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落語読本 らくごの一文 [落語]『地獄八景亡者戯』 桂 米朝 [Text]⑶

2023-08-19 21:00:00 | 出来事/備忘録

 ❖ 地獄八景亡者戯 ⑶ ❖
        桂 米朝

 
 ダダダダ、ダダダダ~ッ……、腕章を巻いた鬼の整理員がぎょ~さんおりましてな、

 ★おぉ、そぉ勝手に入ってはいかん、勝手に入ってわ。
 四列に並べ、四列に 並べ。
 男はこっち、女はこっち、四列に並んで行くんじゃ。
 男はこっち、女 はこっち、おいそこ、女はこっちじゃ……。
 お前、男か? この頃、男や女 や分からんやつが増えたなぁ……、静粛に来いよ、静粛に来いよ! ゾロゾロゾロゾロ通って、奥へ奥へ、閻魔の庁の奥へ近付いてまいります と、おのずからなる威厳に打たれるとみえて、みんなが黙ぁ~ってしまいます。
 と、遠ぉ~くのほぉから罪人を責める音がかすか~に聞こえてまいりま す。 ピシ~ッ、ピシッ……、キラキラキラキラ光っておりますのが浄玻璃(じ ょ~はり)の鏡、見る目かぐ鼻、善悪の首。
 血の付いたノコギリやら舌を引 き抜く釘抜きやとか、罪の重さを調べるハカリてなもんが置いてあったり、 紙の橋、見ただけでもゾッとするよぉな責め道具が並んどぉります。
 一同がピタ~ッと静まる。そこへ閻魔はんが出てまいります。
 値打ち(ね ぐち)を持たしたもんですなぁ。
 王といぅマークの付いた冠をかぶりまして、 身には道服(とぉふく)といぅやつをまといます。
 手に笏(しゃく)といぅやつを持って、この胸のところへ突っ張っとりますなぁ…… カ~ッと口を開いたとこ、今日はひとつ閻魔はんの顔ちゅうやつを見てい ただきますが……「閻魔の出御(しゅつぎょ)下におろぉ~ッ……」これやると、しばらく顔がもと戻らんよぉなります。

 ◆いかに赤鬼(歌舞伎口調で)

 ★はは~っ

 ◆亡者召し連れましたか?

 ★お目の 前に控えさせましてござります。

 ◆本日の亡者、その数いかほどなるぞ?

 ★その数は、え~っ、モジャモジャとまいっております。

 ◆帳面をこれへ持て、あぁ それは三途川水揚帳じゃ、そぉではない死人出入帳のほぉを持ってまいれ。

 ◆なるほど……、ん~ん、本日の亡者、男はこれだけ、女はこれだけ。なる ほど、なるほど……、おいおい、この注受けとあるのは何じゃ、八百六号注 受けといぅのは?

 ★そら死に掛けましてんけど、注射でもっとりまんのん。
 それで注受け。

 ◆火の車持って迎えに行ってこい、ややこしぃ★火の車、ガス 会社へ貸したままなっとりますねん◆あれまだ返さんのか? 早よ行って取 り返えせ、火の車要るんやったら噺家の家行けちゅうて、よぉ~さん回って るさかいなぁ。

 ◆こりゃこりゃ、この千二十八号は腎抜けとなってあるが、これは何じゃ?

 ★え~、本人は死んだんでやすけど、腎臓だけが移植されてまだ生きとりま すのんで。

 ◆世の中が進むと帳面が段々ややこしなるなぁこれ……、えらいこ となってきたなぁ。よいよい、相分かった。

 ◆いかに亡者よく承れ、これより厳しく罪の次第を問いただし、地獄・極楽 の送り先を決めるべきはずのところなれど、本日は先代閻魔の一千年忌に当たるゆえをもって、格別の憐憫を持ってみな極楽へ通しつかわすぞ。
 あとか ら名前を呼ぶ者だけは残れ。

 ●もぉし、えらい閻魔はん今日は一千年忌やて、そんなことおまんのか。
 えらい楽でんなぁ、お調べも▲分かってまんねん。
 選挙が近い。

 ●やっぱり、選挙が?

