この牽強付会さ。
梅雨明け早々に我が棲家の近くで合同同期会(大一小幹事連)の打ち上げ
を行ったのですが、その2次会をやはり近所のカラオケ店で。
その企画をした当事者としては、下調べが必要と、初めて自らが進んで
カラオケ店に足を踏み入れたのです。それまでカラオケに誘われて3、4
回(3、4曲)くらいしか歌ったことが無いし、機器の扱いも他人まかせ
でどう操作すれば良いのかも全く分からなかったものですから。(勿論、
利用料金をも含めての調査でしたが。)
他人に合わせることが苦手な僕は、音符に合わせることだって当然苦手。
でも、風呂場では(湯気で喉が潤うし、狭いから反響して上手く聞こえる
ので)名調子で呻るのですが、それらがうろ覚えでしかなかったと思い知
らされたのがカラオケ。歌詞の間違いだけじゃなく、旋律・リズムが違っ
ていることに愕然!(ラジオやTVで聞く歌謡曲って、2番を端折るから、
とくにそこで躓く。)
それと、若い頃は余裕で出せていた高音部が出ない!
低音部はもともと難があったので、音域が随分狭くなってしまっている。
で、カラオケのそれぞれの曲の通常のキーでは、高音部のところで窒息し
そうになるものがいくつもあることが分かった。(50歳をちょっと出た
ときに「昭和枯れすすき」を歌ったときは失神寸前になった。)
で、キーを下げる操作をまず覚えた。
大体が1つくらい下げるのですが、3つまで下げないと駄目な歌も、現時
点での調査結果ですが、4曲もあることが判明した。
それと、曲によってはメロディーの途中で曖昧な(アレンジが効いている)
箇所があったりして、よほど歌い込んだ曲じゃないと、ついて行けない。
で、レコードがあればそれを、なければインターネットのYouTubeで、何度
も繰り返し聞いて、そしてYouTubeでそのカラオケを探して研究する。
また、ボリュームを高くしていると、微妙なメロディーのところが分から
ない場合もある。
で、音量を下げる操作を覚えた。
自分のかぼそい声もかろうじて聞き取れるようにもなったし。併せてエコー
でごまかす操作も覚えた。
曲名で探せない場合でも、歌手名から(そのリストの中にある場合がある)
探せることも分かった。
同じ店の中でも2種類以上のカラオケシステムを入れてあることも分かった。
カラオケシステムが異なると、その曲に使っている映像が違うということも
分かった。
で、気に入った映像の入ったカラオケシステムでない部屋に案内されたとき
は、士気に影響することも分かり、現在、どの部屋にどのシステムが入って
いるか探求中です。併せて、希望の部屋を指定できるのかどうかも、それと
なく、なんとなく、おずおずと尋ねてみようかと。でも相手が機械じゃない
だけに、その機会は永遠にやってこないかも知れませんが。
以上、カラオケの感想でした。
300人以上の報道陣が詰めかけて、そりゃ賑やかな会見だったけど、ま、失敗だったね。
結局のところ、彼女が嘘つきであるという足跡をベタベタ残してしまったわけだし。
小保方女史も、会見後の報道での世間の否定的な反応を見てビビっちゃったらしく、「私が
会見に出て、本当によかったのか」なんて、弱気なことを電話で三木弁護士に打ち明けたら
しい(4月10日夜のこと)。
会見の直前(3日、理研が論文の画像を捏造・改竄と認定した1日の2日後)、アラサー(28~
32歳)の働く女性100人(正社員)に小保方女史への好感度のアンケート調査をしています。
(「小保方晴子さんについての働く女性の意識調査」女子SPA!総研)
それによると、
・好感を持っている 6%
・どちらかといえば好感を持っている 30%
・どちらかといえば反感を持っている 47%
・反感を持っている 17%
と、3人に2人は反感を持っている結果がでました。
反感の理由として(複数回答可)以下のものが主に挙げられていました。
・言われているほど可愛くない 26%
・業績を上げたい組織に利用された 26%
・働く女性のイメージを下げた 22%
・「女子力」の演出がわざとらしい 21%
・周囲の男性に甘やかされすぎた 15%
・仕事に「女子力」を利用している 8%
・上昇志向が強すぎる 6%
