京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『おとうと』

2010-02-03 | 邦画

 


□作品オフィシャルサイト 「
おとうと
□監督・脚本 山田洋次
□脚本 平松恵美子
□キャスト 吉永小百合、笑福亭鶴瓶、蒼井 優、加瀬 亮、小林稔侍、
       加藤治子、笹野高史、森本レオ

■鑑賞日 1月31日(日)
■劇場 TOHOシネマズ川崎
■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)

<感想>

 “芸のためなら姉貴も泣かす~ それがどうした文句があるか~♪”
 って、何だか鶴瓶が演じるとまさに浪花節なのだが 

 多少の時代錯誤はあるにしろ、日本における「家族」のあり方を訴求してきた
 
山田洋次監督らしく、そういう意味ではできの悪いあんちゃんであるフーテンの
 寅の弟ヴァージョンなのかなぁと思ってしまう。
 それは人物の描き方から、映画の撮り方一つ、従来の山田カラーであり、別に
 久しぶりに現代劇と騒ぐほどでもなく、
 ひとえに亡き「男はつらいよ」を偲び、それは監督自身へのオマージュとも思える。
 (ちなみに第60回ベルリン国際映画祭で特別功労賞にあたるベルリナーレ・
 カメラ賞受賞が決定

 蛾次郎なんてチョイで出すなら、最初から吉永小百合でなく、倍賞千恵子の方が
 単純に入り易い(笑) 加瀬 亮クンではなく吉岡秀隆の方が馴染み易い

 山田監督の描く家族像、家族愛にケチをつける気にはならないけれど、
 どうしても寅さんの家族像、家族愛を意識なしに持ち込んでしまうところは、
 むしろ現代劇でなく、時代劇に仕立てたほうがきっと感じ入り易いと思うのだが・・・。、
 この映画を客席で観るだろうと推測した高年齢層、或いは団塊の世代には確かに
 お涙頂戴を期待できるかもしれないが、映画に慣れた者にとっては、山田監督
 作品としてはやや不満が残るし、そこに大きな感動はない。
 会場も鼻をグズグズ言わしている人は居たものの、嗚咽するほどの人もいなかったし、
 エンドロールが流れ出したらみんな席を立ってしまっているし・・・。

 それに厳しいようだが、今回の吉永小百合さんの演技にいままでのキャリアを
 感じなかったことは、もしかしたらあの鶴瓶のコテコテのキャラクターが邪魔した
 ことによるものかもしれない。
 鶴瓶もなんとなく地でいっていた感じがするし(笑) 
 (そもそも師匠の松鶴に「お前なんか落語せんでええんじゃ」って言われていたから)
 あの中居クンとの部分はサービスカットだったのかなぁ(笑)
 それより加藤治子の一言二言が妙に効いていて笑えた(薬店だけに)
 最近の笹野高史さんの使い方には不満たっぷり
  
 それでも「鉄っちゃん、もう頑張らないでいいのよ」って話しかける石田ゆり子の
 言葉に、どんな人生を歩んで来ようとも、最後はこういう言葉をかけてくれる人が
 側に居て送られたいと、ついに涙ぐんだ次第で


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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちわ! (koyuko)
2010-02-03 10:41:06
封切初日に見に行きました。
山田監督の作品は好きですが、いつもほのぼの気分は山田カラーですね。
微苦笑や少々ホロリの気分はワンパターンの感じがしました。
返信する
Unknown (cyaz)
2010-02-03 12:32:20
koyukoさん、コメント、ありがとうございますm(__)m

>山田監督の作品は好きですが、いつもほのぼの気分は山田カラーですね。
たしかにそうですね~
ただ鶴瓶のキャラの濃さが逆にこの映画には不具合だったかも(笑)

>微苦笑や少々ホロリの気分はワンパターンの感じがしました。
多分、今後これ以上これ以下はないと思いますね^^
返信する
お優しいですね。 (rose_chocolat)
2010-02-03 13:52:00
厳しいコメントだなあと思いましたが、★がいっぱいありますね(笑
ほろりと来ちゃいました?

