❖ 地獄八景亡者戯 ⑶ ❖
桂 米朝
ダダダダ、ダダダダ~ッ……、腕章を巻いた鬼の整理員がぎょ~さんおりましてな、
★おぉ、そぉ勝手に入ってはいかん、勝手に入ってわ。
四列に並べ、四列に 並べ。
男はこっち、女はこっち、四列に並んで行くんじゃ。
男はこっち、女 はこっち、おいそこ、女はこっちじゃ……。
お前、男か? この頃、男や女 や分からんやつが増えたなぁ……、静粛に来いよ、静粛に来いよ! ゾロゾロゾロゾロ通って、奥へ奥へ、閻魔の庁の奥へ近付いてまいります と、おのずからなる威厳に打たれるとみえて、みんなが黙ぁ~ってしまいます。
と、遠ぉ~くのほぉから罪人を責める音がかすか~に聞こえてまいりま す。 ピシ~ッ、ピシッ……、キラキラキラキラ光っておりますのが浄玻璃(じ ょ~はり)の鏡、見る目かぐ鼻、善悪の首。
血の付いたノコギリやら舌を引 き抜く釘抜きやとか、罪の重さを調べるハカリてなもんが置いてあったり、 紙の橋、見ただけでもゾッとするよぉな責め道具が並んどぉります。
一同がピタ~ッと静まる。そこへ閻魔はんが出てまいります。
値打ち(ね ぐち)を持たしたもんですなぁ。
王といぅマークの付いた冠をかぶりまして、 身には道服(とぉふく)といぅやつをまといます。
手に笏(しゃく)といぅやつを持って、この胸のところへ突っ張っとりますなぁ…… カ~ッと口を開いたとこ、今日はひとつ閻魔はんの顔ちゅうやつを見てい ただきますが……「閻魔の出御(しゅつぎょ)下におろぉ~ッ……」これやると、しばらく顔がもと戻らんよぉなります。
◆いかに赤鬼(歌舞伎口調で)
★はは~っ
◆亡者召し連れましたか?
★お目の 前に控えさせましてござります。
◆本日の亡者、その数いかほどなるぞ?
★その数は、え~っ、モジャモジャとまいっております。
◆帳面をこれへ持て、あぁ それは三途川水揚帳じゃ、そぉではない死人出入帳のほぉを持ってまいれ。
◆なるほど……、ん~ん、本日の亡者、男はこれだけ、女はこれだけ。なる ほど、なるほど……、おいおい、この注受けとあるのは何じゃ、八百六号注 受けといぅのは?
★そら死に掛けましてんけど、注射でもっとりまんのん。
それで注受け。
◆火の車持って迎えに行ってこい、ややこしぃ★火の車、ガス 会社へ貸したままなっとりますねん◆あれまだ返さんのか? 早よ行って取 り返えせ、火の車要るんやったら噺家の家行けちゅうて、よぉ~さん回って るさかいなぁ。
◆こりゃこりゃ、この千二十八号は腎抜けとなってあるが、これは何じゃ?
★え~、本人は死んだんでやすけど、腎臓だけが移植されてまだ生きとりま すのんで。
◆世の中が進むと帳面が段々ややこしなるなぁこれ……、えらいこ となってきたなぁ。よいよい、相分かった。
◆いかに亡者よく承れ、これより厳しく罪の次第を問いただし、地獄・極楽 の送り先を決めるべきはずのところなれど、本日は先代閻魔の一千年忌に当たるゆえをもって、格別の憐憫を持ってみな極楽へ通しつかわすぞ。
あとか ら名前を呼ぶ者だけは残れ。
●もぉし、えらい閻魔はん今日は一千年忌やて、そんなことおまんのか。
えらい楽でんなぁ、お調べも▲分かってまんねん。
選挙が近い。
●やっぱり、選挙が?
▲あぁ、この頃は選挙やねん。
今度の閻魔はんも段々評判悪なってん ねん。
はじめはちょっと評判良かったんやけどな、もぉこの頃、突き上げられて突き上げられて「頼んない、頼んない」言われてんねん。
行政改革は一 つも進まへんし、会計のほぉは大赤字が続いて、また「獄債」ちゅうやつが 百兆になるやなんやいぅて、閻魔はんもここらで何とかやっとかんことには なぁ、値打ちないんや。
●値打ちがない?