中には、
・小保方さんに対して何の興味もない 15%
というものもありましたが、しっかり観察しているように思います。(好感を持っていると
答えたひとは、めげずに立ち直ってほしい 30%、バッシングされてかわいそう 21%とい
ったものが多かったようです。)
で、涙の会見がどう作用したのか、同様のアンケート調査を行った形跡は見当たらないので
何とも云えませんが、週刊新潮2014.5.1号の連載コラム「東京情報」(S・P・I特派員ヤン・デ
ンマン)に「女の涙、男の涙」と題する記事があって、以下に面白い箇所の抜粋を。
“女性の涙が一般に持て囃されるようになったのは、明治時代になってから。(中略)
小保方さんは、自分の涙の意味を理解していた。女はうまく泣くことができるのである。
すべての生物には攻撃抑制システムが備わっている。このシステムを発動すると、相手は
それ以上攻撃できなくなる。猫なら、しっぽをお腹側に丸め込んだり、股に挟んだりする。
犬ならペタっと床にへばりつく。
小保方さんが使った「女の涙」は、攻撃抑制のためのシグナルなのだ。
イスラエルのワイツマン基礎科学研究所のゲルシュタイン博士が、女性の涙を24人の男性に
嗅がせ、脳の働きに変化があるか実験を行ったところ、実に7割以上の人が、心拍数や呼吸が
落ち着き、男性ホルモンの一種である「テストステロン」の濃度が低下したという。
(後略)”
世のおじさん達は、彼女の涙にほだされたようで、擁護派が増えたとか。
真珠じゃないのよ涙は ハ
ダイヤと違うの涙は ハ
ララララララララララ~ フ・フ・フ ふふふ(^'^)
(続く)
「団塊の世代雑感(236-8)」に書いた小保方女史のコメント「絶対にこんな大掛かり
な捏造なんかできるはずがない。ただ大きな力が働いていることは間違いないんです」に対
して、
―大きな力というのはどういうことか。処分発表直後からこの1週間で心境の変化があった
のか(これは処分が下された直後の憤りが、この会見では一転して謝罪するなど神妙な態
度に変わったことから)。
「不服申し立ての際に行ったコメントは強い気持ちで書くようアドバイスをいただいた。
『大きな力』というのは論文発表以降、予期しないできごとがあまりにも次々起こり、
私の力では何一つできないような、本当に大きな力に翻弄された毎日を送っていたので、
そのような気持ちが出たと思います。記者さんに突然囲まれ、気持ちが動揺してしまい
ました」
そうだとしたら、随分と芝居がかっていたことになるよね。捏造であることは自分がすっか
り承知していること、なのに大袈裟に騒ぎ立てて、疑惑の目をそらそうとする。このときに
は弁護士も雇っていたし、入れ知恵が無かったとは言い切れないけど。いずれにせよ演技派
なんだよね、小保方女史は。
元気そうに受け答えしているから、このような質問も。
―この2カ月何をしていたのか、今の体調は一見大丈夫そうだが、どのような病状か。
「はい、えっとこの2カ月間はめまぐるしく日々が変わっていく状態でだんだん体調が悪
くなり…最初の頃はSTAPの作成方法を他の方に教えたり、実験活動もしていました
が、その後だんだん具合が悪くなり、最後の方は家で静養している状態でした。もう、
心身共に消耗しきってしまって、日常生活に支障が出るような状態でしたので。医師か
ら入院を検討するよういわれていたのですが、なかなかその判断できずどんどん具合が
悪くなり、入院することになりました」
ええええええっ、2日前に入院したのに、たった2泊して今日の2時間以上にも及ぶ会見が
できてしまう。どれほどの心身消耗状態だったのだろ。●~*
この後も二、三質問はあったけどカット。
そして、2時間半にも及んだ会見は終了した。
最後にこの後の会見の予定を聞かれて、三木弁護士は、
「今のところはございません。医者の反対に無理を言って出てきているので、小保方はこの
まま病院に戻ります」と飽く迄も悲劇のヒロインを装う。ホテルの別室には医師を待機させ
までして。
小保方女史、弁護士に促されて立ち上がり、改めて「申し訳ありませんでした」と一礼して、
肩を落とすような姿で会場を後にした。よっ、お・ぼ・か・た・屋~!
