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CTNRX的文學試行錯誤 ♯013ーA

2023-07-22 21:00:00 | 出来事/備忘録

 『家畜人ヤプー』という作品を御存知だろうか。

 私が初めて手に取ったのは、劇画の方だった。

 あの頃、好きな漫画家のひとりだった、石ノ森章太郎氏の名前が載っていたので、つい、手に取ってみた。
 内容が見れなかったので、ネームヴァリュー買ってしまった。

 帰路に着き、早速開封。

 第一印象としては、
   「おどろおどろしい」という印象。

(劇画 家畜人ヤプー 復刻版)

 石ノ森章太郎作品も「こう言う種の作品、描くんだ?」と思ったりした。

 途中で読むのをやめた。

 『家畜人ヤプー』
(かちくじんヤプー)とは、

 1956年から『奇譚クラブ』に連載され、その後断続的に多誌に発表された沼正三の長編SF・SM小説。

 なお、本作品はマゾヒズムや汚物愛好、人体改造を含むグロテスクな描写を含む。

 《連載から出版》

 『奇譚クラブ』連載時から当時の文学者・知識人の間で話題となっていた。
 そのきっかけは三島由紀夫がこの作品に興味を示し、多くの人々に紹介したことによる。
 三島のみならず澁澤龍彦、寺山修司らの評価もあり、文学界では知名度の高い作品となった。
 『奇譚クラブ』誌上での連載を終えて、誌上の都合で掲載できなかった部分などの作者による加筆の後、都市出版社により単行本が出版され、
 この際、右翼団体が出版妨害を行い、1名逮捕・2名指名手配という事件にまで発展した。
 『奇譚クラブ』1956年12月号〜1958年4月号までの連載では打ち切りという事情もあり物語は完結せず、都市出版社版、角川文庫版、スコラ版、太田出版版、幻冬舎アウトロー文庫版と補正加筆が行われながら版が重ねられ、完結に至る。
 このような事情から版により内容に食い違いが存在する。

 《ストーリー概要》

 婚約中のカップルである日本人青年留学生麟一郎とドイツ人女性クララは、ドイツの山中で未来帝国EHS人ポーリーンが乗ったタイムマシンの墜落事故に巻き込まれたことから、未来帝国EHS(The Empire of Hundred Suns イース = 百太陽帝国、またの名を大英宇宙帝国)へといざなわれる。
 白人女性で元貴族の生まれであるクララは、EHSの貴族たちに同胞として迎えられる。
 恋人である麟一郎を救うためにEHSへの渡航を承諾した彼女だったが、セッチンを使い、ソーマを飲み、小伶人達による音楽や矮人決闘を愉しむうち、当初は否定していたヤプーの存在、またヤプーと日本人が同一の存在であることを認めざるを得なくなっていく。
 ジャンセン家の別荘に到着するころには、既に彼女は麟一郎をヤプーとして拒み、その恋心をウィリアムへと移していた。 一方、「クララが捕獲したヤプー」とみなされた麟一郎は、家畜が受けるべき処置として身体改造を受け、クララには現代地球への帰還を拒まれて絶望し、無理心中を図るが失敗する。
 こうして恋人としての二人の仲は完全に破綻したが、クララは「立場がどんなに違っても二人は離れない」と誓った言葉を忘れてはおらず、麟一郎はクララを救いの女神として心の支えにするようになる。
 クララはポーリーンやアンナ・テラスに導かれ、EHSの貴婦人としてふさわしい教育を受け、ヤプーの扱い方やその主人としての心構えを学ぶ。そして麟一郎はヤプーとして、またクララの従畜として徹底的に洗脳され、やがて自らその立場を受け入れるに至る。
 地球を発ってからその間、わずか3日であった。

