この4月で会社に入社して25年が経過するのを期に、久しぶりに、同期のごく内輪でささやかな宴を開いてみました。
(本当は、たまには新年会をやろう、と言う話が、忙しさのあまりズルスル延びてたところ、総務課から25年勤続者へ、記念の旅行クーポン配布のお知らせが入り、じゃあ、そっちの趣旨でってことになったのでした)
25年前、同じ部署へ配属された新卒同期は10数名程。
今では、会社役員一歩手前から、フツウの人(いわゆる平)までポジションは人それぞれ。でも、学歴と出世がほとんどリンクしてないところは、デザイナーと言うスペシャリスト集団ならではで面白い。
中には、辞めて同業他社へ行ったヤツも居れば、独立して頑張っているヤツも居る。さらには、他部署へ配属されて数年後再会となった人、逆に、他部署に移動になった人等など。
同じプロダクトデザイナーとして入社しても、本当に人生いろいろだって感じがして、感慨深いものがある。これって、企業の雇われデザイナーならではの境遇なんでしょうね。
で、今日のメンバーは、入社当時からの腐れ縁。何かにつけては集まっては、あーだこーだ言い合った仲。とは言うものの、最近は、ほとんど集まることも無かったのですが、久しぶりに話してみても、なんだか昔と変わらない(笑) むしろ時間が止まったような気になって、安心できるような、(成長が無くて)不安のような・・・。
・人生の半分以上を会社に費やして、自分達は何を得たのか?
・世間様に対して行ったアウトプットは数々あれど、本当に正当な評価を得ているのか?
・これからの人生、これまで積み上げてきたものの上にちゃんと立てるのか?
・とかとか、
雇われデザイナーの25年を振り返り、これからのことに思案を巡らすのにぴったりの場所だったのが、
レストランかみくら@神楽坂。
昨今話題の神楽坂の、最も神楽坂らしいお忍び感覚溢れる裏路地に、古い旅館を改装したレストランが佇んでいる。木の引き戸を開け、靴を脱いでお店に上がると、2階の4畳半程の部屋にソファが置かれた、趣きのある個室に通された。
いや、別にそこまで忍びたい程内緒の話をするつもりは無いんだけど、ってゆーくらい、そこは忍べる場所でした^^;
そんな雰囲気ですから、恐らく客の回転率も最悪な店であることは、席に着いた瞬間から感じます。
我々も、7時に入店してから、昔、誰かの家で明け方まで話し込んだ時のように、だらだらと話を続けていて、お店の人に「間もなく閉店です」と言われる11時前まで居座った末、やっと重い腰を上げて帰宅したのでした。
食事のことにも一応(?)触れておきます。
頂いたのは、5000円のコース。「お箸で食すフレンチ」のコンセプトで供されるのは、懐石風フレンチのコースで、前菜から魚料理と肉料理まで6品、最後に稲庭うどんかお茶漬けで締めて、デザートとコーヒーまで付いてくると言う、お店の雰囲気も含めて考えれば抜群のコストパフォーマンス。
お味の方は、良く言えば、素材が引き立つ上品であっさりした京風仕立て。悪く言えば、何も印象に残らない感動の無い味。いや、不味くは無いですよ。
まあ、グルメを楽しむよりも、リーズナブルに忍ぶ方が優先されるとき(?)には充分使えるお店です。
と言うことで宴もお開きとなり、無名雇われデザイナーの人生でも、リーズナブルだけが取り柄の様な、何も印象に残らない感動の無いデザインだけはしたくないと思いながら、これからも頑張ろうと思い家路についたのでした。
(本当は、もらえる35万円のクーポンと、海外出張で貯めまくったマイルがあれば、どこへでも行けるので、後は、金は出すが休みは出さない会社の方針に逆らって、どうやってエスケープするか? その算段を練りに練りながら家路についたのでした)

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