▲はぁ、もぉ馬鹿にされてまんねん。
こないだもあんた、 この閻魔はんの寝間へ男が入って来て「タバコを一本くれ」てなこと言われて……
●ほなこれ、人気取りで極楽へ?
▲はぁ、もぉそんなことやりよりまんねん。
●えぇとき来たなぁ、こらありがたいなぁ。
◆あぁ~ッ、私語をしてはならんぞ。
今から名前を呼ぶ者はこれへ出ませ。
この中に医者の山井養仙(やまいよぉせん)はおらぬか、山井養仙といぅ医者 はおらぬか? あぁお前か出て来い、それへ座れ……。
山伏の螺尾福海(ほらおふっかい)といぅのは誰じゃ、この中で? あぁお前か、前へ出て来い。
それから、歯抜き師の松井泉水(まついせんすい)といぅのは誰じゃ? お前か、それへ。
それから、軽業師の和屋竹の野良一(わやたけののらいち)といぅのは誰じゃ? お前か出て来い……。
四人の者はそれへ残れ。
「ほかの者はみな、極楽へ通ってよろしぃ!」「わぁ~~ッ」
●もし、何でわたしらだけ残されましたんやろなぁ?
▲心配なことはないと思いまっせ。
●そぉかい。
▲はぁ、あんなもん大丈夫や。
見てみぃ機嫌よろしぃ がな「お前ら面白そぉなやっちゃ、これから一杯呑みに行こか」
●そんなア ホなこと……、閻魔はん戻って来た、お辞儀せぇお辞儀せぇ。
◆あぁ医者の山井養仙、面上げぇ。
そのほぉは未熟なる医術を用い、助かる 病人まで多数殺してしもぉた。
また、健康保険不正受給や脱税行為を繰り返 した咎(とが)により、お前は地獄へ落としてやる、よいか。
◆山伏の螺尾福海、お前は加持祈祷をするなんぞと称して、怪しげなる詐術 を行い、金銀をむさぼり取ったる段、咎軽からず。
お前も極楽へ通すわけに はいかん。
◆歯抜き師の松井泉水、お前は居合い抜きをしたり独楽を回したりして人を 集め、ちょっとも効かぬ歯痛の薬とか、虫歯を抜いてやると言ぅて、丈夫な 歯まで抜いて金銀をむさぼった。
その咎軽からず、お前も地獄へ落としてや る。
◆あぁ軽業師の和屋竹の野良一、お前は諸人の頭の上にて、ハラハラする業 を演じて、見る者の寿命を縮めたる段、咎軽からず。
■そんなアホなこと言ぃなはんな、わたい商売でんがな。
◆黙れ! それ、鬼ども、この者どもを熱湯 の釜へたたき込めッ★はは~ッ……。さぁ、この中へ入れ~ッ!
●わ~ッ、これが熱湯の釜でやすか。
見てみなはれ恐ろしぃなぁもし、湯玉 がチリチリィ、チリチリィちゅうて走ってまっせ。
こんなとこへ足入れたら ジュ~ッちゅうて溶けてしまうがな。
どぉしたら……
★さぁ、入れッ!
●ちょっと待ちなはれ、大きなフォークみたいなんでケツ突いてまっしゃな いか鬼が……。入れるかいな▲待て待てまて、ここはわしに任し。
●あんた何や?
▲わしゃ、山伏や。そら悪いこともしたけどなぁ、これでもお山に。
篭ってちゃ~んと修行してきた。
ここでわしが水の印といぅのを結んだら、こん なもん日向水になってまうねん。
●ホンマか?