 ▼未来帝国EHS

 未来帝国EHS(The Empire of Hundred Suns イース = 百太陽帝国、またの名を大英宇宙帝国)は、白色人種(特にアングロ・サクソン系のイギリス人)の「人間」を頂点とし、白人に隷属する黒色人種の半人間「黒奴」と、旧日本人の家畜「ヤプー」(日本人以外の黄色人種は核兵器と細菌兵器によりほぼ絶滅している)の3色によって構成される、厳然たる差別の帝国である。
 ヤプーに対しては、EHSの支配機構は抵抗するものを屈服させるのではなく、あらかじめ白人を神として崇拝させ「奉仕する喜び」を教えこみ、喜びのうちに服従させるしくみである。黒奴に対しては、巧妙な支配機構により大規模な抵抗運動は行えないようになっており、小規模の散発的抵抗がまれにあるだけである。
 ささいな過失などでも死刑に処されるなど酷使されるため、黒奴の寿命は30年ほどで、白人の200年より短い。
 EHSは「女権革命」以降、女が男を支配し、男女の役割が逆転した女権主義の帝国である。
 EHSの帝位は女系の女子により引き継がれ、平民でも結婚すると男性が女性の家に入り、その姓を名乗る。
 男性は私有財産を持つことすら禁止され、政治や軍事は女性のすることで、男性は化粧に何時間も費やし、学問や芸術に携わる。SEXにおいても、騎乗位が正常位とされるほど女性上位が徹底している。
 そして、家畜である日本人「ヤプー」たちは家畜であるがゆえに、品種改良のための近親交配や、肉体改造などを受けており、「ヤプー」は知性ある動物・家畜として飼育され、肉便器「セッチン」など様々な用途の道具(生体家具)や畜人馬などの家畜、その他数限りない方法により、食用から愛玩動物に至るまで便利に用いられている。
 白人女性の出産も、受精卵の移植によって子宮畜(ヤプム)が代行する。
 さらに、日本民族が元々EHS貴族であるアンナ・テラスにより、タイムマシンの利用によって日本列島に放たれた「ヤプー」の末裔であること、日本神話の家畜人ヤプーの世界における物語を暴露し、これに基づく日本の各種古典の解釈が行われる。

 ■主な登場人物 Ⅰ

 《主人公格》

 ▼瀬部麟一郎(せべ りんいちろう)  

 柔道五段の達人であり、学業でも優秀な成績を収める法学専攻の学生。父親が国語教師であるため和漢の古典にも詳しい。ドイツ留学中に、クララに絡んでいた与太者を得意の柔道技で退治したことがきっかけで、彼女と恋仲になった。
 未来世界からの円盤(タイムマシン)が墜落した時、たまたま水浴中であった彼は、UFO(ポーリーンの乗るタイムマシン)の墜落事故を目の当たりにしたクララが上げた悲鳴を聞きつけ、彼女を案じて裸で飛び出したため、そのまま事態にあたることになった。
 しかしそれが災いして、人に似た裸の存在=ヤプー、と刷り込まれていたポーリーンの猟犬ニューマ(ネアンデルタールハウンドというヤプー)にヤプーと誤認され、その毒の牙により全身麻痺状態に陥ってしまう。
 その治療の名目でクララとともにEHSに向かうが、EHSの貴族社会に受け入れられていくクララに対し、彼はヤプーとして扱われ、皮膚強化や去勢(完全去勢)などの改造・調教を受け、クララの家畜として仕立て上げられていく。
 ついにはクララの犬となる心境に達し、クララの便器となる覚悟を持つに至る。
 地球での3年間に相当するEHSでの3日間を経て、凄まじい苦痛と苦悩、葛藤の末に、自らクララに「無条件降伏」する。
 元の体に戻り、記憶を消して地球へ帰還するよりも、ヤプーとして彼女に仕えることを望む境地に到達した。
 語りきれない未来の出来事として、後のEHS内乱での星間戦争における柔道の技を活かした大活躍や、意識転移装置の使用により様々な形でコトウィック夫妻に弄ばれることなどが明かされている。

 ▼クララ・フォン・コトヴィッツ

 麟一郎の恋人で、ドイツの元伯爵家の令嬢。
 その美貌と才気で「大学の女王」と呼ばれる存在。
 麟一郎の麻痺を治療するため、彼に付き添ってEHSに渡航する。
 両親を第二次世界大戦の混乱で失い、姉レナーテとも生き別れとなって天涯孤独の身である。
 麟一郎とは婚約中だが、結婚までは互いに身を慎もうと誓い合い、肉体関係は持っていなかった。
 ポーリーンの入れ知恵で、”タイムマシンの故障により20世紀ドイツに漂着し、記憶喪失となったEHS貴族の遭難者”を装う。
 そのためポーリーンの親族たちから、気の毒な境遇にある同胞として最上級の扱いを受けることとなる。
 日本人がヤプーとされ、徹底して「生きた器物」として扱われるEHSの生活文化に触れる中で、ヤプーの存在を認めざるを得なくなる。
 またソーマの影響も手伝って、次第に白人にしか同朋意識を感じなくなり、麟一郎の男らしさに惹かれていた心も次第に変化していった。
 やがて第三次世界大戦後の歴史を知り、ついには麟一郎をヤプーと認め、「リン」と呼び犬のように連れまわすことに何の疑いも持たなくなる。
 イース世界に入ってほどなくウィリアムと恋仲となり、婚約。姓名を英語(EHSの公用語)風に「クララ・コトウィック」と改め、ジャンセン家とアンナ・テラスのバックアップを受けてEHS社交界にデビューする。
 語りきれない未来の出来事として、女王に謁見して帰化を許され、EHS貴族コトウィック伯爵となること、後にEHSの内戦をうまく立ち回り、枢密院顧問・帝国宰相となることが明かされている。
 彼女の尿は王室に献上されて、黒奴酒の銘酒「コトブキ」となる。
 また、余談として、彼女が女王から与えられた特別休暇として古代日本を訪問し、その折の逸話が「竹取物語」となる(つまり彼女こそがかぐや姫である)ことが記されている。