設定は現在なのに、何故かいろんな場面が50年前に見えて仕方なかったです。。
返信する
要オブラート~ (cyaz)
2010-02-03 17:27:27
rose_chocolatさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>厳しいコメントだなあと思いましたが、★がいっぱいありますね(笑
やっぱ厳しいですかね(笑)?
もう少しオブラートに包んで・・・かな(笑)

>ほろりと来ちゃいました?
送られるときに^^

>設定は現在なのに、何故かいろんな場面が50年前に見えて仕方なかったです。。
それは山田色なのだからでしょうかで(笑)
返信する
未見でツッコミ~。 (Ageha)
2010-02-03 23:44:38
こじつけで幸田文のおとうとが入荷したり注文があったりしますが、内容が違うようで、過去に映画化された「おとうと」とも違うみたいですね。
映画のきっかけになった本が「大いなる看取り」という話なんで
映画のメインはラストの方のホスピスの話のハズです。


寅さんそのものに触手が動かないんでなんともいえないんですが
あれだけシリーズ化したらキャスティングもなんとなくこの人よりこっちとかあるかもね…。

最近、
笹野さんをうまく生かせない監督多いね。(わわわわわ)
返信する
TBありがとうございました (sakurai)
2010-02-04 11:38:01
良くも悪くも、とにかく山田洋次でしたね。
時代錯誤もありましたが、見せちゃうのはやはり職人の監督だなと思います。
倍賞さんで、吉岡君の方が、ぴったりマッチかと思いますが、それでは新しい客層は広がらないかも・・です。
返信する
ん、未見で~ (cyaz)
2010-02-04 12:26:24
Agehaさん、未見なのにコメント、ありがとうございますm(__)m

>過去に映画化された「おとうと」とも違うみたいですね。
市川昆監督の奴ですな~
一応最後に捧ぐとありましたが^^

>映画のきっかけになった本が「大いなる看取り」という話なんで映画のメインはラストの方のホスピスの話のハズです。
そのとおりですよん^^
そこの部分の方が中身が濃かったですね(笑)
返信する
偏った~ (cyaz)
2010-02-04 12:28:47
sakuraiさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>良くも悪くも、とにかく山田洋次でしたね。
そのようですね(笑)

>時代錯誤もありましたが、見せちゃうのはやはり職人の監督だなと思います。
多少偏った職人ではありますが(笑)

>倍賞さんで、吉岡君の方が、ぴったりマッチかと思いますが、それでは新しい客層は広がらないかも・・です。
山田監督に新しい客層はなかなか無理かも(笑)
増え行く老人と手に手を取って・・・ですね~
ちなみに昨日『母べえ』観ました(汗)
返信する
おひさです~ (ぷちてん)
2010-02-04 19:33:59
TBありがとうございます^^)
今回なんだか、深みを感じることなく見終わってしまいました。
あ、「看取り」に関してはいろいろ考えましたけど。

吉永小百合さんってあんなに演技が…でしたっけ?
泣き崩れるシーンもふ~んという感じで見てしまって・・・
そんなに吉永さんの演技を見ているわけではないけれどもあまりに決まりきっていて意外性がなくつまらないですよん。
そういう事で言えば鶴瓶さんも鶴瓶さんだった。
もっと役者としての鶴瓶さんを期待したんだけど。
という事で、あまり心に残りませんでしたよ~。
返信する
地~ (cyaz)
2010-02-04 21:16:47
ぷちてんさん、TB&コメントありがとうございますm(__)m

>今回なんだか、深みを感じることなく見終わってしまいました。
同じ感想のようですね(笑)

>吉永小百合さんってあんなに演技が…でしたっけ? 泣き崩れるシーンもふ~んという感じで見てしまって・・・
実は昨夜『母べえ』を観たんですが、やはり同様なことを僕も感じました。

>そういう事で言えば鶴瓶さんも鶴瓶さんだった。もっと役者としての鶴瓶さんを期待したんだけど。
同じですね^^
鶴瓶は演技でなく“地”ですから(笑)?!
返信する

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