またしても手術延期

本当なら、今晩フラニーは家にいなかったはずなのだ。
なのに、現実はソファの上で寝そべっている。
ちょっと憂鬱そうな顔をして・・・。

先月、偽妊娠による乳房の腫れで避妊手術が延期になったフラニー。
１１月に入り、やっとおっぱいがペチャンコになり、今日こそ手術決行のはずだった。
それなのに・・・、あぁそれなのに・・・。
なんとヒートが来てしまったのである！
７月の１回目のヒートから、まだ４ヶ月半しか経っていない。
念の為、獣医さんに検査をしてもらったら、
炎症を示す細胞は見られないから、やはりヒートだろうと・・・。

わんずている　http://www5a.biglobe.ne.jp/~wantail/index.html 　さんには、
「犬が2回発情してから、不妊手術をすると、乳腺腫瘍の発生率が4分の1になり、
1回の発情後では12分の1、また発情がくる前に不妊手術をすると200分の1まで、
発生率を下げる事ができる。 」とある。
と言うことは、フラニーの場合、乳癌発生のリスクが、1/12から1/4に！
ガ～ン！！

フラニーよ、許しておくれ。
だって、こんなに早く次のヒートが来るなんて、
クルエラも獣医さんも全く予想しなかったんだもん。
まさに不測の事態だったのだ。
前回の手術延期と言い、今回と言い、悪い偶然が重なったとしか思えない。
ん？
お前、まさか自分の身体を念力でコントロールしたんじゃないだろうね？
そんなに手術が嫌なのか、フラニー？

前回のヒートの時に穿かせたオムツが小さくなって、
ワンサイズ大きめのオムツを穿かせてみたが、
前回はそれほど嫌そうでもなかったのに、
今回は露骨にテンションが下がるフラニー。
見た目も前回ほどオムツが似合わなくなり、
成人がオムツをしているような悲哀さえ漂っている。
大人になったんだね、フラニー。
そんなに急ぐなよ・・・。

お手が出来た！

フラニー、初めて完璧にお手が出来た！

フラニーがクルエラの元にやって来て、もう５ヶ月。
「お座り」と「伏せ」、「待て」はセンターで訓練済だったので、
完璧とは言えないが大体出来たし、
それさえ出来れば、日常生活に支障はない訳で、
「お手」なんて出来ても出来なくてもいいのだが、
やっぱり犬が「お手」をする仕草は愛らしい。
で、食べ物をご褒美にして初めは熱心に教えていたのだが、
ピクリとも動かない前脚に、段々と諦めの境地に達し、
最近は、いいかお手なんて出来なくても・・・と言う気持ちになっていた。
なので、思い出した時に、適当に教えていたのだが・・・。

結局、フラニーが「お手」を覚えるのに５ヶ月もかかってしまった。
グレースは、生後４～５ヶ月の頃に、３０分位で覚えた記憶がある。
その時は、天才犬かもしれないと思ったっけ。
でも、今思うと、全てはご褒美の食べ物への激しい執着が、
グレースの脳をフル回転させていたようにも思える。
おやつ欲しさに、滑り台も滑ったし、ごはん一粒でも「お手」してたしな。
たぶん、フラニーは頭が悪いんじゃなくて、
食べ物への執着が少ないから、覚えるのが遅いんだ。
そうだ、きっとそうだ。

クルエラの手のひらに、ちょこんと乗せるフラニーの小さな手。
グレースのズシリとした感触とは違う、軽くて頼りない感触。
やっぱり、犬が「お手」をする仕草は愛おしい。

フラニーが「お手」をするのが嬉しくて、あんまり褒めまくったせいか、
「お座り」のコマンドで「お座り」した後、
コマンド無しでも、速攻「お手」をするようになってしまった。

バカな子ほど可愛いのである。

兄犬とご対面

動物保護センターの成犬譲渡会に行って来た。
フラニーのお世話をして下さった、ボランティアの皆さんや、
センターの獣医さん、職員の皆さんに、
今のフラニーの元気な姿を見せに行こうと思っていたのだが、
譲渡会の時だったら、皆さん揃っていらっしゃっているだろうと思って。
それに、フラニーの兄犬がどうしているか見てみたかった。

フラニーを車に乗せてセンターに向かったのだが、
センターに近付いて来ると一抹の不安が・・・。
フラニーに、センターに持ち込まれた時の恐怖の記憶を
呼び起こしてしまわないだろうか・・・。

が、そんなクルエラの心配をよそに、
センターに到着すると、フラニーはすぐに車から飛び降り、
興奮した様子で、芝生の匂いを嗅ぎ回っていた。
恐怖心の欠片も見られない。
心配して損をしたわい。

もちろん、ボランティアの皆さん、職員の皆さんは、フラニーを見てとても喜んで下さった。
「やっぱり表情が前と全然違うね。」
「幸せになってよかったね。」
「可愛くなったね。」
ある職員さんは、フラニーが尻尾をフリフリ近付いて行くと、
「ここにいた時は、私が怖くて、すぐにお腹を見せてオシッコしていたくせに。」と、
嬉しそうにおっしゃっていた。