 《ジャンセン侯爵家》

 ▼ポーリーン・ジャンセン

 EHSから現代(作品世界では1960年代のドイツ)にやってきた美女。
 ミス・ユニバースに選ばれた履歴を持つ、魅惑的な美貌と肢体の持ち主。
 大貴族ジャンセン侯爵家の嗣女で、EHSの首都星カルーを含むシリウス圏の検事長という要職にある。
 クララに命を救われたため、その返礼として完成したばかりの別荘へ招待した。
 その直後に墜落した場所が20世紀のドイツであること、クララがEHS人ではないことに気がついて驚愕するが、礼儀として彼女に未来人である自分の正体を明かし、EHSの存在を語った。
 自身の航時法違反の隠滅、またクララの麟一郎への思いを見かねて治療しようと、麟一郎の麻痺治療を名目に麟一郎とクララをEHSに導く。
 EHS世界でのクララの保護役であり、彼女を食客として遇し、様々な援助を行う。 後に貴族院最高法院の裁判長に就任して「第二のエンマ・ダイオン」と呼ばれるようになる事が作中で語られている。

 ▼ドリス・ジャンセン

 ポーリーンの種違いの妹。
 スポーツ万能で、現代で言うボーイッシュな雰囲気の美少女。
 同じ年頃であるクララと意気投合する。
 実父は平民の男妾であり、婚外子ということで姉ポーリーンのように政治等での活躍を望めない分、スポーツに情熱を注いでいる。
 アベルデーンのポロ・クラブ主将で、後に星間オリンピックで金メダルを獲得する。
 さらに準男爵の爵位を得て、貴族院に議席を持つことになる。麟一郎の戦闘力に着目し、クララとの取引で去勢処理後の精巣を入手、彼の妹を現代日本から誘拐して交配による繁殖を行う計画を立てる。

 ▼セシル・ドレイパア

 ポーリーンの兄で、現在は妻メアリ・ドレイパアの忠実な主夫。
 女にしても見たいようなと形容される美男。家畜文化史の専門家。
 クララに対してはシャペロン気取りで、ヤプーに対する知識やイースの風習など、何かと長口舌を振るいがち。
 麟一郎が去勢されるはめになった元凶である。
 ヤプーの生態や文化について、読者が理解するための解説者的役割を持つキャラクター。

 ▼ウィリアム・ドレイパア

 セシルの妻の弟で、個性的な美男子。
 クララに恋心を抱く。
 男なのにレースに参加するような、EHS世界では異端の「おてんば」青年。   
 ソーマ好きで毎日5回は飲む。
 いち早くクララの正体に気付き、20世紀人である彼女の淑やかさに惹かれて愛情を告白する。
 EHSでの物語におけるクララの案内役となり、黒奴やヤプーに対する扱い方を手ほどきしていく。
 後にクララと結婚、ウィリアム・コトウィックとなる。
 麟一郎はウィリアムがプキー用の衣装に着替えたとき、彼が建御雷神なのだと感じ取っている。

 ▼アデライン・ジャンセン

 ポーリーンらの母で侯爵、帝国副宰相の要職にあり、EHS政界の文治開明派(ホイッグ)のリーダーである。
 美貌で知られる上流婦人であり、若い頃には星間オリンピックで金メダルを獲得している。

 ▼ロバート・ジャンセン

 ポーリーンの夫[12]。EHS男性らしい慎ましい性格の持ち主で、セミプロの絵描きである。
 ポーリーンが地球に外出中なので、貞操帯を付けられている。

 ▼メアリ・ドレイパア

 セシルの妻で、帝国中央軍騎兵科少佐。
 中央軍司令官であるジャーゲン公爵の参謀を務めている。
 政界の二大派閥のリーダーである義母のジャンセン侯爵と、上司のジャーゲン公爵の間で難しい立場にある。

 《EHS貴族》

 ▼アンナ・テラス(オヒルマン公爵)

