日々楼(にちにちろう)

古今東西・森羅万象の幾何(いくばく)かを、苫屋の住人が勝手御免で綴ろうとする思考の粉骨砕身記です。

6月2日の政変

2011年06月04日 | 日記

今日は6月2日の政変について書きます。
当日の内閣不信任決議案の採決にあたって、
与党民主党の皆さんの内、賛成2・棄権15(うち1名は診断書提出)が出たという事は、

十分に政変と云うに値します。

以下に、6月2日と3日の流れを示します。

[6月2日]
本会議に先立つ民主党の代議士会において、菅さんは辞意を表明されました。
御承知の通り、不信任案の可否は、前総理鳩山さんの去就如何で左右されるという状況にありました。
鳩山さんは、前日、不信任案賛成の意を示されていた小沢さんと行動を共にすることを明らかにされ、
まさに不信任案は可決の流れの中にありました。

緊迫した状況下で、、鳩山さんは、民主党代議士会に先立って菅さんと会談され、A.災害復興基本法の成立、B.第二次補正予算編成のめどが立った時点で、菅さんが
自ら身を引かれることを、文書へのサインとともに求められました。

会話の詳細は、翌日の鳩山さんと菅さんの発言には食い違いがあり、よく分かりませんので省略しますが、陪席には前官房長官の平野氏と民主党幹事長の岡田氏があり、菅さんのサインは得られませんでしたが、鳩山さんは要請は受け入れられ、合意が成ったと考えられました。

かかる伏線の後、菅さんが辞意表明されるわけです。
鳩山さんは、この辞意表明を受けて、代議士会で不信任案反対を呼び掛けられました。
結果は、賛成152票、反対293票で否決されました。

[6月3日]
辞任の時期を巡って、鳩山さんと菅さんに食い違いが表面化します。
鳩山さんには、「合意は6月一杯」という認識があり、菅さんは、「震災復興と福島原子力発電所事故対策のめどが立ったら」と延命に終始され、
「冷却水の温度が(一定の)低温で安定したら」とまで言います。

A.[問題の所在]
問題は鳩山さんに、菅さんのことをペテン師とまで言って、だまされたという認識があることです。
詐欺、詐術は犯罪行為です。菅さんはこの詐術を、東北地方大震災・大津波、福島原子力発電所メルトダウン・爆発事故という
未曾有の国難を盾にとって、シラを切ろうとしています。誰でもこの非常時を身を挺して解決して行かなければならないと思っています。
非常時を盾に民主党内の批判には口を封じ、野党に対しては形ばかりの協力を要請したうえで、二次補正予算の成立に遅れが生じたり、
復興事業と事故対策に遅滞が生じた場合は、それは野党の責任だと、今度は責任を転嫁されるのでしょう。
こうした論法しか私には見えません。如何ですか。

総理大臣のペテン行為が正当化され、国会も司法もその責任を問うことができないのであれば、
憲法15条で認めている「公務員の選定罷免権」を、「国民の弾劾権」にまで格上げするといった憲法改正の措置が必要です。
また、参議院の問責決議に効力を持たせることも考えられます。

私達の若い頃の活動家には、マキャベリの権謀術数を容認する風潮がありました。
菅さんもその流れを汲んでいるのですか。
日本の国民を前にマキャベリズムはいりません。
現代の国際社会においても、そういう政治家は国を誤ります。必要ありません。
国際社会において、今なおマキャベリズムに類した権謀術数の政治がまかり通っている国は何処でしょう。
一目瞭然です。そして、菅さんの政治感覚はこれらの国々の指導者と同格という事になります。
菅さんの人格を信ずれば、そういうことはあり得ない話です。

思えば、氏は小沢さんとの代表戦前に、市川房江さんの墓参りに行きました。
これは女性活動家の集票効果を狙ったものだろうということが見えて来ます。
高杉晋作が好きだという事ですが、市川房江さんとどう繋がるのですか?
当時、日本ではNHKの『龍馬伝』が一大ブームでした。
私も高杉や伊藤は日本の恩人だと考えています。
功山寺(こうざんじ)の決起がなかったら、今の日本はありませんでした。
しかし、氏の内閣は日本を利しているように思えません。
少し言い過ぎですか?

また、連合の笹森会長には、「自分は原子力のことは詳しい」という旨のことをおっしゃったと聞きますが、
これはどういう事ですか? 事の重大さが認識できていたのならこういう発言は出来ないとも思えます。

菅さんは歴史に名を残すことを本望とされています。
日本人は形を好む国民性を持っています。
小沢さん、鳩山さん、菅さんとそろい、形は作るものですが、整っています。

新生日本を、政党の枠を取り払った大連立の内閣で築くという大義を立て、御自身は身をお引きになったらいかがでしょう。
鳩山さんはこの花道を御準備いただいたのです。
名が残ります。


B.[党風について]
今回の投票で賛成票を投じられた、松木謙公・横粂勝仁の御二人は除籍されてしまいました。
御二人は民主党員としての基盤は失われてしまう訳で、譴責あたりで良かったのではないかとも思います。

思い起こされるのは、2006年の偽メール事件の永田康寿氏です。
氏は、2000年、2003年の衆議院議員選挙で千葉2区から民主党候補として立候補され、当選されました。
2005年の郵政選挙では、小選挙区で自民党の山中あき子氏が勝ち、氏は比例区での当選となりました。

氏への印象は、2005年の選挙で立候補者合同の立会演説会に出かけて弁舌を聞き、また姿から、その前途有為さを思ったものでした。
その氏は、2006年の国会で、氏が提出された「偽物だったメール」をめぐり審議が紛糾し、あれよあれよという間に辞任に追い込まれてしまいました。
そして、2009年1月3日に北九州市八幡区で自死されました。

民主党は永田寿康氏を守れませんでした。
氏は創価学会から法敵と見做されていた人物でした。
永田寿康氏に限らず、若い党員を守り育てるという気概と党風がなければ、党は育たないように思えます。

 

 

 

 

 

 


                  



                               紫陽花(アジサイ)





                  



                            ミツバチと紫陽花(アジサイ)


 

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