(続く)
一問一答は続く。
―ノート4~5冊を持っているということだが。
「いくつかの研究室を渡り歩いているので、それぞれ別の所に保管している」
このやり取りも分かり難い。実際は、次のもの。
―ノートを4、5冊と言っていたが、追加のノートはなぜ出さなかったのか。
「調査委員の人が資料を確認したときには、全てのノートを用意していなかった。残りの
ノートは別のところに保管しています。どこにどんな記載があるのか聞かれたことはな
く、(調査委員の人が)自身でノートを見て追跡できないと判断したのでは。もう少し
詳しく聞いてもらえれば説明できたと思う」
これも変。だってSTAP細胞を作製したことが書かれてある実験ノート(若山研での1年半
のもの)を提出するよう云われて2冊を差し出した筈。あとの実験ノートは関係ない。それを
確かめなかった調査委員が悪いとでも云いたげな、論点のすり替えをしている。
―再調査の場合、理研の規定では、同じ調査委が審査する。
「一度出た判決が、同じ方によって覆るのは難しいと考えている」
―STAP細胞による再生医療に期待した難病患者に対しての言葉は。
このやらせと思しき質問(「幸福の科学」機関誌の記者らしい)に対して、声が震え、言葉を
詰まらせながら、白いハンカチで目元をぬぐい、
「この先、研究者としての道があるなら、研究をできるだけ早く進めて、希望を持ってく
ださる方の思いに少しでも応えていけるような態度を示したい」
よっ、おぼかた屋~!
これも新聞ではカットされていましたが、週刊誌ネタ関係の質問が。
―週刊誌で上司と不適切な関係にあったと報道があったが。
「そのようなことはありませんし、このような報道が出て本当に戸惑っております」
―神戸市内のホテルに1年弱泊まっていたという報道もあったがそのお金は。理研の給料で
は考えられない生活ですよね。
「いえ、あの、そのホテルに限らないですけど私はホテルで生活を、といいますか滞在し
ていた頃はハーバード側の研究員でしたので出張での滞在です」
いち客員(無給)研究員にハーバードが金を出すだろうか?それに「ハーバード側の研究員」
と云うのも言葉の綾。小保方女史の2年間の留学、実際は短期間(4ヶ月)の語学留学。そ
れが、どういうわけかその後、2009年冬までバカンティ研究室の客員研究員となっているの
だけど、バカンティはハーバード大学の教授ではなくて、ハーバード大学医学大学院教授(ハ
ーバード大学の専門職大学院のひとつで、医師の養成学校)、かつブリガム&ウィメンズ病院
麻酔科医(医学博士では無い)。そこではセミナーを受講したり学生仲間と小旅行に出かける
等していたというから、要するに自費留学であった筈。つまり無給。
それなのに、2年間も神戸の高級ホテル「ポートピアホテル」に泊まっていたんだよ。ロング
ステイの割引でも1泊\7,000~\8,000だから、月に20万円以上の出費になる。いったいどこか
ら金がでているのだろ。実家から出ているのであれば問題ないけど、それならそう云う筈。
つまり、怪しい。ま、この金の出所がサタンの正体なんだろうけどね。
(続く)
―不正行為と見なされた点については、防ぐことは可能だったのか。
「自分のことをもっと謙虚に受け止めて、周りの人にデータの確認を頼んでいれば、
防ぐことができたのではないかと思っている」
これも本当はもっと言葉が多くて、
―少なくとも200回は成功したと主張しているが誰と実験し、一緒にSTAP細胞を見た
人はいるのか。そして、そもそも論文の投稿前に不備を防げなかったのか。
「私はいろいろな研究室にお邪魔しているので、研究室の周りの人たちは見ている。個人
名は出せないが、(STAP細胞を見た人は)かなりいらっしゃると思う。なぜ防げな
かったという点だが、私が自分のことをもっと謙虚に受け止めて、『確認してください』
と周囲に頼めば防げたと思っている」
―理研の中で、先輩から後輩に対してのアドバイスなど、日常会話の中でも改善の余地はな
かったのか。
「うーん。そうですね。とても難しい質問なんですが…」、暫く考えてから、