▲大丈夫、ちょっと待ってなはれや……、チチンプイプイ、チ チンプイプイ、ん~~んッ、エイッ! もぉ大丈夫や手ぇつけてみ。
●もぉえぇか? まだ熱つそぉな。
▲大丈夫や、手ぇつけてみ。
●ホンに、こら入り加減やでおい。
入れ言わんかて入るわいな。
あぁありがたいなぁ、いやわしゃなぁ ひと風呂浴びたかったんや。
●うちの嬶(かか)ズボラなやつでなぁ、湯灌(ゆかん)もせんと棺桶へ放り込 みやがってな、どっかで浴びたかったんや。
こらえぇ具合やなぁおい、ちょっ と鬼さん、ちょっと石鹸頼むわ「気持ちんよか♪」
★あんなこと言ぅとぉるで、おい……
★閻魔大王に申し上げます。
◆何といたした?
★あの亡者連中、熱湯の釜へ放 り込んだところが、山伏が水の印とかいぅやつを結んだら日向水になってしもて、みな風呂へ入ったよぉな気になってまっせ。
◆けしからん亡者め、熱湯 の釜より引きずり出し、針の山へ放り上げぇ★ははぁ~ッ……
★さッ、今度はこの山へ登れ。
●うわぁ、これ針の山やがな。
見てみなはれ、 裾から天辺までびっしりと。
足乗せたらグサッと刺さって抜きも差しもなら んよぉなるがな★登れッ!
●登れるかいな、こんなところ。
■ここはわいに任せ。
●あんた何やったかいなぁ?
■わしゃ軽業師や。
ガキの時分から修行してわしの足の裏、板みたいになったぁるわい。
何やこんなもん、わしらこの上で三番叟(さんばそぉ)でも踊ったるがな。
●そらあんたはえぇわい、わしらはどぉなる?
■かまへん、わしの体の上へ乗していたる。
●体の上へ?
■あぁ、この上乗れ……
●三人も乗って 大丈夫か?
■もっと乗したことあんねん。
一番小っこいやつ、背の低いやつ、首んとこ ろへまたがれ、肩くませぇ。
しっかり頭押さえてぇよ。
でなぁ、二ぁ人、その肩の上あがってな、真ん中のやつと手ぇ組んで首筋に手ぇ巻いて、グッと 引っ張ってくれ。
落ちたら知らんぞおい、そいでわしゃこの山、上がって行ったるさかいな。
上のやつちょっと口上言ぅてくれ。
●口上? 何か、口上言わなあかんか?
■長年の癖や、口上言ぅてもらわな んだら体動かん。
●オモロイもんやなぁ、ほな言ぅで……、東西、これより四 人の亡者、針の山へと登ってまいる♪……
■踊ったらあかん、そんなとこで。
踊るやつがあるかい。
●東西、首尾よく頂上まで登りつめたる上からは、いよ いよこれからは千番に一番の兼ね合い。千尋の谷底へ獅子の蹴落とし~ッ♪
★大王様
◆何といたした?★あの四人の亡者、針の山へ放り上げたところが、 軽業師がなぁ、ほかの三人体の上乗せて踊りながら上がって行きまんねん。
まぁそれはえぇけど、足でポンポンポンポン、針蹴りまんねやがなあいつ、 で天辺へ上がったら「獅子の蹴落としや」て上からドンドン蹴りよる。
あの 針はねぇ、下から上がって来るやつには強いけど、反対側から蹴られたら、 みなボキボキボキボキ折れてしまいまんねん。
予算のないときに、えらい物 入りですがな。どないしたらよろしぃやろ?
◆けしからん亡者め、針の山より引きずり下ろし、人呑鬼に喰わしてしまお。 人呑鬼を呼べ…… ジンドンキといぅ、人を呑む鬼と書きます。
おっそろしぃ大きな鬼がノッ ソ、ノッソノソ。
◆おぉ、人呑鬼か、また肥えたなぁ。
★あぁ、近ごろ運動不足で困っとります わい。
コレステロールが増えてかなん。
◆ちょっとこの、娑婆から来たての亡 者がおるが、お前呑んでしまえ、お前にくれてやる。
★ほぉ、こら娑婆から来 たて。
なるほど脂が乗ってうまそぉなわい。
人呑鬼様が喰ぅてくれるわ、あ りがたいと思え。
●ジンドンキですて、人を呑む鬼。えらい歯、石臼みたいな歯ぁが並んでる がな。
あんなもんで噛まれたらもぉひとたまりもないなぁおい。
▼あの歯ぁ、 わいが抜いてしもたろか。
●あんた何やったかいなぁ?