 ▲あぁ、この頃は選挙やねん。
 今度の閻魔はんも段々評判悪なってん ねん。
 はじめはちょっと評判良かったんやけどな、もぉこの頃、突き上げられて突き上げられて「頼んない、頼んない」言われてんねん。
 行政改革は一 つも進まへんし、会計のほぉは大赤字が続いて、また「獄債」ちゅうやつが 百兆になるやなんやいぅて、閻魔はんもここらで何とかやっとかんことには なぁ、値打ちないんや。

 ●値打ちがない?

 ▲はぁ、もぉ馬鹿にされてまんねん。  
 こないだもあんた、 この閻魔はんの寝間へ男が入って来て「タバコを一本くれ」てなこと言われて……

 ●ほなこれ、人気取りで極楽へ?

 ▲はぁ、もぉそんなことやりよりまんねん。

 ●えぇとき来たなぁ、こらありがたいなぁ。

 ◆あぁ~ッ、私語をしてはならんぞ。
 今から名前を呼ぶ者はこれへ出ませ。
 この中に医者の山井養仙(やまいよぉせん)はおらぬか、山井養仙といぅ医者 はおらぬか? あぁお前か出て来い、それへ座れ……。
 山伏の螺尾福海(ほらおふっかい)といぅのは誰じゃ、この中で? あぁお前か、前へ出て来い。
 それから、歯抜き師の松井泉水(まついせんすい)といぅのは誰じゃ? お前か、それへ。
 それから、軽業師の和屋竹の野良一(わやたけののらいち)といぅのは誰じゃ? お前か出て来い……。
 四人の者はそれへ残れ。
 「ほかの者はみな、極楽へ通ってよろしぃ!」「わぁ~~ッ」

 ●もし、何でわたしらだけ残されましたんやろなぁ?

 ▲心配なことはないと思いまっせ。

 ●そぉかい。

 ▲はぁ、あんなもん大丈夫や。
 見てみぃ機嫌よろしぃ がな「お前ら面白そぉなやっちゃ、これから一杯呑みに行こか」

 ●そんなア ホなこと……、閻魔はん戻って来た、お辞儀せぇお辞儀せぇ。

 ◆あぁ医者の山井養仙、面上げぇ。
 そのほぉは未熟なる医術を用い、助かる 病人まで多数殺してしもぉた。
 また、健康保険不正受給や脱税行為を繰り返 した咎(とが)により、お前は地獄へ落としてやる、よいか。

 ◆山伏の螺尾福海、お前は加持祈祷をするなんぞと称して、怪しげなる詐術 を行い、金銀をむさぼり取ったる段、咎軽からず。
 お前も極楽へ通すわけに はいかん。

  ◆歯抜き師の松井泉水、お前は居合い抜きをしたり独楽を回したりして人を 集め、ちょっとも効かぬ歯痛の薬とか、虫歯を抜いてやると言ぅて、丈夫な 歯まで抜いて金銀をむさぼった。
 その咎軽からず、お前も地獄へ落としてや る。

 ◆あぁ軽業師の和屋竹の野良一、お前は諸人の頭の上にて、ハラハラする業 を演じて、見る者の寿命を縮めたる段、咎軽からず。

 ■そんなアホなこと言ぃなはんな、わたい商売でんがな。

 ◆黙れ! それ、鬼ども、この者どもを熱湯 の釜へたたき込めッ★はは~ッ……。さぁ、この中へ入れ~ッ!

 ●わ~ッ、これが熱湯の釜でやすか。
 見てみなはれ恐ろしぃなぁもし、湯玉 がチリチリィ、チリチリィちゅうて走ってまっせ。
 こんなとこへ足入れたら ジュ~ッちゅうて溶けてしまうがな。
 どぉしたら……

 ★さぁ、入れッ!

  ●ちょっと待ちなはれ、大きなフォークみたいなんでケツ突いてまっしゃな いか鬼が……。入れるかいな▲待て待てまて、ここはわしに任し。

 ●あんた何や?

 ▲わしゃ、山伏や。そら悪いこともしたけどなぁ、これでもお山に。

 篭ってちゃ~んと修行してきた。
 ここでわしが水の印といぅのを結んだら、こん なもん日向水になってまうねん。

 ●ホンマか?