丁度、別室で里親候補の皆さんに、説明をしていたところだったので、
是非フラニーを紹介させて下さいと言われ、顔を出す。
皆の前で、フラニーはちゃんとお座りが出来てお利口だったのに、
急に何か一言と言われたクルエラは、アワアワして、
「とっても可愛いです。」と第一声を発し、場内の笑いをかう。
が、最後はしっかり、「この子の兄犬がいますので、よろしくお願いします。」と言った。

そして、犬達と里親候補さん達とのご対面。
ＨＰに載っていた犬の他にも、パピヨンやヨーキー、大きなバーニーズまで・・・。
フラニーが近付いても、怒って吠える子は一頭もいない。
なぜ捨てる？

いよいよ、フラニーもラックとご対面。
写真で見たよりも、ザンバラ頭だ！
痩せてはいるが元気そう。
フラニーとは、ドラマチックな涙の再会とはいかなかったが、
お互い匂いを嗅ぎ、絡み合っていたので、しっかり思い出したんだろうと思う。
ラックに絡まれると、フニャフニャと文句を言うフラニー。
やっぱり身内だから気を遣わないのか？
公園でも、フラニーが文句を言う犬は、特別近しい犬に限られているし。
って、トビーだけど。

ラックはフラニーよりだいぶ大きくなっていた。
でも、体重はフラニーと同じ12kgと言うことなので、やっぱり痩せている。
どうしても太れないらしい。
職員の方が、「♀は環境に順応しやすいけれど、♂は繊細だから・・・。」と仰っていた。
ラックはまだビビリが治らなくて、上から手を出されると、
どうしても体を引いてしまうらしい。
フラニーも、知らない人だとそうなる。
譲渡会でも、里親候補の方に愛想よく出来ないから、居残ってしまったんだろうな・・・。
フラニーと同期の、柴MIXの森進君も居残っている。
この子は愛嬌があって、とっても可愛いのだけれど、
後追いする時に遠吠えをするのが敬遠されたみたいで・・・。
でも、今回は森進君を気に入っている方がいるらしい。
ラック共々、今度こそ決まりますように・・・。

帰る時、「突然お邪魔してすみませんでした。」と言ったら、
職員の方が、「こんな訪問はいつでも大歓迎です。またいらっしゃって下さい。」
と言って下さった。
そうだろうな・・・。
センターに犬や猫を連れて来る人は、ほとんどが処分を依頼する人達なんだろう。
職員の方達は、それをどんな思いで迎え入れるのか・・・。
今回の譲渡会で、みんなが優しい里親さんと巡り会って、
今度は幸せに顔を輝かせ、誇らしげに尻尾を振りながら、
笑顔の訪問が出来るよう願わずにはいられないのである。

フラニーの兄犬

フラニーは、今年の3月、元の飼主によって、動物管理センターに持ち込まれた犬だ。
兄犬と一緒に、処分する為に・・・。
フラニーは5月の譲渡会で、クルエラが飼う事になったけれど、
兄犬ラック（センターでの呼び名）は、その時に里親が決まらず、その後も気になって、
センターのHP　http://www.city.sendai.jp/kenkou/doukan-c/index.html　を
見ていたのだが、残念ながら、7月の譲渡会でも、9月も譲渡会でも決まらなかったようだ。
フラニーよりも少しシャイだけれど、すごくいい子なんだけどな・・・。

そろそろ11月の譲渡会の情報が更新されているかと、
今日もセンターのHPを見てみたら、ラックの最近の写真がUPされていた！

5月の譲渡会の時は、こんな雰囲気だったのである。


それが、今日見てみたら・・・。


見るなり、「ひょえ～！」と叫び、噴出すクルエラ。
ヒゲボーボーじゃん！
と言うことは、フラニーも顔周りをカットしなかったら、こんな顔なんだろうな。
随分と伸びるもんだ。
顔周りのボーボーに比べると、やっぱり体の毛は貧相。
フラニーと同じように。
ボランティアのトリマーさんが入っていたはずだから、
少しトリミングしてもらうといいのにな。
里親募集には、何より第一印象が重要なのに。

それにしても、痩せている・・・。
10Kgあるかないかだろう。
フラニーより体高あったんだけどな。
センター暮らしも、もう半年か。
可哀想だ。不憫でならない・・・。

それに比べてフラニーは、最近やりたい放題。
犬って、飼い方次第であっと言う間に悪い犬になるのね。
昨日は、台所でボール遊びをしていると思ったら、
ジャガイモをボール代わりにしていて、台所を泥だらけに。
道理で妙に重いボール音がしていたはずだ。
今朝は今朝で、クルエラのスリッパを咥えて、
ベッドで寝ていたクルエラの顔の上に、スリッパをペタッと・・・。
朝から絶叫するクルエラ。
お前はドＳの聴導犬かっ！

あぁ、フラニーの兄犬も、いい里親さんと巡り会って欲しい！
時々フラニーに、「お前だけ幸せでいいのか？お兄ちゃんは？」と話しかけているのだが、
フラニーは全然気にしていないようだ。
薄情者め。
今日も陽だまりの中で、気持ち良さそうに昼寝をしていた。
幸せ者め。