▼わしゃ歯抜き師やが な。
大道芸人みたいなもんやけど、あんな歯ぁぐらいボロクソや。
●いけるか?
▼いけるいける、俺に任しとけ……。鬼さん、お前、虫歯があるな。
★おぉ? お前そんな下から見て分かるか?
▼分からいで、こっちは商 売やがな。
ひと目口元見たらいっぺんで分かんねや。
わしらもなぁ、そんな 虫歯で噛まれたらかなんがな、歯ぁの洞(うろ)へ挟まったりしたらどんなら んさかい、えぇ歯ぁでひと思いに噛んでもらいたい。
行きがけの駄賃や、そ の虫歯抜いていたろか?
★うん、時々痛とぉてかなんのじゃ。まず歯ぁへ来るっちゅうさかいわしゃ 心配しとんねやがな。
虫歯を治してくれるか、そらありがたい。
どぉすんねん?
▼手の平乗せて口元まで持ってってくれたらえぇねや。
★こぉやりゃえぇ のかい……
▼あぁ~んと口開けよ。
うわぁ、恐ろしぃ口やな……、下ろした らあかんで、噛み合わしたらあかんで、ちょっと中入るさかいな。
わぁ~、 鬼さんあんた歯性が悪いでこら、ホンにこら虫歯がだいぶある。
★痛たッ
▼痛んだやろこれは、下も上も虫歯だらけやがな……、ちょっといっ ぺん下降ろしてくれ、どっこいしょッと。
それでな、おまはん手拭持ってるやろ、手拭でな、全ての歯ぁにからますよぉに手拭をグッと歯ぁで噛むねん。
グ~ッとしばらく噛みしめてると熱い唾が出て来るわ、ほんでわしが「ひぃ ふの三つ」でポンと手ぇ叩いたら、その手拭をパッと吐き出しや。ほんだら虫歯だけがポロッと抜けるさかいな。
▼まだまだ……、もぉちょっと辛抱し。
熱い唾が出て来たか? よっしゃ、 もょよかろぉいくで、ひぃふの三つ。
★(ボロボロボロ)あ、あぁ~ッ、わし を歯抜けにしやがった、こいつらッ! ウォ~ッ、グイッ!
●あ~ッ! おまはんが歯ぁ抜いといてくれたお陰で、鬼ぐい呑みにしよっ た、お陰で無事に下へ着いた。
あぁ、体無事や……、一人足らんやないか、 ひとり。軽業師がおらん……、おぉ、あんなとこにぶら下がって、のどチンコへぶら下がっとぉるあの軽業師。
お~い、降りて来ぉ~い、大丈夫かぁ~
▲大丈夫やぁ~。
●降りといでぇ……、あばら骨、梯子にして降りて来たがな、身の軽いもん やなぁ。
さぁ、いぅて鬼の腹におさまったんやが、こらどぉいぅことになん ねや?
■ここからはわしに任してもらおか。
●あんた、何やった?
■わしゃ医 者じゃ。
●やぶ医者やろがな。
■やぶ医者でもひと通りのことは勉強したぁる、 鬼の腹も人間の腹もそぉ変わらんわい。
とにかくこれ胃袋じゃ、ここにおっ たらこなされてしまうさかいな、とりあええずこれを出ないかん。
■わしゃメスを一丁持ってきたさかいに、これでな腹をこぉ裂いてな……、 丈夫なもんじゃろこれ、これホルモン焼きにしたらうまいぞ……。
引っ張れ 引っ張れ、出ないかん。
●うわぁ~ッ、えらい広いとこへ出たなぁ。
■これが鬼 の腹や、広い。原っぱちゅうのはこれからきたんやさかい。
●あぁなるほど、鬼の原て……、いろんなものがおまんなぁ。
■いろんなものがある、面白いやろ。
ちょっと面白いことやってみよか、こ こに紐がぶら下がってるやろ、これを引っ張ってみ。
●どぉなんねん?
