日々楼(にちにちろう)

古今東西・森羅万象の幾何(いくばく)かを、苫屋の住人が勝手御免で綴ろうとする思考の粉骨砕身記です。

菅(すが)内閣の退陣と新内閣の登壇を求めます。

2021年04月14日 | 日記

  菅(すが)内閣の退陣と新内閣の登壇を求めます。

 

1.4月13日、自・公連立政権、菅(すが)内閣は、福島第一原子力発電所の廃炉処理水(ALPS処理

水) の海洋放出を閣議決定しました。思うに、この決定は、自民党も東京電力(以下、東電と記述)も、

2011年3月、福島第一原子力発電所の1号機から3号機がメルトダウンという大事故を起こすに至

までの、それぞれの原子力発電事業に対する姿勢(向き合い方)が、自民党の場合はその原子力行政に

いて、東電の場合はその安全基準のハードルの低さにおいて、何一つ変っていないことを語ります。

 

2.事故前、日本政府も東電も、原子力発電は安全であることを言い続け、私はそれを信じていました。

しかし、事故は起こりました。

 

3.2009年6月、経済産業省の審議会(総合資源エネルギー調査会、地震・津波、地質・地盤合同ワ

ーキンググループ)において、当時の産業技術総合研究所 活断層・地震研究センター長の岡村行信氏が、

a)福島第一原子力発電所の敷地付近は、869年の貞観(じょうがん)地震では内陸部に津波で運ばれ

た土砂が堆積し、津波は450年から800年周期で起きていること、b)津波は、東京電力が想定する

ものより比べものにならない非常にでかいものが来ることを指摘され、東電に津波対策の再検討を求めら

れています。岡村氏は、2007年7月(この時は民主党内閣です)にも、2004年のスマトラ沖地震

の経験から、2011年の大災害を引き起こした東北地方太平洋沖地震と同じ「複数の震源域が同時に動

く連動型地震」の危険性を、東電に指摘されています。東電担当者の回答は、貞観地震では、「歴史上の

地震であり、設計上考慮する地震にはならない」というものであり、スマトラ沖地震に対しては、「引き

続き検討を進める」というものでした。(JIJI.COM 『特集 東日本大震災関連情報』)

 

4.この2009年6月の審議会について、当時の原子力安全・保安院と原子力安全委員会は、「最終報

告では貞観津波を考慮することとするものの、貞観津波を調査対象として含んでいない(福島第一原子力

発電所に対する)東電の耐震調査中間報告」を、「妥当」であると判断しています(『福島原発事故独立

検証委員会 調査・検証報告書』)。ここで見えるのは、当時の原子力安全・保安院と原子力安全委員会

の東電の態度への追認です。そして東日本大震災に至ります。

 

5.東電の主張を追認するという姿勢は、今回の廃炉処理水(ALPS処理水) の海洋放出の決定においても

変っていないと、私は考えています。

 

6.東電は、廃炉処理水の貯蔵タンクについて、「2022年夏以降に計画した容量に達する見込みです」

と言います。菅(すが)内閣は、この2022年夏に照準を合わせて、今回の廃炉処理水の海洋放出を決

定しました。ここには、内閣として行うべき政策上の努力は見られません。

 

7.トリチウムも取り除いて海洋放出する。これが内閣の行うべき政策努力というものです。海洋は地球

が私たち人類に与える恵みです。ここを汚染してはならないのです。

 

8.現在、原子力発電所を設置している国にあって、その冷却水の処理でトリチウムまで取り除いて放出

している国はないと言うなら、トリチウムを取り除く技術を確立すれば良いのです。これが、福島第一原

子力発電所の大事故を起こした日本のせめてもの国際社会に対する貢献となりましょう。

 

9.トリチウム除去装置を稼働させるまでに至るには時間を要し、現地の廃炉処理水(ALPS処理水) の貯

蔵タンクの設置スペースには限りがあるというなら、それは作ればよろしい。陸地が無理なら海上があり

ます。フロート式の設置スペースを作りましょう。

 

10.トリチウムの回収技術は、近畿大学と東洋アルミが、共同で2018年6月には開発しています。

これを工業装置化すればよろしい。他にもあるでしょう。

 

11.これらの努力を怠り、4月13日に福島第一原発のトリチウムを含む廃炉処理水(ALPS処理水) の

海洋放出を閣議決定した菅(すが)内閣の退陣を求めます。

 

12.そして、トリチウムまで取り除いた福島第一原発廃炉処理水の海洋放出を実現する政策を立案実行

する政治家と内閣の登壇を求めます。

 

 

                      4月の陽光

 

 

 
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