 ▲大丈夫、ちょっと待ってなはれや……、チチンプイプイ、チ チンプイプイ、ん~~んッ、エイッ! もぉ大丈夫や手ぇつけてみ。

 ●もぉえぇか? まだ熱つそぉな。

 ▲大丈夫や、手ぇつけてみ。

 ●ホンに、こら入り加減やでおい。
 入れ言わんかて入るわいな。
 あぁありがたいなぁ、いやわしゃなぁ ひと風呂浴びたかったんや。

 ●うちの嬶(かか)ズボラなやつでなぁ、湯灌(ゆかん)もせんと棺桶へ放り込 みやがってな、どっかで浴びたかったんや。
 こらえぇ具合やなぁおい、ちょっ と鬼さん、ちょっと石鹸頼むわ「気持ちんよか♪」

 ★あんなこと言ぅとぉるで、おい……

 ★閻魔大王に申し上げます。

 ◆何といたした?

 ★あの亡者連中、熱湯の釜へ放 り込んだところが、山伏が水の印とかいぅやつを結んだら日向水になってしもて、みな風呂へ入ったよぉな気になってまっせ。

 ◆けしからん亡者め、熱湯 の釜より引きずり出し、針の山へ放り上げぇ★ははぁ~ッ……

 ★さッ、今度はこの山へ登れ。

 ●うわぁ、これ針の山やがな。
 見てみなはれ、 裾から天辺までびっしりと。
 足乗せたらグサッと刺さって抜きも差しもなら んよぉなるがな★登れッ!   

 ●登れるかいな、こんなところ。

 ■ここはわいに任せ。

 ●あんた何やったかいなぁ?

 ■わしゃ軽業師や。
 ガキの時分から修行してわしの足の裏、板みたいになったぁるわい。
 何やこんなもん、わしらこの上で三番叟(さんばそぉ)でも踊ったるがな。

 ●そらあんたはえぇわい、わしらはどぉなる?

 ■かまへん、わしの体の上へ乗していたる。

 ●体の上へ?

 ■あぁ、この上乗れ……

 ●三人も乗って 大丈夫か?

 ■もっと乗したことあんねん。
 一番小っこいやつ、背の低いやつ、首んとこ ろへまたがれ、肩くませぇ。
 しっかり頭押さえてぇよ。
 でなぁ、二ぁ人、その肩の上あがってな、真ん中のやつと手ぇ組んで首筋に手ぇ巻いて、グッと 引っ張ってくれ。
 落ちたら知らんぞおい、そいでわしゃこの山、上がって行ったるさかいな。
 上のやつちょっと口上言ぅてくれ。

 ●口上? 何か、口上言わなあかんか?   

 ■長年の癖や、口上言ぅてもらわな んだら体動かん。

 ●オモロイもんやなぁ、ほな言ぅで……、東西、これより四 人の亡者、針の山へと登ってまいる♪……

 ■踊ったらあかん、そんなとこで。
 踊るやつがあるかい。

 ●東西、首尾よく頂上まで登りつめたる上からは、いよ いよこれからは千番に一番の兼ね合い。千尋の谷底へ獅子の蹴落とし~ッ♪

 ★大王様

 ◆何といたした?★あの四人の亡者、針の山へ放り上げたところが、 軽業師がなぁ、ほかの三人体の上乗せて踊りながら上がって行きまんねん。
 まぁそれはえぇけど、足でポンポンポンポン、針蹴りまんねやがなあいつ、 で天辺へ上がったら「獅子の蹴落としや」て上からドンドン蹴りよる。
 あの 針はねぇ、下から上がって来るやつには強いけど、反対側から蹴られたら、 みなボキボキボキボキ折れてしまいまんねん。

 予算のないときに、えらい物 入りですがな。どないしたらよろしぃやろ?

 ◆けしからん亡者め、針の山より引きずり下ろし、人呑鬼に喰わしてしまお。 人呑鬼を呼べ…… ジンドンキといぅ、人を呑む鬼と書きます。
 おっそろしぃ大きな鬼がノッ ソ、ノッソノソ。

 ◆おぉ、人呑鬼か、また肥えたなぁ。

 ★あぁ、近ごろ運動不足で困っとります わい。
 コレステロールが増えてかなん。

 ◆ちょっとこの、娑婆から来たての亡 者がおるが、お前呑んでしまえ、お前にくれてやる。

 ★ほぉ、こら娑婆から来 たて。
 なるほど脂が乗ってうまそぉなわい。
 人呑鬼様が喰ぅてくれるわ、あ りがたいと思え。

 ●ジンドンキですて、人を呑む鬼。えらい歯、石臼みたいな歯ぁが並んでる がな。
 あんなもんで噛まれたらもぉひとたまりもないなぁおい。

 ▼あの歯ぁ、 わいが抜いてしもたろか。

 ●あんた何やったかいなぁ?