■鬼が くしゃみするさかい。
●鬼が? んッ
★え~ッくしん
●ホンにクシャミが。
■そ こにテコみたいなもんがあるじゃろ、それを持グ~ッとこっち上げてみ。
●こ れをこぉいぅ具合に……
★あ痛たたたッ
●鬼、腹痛た起こしてるがな。
■これ 疝気筋ちゅうてな、筋をグ~ッと引っ張ったら、鬼腹痛た起こしよる。
■ここに丸ぁるいもんがあるやろ、これをこぉいぅ風にやると、鬼笑いよる で……、こそばかすと★ファッハッハッハッ
●笑ろとぉる、笑ろとぉる。
■そ こに袋があるやろ、それグ~ッと押してみ。
●何でんねんこれ?
■屁袋じゃ、 押したら鬼屁ぇこきよる
●ヨイショッ
★ブッ。
●わッ! ハッハッハッ、これ いっぺんにやったらどないなるやろなぁ?
■えらいこと言ぃ出したぞこいつ、そんなもんいっぺんにやったら騒動やで お前。鬼、くっしゃみして腹痛た起こして、笑ろて屁ぇこきよるがな。
●いっ ぺんにやってこましたろか。
■さぁ、鬼苦しめたろか、よし軽業師、お前もっ ぺん上あがってな、鬼の喉のところをガシガシッとかきむしれ、鬼は空えづ きして苦しみよる。
▲あそぉか、ヒョイヒョイッと……、ここをこぉいぅ風にやったらえぇねん な。こぉやったらどぉなる★オエ~ッ
■さぁさぁ、これが一番じゃ。次ゃく しゃみ。
●これはどぉじゃ
★ヘ~ックション
■次、それや
●グ~ッ
★ん~ん、 あ痛たたたたッ
●コチョコチョコチョ
★ファッハッハッハッ、ブ~ッ。
●おもろい! みないっぺんにやろいっぺんに。いくで、さ、ひぃ、ふの、 みっつ……、これはどぉじゃ★オエ~ッ
●これはどぉじゃ★ヘ~ックション
●これはどぉじゃ★ん~ん、あ痛たたたたッ
●これはどぉじゃ。
★ファッハッ ハッハッ、ブ~ッ……
★オエ~ッ! ヘ~ックション! あ痛たたたたッ! ファッハッハッハッ、 ブ~ッ! オエ~ッ! ヘ~ックション! あ痛たたたたッ! ファッハッ ハッハッ、ブ~ッ、オエ~ッ、ヘ~ックション、あ痛たたたたッ、ファッハッ ハッハッ、ブ~ッ……
★あぁ何といぅ亡者どもじゃ、もぉこいつら便所行って出してしまわなしゃ~ ない、これわ
●鬼「便所行って出してしまう」言ぅてる。
■出されたらあかん、 出されたら、いつまでも腹の中におって苦しめたんねさかいな。
下へ降りぃ 下へ。
●いや、鬼「出してしまう」っちゅうのに下へ降りてどぉする?
■下の ほぉがえぇねん、上におるより下のほぉが安全や。
●あっちにチラチラ明るいもんが見えてきた、明るいもんが。
■あれが鬼の肛 門やさかいな、あそこへ落ち込んだらあかんで、そばまで行こあのそばまで。
お前こっち側掴んで体こっちやれこぉいぅ具合に、おまはんこっち側の肉掴 んでこっちぃ体突っ張れ。
●どぉいぅこと?
■つまり井桁になんねん井桁に、 鬼の肛門真ん中にして井桁に。
ここぉしといたら絶対にどんなことがあって も落ちん。
わしもこぉいくさかいな、おまさん反対側へ……
★こいつら出てきたらどんな目ぇに遭わすか、ん~んッ……
●なんの離すか い!★ん~んッ、糞っ垂れめ!
●ホンマに糞垂れやでこれわ。
★ん~ん、ん~ んッ……! トホホホホ、こいつらどぉしても出よらんがな……。もし大王 様、大王様。
◆おぉ、人呑鬼いかがいたした?
★もぉこぉなったら、あんたを 呑まなしょがない。
◆わしを呑んで何とする?
〔情報元 : 世紀末亭〕
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