 前地球都督で、EHS一の美女。天照大神の正体という設定(西王母やイシュタルでもある)。
 人間の寿命が200歳となっているEHSにおいて、作中で”老貴婦人”と表現される年齢だが、30代の若さと美しさを保っている。
 地球上に浮遊している天空島タカマラハンに住む。スーザンという妹がいるが、古代日本で行方不明になっている。ポーリーンの母、アデライン・ジャンセン侯爵の友人。
 邪蛮から子宮畜を供給する「フジヤマ飼育所」は彼女の管理下にあり、ポーリーン一行は次女出産に際し、より質の良い子宮畜を得ようと、彼女の下を訪れた。
 ポーリーンらジャンセン姉妹のことは子供の頃から知っている。 和魂と荒魂を併せ持つ、カリスマ性に溢れた人物。光り輝く美貌の持ち主。
 ポーリーンに同行したクララに対し、すぐに「EHSに入りたての旧時代人で、供のヤプー(麟一郎)とも普通の関係ではない」と見抜いてショックを与えるなど、聡明で眼力に優れる。
 さらに、クララが持つ20世紀的な心理を克服するべきだとして、クララに司馬遷の去勢したペニスから作成した「珍棒」(チンボー・仮男根)を贈り、それを装着して麟一郎の肛門を犯すようアドバイスした。
 また、クララとウィリアムの婚約発表に際してはその証言者となり、宴会の余興で勝ち取った賞金を、二人への祝い金として贈るなど、保護者的に振る舞う。 ヤプー宗教の根幹となる思想「慈畜主義」を提唱し、ヤプー宗教の正教である「白神信仰」の創始者であり、ヤプーに対して人間に「奉仕することの喜び」を教え、労働の苦痛が奉仕の喜びになる思想を流布した。
 ヤプーに奉仕対象部位のみを信仰させる「みほとけ信仰」の創始者である、現地球都督ジャーゲン卿と対立することになる。

 ▼スーザン

 アンナ・テラスの妹。
 彼女の思い出を綴った、姉アンナの著作により、EHSでは「スザノ」の名で知られている。
 かつて姉とヤプーの管理方法について意見が対立し、勝負を挑むが敗北、古代日本へ傷心旅行に出る。
 古代日本世界の探検を続けるなかで、現地ヤプー族にあがめられ、日本諸島を侵略してヤプー族を困らせていたオロチョン族の八武将を討伐。
 さらに満州方面にあるオロチョン族の本拠に攻め入り、酋長のモロク・モンを討ち取る。その際にモロク・モンのペニスで鞭を作成して、姉に献上するよう仕えていたヤプーに託した。
 しかし、その直後に連絡が取れなくなり、以降、行方不明のままとなっている。

 ジャーゲン卿(セオドラ・ジャーニンガム公爵)

 現地球都督であり、帝国中央軍司令官の大将、威風堂々とした雌々しい(旧世界における「雄々しい」の意味)女性で、カイゼル髭をチャームポイントとしている。
 道教における仙女の上元夫人でもある。EHS政界の軍治保守派(トーリー)のリーダーとして、立場的にジャンセン侯爵とはライバル関係にある。また、ヤプー宗教の「みほとけ信仰」の創始者として、宗教的にはアンナ・テラスのライバルでもある。
 後にこの人物がクララのEHS入国の秘密を嗅ぎ付けたことから、EHSの内乱が勃発することが明かされている。

 ▼チャールズ・マック

 ジャンセン家の隣人であるアグネス・マック公爵の一人息子。
 少女のように見える美少年。まだ若いが美術に造詣が深く、その道ではポーリーンの夫ロバートの兄弟子にあたる。
 ポーリーンに乞われ、彼女がロバート作の生体彫刻に加えた飾りつけに対して、厳しい添削指導を行う。
 麟一郎が受けることとなる尿洗礼の儀式について「ヤプーごときのために人間の小便を使うのは勿体ないのではないか?」と鋭い疑問を投げかける。

 ▼プリンス・オットー

 乙姫として知られている皇子(女装をしていたため「姫」と間違われた)プリンス・オットーには同性愛の性癖があり、しかも女装をして旧時代の女性のように、男性に荒々しく犯されたいという願望を持っていた。
 自身の領星の水中に竜宮城を建設し、亀形ボートで平民男性を拉致しては同性愛の相手をさせていた。
 そのように拉致された平民の一人がウラジミール(浦島太郎)であった。
 オットーはウラジミールとの手切れの際、彼に若返り用の「時間煙草(タイム・タバコ)」を渡したのだが、ウラジミールは使用法を間違えて老人になってしまった。
 恨みに思ったウラジミールはこの件を暴露して、帝国を揺るがす一大スキャンダルとなった。
 プリンス・オットーは激怒した母王により王室から追放された。

     〔ウィキペディアより引用〕




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