 ▼わしゃ歯抜き師やが な。
 大道芸人みたいなもんやけど、あんな歯ぁぐらいボロクソや。

 ●いけるか?

 ▼いけるいける、俺に任しとけ……。鬼さん、お前、虫歯があるな。

 ★おぉ? お前そんな下から見て分かるか?

 ▼分からいで、こっちは商 売やがな。
 ひと目口元見たらいっぺんで分かんねや。
 わしらもなぁ、そんな 虫歯で噛まれたらかなんがな、歯ぁの洞(うろ)へ挟まったりしたらどんなら んさかい、えぇ歯ぁでひと思いに噛んでもらいたい。
 行きがけの駄賃や、そ の虫歯抜いていたろか?

 ★うん、時々痛とぉてかなんのじゃ。まず歯ぁへ来るっちゅうさかいわしゃ 心配しとんねやがな。
 虫歯を治してくれるか、そらありがたい。
 どぉすんねん?

 ▼手の平乗せて口元まで持ってってくれたらえぇねや。

 ★こぉやりゃえぇ のかい……

 ▼あぁ~んと口開けよ。
 うわぁ、恐ろしぃ口やな……、下ろした らあかんで、噛み合わしたらあかんで、ちょっと中入るさかいな。
 わぁ~、 鬼さんあんた歯性が悪いでこら、ホンにこら虫歯がだいぶある。

 ★痛たッ

 ▼痛んだやろこれは、下も上も虫歯だらけやがな……、ちょっといっ ぺん下降ろしてくれ、どっこいしょッと。
 それでな、おまはん手拭持ってるやろ、手拭でな、全ての歯ぁにからますよぉに手拭をグッと歯ぁで噛むねん。
 グ~ッとしばらく噛みしめてると熱い唾が出て来るわ、ほんでわしが「ひぃ ふの三つ」でポンと手ぇ叩いたら、その手拭をパッと吐き出しや。ほんだら虫歯だけがポロッと抜けるさかいな。

 ▼まだまだ……、もぉちょっと辛抱し。
 熱い唾が出て来たか? よっしゃ、 もょよかろぉいくで、ひぃふの三つ。

 ★(ボロボロボロ)あ、あぁ~ッ、わし を歯抜けにしやがった、こいつらッ! ウォ~ッ、グイッ!

 ●あ~ッ! おまはんが歯ぁ抜いといてくれたお陰で、鬼ぐい呑みにしよっ た、お陰で無事に下へ着いた。
 あぁ、体無事や……、一人足らんやないか、 ひとり。軽業師がおらん……、おぉ、あんなとこにぶら下がって、のどチンコへぶら下がっとぉるあの軽業師。
 お~い、降りて来ぉ~い、大丈夫かぁ~

 ▲大丈夫やぁ~。

 ●降りといでぇ……、あばら骨、梯子にして降りて来たがな、身の軽いもん やなぁ。
 さぁ、いぅて鬼の腹におさまったんやが、こらどぉいぅことになん ねや?

 ■ここからはわしに任してもらおか。

 ●あんた、何やった?

 ■わしゃ医 者じゃ。

 ●やぶ医者やろがな。

 ■やぶ医者でもひと通りのことは勉強したぁる、 鬼の腹も人間の腹もそぉ変わらんわい。
 とにかくこれ胃袋じゃ、ここにおっ たらこなされてしまうさかいな、とりあええずこれを出ないかん。

 ■わしゃメスを一丁持ってきたさかいに、これでな腹をこぉ裂いてな……、 丈夫なもんじゃろこれ、これホルモン焼きにしたらうまいぞ……。
 引っ張れ 引っ張れ、出ないかん。

 ●うわぁ~ッ、えらい広いとこへ出たなぁ。

 ■これが鬼 の腹や、広い。原っぱちゅうのはこれからきたんやさかい。

 ●あぁなるほど、鬼の原て……、いろんなものがおまんなぁ。

 ■いろんなものがある、面白いやろ。
 ちょっと面白いことやってみよか、こ こに紐がぶら下がってるやろ、これを引っ張ってみ。

 ●どぉなんねん?