「すみません。ちょっと改善の余地はわからないです。申し訳ありません」
なのですが、周りからは腫れ物に触るような扱いを受けていたとでも云いたいのかしらん。
違うよね。少なくとも笹井氏からはあれこれと公私に亘ってアドバイスやら何やらを受けて
いたわけだし。だから難しい質問なんだけどね。
―(不服申し立てをしているが)理研に裏切られたという気持ちはないか。
「(しばらく考えて)そのような気持ちは持つべきではないと思っています」
これも新聞記事には無かったものだけど興味深い応答なので。
―最初からSTAP細胞の確信があったのか、間違いの不安はなかったのか。
「最初から確信があったわけではなく、STAPという現象があると最初に気付いたとき
には、どうやって証明していくかワクワクした気持ちを今でも覚えています」
ま、証明が不十分どころか、簡単に崩れる偽造、捏造で建造された楼閣だったことは、この
後、あれこれ解析されて分かっちゃうのだけど。
―別の人に再現実験を依頼したことはあったか。
「若山先生や学生さん、ハーバードでも研究員が一緒にやってくれた」
6月16日の若山教授による記者会見(後に詳述)で、彼は、CDBから山梨大に移る直前に
4~5回試してみたが、再現することは出来なかった。山梨大でも10数回やってみたが、
やはりダメだった。培地の問題かと思い、小保方女史から彼女が作った培地を送ってもらい
試してみたがやはりダメだった、と語っています。要するに、彼女の介添の無い場合には、
誰も彼も、一度も再現に成功した者はいないのです。
―共同研究者が別個にやったことはないのか。
「第三者にやっていただいたこともある」
―それは誰なのか。成功したのか。
「成功した。ちょっと個人名なので」
これらのやり取りは実際は次のようでした。
―小保方氏が携わらないというケースでは。
「そういう形でもやってもらったことはある。(公表するのは)個人名になってしまうの
で…。あまりにも公の場でありますので…」
―事実ならば(個人名を)出したほうがいいのでは。
「なるほど…」
拙いと思ったのでしょうね、すぐに三木弁護士が「ご意見としてお受けします」と打ち切る。
でも気になった小保方女史、14日に理研調査委へ提出した文書「4月9日の記者会見に関す
る補充説明」で、「理研も第三者の作製を認識している」としたのですが、すぐに理研広報
が、1月末の論文発表後に論文執筆チームとは別の研究員が作製実験をしたが、CDBの研究
員なので第三者による再現とは言えない、実験内容も3月5日の詳細プロトコルに沿った形で
事前に確かめるためのものだった、そして実験は全体の最初の部分(多分STAP現象と称
する発光現象のみと思える)だけで、STAP細胞の存在を証明できたわけではない、と切
り返したのです。
思わせぶりなやり取りも種を明かせばこの通り。
それにしても、この弁護士には真相を明らかにするなんて考えは豪も無いのですね。弁護士
バッチ(ひまわりの花=自由と正義、天秤=公平と平等、をデザイン)の意味するところを
はき違えているんじゃないかしらん。
(続く)
一問一答は続く。
―理研の調査についてどう思うか。
「もう少し弁明の機会を与えていただければと願った。途中から体調が思わしくな
く、十分な答えもできなかった」
読売新聞の記事では落とされていたが次のようなやり取りもあった。
―理研の調査報告では小保方氏が単独で不正をしたとされているが。笹井先生は関わって
いないのか。
「笹井先生はコントロールに使うサンプルの抽出の仕方ですとか、顕微鏡写真の素晴らし
いフレーミングといいますか、そのような実験の協力をしていただきました」
―不正には関わっていなかったのか
「はい、そうです」
あれもウソ、これもウソ。論文(それも不正だらけの)の執筆指導をしたのが笹井氏で
あることは今では明らかにされている。だからこそ笹井氏は悲惨な結果に至った。
ここまでで2時間経過。病人と感じさせることのない、時には笑顔も交えての応対。よっ、
おぼかた屋!