 ■鬼が くしゃみするさかい。

 ●鬼が? んッ

 ★え~ッくしん

 ●ホンにクシャミが。

 ■そ こにテコみたいなもんがあるじゃろ、それを持グ~ッとこっち上げてみ。 

 ●こ れをこぉいぅ具合に……

 ★あ痛たたたッ

 ●鬼、腹痛た起こしてるがな。

 ■これ 疝気筋ちゅうてな、筋をグ~ッと引っ張ったら、鬼腹痛た起こしよる。

 ■ここに丸ぁるいもんがあるやろ、これをこぉいぅ風にやると、鬼笑いよる で……、こそばかすと★ファッハッハッハッ

 ●笑ろとぉる、笑ろとぉる。

 ■そ こに袋があるやろ、それグ~ッと押してみ。

 ●何でんねんこれ?

 ■屁袋じゃ、 押したら鬼屁ぇこきよる

 ●ヨイショッ

 ★ブッ。

 ●わッ! ハッハッハッ、これ いっぺんにやったらどないなるやろなぁ?

 ■えらいこと言ぃ出したぞこいつ、そんなもんいっぺんにやったら騒動やで お前。鬼、くっしゃみして腹痛た起こして、笑ろて屁ぇこきよるがな。

 ●いっ ぺんにやってこましたろか。

 ■さぁ、鬼苦しめたろか、よし軽業師、お前もっ ぺん上あがってな、鬼の喉のところをガシガシッとかきむしれ、鬼は空えづ きして苦しみよる。

 ▲あそぉか、ヒョイヒョイッと……、ここをこぉいぅ風にやったらえぇねん な。こぉやったらどぉなる★オエ~ッ

 ■さぁさぁ、これが一番じゃ。次ゃく しゃみ。

 ●これはどぉじゃ

 ★ヘ~ックション

 ■次、それや

 ●グ~ッ

 ★ん~ん、 あ痛たたたたッ

 ●コチョコチョコチョ

 ★ファッハッハッハッ、ブ~ッ。

 ●おもろい! みないっぺんにやろいっぺんに。いくで、さ、ひぃ、ふの、 みっつ……、これはどぉじゃ★オエ~ッ

 ●これはどぉじゃ★ヘ~ックション

 ●これはどぉじゃ★ん~ん、あ痛たたたたッ

 ●これはどぉじゃ。

 ★ファッハッ ハッハッ、ブ~ッ……

 ★オエ~ッ! ヘ~ックション! あ痛たたたたッ! ファッハッハッハッ、 ブ~ッ! オエ~ッ! ヘ~ックション! あ痛たたたたッ! ファッハッ ハッハッ、ブ~ッ、オエ~ッ、ヘ~ックション、あ痛たたたたッ、ファッハッ ハッハッ、ブ~ッ……

 ★あぁ何といぅ亡者どもじゃ、もぉこいつら便所行って出してしまわなしゃ~ ない、これわ

 ●鬼「便所行って出してしまう」言ぅてる。

 ■出されたらあかん、 出されたら、いつまでも腹の中におって苦しめたんねさかいな。
 下へ降りぃ 下へ。

 ●いや、鬼「出してしまう」っちゅうのに下へ降りてどぉする?

 ■下の ほぉがえぇねん、上におるより下のほぉが安全や。

  ●あっちにチラチラ明るいもんが見えてきた、明るいもんが。

 ■あれが鬼の肛 門やさかいな、あそこへ落ち込んだらあかんで、そばまで行こあのそばまで。
 お前こっち側掴んで体こっちやれこぉいぅ具合に、おまはんこっち側の肉掴 んでこっちぃ体突っ張れ。

 ●どぉいぅこと?

 ■つまり井桁になんねん井桁に、 鬼の肛門真ん中にして井桁に。
 ここぉしといたら絶対にどんなことがあって も落ちん。
 わしもこぉいくさかいな、おまさん反対側へ……

 ★こいつら出てきたらどんな目ぇに遭わすか、ん~んッ……

 ●なんの離すか い!★ん~んッ、糞っ垂れめ!

 ●ホンマに糞垂れやでこれわ。

 ★ん~ん、ん~ んッ……! トホホホホ、こいつらどぉしても出よらんがな……。もし大王 様、大王様。

 ◆おぉ、人呑鬼いかがいたした?

 ★もぉこぉなったら、あんたを 呑まなしょがない。

 ◆わしを呑んで何とする?

   〔情報元 : 世紀末亭〕
 http://kamigata.fan.coocan.jp/


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