―どうすれば第三者が再現実験に成功するのか。
「細かなコツをクリアできれば必ず再現できる」
実際はここ、もっと細かな応答だったんだよね。
―今後、第三者が再現実験に成功すると思われるか。
「必ず第三者が再現実験に成功してくださると思っています。細かなコツをすべてクリア
できれば必ず再現できます。今はこのような状態になってしまって研究室にも行けてい
ないような状態ですが、できれば細かなコツも私が参加することで公表していけたらと
思っています」
3月5日に理研はSTAP細胞製作プロトコルをネットに公開した(「団塊の世代雑感(236
-17)」参照)のだけど、8月27日の理研による検証実験の中間報告で、その詳細手順(プ
ロトコル)を書いた丹羽プロジェクトリーダー自身が、小保方女史からそのコツとやらを聞い
たと明かしました。ただ、それは彼に理解できるような代物ではなかった。つまり、小保方
女史には自分以外のものに再現してもらうなんて意志は端からないということ。だから「私が
参加する」と。「見てもらえば分かる。でもそのコツとやらの種明かしはできませんよ」と。
だから当然、次のような質問もでる。
―詳細な作製手順を自身で説明していない。
「当時は論文の訂正作業を優先しなければならなかった。体調面の問題などあり、間に合
わなかった」
そんなに複雑怪奇なレシピ?いえいえ、種は秘密!(=^・^=)
この後も以下のような同様の質問が浴びせられた。
―世界中の科学者が追試に成功していない事実がある中で、詳細な手順を発信しなかったの
はなぜ。法的な手段をとる前に実験データを詳細に公表して、証明してもらうのが科学者
として願うことではないのか。
「手順を発表する前に、ネイチャーへの訂正原稿の用意や、外出もままならず、今日まで
間に合わなかっただけで、(これから)詳細な手順を発表するようにしていければと思
っています」
―世界中で実験が成功しなくては、誰かの役には立たない。今、手順を説明できないか。
「それは次の研究にも大きく関わるので。メカニズムの解明などと合わせて発表していけ
れば…」
―世界の研究者に対してのコメントは。
「問い合わせに答えていくようにするという姿勢はうかがっています」
最後の理研の所為にするという姿勢はさておいて、「団塊の世代雑感(236-36)」に
書いたように、小保方女史は、「いかに(細胞作製の)最適条件を示す論文を準備段階だっ
た」だけどそれは新たな研究が必要で「今回の騒動で(その)研究が止まって残念です」と
答えている。つまり、(次の研究として)あれこれ試行錯誤を繰り返してでないとレシピを
示すことができないと云っているようなもの。(「今回の論文は現象論の記述のみ」とも云
っているし。)
何だか分かんないけど、それらしい現象が200回も起きたから論文にしました~。(~_~;)
(続く)